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ながされて藍蘭島エロパロSS 『寝取られて』 第9話 1 南の縄張りにほど近い西の森の中に、ぽつねんと佇んだ板張りの廃屋があった。過去には誰かしら住み暮らしていたのだろう、杣小屋と呼ぶにはやや大きく造りもしっかりしている。だが今では至るところが傷んで変色し、周りには草花が雑然と伸び盛っていた。そうして緑に埋もれるままに、何ものにも囚われることなく、ひっそりと時に身を任せているようであった。 しかし、ここに注意深い観察者がいれば、戸口の土が踏み固められていることや、壁際の除草、薪割り場に積み上げられた新しい薪の山などに気付き、もしかしたら中で誰か暮らしているのではないか――と、怪しむだろう。 その考えは、半分当たっていた。 玄関まで近づくと、中から人の声と、なぜか鈴の音が聞こえてくる。声の方は、今にも絶息しそうな女の断末魔――いや、似ているが違う。 それは悲鳴ではなく、悦楽の潤いを帯びた媚声であった。 「あっ、ああっ、あん、あう、あうッ♥! あううんッ♥!」 板戸の閉めきられた暗い屋内。その中で仄白い影が揺れている――よく目を凝らして見れば、それは蒲団に寝そべった大男――ぱん太郎と、その股間の上に背を向けてまたがった女の組み合わせであった。どちらも一糸も纏わぬ姿のため、暗闇に生肌が白く浮かび上がっているのだ。 鈴の音の出元は女の首からであった。小気味好くリズムを刻むぱん太郎の腰の動きに合わせて女も夢中で下半身を揺らしていて、その二人の動きが彼女の喉下にある首輪に付いた大きな鈴をひっきりなしに鳴らしているのだ。 「――ふぁっ、あっ、あっ、ああッ♥!」 女の紅潮した顔は深い恍惚に包まれ、視線がほとんど定まっていない。ぱん太郎の逞しい巨魁をみっちりとその膣内いっぱいに咥え込み、美事な半円を描く双乳を揺らしながら秘肉の奥深くまで受け入れている。 村では見たことのない、肩にかかった白藤色の髪を右にサイドテールにした女であった。 娘というほどの若さには見えないが、たるみのない艶肌や崩れた箇所など一つもないからだの輪郭は、熟れきった年齢にも見えない。 いずれにせよなかなかの美人で、乳房も尻も申し分ない肉付きであり、それでいて腰の細さは身籠もった経験がないことを匂わせていた。 その充分にくびれた優美な曲線の背中と臀が淫らにくねり踊るのを、ぱん太郎は闇に慣れた眼で愉しんでいた。 しかし、それよりも目に付くものがあった。 女の尾骨辺りから二股に分かれた尻尾が生えていたのだ。形状は猫のそれであろうか。髪の毛と同じ色で、その先端は藤色に染まっていた。 それは胴体の動きとは別に、快楽の刺激に合わせてくねくねと揺らめき、飾り物でない立派な一器官であることを示していた。 ぱん太郎はその尻尾の様子を眺めるのが一番楽しく、女をあちらに向かせているようなものであった。 女の名はみゃーといった。今はこうして人間の姿をとっているが、本来はネコマタの妖怪である。 時折、ぱん太郎が尻尾を掴んで撫で擦ると、みゃーは動きを止めてゾクゾクとからだを震わせ、背をしならせ、官能に満ちた淫声を喉から漏らした。 「あっ、あっ……ああ~~~……♥」 子宮を押し上げるほど深く挿し込まれた淫棒があらゆる方位から蕩けるほど熱い柔肉で締め付けられ、ヌヂュヌヂュと嫐(なぶ)られる。 それだけでも気を緩めればすぐ逝ってしまいそうなほどの快感が陰部に走ったが、ぱん太郎は悠然と耐え、お返しとばかりに、尻尾を撫で続けながらもう片方の手をみゃーの股間に潜らせ、入口が途方もなく広がっているために剥き出しになった陰核を弄りつつ、彼女の奥の部屋を軽くノックするように小突き上げた。 「あっ、あっあっ、あひ、あひぃィィ♥!!」 さらに仰け反るみゃーのからだ。肉穴の内壁が先よりいっそう強く締まり、盛んにうねって淫棒を擦り上げる。 「ののん♥」 尻尾にまで硬直と痙攣が伝わり、みゃーが逝っていることを報せていた。 ぱん太郎はみゃーのからだを後ろに引き倒すと、自分の躰の上に重ねて抱き締めた。 「――ぁっ……ぁ……ぁはぁっ……♥」 たっぷり数十秒以上は痙攣を繰り返していただろうか。そうしてからようやくみゃーのからだから強張りが徐々に解けていった。 何分も経ってやっと息が落ち着いた頃に、ぱん太郎はその横顔に声をかけた。 「アイツとは最近やってるのん?」 「……え…………?」 と、みゃーは首をひねって横を向いた。とろんとした目つきで、口もとがだらしなくほころんでいる。絶頂の余韻に浸っていたようだが、ぱん太郎が発した言葉の意味を理解したようで、その笑みが消えた。 「……一回も…………」 視線を落とし、どこか寂しげな顔でそう言うみゃー。 「えー。ボクとはこんなにイッパイしてるのに。夫婦ではゼンゼンだなんて、おかしい話のん」 「だ、だって……猫のオスのアレはトゲがあって痛いんだよ? それにこういうコト自体、発情期以外あんまりしないし……」 「人化してやればいいのん」 「い、今までそんなのしたコトないのに……やってくれないよ……疑われちゃう……」みゃーの目に翳(かげ)が差す。「あの人とは……いちゃいちゃしてるだけで、満足……かな…………」 「それはそれでいい関係かもしれないけど、アッチからキミを慰めてきてくれたりはしないの?」 「……くれない……かも…………」 みゃーは暗く呟いた。 でも、と、彼女は心の中で付け加える。 そう思ってしまうのは、彼ではなく、私が変わったから……。 彼女の夫はどちらかと言うと性欲のある方ではなく、夫婦の営みをあからさまに求めてきたことはなかった。仲良き事は美しき哉、陽気に遊び暮らすことが何より好きな性格なのだ。 夫の名はしまとらといい、南の森のぬしであった。妖術から格闘術まで多芸な才能の持ち主で、本気になれば底知れぬ妖気を発する妖怪だが、普段はまったくそんな素振りも見せぬ森の人気者であった。 (そんな彼を好きになったのが私自身だし、彼と釣り合おうと努力して、やっと隣の座を得たのに……) 夫といちゃいちゃするふたりっきりの時間は私だって好き――とみゃーは思う。しかし最近では、それだけでは物足りない気持ちが日増しに強くなっている。 このからだを抱いて欲しい。してほしい。一緒に気持ち良くなりたい……。 けど、いきなりそんな今までと違う自分を見せたら、彼は怪しむのではないか――と、言い出せないでいる。 その結果、溜まる一方の欲求不満が、ついついぱん太郎の元へ足を運ばせてしまうのだ。 みゃーは食べ歩きを趣味としているため、数日ぐらい妻の姿が見えなくともしまとらは疑いもしない。 わかっている。裏切っていることを。 でも、どうして――こんな風になってしまったんだろう―― 物思いに耽るみゃーの内ももを、ぱん太郎がピシャリと叩いた。 「にゃあっ!?」 「ボクのチンポを咥え込んだまま考え込めるなんて器用のん♪」 「あ……」 お腹の奥まで打ち込まれた灼熱の塊を忘れたわけではなかった。こんなに熱く存在感を放つ気持ちいいモノを、忘れられるわけがない……。 ダメなはずなのに。イケナイはずなのに……。 「さ、再開のん♥ ボクはまだちっともイッてないんだから」 そう言うと、ぱん太郎はみゃーを上に乗せたままで両太ももを掌で押さえ、再び小突き上げ始めた。 ぱん太郎のエラ張った雁首と巨根は、ひと突き目からアクメの余韻に疼く女肉をたっぷりと巻き込み、即座にみゃーの腰から力を奪う。 「うう、あァッ♥! い、今イッたばかりなのにぃっ……♥」 たまらずにそう叫んだみゃーだったが、その声音は淫らな響きに満ち、からだは甘くわななくばかりであった。 二人の腰の動きは、すぐに先ほどのようなリズミカルな軌道に乗る。 深く、浅く、擦り回すようにと多彩な動きを見せる肉棒。みゃーの手首より太いのにも関わらず、それは驚くほどスムーズに出入りを繰り返していた。 「あっ♥ あっ♥ あっ♥ あっ♥」 みゃーの顔が忘我の表情を取り戻すまで、そう時間はかからなかった。 「のふふ♥ またイキたかったら、後は自分で動くのん」 ぱん太郎はみゃーと共に上体を起こすと自分の両脚を開き、その中に彼女の手足を収めさせるように四つん這いにさせた。 「ああぁ……♥」 みゃーは被虐的な表情を浮かべ、ぱん太郎の脚の間にお座りの姿勢になると、腰を突き出して前後左右にくねらせ始めた。 ぐちゅん、ぐちゅっ、ずちゅ、ずちゅ…… 風雨に鍛えられた岩山を削って作られたような雄々しい肉の尖塔が、ぐちゃぐちゃに柔らかくなった女の肉孔に突き立てられたまま、ぬらぬらとした淫液に濡れて出入りを繰り返す。みゃーがどれだけ腰を高く上げようが、まったく抜け出る様子がない。 「はう、うぅん、あはぁん♥」 卑猥な水音と女の嬌声が、暗い室内に絶え間なく残響した。 みゃーはメスのケダモノと化した自分を抑えきれなくなったように、堕落しきった甘い声で鳴き、尻尾をくねくねと回しながら、いやらしい腰振りでぱん太郎の肉棒を擦り上げ、締め付け、最奥まで迎え入れては全身をたまらない悦惑で震わす。 太く、固く、長く反り返ったぱん太郎のオス肉は、膣内のどこまでも行き届き、ひと突きごとにみゃーの四肢を痺れさせるほどの快楽を与えるのだ。 「まるでメス犬、いやメス猫のん。って、そのままのん。ボクのチンポそんなにイイのん?」 無我夢中で腰を振るみゃーに、ぱん太郎は嘲笑めいた笑みを顔に浮かべながらそう問いかけた。 「イイッ、イイのおっ♥! とってもイイのおっ♥!」腰を止めることなく叫ぶみゃー。涎がとぶ。「こ、こんなに気持ちイイおチンポ……♥! 他にゼッタイ無いよう……♥!」 言っていることが嘘ではない証拠に、みゃーの内壁は濡れに濡れてうねりまくり、溶けるほどに熱く、抽送の度に愛液を激しくしぶかせながら、ぱん太郎の極太肉棒をこれでもかというぐらい搾り上げていた。 「そんなこと言って、キミは二人しか経験ないんじゃ? ボクと南のぬしの」 「そ、そうだけど……ゼッタイそう……ああ♥!」 腰を落とし込んで肉棒を根元まで咥え込み、尻を円を描くようにぐりぐりと回すと、みゃーはさらに涎をまきちらしながら白い喉を晒し、ひときわ高い嬌声を上げた。 「のふふ、キミのマンコも、もうすっかりボクのチンポに馴染んじゃったね。もうアイツの粗チンじゃ満足できないんじゃないの? ああ、人間の姿じゃやらないんだったね」 「あっ、あっ……あ、アナタのおちんちんが……おかしいのよぉ……♥」 みゃーはそう言いながら円運動を何度も繰り返し、下半身が溶けてしまいそうな甘い淫撃に二股の尻尾を妖しく踊らせる。 「だめぇ、止まらない……もう止まらないのぉ……♥」 みゃーの嬌態に気をよくしたように鼻を鳴らしたぱん太郎は、二度、三度と膣奥を突き上げる。 「あ、あっ、あああっ♥」 「このエロマンコめ、そんなにボクのチンポが美味しいのん? しまとらじゃなくて、このぱん太郎様の赤ちゃんを孕ませてやろうか。南のぬしのオンナが、東のぬしであるボクの子を身籠もるなんてケッサクのん♪」 「ああん、だめぇ、だめぇ、孕ませないでぇ♥」みゃーはいやいやと首を振ったが、からだを離して肉棒を抜くことはなかった。 「そんなコト言っても、もう何遍この子宮にボクの精子を注ぎ込まれたっけ?」と、さらに奥を小突くぱん太郎。子宮もうねっている。「人間のままでいたら、今頃キミの子宮はボクの精液だらけで、とっくに授精しててもおかしくないのん♥」 「あなたの子を孕んじゃったら、だーりんにバレちゃうよお…………♥」 「アイツとの子供がまだなら、ボクとの赤ちゃんを作るのん♥」 「いやああ……♥」 「さっさと子供作らないと、ボクが代わりに種付けしちゃうよ♥」 「だめぇー♥」 甘い媚声を放ちながらみゃーは首を振り、尻を揺らした。 その態度が会話の内容ほど深刻そうでないのは、変身を解けば大丈夫だと分かっているからだ。人と交わった後も化けたままでいると、妖怪でも人の子を孕む。半人半妖はそのようにして生まれる。だが、行為の後で元の姿に戻りさえすれば身籠もることはなかった。何故と問われても、そうだから、としか答えられない。 孕む不安がないみゃーは、口では嫌々言いながらもぱん太郎の射精を生で存分に子宮で受け止めていたのだ。一晩かけて膣内をたぷたぷにされたこともあった。ただ、妊娠しないからぱん太郎の中出しを気にしない、というわけではなかった。 膣内射精されるのが──精液の噴射を膣奥に叩きつけられるのがどうやら癖になってしまったらしく、交合もクライマックスを迎えると、ぱん太郎の精液が中に欲しくてたまらなくなってしまうのだ。 ぱん太郎もそれを知った上で遊んでいた。どんな女でもぱん太郎とのセックスを重ねるにつれ、彼の途方もない量と勢いの射精を胎奥に浴びてイクことを覚え、中出しをねだるようになっていく。 島でも屈指の実力があるしまとらを怒らせると本気で殺されかねない。その女房を孕ませたと知れた日には、命がいくつあっても足りないだろう。そう思う分別はあった。 しかし、頭ではそう分かってはいても――こうして実際に彼の妻を抱くことにまんまと成功し、そのメス穴に己が欲棒を存分に突き入れているのはまぎれもない事実なのである。最初はまったく使い込まれていない生娘のような初々しい肉壺であった。 (本当に孕ませてみたいもののん……♥) 青リボンの少女、あるいはあの小僧に恋していた村娘全て。彼女たちのように、『孕ますこと前提で寝取る』という誘惑に耐えるのは、なかなか難しいものがある。 ぱん太郎は昴奮を隠せない荒い鼻息を吹くと、「そろそろ出すのん♥」と、みゃーの腰を掴み引き倒して再び四つんばいにさせ、バックの体勢に移った。そして深く激しい抽送を始める。 グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ! 「あッ、ああッ、あッ、ああッ♥♥!!」 それがラストスパートとわかったみゃーも、半開きになった口から舌を覗かせながら全身を震わせ、甲高い喘ぎ声を振りまく。もういつでも準備が整っていた淫肉が悦びに沸き立ち、より昂ぶった剛茎に絡みついて締め付けた。膨らんだ膣奥が今か今かとオスの体液の到来を待ちかねている。 だが。 突然、ぱん太郎は動きを緩めたかと思うと、ぴたと止まってしまった。 「あうぅ……?」 不思議そうにからだを曲げ、上を見る女。その視線には、早く動いて――という要求も含まれている。 「欲しいのん?」 「え……? ……え、ええ…………」 意地悪い問いかけに、みゃーは赤くなって視線を逸らしたが、はっきりと頷いた。 「じゃあ言うのん。キミはもう完全にボクのチンポ奴隷だって。南のぬしの妻でありながら、東のぬしであるボクに種付けられて悦ぶイケナイ女だって」 「そんな……ああっ♥!」 みゃーの非難めいた口調は、最後、淫声に変わった。ぱん太郎が抽送を再開したのだ。 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ! みゃーの下半身は正直だった。突きこねられまくった媚肉はどろどろの底なし沼と化し、ぱん太郎の肉棒をどこまでも迎え、理性を崩し流す淫悦の大波を送ってくる。それに加えて、噎せかえるほどの男臭さ。獣のような体臭、肉棒の匂い、特濃の精液――ぱん太郎の匂いはどれも気がおかしくなりそうなほど鼻につくものだったが、それに慣れてくると、なぜかもっともっと嗅ぎたくなってくるのだ。匂いに呼び覚まされた女の本能が、この男に抱かれることを理屈ではない領域で正当化し、理性の判断力を狂わせてしまう。 「この時間だけのん。この時間だけキミはボクのオンナになるのん」 「こ、この時間だけぇ……♥?」 「そうのん、お遊びお遊び♪ さ、言うのん」 ぱん太郎はまた腰を休ませた。 「は、はぁい……みゃ、みゃーは、あなたの……あ♥ ……ぱん太郎様の、ち、チンポの、奴隷です……♥」 みゃーの言葉の途中から、ぱん太郎はゆっくりと動いてゆく。 「もっと言うのん」 「あ、あ……♥! だ、だーりんの妻なのに……ぱん太郎様の赤ちゃんの素を、今から……注がれますぅ……♥!」 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ! 「ああッ、あああッ♥! みゃ、みゃーはヘンタイ女なのッ♥! だーりん以外の男のチンポで悦ぶいけない女なのッ♥!!」 「だーりんよりボクのチンポが欲しいんだよね? 間男のせーえきが欲しいんだよね?」 パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ! 「あッ、あッ、あッ、あッ♥! う、うんッ♥! 欲しいのおッ♥! だーりんよりぶっといぱん太郎様のチンポ欲しいッ♥! ぱん太郎様のスゴイ射精、オマンコの中でして欲しいのッ♥! だーりんなんかとは比べものにならないのぉッ♥! もっと、もっとぱん太郎様のチンポちょうだあい♥♥!!!!」 次第に速くなっていった律動は、もはやなりふり構わぬ激しい抽送になった。ぱん太郎の巨体に突き押され、みゃーのからだがずるずると前に進む。 「ああッ♥! ああッ♥! ああンッ♥! ああああンッッ♥!!」 「出すのん、せーし出すのん♥! 夫以外のチンポで悦ぶ人妻エロマンコに、ボクの精子どぷどぷ出して孕ますのんッ♥!」 みゃーは本気で乱れていた。脚を大きく拡げ、泣き叫びながらぱん太郎の激しい突き入れをどこまでも悦んで受け止める。みゃーの表情は陶酔と肉淫にまみれ、寄り添う伴侶がいるとは思えないほどの痴態を晒していた。 「のの――ん――ッ!!」 三度止まる。 みゃーを押し潰すように下半身を密着させたまま、ぱん太郎の躰が膨らんだように見えた。 「あっ……♥! あああああっ……♥!! あ、あつういいいいぃぃ…………♥♥!!」 ドクドクッドクッドクドクドクッ! ドビューーーッッ!! ドビューーーッッ!! ドクン、ドクン、ドクン、ドクン!! みゃーの喉がひっきりなしに甘く震える。 爪を立てた指が古びた木綿蒲団を引き裂きながら握りしめられる。 夫以外の精液が、ものすごく濃い精子が、途方もない勢いで胎内に流し込まれてゆく感触……! 鉄のように固い肉茎が弾む度に噴き出される精液が奥に当たり、膣内に広がっていくのがわかる。びゅくびゅくと生々しく聞き取れるほどの、度外れて力強い噴射。まるで煮立った熱々のでんぷん汁を流し込まれているかのような感覚。だがこれはそんな生やさしいものではない、新しい生命が生まれてしまうかもしれない性水なのだ。 結合部からゴポゴポと粘性の高い白濁が溢れ、内股に伝うだけでなく、次から次へと塊状で真下に垂れ落ちてゆく。 元の姿に戻れば害は無くなるとわかっていても、この瞬間だけは、言い得ぬ罪悪感に打ちのめされずにはいられなかった。 夫婦の誓いを交わした男以外の精子を子宮に受け入れている。 しかし、その罪悪感は暗澹と沈んだものではない。証拠は作られないという安心に緩んだ隙間から潜り込み、内部を浸食しつつある抗いきれない澱んだ快楽。その高揚とした悦感に彩られた淫靡な背徳の匂いであった。 (だーりいぃん……♥!) みゃーは今も昔と変わらぬ恋慕を持ち続けている運命の相手に心の中で謝りながらも、同時に、肉慾の高みに乱れ咲く自分を抑えきれなかった。喜悦の涙がとめどなくこぼれる。体内を暴れる淫気に熱されたように、からだとこころが勝手にどこまでも光の草原を翔ぶように疾駆してしまうのだ。 ぱん太郎の野放図なほど滾(たぎ)りまくった肉塊の震え、射精は収まりを見せない。理性を喪ってしまうぐらい気持ち良く狂わされ、その長大な巨岩で膣内をみちみちと支配された上に、孕ませる意志に満ちた射精を子宮に密着されながら受けてしまっては、操の強気など保ち続けられようもなかった。すべてが、何もかもがガラガラと突き崩され、精神(こころ)まで侵された気分で、弱々しく白旗を揚げるしかない。ぱん太郎の肉棒と射精の心地よさにただただ屈服するだけであった。 そして、それが、何もかもどうでもよくなってしまうほど気持ち良いのだ―― 「あ…………あ…………ァ…………ッッ♥♥!!」 焦点の合わない視線を中空に彷徨わせながら、陶然とした笑みをこぼすみゃー。 ぱん太郎も、この瞬間だけは一切の我慢がなかった。とにかく目の前の女の子宮に己が精子を注入する。孕ませる。己が体液を、子種を、女のからだの奥に染み込ませる――。それしか考えられなかった。 最後のひと噴きが終わっても、なお、ぱん太郎はみゃーの背中に覆い被さり、後ろからその乳房をこねくり回しながら、いまだ蠕動している媚肉の感触とともに、南のぬしの妻の子袋に己が精液が満たされてゆくのを、いつまでも愉しんでいた――。 2 時は遡り、新しい屋敷が建てられ始めるより一ヶ月ほど前のこと。 みゃーには美食巡りの癖があって、よく島の各地に行ってはそこの食材を壊滅的に平らげているのだが、ある日、山芋のトロロ飯にスッポンダシの鍋、マムシ焼酎などたらふく舌鼓を打った結果、躰が火照り妙な気分になってしまった。 人間体になるとそういう気分が季節問わず起こるので困惑するところでもあるが、猫のときより量が入るしボディラインも変わらないので、つい変化して大食してしまうのだ。 しかし満腹のまま術を解くと腹が苦しくて動けない状態になってしまうので、食後はしばらく元の姿に戻れない。 ならばそもそもそんな精の付く料理ばかりを食べ合わせるなという話だが、彼女の友人であるスッポンの高マルとマムシの三太夫の躰を張った歓待を、どうして断れようか。 彼らは荒くれ者の集う北の森の住人の例に漏れず血気盛んで、多少は汗抜きでもした方が頭がスッキリしていいじゃねえかと、年に数回、みゃー発案の熱湯風呂や酒風呂を堪能する。みゃーは宴会の準備と称してすぐそばに鍋やら野菜やら調理器具やらを並べ、どこか野性的な眼差しでそれを見つめるのだ。一期一会のご馳走を袖にするなど、彼女には到底できない相談であった。 でも、次は食べる量だけは控えよう、と思った。 それにしても、と、みゃーは少し寂しい気持ちになる。北の地からは南の森は遠く、最愛のだーりんと慕う旦那とはすぐに会えない。こういう時はひとりフラフラと気ままに遠出をしてしまう自分を呪ってしまう。 詮もなしにみゃーは人間の姿のまま帰路を急いだが、西に入ったところで本格的に発情にも似たモヤモヤ気分に胸が苦しくなり、薬かお茶でも貰ってひと休みしようと、進路を変えて最初に視界に入った人家に向かった。 その中途の野原で、二つの人影が対峙しているのを見かけた。 なんとなく習性でパッと草むらに身を伏せてしまう。 (あれは……) 一人は恰幅のいい大男――人間の姿であったが、すぐにそれがぱん太郎だとみゃーはすぐに分かった。噂は充分耳にしていたからである。 もう一人は、剣士然とした格好の年頃の娘であった。涼しげな顔立ちでシャンと背すじを伸ばし、木刀を構える姿が凛々しく目に映った。 「あっちは――」 どこかで見た感じがすると思ったら、以前、亭主に勝負を挑んだ少女だと気付いた。 少女は南のぬしであるしまとらにあっさり負けるとその強さに敬服し、修行をつけて欲しいと頭を下げてきたまではよかったが、その日から何日にも渡ってしつこく相手をさせられたものだから、さすがに疲れたしまとらは、行人のことをそれとなく切り出して凄腕の剣士と吹聴し興味を持たせ、やっとこさこの娘から解放されたのだ。 名は――しのぶと言っただろうか。 「さあ、また勝負を所望するでござる!」 しのぶが気合いを籠めた声でそう言うと、ぱん太郎はぽりぽりと頬を掻いた。 こちらは至ってのほほんとした雰囲気である。 「ボク、今、そういう荒事はできるだけ控えてるのん」 「な、なんと。なにゆえでござるか、東のぬし殿」少し驚いた風に、しのぶは構えを解いた。「以前、貴殿に再び修行をつけてもらった時は、かなりしごかれた憶えがあるが……」 「あー……あの時はこっちに出入り禁止の最中でヨメの目も光ってたし……。やりたくても出来なかったから、半ば鬱憤晴らしに相手したのん……」 「?」 剣士娘は言葉の意味が分からなかったらしく、首を傾げた。 「こっちの話のん。それより、修行と言うなら、アッチの稽古しないのん?」 「アッチ?」 今度は反対側に首を傾げるしのぶ。 「そうの。見たところキミもお年頃。わからないのん?」 ぬふふと笑うぱん太郎。 「いや、アッチと言われてもさっぱりだが……」 「そうなんだ」 ぱん太郎はのしのしと少女に近付くと、その腰に腕を回して抱き寄せた。 「??」ますます怪訝そうに眉根を寄せるしのぶ。「な、なんでござるか?」 「のふふ」 ぱん太郎は目を細めると、しのぶの胸に手を伸ばした。 「あっ……!?」 厚い生地で作られた稽古着の上からでもしっかりとした触りごたえがある、豊かに突き出たしのぶの乳房であった。 撫で回されるように触られると、「あっ」と、しのぶはまた声を出してしまった。 窮屈という理由で晒しを巻いておらず、ぱん太郎の頭の高さからだと柔らかそうに膨らんだ双乳が乳首まで覗けた。 「ぬふふ、眼福のん♥」 「な、なにを……?」 「アッチのこと知らないクセに、やけに柔らかくて好い感度のん♪」 「そ、それは……自分でもよくわからんのだが、胸は弱いんでござるよ……。それで師匠にも負けてしまったでござる」 「なるほどのん。じゃあその弱点を克服するためにも、なおさら“アッチ”で胸を鍛えた方がいいのん」 「そんなことが可能でござるか?」 しのぶは目を輝かせてぱん太郎を見上げた。 「モチロンのん。ただ、キミはその方面にだいぶ疎そうだから、その分、じっくりと時間をかける必要があるけどね…………♥」 「どのぐらいかかるものでござるか?」 ぱん太郎は即答せず、少しの間黙ってしのぶを眺め回していたが、すぐにニンマリとした笑みを浮かべ直した。 「……一朝一夕にはできないのん。でも、どこか誰にも邪魔されない場所で何日か集中的に特訓すれば、多少は変われるかもしれないの。――いや、ボクが変えてあげるのん」 「むむ……そうすると……あ!」 しのぶは思いついたようだった。 「うってつけの場所があるでござるよ」 「じゃあ、そこ行ってやるのん」 「では案内するでござる。さあこちらへ」 と、しのぶとぱん太郎は連れ添って歩き始めた。 二人が歩き去って距離が空くと、みゃーは隠れていた草陰から立ち上がった。 「な、なんか妙な展開になったわね……。 ……まさか東のぬし……あの娘を食べちゃうつもりじゃ……」 ……言わずともそうだろう。 どうしよう、とみゃーは迷った。 南のぬしという立場である夫は、何か言いたそうだったが、この『西の一件』はあくまで人間の村の問題であると距離を置いていた。それがぬしの立場としての見解であるらしい。 男性が長年不在で存亡の危機を抱えていた村では、今、ぱん太郎を中心に子作りに励んでいる……のだそうだ。 だとしたら、それを妨害するかもしれない行為は、村にとって迷惑そのものである。二の足を踏む。 ――だが、それだけが迷いの素ではなかった。 ごくり、とみゃーの喉が鳴った。 みゃーとしまとらは仲睦まじい夫婦であったが、しまとらが性格的に色恋より面白楽しく過ごすことを好む傾向があってか、夫婦の営みはそれほど盛んではなく、子宝にもまだ恵まれてはいなかった。 惚れて一緒になった旦那だから、不満があるわけではない。結婚していてもまだ恋人気分でいられるのだから悪い気はしなかった。愛の結晶が欲しくないわけではないが、子供は天からの授かり物ともいうし、焦る気持ちはなかった。 それとは関係なく、他人の性行為を覗き見できるかもしれないという機会に、ついイケナイ誘惑を抱いてしまったのだ。 躰が熱いせいだろうか……。 ぱん太郎の女無双ぶりは近頃あちこちで有名になっていた。次から次へと女を孕ませているだけでなく、アッチの評価も凄いらしい。幾人もの女を虜にしてハーレムを作っているなどと、まことしやかに囁かれているのだ。ぱん太郎に抱かれた女は、骨抜きになるほどの快楽に、もう離れられなくなってしまうとか……。 そういう噂が本当かどうか確かめてみたい。 そんな考えが頭をもたげていた。 一度気にしてしまうと、その好奇心が堪え難くなるのはネコの性かもしれない。 (ちょっと覗くだけ――) そう思うと、心なしか躍動的な足取りで、みゃーは二人の後を追っていった。 途中、 (……そういえば、だいぶだーりんとしてないな…………) と、ふとそんなことを考えながら。 しのぶは森に入り込み、何やらあちこちと複雑な道ならぬ道を取った。 太陽が沈みかけた頃、近くに小川が流れる粗末な家屋にようやく辿り着いた。 目的地を他人任せで所要時間もわからずに漫然と歩くと案外疲れるもので、ぱん太郎、それに二人の後ろをコッソリ尾けてきたみゃーも、やっと着いたかという顔で吐息をついたが、 「むう、ここはどこでござるか」 などと言ってしのぶが心当たりがないような目で家屋を一瞥し辺りを見回すものだから、ぱん太郎が盛大にずっこけた。みゃーも危うく音を立てるところだった。 「ココじゃないのん!?」 「浜小屋がある美しい入り江を目指していたのでござるが……はてさて、海でなく川に来てしまうとは面妖な。おかしな話でござる」 「いやいや。おかしいのはキミだから。てか迷ってたなら迷ったって言ってのん」 「仕方ないでござる、今日はもう陽が落ちるしここで宿を借りるでござる」 「ヒトの話を聞いてないのん……」 ぱん太郎は呆れ顔で家屋を眺め渡した。 よく見てみれば人が住んでいた形跡はあるが、かなり昔にうち捨てられたような廃屋であった。粗末に感じたわけが分かった。 中は土間と居間に分かれ、囲炉裏のある板間の奧に寝所であろう畳敷きの空間と押入があった。畳は荒れ放題、ふすまも黄色く変色し、至るところに埃が積もっていた。どこもかしこもボロボロだった。 それでも炊事場や囲炉裏は何とか使える状態で、押入の中には古びた寝具さえしまわれてあった。 「おそらく、十年以上前からの空き家でござるな……」 「わかるのん?」 「ん……その頃、一気に村の人口が減った事件があったでござるからな。実家に戻った者もあると聞く……」 剣士娘の口はそれで閉じてしまった。 ぽつねんと台所の隅に置かれてあった古桶で川から水を汲んでくると簡単に掃除をし、それからしのぶは薪集め、ぱん太郎が熊よろしく手業で川魚を獲ってきて、囲炉裏に火を熾しての夕食となった。 みゃーは家が空いた隙を狙って中に忍び込み、吹き抜けの天井の梁に登って二人の様子を見下ろしていたが、昼間あれだけ食べたおかげでまだ腹は減ってないのにも関わらず、焼き魚の香ばしい匂いについ涎が湧いてしまった。 (うう、美味しそう……) 食べ終わると、しのぶは無邪気な笑顔でぱん太郎に訊ねた。 「今日はもう暗くなってしまったし、修行は明日からでござるかな?」 ぱん太郎は取り置いていた魚を手絞りで汁を採り、埃をかぶっていた置行灯の皿に油分を溜めていたが、 「いや、むしろ好都合のん。今からやるのん」 「えっ?」 ぱん太郎は手拭いで手を拭くと腰を上げ、押入から蒲団をあるだけ出して埃をはたき、奥に敷き詰めた。行灯にも火を点して枕元に置くと、出来上がった褥の上でしのぶに手招きをした。 3 不思議そうな顔でぱん太郎の前まで来て正座する剣士娘。 「フトンなど敷いて何をするでござるか……?」 「胸の修行をするんだから、胸を弄くるに決まってるの」 「なるほど……」 そう言いながらもあまり飲み込めてない顔つきのしのぶだった。 「でもその前に、改めて尋ねるのん。この稽古は慣れるまでは痛みが伴うかもしれないし、もしかしたら失神しちゃうこともあるかもしれないの。それでもやる意志はあるのん?」 「し、失神……!? それほど過酷なのでござるか?」 「過酷じゃないけど、いや……ある意味過酷かな? でも、キミが想像するようなのとは違うのん。今まで知りもしなかった修行方法のん」 しのぶは気圧されたようにごくりと唾を飲み込んだが、 「や、やるでござる!」 と、眦(まなじり)を決して答えた。 「わかったのん」 ぱん太郎は口端を歪めると、しのぶに上半身裸になるよう指示した。 剣士娘は素直に頷き、ためらわずにその場で諸肌脱ぎとなった。 灯りに照らし出された少女の上体は、まずはその乳房に目がいってしまう。 胴のまるまる半分を占有する美事な二つの釣り鐘。 自らの重さをまるで気にすることなく上向きに突き出た円錐は、それでいて存在感を出し過ぎる巨(おお)きさということもなく、色つやも申し分ない。武芸を好むだけあって躰をよく動かしているのだろう。しなやかな体格や姿勢の良さとも相まって、一種の品を漂わせた気風すら感じられた。その主張し過ぎぬ主張ぶりは、ぱん太郎もしばらく言葉もなく見とれてしまうほかなかった。 「のの、たまらないオッパイのん♥」 ぱん太郎の手が伸び、むにむにと片方を揉みしだく。弾力があって、なおかつ指が沈んでゆくほどの柔らかさ。いつまでも揉んでいたくなる魅惑の感触であった。 「んんっ……!」 しのぶは思わずしかめ面になった。乳房はどうしても敏感に反応してしまう。力加減の違いだろうか。自分で触れても大して感じはしないのだが、他者に触られると何故か躰から力が抜けてしまうのだ。 その堪え忍んでいる表情を眺めて、ぱん太郎は愉しそうに目を細めた。 この娘のことはよく知らなかったが、つり目で勝ち気そうな目鼻立ちといい、女だてらに武器を振り回していることといい、性格もきついものかとぱん太郎は想像していた。 だが実際に接してみると、その辺の村娘と変わらずあけすけで純粋、疑いを知らない様は脳天気すぎるほどではないか。 そして脱げと言われて躊躇することなく男の前で衣服を脱ぐ、性に関しての無知ぶり。 ぱん太郎はすずを思い出した。性の疎さは同じぐらいであろうか。 青リボンの少女――すずは何度となく抱いているうちに足の裏が弱いことを知った。昴奮状態で足の裏を撫でたり舐めたりしながら陰部を弄ると、喘ぎ声が一段と艶めかしくなり、アソコがすぐびしょびしょになって逝きやすくなるのだ。 この娘の乳に対する反応は、あの少女の弱点を発見した時よりハッキリしていた。 (随分イイところに性感帯があるのん♥) そして―― 「ちょっと訊くけど、『師匠』って、もしかしてあの男のこと?」 ぱん太郎はしのぶの乳房をいやらしい指遣いで揉み続けながらそう質問した。 ここに来るまでに何度も少女の口端に登った単語であった。 「えっと、確か、イクト? とかいう」 「んっ……そ、そうでござる……。東方院行人……我が剣の師と……あっ……定めたお方で……ござる……!」 「トーホーイン、イクト……」 やはり、とぱん太郎は笑みを浮かべた。 どちらも似たような棒を得物に使っているから、もしやとは思っていた。この娘は梅梅が描いた似顔絵の一人であるし、師弟の関係でもあるならあの小僧と親密な仲でないはずがない。 「キミの名前は何ていったっけ?」 「あ……し、しのぶでござる……んん……!」 「年は?」 「じゅ、十五……ん……!」 (後で梅梅ちゃんにこのコのことを詳しく聞いてみるのん) ぱん太郎は手を引っ込めた。 やっと解放され、肩で息をつくしのぶ。頬が真っ赤に染まり、その豊かな胸が大きく上下する。 まだ色気などない小娘とぱん太郎は思っていたが、悦が射し瞼伏せるその双眸は存外艶めかしかった。 「はぁ……はぁ……お、おかしいでござる……。今までにないほどの心地……。ぱん太郎殿の手はどうなってるでござるか……?」 それには答えず、ぱん太郎はしのぶの腕を引いてそのからだを背中側から抱き取ると、今度は後ろから少女の乳房に手を回した。 「ああっ……!?」 小さな悲鳴が上がったが、乳撫が再び始まるとそのからだは小刻みに震え、息が騰がり、へなへなとぱん太郎にもたれてゆく。 「あ……あ……ん、んん……♥ へ、変な感じでござる……ん……! いつもなら、くすぐったいだけなのに…………これは……あっ♥ こ……これが修行……?」 「そうなの。刺激に弱いんだったら、その刺激に慣れるのが一番のん」 「た、確かに……だが……んん……!」 しのぶは背すじをわななかせた。 「こ、これは堪らないでござる……」 少女のうなじから甘い体臭が立ち昇ってくる。そういえば、かなり歩いて汗もかいたが、躰を拭いてもいないのに気付いた。だが、若い娘と汗だくになりながら交わるのは、たまらなく昴奮するものである。 (ああ、いいニオイのん……♥) お椀を作って合わせると深底の甕のようになるぱん太郎の広い掌でも、肉がこぼれ落ちるしのぶの豊乳。ぱん太郎の手が包み込めない乳は、母親世代でもそうはいなかった。 肌理の整った白い柔肉が太い指によって撫でられ、伸ばされ、こねられる。 ぱん太郎の指の動きは、しのぶの反応を見て着実に彼女が感じる愛撫の仕方を憶えていく。 そうして十分に乳肉を嬲ると、その指が初めて鐘の頂に触れた。 親指と人差し指で挟みくにくにと弄られ、 「ああンッ!」 しのぶは思わず仰け反って声を上げた。 「こ、これは……!」 「気持ちイイでしょ? このオッパイ弄りにただ堪えるだけ。こんな楽なシュギョーもないのん。それともイヤな気持ちのん?」 「そ、それは……」弛緩したように目を瞑るしのぶ。「……い、嫌ではござらんが…………」 「なら続けるのん♪ シュギョーはいつだってニンタイが必要のん♪」 ぱん太郎は楽しげにそう言うと、しのぶの双乳を下から持ち上げてたぷたぷと揺らした。 「巨乳の上に美乳とは反則のん♪」 村には男好きのする美人がどれだけいるのだろう。嬉しい事実だし、人間に化けて選美眼を持ち合わせるようになって良かったとぱん太郎はつくづく思う。 この剣術少女ももう間もなく、自慢の肉根でズポズポされながら喘ぎ声を上げ、その膣奥にたっぷりと精液を注がれる感触を味わせてやれる。そう思うと、今から楽しみでならなかった。 しのぶを褥に寝かせると、つきたてのもちのように柔らかく広がった乳房に舌を這わせ始めた。 「あっ……あっ……♥! そ、そこ……!」 口か指が乳首に巡ってくる度に、しのぶはその刺激から逃れるようにからだを捻ったり仰け反ったりと悶えた態を見せる。 なだらかな丘陵に浮き出た汗。ぱん太郎はその甘い露も舐め取ってゆき、馥郁(ふくいく)たる美少女の味に舌鼓を打つ。 「おかしくなっちゃいそう?」 しのぶは目尻に雫を溜め、何度も首をたてに振った。 「ぱん太郎殿の指も舌も、ザラザラとしていて……! せ、背すじがゾワゾワしてしまうでござる……!」 「のふふ。痛かったら教えてね、加減するから」 乳辱が重ねられてゆくにつれ、虚ろになってゆく瞳と真逆に、少女の声に含まれる悦感が次第に湿りを帯びていく。 梁の柱の陰から見下ろしていたみゃーは、 (なるほどねえ……) と、微かな吐息をつきながら心の中で呟いた。 こんな男より遙かに見栄えの好い少年がいるというのに、女たちがぱん太郎に視線を注ぐというのは、うぶな娘らをこのようにして落としているからなのか。 (何も知らないのをいいことに、騙してるようなものじゃない) しかし――だからといって、今ここで介入したら、後でどんな面倒事になるか。 当事者でもない自分が邪魔をするのはためらいがあった。 この少女の貞操の危機なのは分かっている。けれども―― (だーりんが静観するって言ってるのを無視するわけにもいかないよね…………) それに……と、みゃーは自分の両肩を抱いた。 昼のご馳走のせいだろう、体内の熱気がまだ収まっていなかった。 ぱん太郎の指技口技はいかにも手慣れていていやらしく、ずっと見ていると、いつの間にか自分がまさぐられているかのように皮膚がざわつき、からだの奧が疼くのを感じてしまう。 少なくとも、みゃーはあそこまで念入りかつ細やかに愛撫されたことはなかった。猫の交尾など短いものである。 (やっぱり違うものなのねえ……) 他人の行為を覗くのはドキドキしてしまう──。 いつしかしのぶはほころぶ花のように開いた唇から甘い吐息をつき、うっとりと目を瞑ってぱん太郎の乳撫を感じていた。 「あ……ん……んん! ……んん……♥」 めくれ上がった裾から白い太ももがのぞくのも気付かず、そのなめらかな両脚は頻繁に動いてさらに袴を乱す。 「服が皺だらけになるのん」 ぱん太郎はそう言ってしのぶの帯を解いてしまい、それによってはだけた稽古着も脱がしてしまった。 下着一枚だけになったしのぶをじっくりと眺め下ろす。 (これは……ほんとエロいカラダのん……♥) ぱん太郎は心中で喝采した。 十代中盤まで特有の瑞々しく張り詰めシミ一つない白い肌。うっすらとした汗が行灯の火に照り返され、起伏に富んだからだを艶めかしく浮かび上がらせていた。 明らかに贅肉がない。腰も太ももも二の腕も、どこも引き締まってスラッと伸びている。 それでいて膨らむべきところはしっかりと膨らんでいるのだ。 子供を産める身体(しんたい)にはなっているとはいえ、稚(おさな)さが残るからだつきの村娘はまだ多かった。年齢的な問題だから将来は楽しみにしているし、そういった娘たちを今から責めまくって愛らしい顔とからだを淫慾の泥沼に沈めるのもひどく愉しいものだ。それに女というのは男と交わる悦びを本能から知ってしまうと、回数を重ねるうちに乳房や腰回りに肉が乗りはじめ、抱き心地が良くなっていく。抱く度にそれを直に確かめるのもおつなものだった。 だが、肉がしっかりと乗った女を満足するまでいじめ抜きたいというのも正直な気持ちであった。 その点に関しては、ぱん太郎にからだを許す母親世代が増えてきているし、若い娘たちの中にもナイスバディの持ち主が何人かいるから、欲求不満が嵩じるということはない。いつかは特徴で分け、例えば胸の豊かな女ばかりを集めて乳肉の宴などというのを催すのも悪くないだろう。 そして、そこにまた一人、肉付きの良い娘が新たに加わるのに文句があろう筈もなかった。 「ああ……」 切なげな声をこぼすしのぶ。 「どうしたのん?」 「さっきから胸だけでなく……股もムズムズしてて……おかしいでござる…………」 と、しのぶは内ももを摺り合わせた。下着の股布が変色しているのをぱん太郎は見逃さなかった。 「のふふ……じゃあソッチも弄ってあげるのん」 ぱん太郎はしのぶのパンツの中へと手を潜らせて恥丘を滑り降り、陰毛の柔らかさを掌に感じながら秘部の陰裂を二本の指でなぞり始めた。 「うあぁっ♥!」 嬉声を上げてからだを震わす剣士娘。歓迎するように股が開かれる。 指をその裂け目に少し埋(うず)めてみると、厚い肉ビラの感触があった。わずかだがぬるりとしている。どうやらこの少女の躰は、ぱん太郎の想像よりずっと成熟しているらしい。 ぱん太郎は乳を揉み、その頂にある突起を口に含んで転がし、少女の甘い汗の香りを楽しみながら、間違って深く入らないよう注意しつつしのぶの陰裂を何度も繰り返し擦り上げた。 「あ、うあ、あ、あぁ…………♥!」 しのぶの胸が、腰が、ぴくぴくと引きつる。乳首が勃ち、肉の割れ目に熱が、さらには湿り気が籠もり始めてきた。 淫を含んだ声音。体温が騰がり濃くなっていく香り。下がる一方の目尻。 (んふふ、ケンコーテキなニクタイの。とっても美味しいのん。むしろ積極的に女のヨロコビを教えてあげなくちゃいけないのん♥) それにしても、男不在で育ったとは言え、大抵の娘は裸になって事に及べば、何をされるのか本能で知っている素振りが出るものだ。個人差はあれ、多少は女の恥じらいを見せたりする。 それが、まだ理性も飛んでないのにここまでからだを開いても恥じらいがない娘もかえって珍しかった。 しかしそれならそれで、こちらも合わせて愉しむまで――と、ぱん太郎は密やかに含み笑った。あの青リボンの娘と同じだ。男を知ってから恥じらいを覚えていく様を見るのも面白い。 ぱん太郎自身も全裸になると、しのぶに体重をかけないよう腰を浮かせてまたがり、持ち歩いていたローションを己が一物に垂らして少女の胸の谷間に入れた。 しのぶの目が丸くなった。 「こ、これは……?」 「キミの持ってる棒みたいでしょ」 それは彼女が握る木刀よりも太い上に、苦無より長さがありそうな肉の塊であった。真剣のように禍々しく反り返り、赤黒くゴツゴツとした剛棒の先には茸を彷彿とさせる傘の張った肉の鈴がついていた。赤黒い肉刀の先端は鮮やかなほど真っ赤に腫れ上がって、匂いも独特で、ぱん太郎の体臭よりさらにきつく、饐えたような鼻につく臭さであった。 そんなものが顎先まで伸び迫って来たのだから、しのぶがまじまじと眺めてしまうのも無理はなかった。 「男の性器を見るのは初めての? チンポって言うのん」 「チンポ……? 男のセイキ……?」 「キミのココと同じのん」 と、ぱん太郎は後ろに手を伸ばし、振り向きもせずに手探りでしのぶの陰部を見つけると、くにくにと秘肉を弄んだ。まだ穴の中までは入れない。 「はぁんっ……♥! ……お、同じには見えないでござるが…………」 「のふふ、いずれわかるときが来るの。今はただ、胸を鍛えることに集中するのん」 ぱん太郎はしのぶの乳房を左右から押さえ込むと、肉棒を挟むように盛り上げた。充分大きいしのぶの胸であったが、それでもぱん太郎の巨根は完全には包み込めず、亀頭を含めた四分の一ほどが飛び出していた。 「いい感触のん♥」 「あ、熱いでござるな……」 ぱん太郎は喉を鳴らすと、乳同士をこね合わせながら腰を前後に動かし始めた。 ヌッチュ、ヌッチュ、ヌッチュ…… 潤滑液にまみれた肉茎がねとついた音を立てながら、二枚の肉岩盤の合間を往復する。 「んっ……! んんんっ……♥!」 しのぶは悦の籠もった声を漏らした。ぱん太郎はしのぶが感じるような触り方で乳房を弄る。それに加え、肉棒が擦る刺激も心地よかった。内側も弱いのかもしれない。 (と、言うか、いつのまにか胸全体が……あ…………♥!) ぱん太郎の動きが止まり、乳首を抓むようにこねられる。しのぶの息が騰がった。 途切れることのない心地よいさざ波が全身に流れ、思わず震えが走ってしまう。 眼前に届くような勢いで迫ったり引いたりする肉棒からも目が離せなかった。 それに自身の乳房の変わりようもだ。こんなに柔らかいものだったのかと自分でも驚くほど、伸びたり潰れたり餅のように様々に変化する。 「ん……あ……あ……♥ ま、また……おかしくなるでござる……♥」 そう言って内股を擦り合わせるしのぶ。淡い茂みに囲まれたその秘陰からは、本人の知らないうちに透明な雫がこぼれていた。 「我慢するのん。我慢できるようにならないと、いつまで経っても弱点を克服できないのん」 「でも、でも、ああ……♥!」 ぱん太郎の指がまた乳首を擦り上げると、ぴくぴくと躰を震わしてわずかに腰を浮かせるしのぶ。 うっとりとした表情になっていく少女の様子に愉悦を感じながら、ぱん太郎はさらに乳辱を続けた。 「あ、あ、あ……♥」 なんだか躰が熱くなってくる。頭がボーッとして、股の間のむず痒さが増してくる。 (こ、こんな修行があるのでござるか…………) 痛みが伴うと言ってたのに、さっきから感じるのは気持ちよさだけだった。それにこのチンポという肉の長太茸。その見たこともない形とケモノじみたきつい臭気……! それなのに、顔を背けたくなるような厭な気持ちにはならない。 しのぶの心に湧いてくる感情は、興味と好奇心であった。 (クサイのに……何か嗅ぎたくなるニオイでござる…………) 胸いっぱいに満たしたくなる、とまではいかないが、何か心惹かれるものがあった。 乳肉をくっつけて出来た洞穴から現れたり引っ込んだりする赤黒い肉刀は、まるで呼吸しているかのように繰り返し張り詰め、先っぽの小さな穴がパクパクと開いていた。 「気持ちいいのん?」 と、ぱん太郎が訊くと、しのぶは肉棒から目を外さないまま頷きを返した。 「こ、これが修行なのでござるか……? 先ほどから気持ちよいばかりで、痛みなど感じないが……」 「そうのん。とにかく胸をいじくる。その気持ちよさに慣れる。それが重要のん。刺激に慣れれば、動揺して不覚を取ってしまうことも無くなるのん」 「そ、そうなので……ござるか……あ……あ……♥」 「気持ちイイからと言って楽とは限らないよ? 長く続ける必要があるしね」 「た、確かに……そうでござるな……し、しかし……これは……た、たまらないでござる……んん……♥!」 しのぶは胸から来る悦感に堪えきれないようにからだをくねらせた。 「ぬるぬると……ぱん太郎殿の手が……滑って……あ……あ……♥!」 肉茎にまみれていた潤滑液はぱん太郎の手で塗り広げられ、乳全体がぬらぬらと妖しい光沢を放ち、今まさにつかれている最中の餅のようであった。 「チンポに擦られるのも気持ちイイのん?」 ヌチュッ、ヌチュッ、ヌチュッ、ヌチュッ ギュッと目を閉じるが、すぐに、「はぁっ……♥」と息が抜け、瞑った目の端に涙を溜めるしのぶ。からだに力が入らないので、息も溜められない。呼吸を乱しながら、コクコクと何度も頷く。 「あ、あ、あ……♥ そ、そんな胸ばっかり弄られたらぁ……しんぼでけへん……変になるぅ…………♥!」 「だめだめ。ひたすら我慢のん♪」 「あ、あっ、ああ、あああ…………♥!!」 しのぶから徐々に余裕が失われ、武士言葉が消えて本気で切羽詰まった喘ぎ声を漏らすようになるのに、そう時間はかからなかった。 「あっ……あっ……あかん、あかんてぇ……あああっ……♥!」 からだをくねらせ、ぱん太郎の乳撫を受けるしのぶ。 乳撫を始めてからどれぐらい時間が経っただろうか。 今はパイズリからまた乳マン同時責めに移っていた。しのぶの乳首はぱん太郎の唾液でまみれた尖塔となり、処女膜の手前まで指が入るようになった陰裂ではクチュクチュといやらしい音が立ち続けていた。 「あかん、あかん、なに、なんか、なんか来る来るぅ……♥!!」 ぱん太郎はわざと陰核にはあまり触ってなかったが、乳と膣口付近を弄るだけでしのぶは初めての絶頂を覚えつつあるようだった。 「イッちゃえばいいのん♥」 ぱん太郎はそう言ってしのぶの乳首を強く吸い舐め、指の動きを加速させる。 「ああああッッ♥♥!!!!」 しのぶは両肘と頭で上体を持ち上げ胸を突っ張るように反らした。ぶるぶると震えるからだ。肉孔がキュッと指を締めつける。 「あ――――あ――――!」 ――すぐにクタッと力が抜け、しのぶは蒲団に伸びた。 はぁはぁと息を整えながら、 「――な…………なんや今の…………えらい……気持ちえかった………………♥」 ぼんやりとそう呟く。 イクことを初めて体験したばかりの少女の顔に漂う、仄かでいて正直な気持ちを映した淫翳。その無垢なる色っぽさは、ぱん太郎の目には格別淫らに見えた。 「今のが“イク”ってことのん。気持ちよさが頂点を迎えると感じるのん」 「そ、そうなんか…………」 「何度でも感じればいいの。とにかくまずは弱さに慣れることが大事なんだから。じゃあ続けるよ?」 「…………う、うん……………………」 その時、しのぶの瞳がうるっと光ったのは、灯りのゆらめきが映っただけだろうか。 ぱん太郎が見返してみても、すぐに伏せた睫毛に隠れてわからなくなってしまった。 だが、その口元がほころんだのを彼は見逃さなかった。 再びたわわな果実を口いっぱいに含み、柔らかな乳肉に涎をまぶし甘く歯を立てながら舌先で固くなった突起を転がす。濡れぼそった肉園の前庭をゆったりとした指遣いでなぶる。 少女のからだがのけぞり、晒された白い喉からからまごうことなき嬌声が漏れた。 閉めきられた屋内からでは分からないが、外はもうすっかり暗くなっていた。 辺りは静けさに満ち、二人を照らすのは行灯の明かりのみ。その弱々しい光の向こうは何があるかも見えないほどの闇に沈み、天井に潜んでじっと見下ろしている細く煌めく双眸があることなど、行為に夢中になり始めた男と女は気付きもしない。 夜の帳はようやく降りはじめたばかりであった。 4 森にうち棄てられた家の真上に開いた夜空から、白粉の微妙な綾も美しい光彩を放つ月が覗いた頃。 しのぶの顔は淫悦でとろとろになっていた。腫れぼったく降りた瞼で翳った瞳は焦点が合っておらず、目から口まで体液が垂れ流れた痕がくっきりと残り、普段の颯爽とした表情は微塵もなかった。 まるで仰向けにされた蛙のようにだらしなく開き、痙攣する手足。 パンツも途中から脱がされ、ぱん太郎と同じく一糸纏わぬ姿となっていた。 「もうあかん……あかん…………♥」 あれからぱん太郎はパイズリと乳マン同時責めを交互に繰り返し、こうなるまで続けたのだ。 しのぶはもう、何度“イッた”かわからなくなっていた。 真っ赤に腫れ上がった双球。尖塔と化した肉突起。叩いたりなどは一切していない。ただ揉み、ねぶり、こね、擦り、伸ばしただけである。 腫れ上がっているのは、下も同じであった。まだ一度も男を迎えていない肉の門がすっかり充血して開き、淫水にまみれ、中の肉がパクパクと開閉しているのが見える。 接吻もした。乳を弄られながら唇を重ね、舌を絡められると、頭の中が甘く痺れて蕩けそうになり、すぐに夢中になった。 「じゃあ、そろそろボクも気持ち良くしてもらうのん」 そう言うと、ぱん太郎は再びしのぶの腹にまたがり乳房に肉棒を挟んだ。 「あぁ……も、もお…………♥」 「すぐ済むのん♥」 ぱん太郎はそれまでと違い、己の欲望を解放するための動きを始めた。しのぶの乳を道具のように扱い、容赦ないリズムで擦り上げる。 ズチュッ、ズチュッ、ズチュッ、ズチュッ! 「あ、あ、ああ、ああ♥!」 「ののんっ、気持ちいいのん、ボクも我慢してたからすぐ出ちゃうのん♥!」 からだに力が入らず、ただ喘ぎ声だけを上げる少女。 「ののッ♥!!」 その瞬間、ぱん太郎は双つの鏡餅を強く肉棒に押し付け、ぐいんと思い切り腰を押し込む。 しのぶの顔の前まで迫った燃え上がるほどに赤く染まった先端から、 ビュクッ!! ビュグッッ!! ビュクン!! ビュクン!! ビュクビュクビュクビュクッッ!!!! ビュグッ、ビュグッ、ビュグッ、ビュグッ!! しのぶの視界が白く染まった。 膨れ上がった肉茎が乳房の間から飛び出さんばかりに何度も跳ね上がりながら、その度に物凄い勢いで真っ白な粘液を飛ばし始めたのである。 目といわず鼻といわず、しのぶの顔のいたるところに白濁の飛沫が叩き付けられる。 「ののの……♥!!」 「んあああ!?」 頬にも額にも髪の毛にも、もちろん口の中にも飛び込む。 鼻がびっくりする生臭さだった。栗の花のような、でもそれよりずっと強い匂い。だが思わず顔を背けたくなるような腐敗臭ではなく、肉棒と同類の、異質だが癖になりそうな匂いであった。 「のの、避けずに全部受け止めるのん♥」 そう言いながら、ぱん太郎は気持ちよさそうに何度も肉棒を乳の間から突き出し、しのぶの顔面を白濁一色に染め上げていく。 「あああっ……! なんや……これぇ…………!?」 発射しつづける最中でぱん太郎は腰を引き、しのぶの乳間に突き立てるように、今度は乳の中でどくどくと放つ。乳の谷底に濁水が溢れ、波が立ち、渓谷から白濁の奔流が流れ落ちていく。 ドクッ! ドクッ! ドクッ! ドクッ! 「あっ、あっ、あああっ……♥!?」 乳の中で強く脈動している熱い肉棒の感触。目も開けられないほど顔じゅうに塗りたくられ、口中にもヌチャヌチャとまみれるとびきり臭い白濁粘液。 脈動が緩やかになってくると、乳の間からも引き抜き、仕上げとばかりにしのぶの双乳に浴びせかけて全体を精液まみれにし、ぱん太郎の射精はようやく止まった。 「ふう……ぱいずり気持ちよかったの。あ、口に入ったのは飲んでみるといいのん。美容にいいのん♥」 しのぶの口がもごもごと動く。しょっぱくて苦い。だが、舌で転がしてみると甘みも感じられた。砂糖や果物の甘さとはまた違った、一種独特な味。嗅いだことのないような臭さを発しているのに、どこかまろみがあるのはこのためだろうか。匂いを気にしなければ美味しいかもしれない。だが飲み込もうとするとネトネトと口内にねばつき、たっぷり唾を絡めてやっと飲み下すことができた。 「にがしょっぱ甘い……びっくりや…………これは…………?」 顔にかかった白濁を指でこそぎ落とすしのぶ。口の中はねちゃねちゃと白くなっていた。 「せーえきっていうの。これも慣れれば美味しく飲めるのん」 「の、飲まないけへんの……?」 「のーん、無理はしない方がいいのん」 ――ボクのチンポにハマれば、どうせそのうち自分から欲して飲むようになるから――と、ぱん太郎は心の中で愉快そうに付け加えた。 「一発ヌいたら、もう一回したくなったのん。今度はこっち使わせてもらうのん」 ぱん太郎は後ずさってしのぶの脚の間に跪座した。乳の谷間に放った精液がヘソに流れて溜まり、そこから幾つもの支流が出来て、下腹部の両端を伝い脚の付け根を通って陰部までも届いていた。 腹部に溜まった精液をまるでマッサージするように両手で塗り広げてゆき、その精液にまみれた手で内股も汚し、秘部にも遠慮無く触れた。陰部全体を掌で包むように覆って揉みしだき、指で秘貝も割って中の肉にもぬちゅぬちゅと塗りたくり、さらには二本指にたっぷりとつけてしのぶの中に出し入れする。 「ぬふふ♥」 「んん……んはぁ……♥!」 しのぶは何をされているのかまったくわかっていない顔だった。 脚を震わせながら、その感触にうっとりとする。胸も気持ちいいが、今いじられている箇所も同じぐらい気持ちよかった。按摩をされているような快美感に、さらに脚が開かれる。 精液でぬめり光るようになったしのぶのからだを愉しげに眺めると、ぱん太郎は少女の腰を掴んで膝を下に滑り込ませ、ちょうど肉棒が秘裂の上を通るようにした。 「こ、今度はなにするん……?」 「さっきまでと同じようなもののん、今度はボクが主に気持ち良くさせてもらうけどね」 そう言うと、しのぶの貝殻の間を肉棒でほじるように擦り上げ、ぱん太郎はゆっくりと腰を前後に動かし始めた。 ぬっちゅ……ぬっちゅ……ぬっちゅ……ぬっちゅ…… 「あ……あ……あ……あ……♥」 しのぶの厚ぼったい肉唇の中を、ぱん太郎は調整をつけて器用に素股で通り過ぎる。それはときおり陰核にも当たり、そのたびに剣士娘は、「んあッ♥!」と、声を上げる。 熱くなった花園の若い女肉はそれだけでも吸いつくように瑞々しく、プリプリとした感触がたまらなかった。入り口でこの弾力なのだから、中はどれだけ活きが良いのだろうか。 ぱん太郎はしのぶの乳にまた手を伸ばし、腰を動かしながら桃色の双丘も揉み回し始めた。 時折、顔を近づけて接吻も加える。自分が放った精子がつこうがお構いなしだ。 ぱん太郎とキスを交わす度に、しのぶのからだが切なく震えた。 「あ……ああ……ああん……♥ や……ま、またへんになるぅ…………♥」 行人ともしたことがあるが、あれはまさに“口と口をつけた”程度だった。 目を細めてうっとりとする表情のしのぶを見て、ぱん太郎はその紅に燃えた唇を食(は)むように触れ舐め、わずかに開いた裂け目に舌を入れ、塞ぐ。少女の口腔にたっぷりと唾液をまぶした舌を伸ばし、しのぶの舌を捕らえると、秘裂責めと乳撫と連動させつつ、唾液を交じらせながら弄んでゆく。 熱い息が絡み合い、胸が変則的な鼓動を打つようにざわめき、しのぶの頭はさらに甘美な痺れで弛緩していってしまう。 (し、師匠との接吻とは、ぜ、全然違うぅ…………♥) 行人と二度目の口づけをした時に感じた淡い感触など、枯れ葉が秋風に吹き飛んでしまうようにしのぶの頭の中から虚しく消え去ってしまった。 「ほら、舌を出すのん……」 お互いに魚くさい息を熱く吐きながら、舌と舌を踊らせる。たどたどしく差し出されたしのぶの舌に、ぱん太郎の長い舌がねっとりと絡みついてリードする。 ぱん太郎は少女の顔についた白い粘液を舌で掬い取り、しのぶの舌と貝のように重なって腹を擦り合わせながら唾液で溶かし、少女の口へと含ませ、飲み込ませる。 「『師匠』とはいつもどんな風に修行してるのん?」 ぱん太郎は鼻と鼻をくっつけ、腰を動かし続けながら、しのぶにそう問いかけた。 「え……? っあ……♥ え……と……素振りした……り……ぃ♥ き、基礎的なことを、おぉ……♥」 「いい師匠のん?」 「え、ええお人や……あぁ……♥ わ、技とか……んん♥……ち、ちっとも……教えてくれへんけど……はあぁ……♥」 「それは可哀想の」 ぬちゃぬちゃと粘ついた音が二重に響いた。上と下。つまり、ぱん太郎の手としのぶの乳、そして秘裂と肉棒も、透明になりつつある精液にまみれ、白いあぶくだらけになっていた。ぱん太郎の精液はしのぶの蜜汁と混ざり合い、下向きに傾斜したまだ処女膜の破られてない秘洞の奥に流れ込んでゆく。 「技のひとつぐらい教えたっていいと思うの」 「そ、そうやろぉ……き、基礎練習ばっかりじゃ……つまらん……んんン……♥!」 両乳首をクニクニとこね潰しながら、亀頭で陰核のある辺りを弄り回すと、しのぶのからだが仰け反ってビクビクと震える。 「ああっ、そこっ♥、そこあかん……あかぁんン……♥!」 初めておぼえる快感に、悦びを隠そうともせずに浸る少女。まだ本当の快楽を知らない、青い性が昂ぶっているだけの情動。その恥じらいも躊躇いもないあけすけな痴態は、眺めているだけで新鮮な愉悦が走る。 ほんの少し前まで淫交どころか性的な行為さえ知らなかったうぶな処女を、愛戯を駆使し淫らに悶えさせ、その火照るからだを直に肌で感じる。そんな目に遭わせる娘は、この少女で何人目であろうか。もう二十人にはなろうとは思うが、何人目であっても愉しいものだった。女にしてしまったらそのうち味わえなくなる、この瞬間だけの貴重なひと時であった。 おまけに今、この腕の中で喘ぎ声を上げているのは、生唾ものの美少女だ。こんなに美味しそうなからだと美貌をもった娘に対して、ぬるま湯程度の欲望で済むはずがなかった。 ぱん太郎はしのぶの双乳を乱暴に揉みしだきながら、こみ上げてきた射精感を押し止めることなく、 「可愛いのんっ、ボクもうイッちゃうのんっ♥!」 と、入り口に引っ掛かったら間違ってそのまま入ってしまいそうなほどに肉棒の往復速度を速めた。 ヌ チュヌ チュヌ チュヌ チュヌ チュ! 「あうっ、ああっ、ああっ、ああっ♥!」淫感に染まった顔で喜声を上げるしのぶ。「うっうちもまたっ、イクッ! イクゥッ♥!!」 「ほら口開けるのん、また飲ませてあげるのん♥!」 両脚でギュッと男の胴を蟹挟み、言うとおりに少女が唇を広げて舌を覗かせたのと、ぱん太郎の腰が止まって痙攣するのはほぼ同時だった。 「のうッ♥!!」 ドビュッ!! ドビュビュッッ!! ビュルッビュルッビュルルルッッ!! ビュルン、ビュルン、ビュルルン!! 剣士娘の厚く柔らかい淫貝。その濡れた肉粘膜のむっちりとした感触に挟まれ、しのぶの恍惚とした逝き顔を眺めながら、ぱん太郎は腰を上げて角度を変え、乗り出した身を両腕で支え、再びしのぶの乳や顔に浴びせかかるようにした。 本当はしのぶの窪みに先端を当てて注ぎ込みたかったが、生の処女肉壺を堪能する前に中を精液まみれにさせるのは勿体ないと思ったのだ。 「あッ! あッ! あ~ッ♥!」 しのぶは声を乱して張り上げた。瞼の裏で白い火花が爆ぜる中、あの熱く臭い粘液がまた飛んできて、顔といわず胸といわず夥しく打ち注いでくるのがわかったのだ。先ほどよりだいぶ間が離れているとは思えないほどの勢いで、叩き付ける速度が少し弱まっただけだった。 ビュルルッ! ビュルルッ! ビュグンビュルンッ! みるみるうちにしのぶの腰から上が大量の白濁に塗り直されてゆく。 口中にも何度となく打ち込まれていく。 瞬く間に満ちる、噎せ返るほどの精臭。 先ほどは飲みたくないと思ったはずなのに、しのぶは口を閉じることができなかった。 エクスタシーが降りを迎えても、乳房が、股が、それしか感じないぐらいにズクズクと強く疼き、心身が広がっていくような心地よい感覚の中、たまらなく臭い匂い、張り詰めた剛塊から止め処なく続く放水に、陶酔感は醒めずたゆたうように残る。 今まで経験したこともない世界。 わけのわからない昴奮で胸がいっぱいになり、しのぶは、 「あァ……! あぁ……あァッ! ああァ~~~ッッ♥♥!!」 裏返ってしまうのではないかと思うほどの高い嬌声を、その喉奥から漏れ響かせた。 この場面だけ見れば、しのぶが処女であるどころかこんな行為は初めてだとは、とても信じられない光景であった。 ビュク! ビュク! ビュク! ビュク――! しのぶの秘裂に押し付けながらぱん太郎の肉棒はそれからも盛んに白濁汁を打ち放っていたが、しばらくしてようやく鎮まり始め、ビクビクと数度、空打ちした後、やっと熄(や)んだ。 「ふう……」 これはこれで充分気持ちの良い射精だったが、やはり膣内でメス肉に搾り取られるように射(だ)すよりはだいぶ量が少ない。 (そろそろこの子のナカで出したくなってきたのん♥) ぱん太郎はしのぶの様子を窺った。 顔中から前以上の白濁の粘液を垂らしまくった剣士娘。弛緩したからだを震わせ大きく胸を上下させており、くちゃくちゃと粘ついた音を出しながら、惚け緩んだ表情でぱん太郎の精液を嚥下していた。 素面の時の面影はもはやどこにもない。 いい頃合いのん、と、ぱん太郎は心の中でほくそ笑んだ。 「どう、キミさえよければ、子作りの方法も教えてあげるのん」 「……えっ……?」 甘美の熱で蒸された眼を上げ、しのぶはぱん太郎を見つめた。 「ボクはキミたちに子供を授けるよう頼まれてるの。どういう風に子作りするかも教えてあげられるのん」 ぱん太郎の口調はまるでついでに持ちかけているようであった。 「こづくり…………」 しのぶの脳裏に、先日の出来事が思い起こされた。妹のみことが妊娠したと知らせて来たのである。 これで母親から実家の後を継げと強いられることはなくなったとホッとした一方、どこかそれを惜しむ気持ちがあった。 みことだけでなく、今や村全体に妊娠出産が流行していた。娘たちが集ってする話といえばぱん太郎と子作りに関することで、好奇心から何度かその輪に加わって聞き役に回っていたしのぶも、 (ほう、ぱん太郎殿が我々に子供を授けて回っているのか……) と、友人たちの態度を眺めながら感心した覚えがある。 さらに別の記憶が蘇る。以前、母親の誕生日に後継ぎを贈ろうと行人に迫ったこと。隣で寝ていたすずに邪魔された上、なぜか行人も協力してくれなかったが……。どうやったら後継ぎ――いや子供が作れるのか、という興味もあったので、あの機を逃してついには知ることが出来なかったのは、残念な気がしていた。 みことのおめでたを祝って家族が顔を揃えた日も、『どうせなら全員の孫の顔が見たいなあ。あんたらもきばりや。不毛な幸せばかり追いかけてたらいかんで』と、母親であるこころは残りの二人、特に長女のくないをジト目で睨みつけたものだ。 「こ、子供ができるなら、おかんが喜ぶわぁ……」 「なら話は成立のん♪」 「でも、どうやって作るん……?」 「それはボクに任せるのん」 ぱん太郎はしのぶの乳の谷間を浸す白濁に指を付けて塗りたくると、それを潤滑液代わりにして少女の秘孔に挿れた。 精液にまみれた指がいやらしく粘った音を立てながら、あまり抵抗なく、しのぶの陰裂に出入りする。 「あっ、あっ、ああっ……♥!」 陶然と頬を染め、甘い喘ぎ声を上げるしのぶ。 「そう、力を抜いて……脚を開いて……カラダを開いて……ただこの気持ちよさだけを感じるの……」 まるで呪文を唱えているかのように低い声で囁き、ぱん太郎は指を動かし続ける。 ぬちゅぬちゅと音を立てていた肉園は、しのぶの奥から溢れてきた蜜で次第にちゅくちゅくと水っぽく変わり、ぱん太郎の指からも精液が溶け落ちて蜜にまみれ、滑(すべ)らかな動きになる。 しのぶは甘く蕩けた淫声を張り上げ、ぱん太郎の言うままに脚を拡げ、胸を突き出し、四肢を震わせながらも脱力する。 ぱん太郎はしのぶの股間に顔を埋め、今度は舌を使い始めた。 「あっ……はっ……んん♥! ああっ……んんぅん…………♥!」びくびくと悦びを走らせるしのぶ。「ざっ、ざらざらしてて気持ちええ……♥! もっと……もっとぉ……♥!」 しのぶはぱん太郎の後頭部を押さえ、嬌態を振りまくようにして悶えた。 ぱん太郎はその要求どおり、顔を擦りつけながら、長い舌を窄めてひたすらに淫口の内や外を掻き回し、あるいは舐めなぞり上げる。時にはわざと陰核を舌先でつんつんして、すっかり顔を覗かせた赤い木の芽に舌の腹を押しつける。 「ひ……っいぃ……あぁ~……ッ♥!」 ぱん太郎の頭を抑える腕に何度も力が籠もり、からだをビクビクと弾ませながら、嬌声を上げるしのぶ。 また、胸まで顔をもって来ると、下ではぬぽぬぽと指を出し入れしながら、固くなった丘の頂を唇に挟んで軽く持ち上げ、乳肉を波揺らして精液を飛び散らせつつ舌先でちろちろと戯れ、頭を横に振って唇の中で何度も擦り上げる。 「ああ、ああ、ああ~~ッ♥!」 しのぶの腰が浮き、気持ちよさそうに遊泳する。脚はもうほとんど水平に開いていた。アソコはすっかり洪水状態で、表情は先ほどの乳辱の時と同じようになりつつあった。 乳とアソコの二点を愛撫しながら、ついばみから貪るようなものに変わった接吻を交わすと、この辺かなと、ぱん太郎はしのぶの脚の間に戻った。 隆々と勃ちっ放しの肉棒の先端を、少女のぐずぐずに濡れた秘陰に立て掛ける。 「じゃあいよいよのん。ボクのコレをキミのこの穴に出し入れするの。それが子作りの方法のん」 と、ぱん太郎はしのぶの肉穴に二本指を入れて動かしながら、もう片方の手で剛棒の根元をしごいた。 「あっ、あっ……♥! で、でも、そないおっきーの入らへんよお……!」 「ところがどっこい、これが入るんだな。確かに最初は大きすぎて痛いかも知れないけど、慣れてくると逆に気持ち良くなってくるぐらいのん♥」 「あ、あ、あ……♥ ほ、ホンマに……? ああっ♥!」 陰部に刺激を与えられ続けているせいで頬は緩んでいたが、しのぶは不安そうな眼差しでぱん太郎を見た。 「本当のん。もう何人もの女の子が子作りしてるのはキミだって知ってるでしょ?」 「あ…………」 そういえば――と、気付くしのぶ。梅梅を始め、何人もが赤ん坊を産んでいるし、他にも多くの娘が妊娠中だという。みことだってそのうちの一人だ。 「皆んな初めては痛がったけど、今じゃもう全然平気の。キミも大丈夫のん。皆んなを無事に孕ませてるボクが保証するのん♪」 ぱん太郎は竹水筒を取って手際よく己が一物に潤滑液を塗ると、しのぶの脚を拡げて膝を進め、濡れそぼった陰門にぬちゅりと先端を当てた。厚い肉唇が美味しそうに先っぽを咥え込む。 「あ、あ……!」 「キミのココはもう準備おーけーのん。さ、やるのん♥」 と言って、あっさり一気に貫いた。 「――――――――~~~~ッッッッ!!!!」 しのぶのからだが、秘奥の一太刀を喰らったように仰け反った。 声にならない声。 「ののん……!」 陰洞が肉茎を潰し裂かんばかりの圧力でぎちぎちと絞め寄せて来る。 根元までずっぽりと埋まっていた。 「のの、初めてでこんなに入るなんて、よく育ったいいマンコのん♥」 しのぶは返答するどころではなかった。あまりの痛みに全身を強張らせながら伸び上がったかと思うと、すぐに縮こまる。 「――くっ……うう……あッ……ああああ…………!!」 何が起こったか分からないまま、しのぶは苦悶に呻いた。 アソコが灼けるように痛い。鋭い痛みと重い疼痛がない交ぜになった、まるで火箸を無理矢理ねじ入れられているような感覚。 みっちり拡がった結合部からつぷつぷと赤い雫が浮き出した。筋肉の痙攣で赤い玉は潰され、肉茎が破瓜の証で染まってゆく。 「股から力を抜くの。力が入ってると、余計に痛くなるのん」 ぱん太郎はじっと動かずにしのぶの様子を見下ろしていたが、少女の表情がなかなか和らがないのを察すると、近くに放ってあった羽織の袖から潤滑液のものとは別の竹筒を抜き取り、ぽんと乾いた音を立てて蓋を外した。 中には数輪の黄色い花が入っていた。 一本摘み出すと、 「これを嗅ぐのん」 と、ぱん太郎はしのぶの鼻の下に近づけ、雄しべを軽く指で叩いた。 「……?」 ほわっと舞った花粉を不思議そうな顔をしながらも吸うしのぶ。 そうしてまたしばらくぱん太郎は動かずに何かを待っていたが、 「……あれ?」 と、首を傾げた。 いつもならそろそろ効果が目に見えて現れてもおかしくないのに、膣内の温かさは一向に騰がらず緊張も少しも緩む気配がなく、しのぶの様子にも変化は起こらない。 「ど、どうしたん……?」 しのぶが苦しそうなまま尋ねた。 「のの、じゃあもうひとつ」 ぱん太郎はさらに一本取り出し、また嗅がせた。 「苦しさを和らげてくれる花なんだけど……躰が熱くなってこないのん?」 「と、特に……うう…………!」 「ありゃ……前にもいたの、まったく効かない子が。姉妹か何かのん?」 「だ、誰やそれ……う、うんン…………!」 「名前は覚えてないけど、おかんに毒をどーのこーのと」 「あ……ああ……それ……うちの妹や…………」 末っ子のみことが妊娠したという報せを聞いた時は、さすがのしのぶもびっくりしたものだ。母は驚いた後、大いに喜んだそうだが。 男はあまり好いていなかったのではないか、と後で本人に聴くと、「本当は殺す気でいたんやけど、成り行きでこーなってしもうたんや。しょうがないやん。ま、されてみると、自分も女だったっちゅーか、男もあんがいエエもんだったしな……。それに、りん姉ぇ様と一緒に子育てできるのはそう悪くないわ♥」と、意外と前向きな姿勢だった覚えがある。 「なるほどのん」ぱん太郎は納得したように頷いた。「それじゃあ仕方ないのん、普通にやるのん。ダイジョブダイジョブ、少し時間かかるだけだから。むしろ痛みは女になった記念のん♪」 そう言うと、ぱん太郎はゆっくりと動き始めた。 「うああ……! うう……ううう…………!」 少し往復しただけですぐに止めると、そのままで乳房に手を伸ばし、掌で双つ同時にこね回す。 「はあ……はあ……ああぁ……!」 しのぶの表情がわずかに緩んだ。 「痛くても、なるべくカラダには力を入れない方がいいの。ゆっくりやるから、修行と思って堪えるのん」 そう言って、ぱん太郎はしのぶの様子を見つつ、止まっては動き、少し動いてはまた止まってしのぶを労る、というのを続けていった。止まっている間は言葉をかけたり、精液の残滓を拭ったり汗で顔面についた髪の毛を取ってやったり、上半身をまさぐったり、陰茎や乳首を軽く刺激したり、髪をなでたりと、腰を動かしていない時の方が忙しなかった。 女を虜にする自慢の剛物も、経産婦ですら充分に濡らしてから入れないと痛みを与えるだけなのが難点であった。未通女(おぼこ)の娘には辛すぎるものがある。面倒とも思える時間であるが、ここでただ抜くためだけに一方的に動いて射精しても、みすみす名花を毟(むし)り手折るようなものだ。女としてふくよかに開花させた先に、男も本物の淫欲を得られる。 (急がば回れのん……♥) そう思いながら、ぱん太郎は焦らずにじっくりとしのぶの緊張をほぐしていった。 その甲斐あってか、ゆるやかにであったが、しのぶの苦痛の表情は徐々に和らいでゆき、ぱん太郎がピストンできる時間がわずかずつ増えていった。 ヒダがけっこう深く、引き抜く時に快感を抑えるのがひと苦労であった。 すずを思い出す。あの少女の膣はどこまでもヒダヒダが続いている上、あらゆる方向から吸い付いてくるような信じられないほどの心地であった。あそこまでとはいかないが、申し分ない上々の性器だ。 ぱん太郎は頭を振って青リボンの少女の姿を払った。 (のの、今はこの子を抱いてるのん) と、しのぶとの交合に神経を集中させた。 こうして静かに性交していると、寝具の中に熱が籠もってくる。躰を洗っていないと尚更で、大して動いてなくとも汗だくになる。だが、鼻腔まで立ち昇ってくる、男女の体温で混ざり合った淫臭は、この上ない香気であった。昴奮を掻き立てられずにはいられない。腰の動きを急加速して今すぐ女の中で放ちたいという甘美な欲望が何度も鎌首をもたげ、急き立てるように囁くのだ。 しかし、ぱん太郎はそれを押し止め、下に組み敷く娘の表情を見る。 淫臭に当てられているのはしのぶも同じであった。苦痛の歪みや呻きはどんどんと鈍くなってゆき、頬は薔薇色に染まり、潤んだ瞳が艶めかしく映って、何とも言えない顔になってきている。 半刻も過ぎると、肉棒の出し入れもだいぶスムーズになってきた。 側位で少女の片脚を肩に掛けながら緩やかに腰を動かしていると、ピクリと反応した箇所を見逃さず、その辺りを重点的に突いていく。 途端にしのぶの喉から悩ましい喘ぎが漏れる。 「ここイイのん?」 そう訊かれると、しのぶは目を瞑ったまま、コクコクと頷いた。 その後も続けてそこを中心に責めてゆくと、明らかにしのぶの反応が変わってきた。 「あっ……あぅ……あっ……あっ……♥」 苦痛とは違うからだの強張り。鈴を鳴らすような高い声。目尻が緩み、光の粒が漏れる。 肉棒の抽送がさらに滑りよくなった。秘洞に滲み出る愛液が増したのだ。 「速くしても平気そう?」 「え、ええよ……」 「じゃあいくのん」 ぱん太郎はしのぶの肉孔の奥まで淫棒を突き埋め、小刻みに忙しなく動き始めた。 腰と腰がぶつかり合い、パンパンと乾いた音がひっきりなしに立つ。 「ああ、ああ、ああ、あああぁッ♥!!」 しのぶの喉から漏れた声は、紛れもなく潤みを含んでいた。 みゃーは相変わらず、同じ場所でじっとしながら二人が絡み合う光景を見下ろしていた。 (うわあ…………) 開いた口が塞がらず、ひとときも目を離せない。 ぱん太郎がいよいよ本格的なピストン運動を始め、横を向いたしのぶの上体が、乳房が、忙しなく揺れ、武術を嗜む娘とは思えないほどのだらしない声を張り上げる。 緩急やひねりをつけながら、側位か正常位でひたすらに突きまくるぱん太郎。たまにぱったりと止まる時があるかと思えば、しのぶの背に回って添い寝しながら胸を撫で揉み、キスを交わした。ぱん太郎と何遍も接吻し、そのたびにうっとりと惚けるしのぶ。そしてぱん太郎が元の位置に戻って再び抽送を開始すると、より淫らな声を上げるのだ。 (それにしても、意外ね……) だまくらかしてコトに及んでいるくせに、ぱん太郎がこれほどしのぶを気遣うのはみゃーの想像になかった。 東のぬしという印象からして、甘言を弄してひとたび床に入ったら正体を現し、もっと強引に手籠めにするものかと思っていた。それでも男に免疫のない娘たちはコロッと参ってしまっているのでは、と。 だが存外、いや……かなり優しくしているようにしか目に映らない。 娘が苦痛や悲しみで泣き出してしまうようなことでもあれば、術をかけて懲らしめようと思っていただけに、肩透かしを喰らったような気分だった。 みゃーも初めての時は痛くて大変だったが、しまとらは優しくやってくれて、一つになれた嬉しさでいっぱいだった。ただ、今思い返してみれば、しまとらは気を遣ったというより淡泊だっただけのような気もする。行為自体は三十分ぐらいで終わった。猫の交尾などそんなに長い時間はしないし、最後はいつも痛いのだが……。 それ以降、片手で数えられるほどしかしていない。 なんとなく……下にいる少女が羨ましく思えてきた。 蒲団の中では、二人の性交が以前続いている。 しのぶは段々と様子を落ち着かせてきていて、苦痛とは言えない反応が占めるようになってきていた。 (あんな馬鹿みたいに大きい陰茎を突っ込まれてるのに……) ぱん太郎の赤黒い長太竿が転(まろ)び出たとき、それに射精のときも、そのあまりの野放図さにみゃーも声を上げそうになった。 (まあ、ずいぶん時間をかけてアソコをほぐしてたみたいだけど……) 尻を浮かせてのうさぎ座りをしていたみゃーは、股布部分にそっと指を触れた。 ――少し湿っていた。 ピクリ、と動じるみゃーのからだ。 微かにズクッと疼いたのだ。 (ん…………) 頬が熱くなる。まだ滋養料理の効き目が衰えていないようだった。 ああっ、と、下から艶めかしい淫声が聞こえた。いちだんと感じ始めた声の響き。 ぱん太郎が覆い被さるように重なり、その躰にしのぶの手脚が絡みついていた。 「あ、あ、あ、あ、あ、あッ♥!」 羞恥を帯びた半眼でそれを見つめながら、みゃーは先ほどと同じ部分を布の上からまさぐり出した。 ぱん太郎は徐々に最後に向けての動きに移っていた。 今までにないほどのストロークで肉壁を擦られ、深いところを小突かれる少女。極太の鉄塊に掻き回されているような痛み、そして腹底に当たって内臓を押し上げられるような感触に、しのぶは息苦しい辛さを感じたが、我慢できないほどではなかった。むしろ、ナカを、オクを、もっと擦ってほしいという切なさが湧き出てくるのだ。 胸や秘裂を弄られる甘い蜜のような悦感とは違う。苦しいのに、この刺激を躰の奥底が求めているような感覚。 しのぶの顔つきに苦痛よりも陶酔感が色濃く出始めたのを見て、ぱん太郎は舌なめずりした。 この娘の心にあるあの男の大きさは、どれぐらいであろうか。 (これからは、ボクが代わりに占めることになるのん♥) 心も、そして躰も。肉欲の海にいやというほど沈めて快楽の虜にし、膣内で射精を受けなければ満ち足りないからだにしてやる。この肉棒と精液だけが頭を占め、いくら妊娠しようが欲しくてたまらなくなり、気付いた頃には淡い恋心など何処にいったのかわからなくしてやる。 ぱん太郎の体内に愉悦が満ち、昂ぶる淫気に逸物がさらに肉幅を広げた。 しのぶのからだが強張り、膣がキュウッと締まる。それは意識した締まり方ではなく、動きの変化に対する肉体的な反応に過ぎなかったが、処女穴の固い隘路はぱん太郎にたまらない気持ちよさを与えるばかりであった。 少女の膣の変化を感じ、ぱん太郎は止まらずに突き進んだ。 正常位に体勢を固定すると、しのぶのからだに密着するように重なり、さらに激しい抽送を続ける。 グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ! 「あっ、あっ、あっ、あっ♥!」 ぱん太郎の躰にひっしとしがみつくしのぶ。 「ののん、ののんッ♥! しのぶちゃんに赤ちゃんあげるのんッ♥!」 「あ、あ、あッ♥! あ、赤ちゃんちょうだいッ♥!」 「そうのんっボクの子種しっかり受け取って赤ちゃん産むのんッ♥!!」 ぱん太郎はしのぶが痛みを覚えない限界までぐっと押し込むと、そこで絶頂を迎えた。 ビュグッッ!! ビュグッ!! ビュグッ!! ビュグビュグビュグッッ!! ビュグビュグビュグンッビュグンッビュグンッ!! 「あはあああアアッッ♥♥!!!!」 しのぶはぱん太郎の背に爪を立て、伸び上がった両脚を痙攣させながら、大きな叫び声を上げた。 奥の壁に当てられた先端から、本体に負けないほど熱い何かが迸る感触がありありと分かったのだ。 その熱さはすぐに膣全体に広がり、その直後、ぱん太郎と繋がった部分からゴポゴポと白く濁った汁が溢れ出てきた。先ほどしのぶの顔と胸にいやというほど浴びせかけられたあの粘液だった。 灼熱の塊がかなり奥まで入ってきたかと思うと、さらに膨れあがり、まるで破裂し始めたかのような強い脈動。 あの白濁液が自分の胎内の最も奥まった場所で噴き出し、お腹の底に叩き付けられているのがいやというほど感じられた。 (ああああ……♥! ふっ、噴火してるみたい……♥!!) 止まっていれば奥に当たっていてもさほど苦しくない。固い肉茎が弾けるように暴れ、熱い体液が膣の底に叩き付けられる感触が心地よかった。 なぜだかわからないが、今まで以上におかしな気分になる。一種の満足感のような、幸福感のような、ふわふわした―― でも、そんなことどうでも良かった。 お腹の奥の熱い脈動を感じていたい――! それが、今のしのぶの正直な心であった。 ビュクン、ビュクン、ビュクン……! ゴププ、ゴプゴプゴプ…… 「あ、あ、あ…………♥!」 挿れはじめの頃の痛みに満ちた表情はどこへやら、まだ完全には苦しそうな気配は去ってなかったが、しのぶは目の下に快美感を走らせながら瞼を閉じ、四肢に力を籠め、じっとそれを受け止めていた。 ぱん太郎はぱん太郎で、幸福の絶頂に包まれながらしのぶの中に精子を放出していた。 他の男を意識していた生娘の初めてをいただき、その胎内に初めての子種を与える快感は、何度経験しても飽きることはない。寝取って女にした娘を、さらには孕ませんとする重層行為。目が眩むほどに昴奮した射精は、その濃度も量も飛び抜けて多くなり、いつまでも際限なくびゅるびゅると処女“であった”胎内に注ぎ込まれてゆく。 腰が抜けるほどの心地よい射精感。女を孕ませたくてたまらないという意志と欲望。それに従ってもう実際に何人も孕ませているというのに、今だその情動は昇華されるどころか、むしろ益々磨かれて強くなっていく気がする。 ぱん太郎はしのぶの子宮口の感触に気付くと、しのぶの腰の高さと挿入を調整して当たる場所を変え、そのコリコリした部分に引っ掛かるように押し当てた。 ビュグッ! ビュグッ! ビュグッ! しのぶの子宮口に直接ぱん太郎の精子が吹きかかる。 「ん、ん、んんン…………♥!! あ、熱いのが……きてるぅ…………♥!」 ピクピクとからだを震わせながら、唇から熱い息をこぼすしのぶ。 西への出入りが解禁したばかりの頃のぱん太郎は、全ての女を自分のモノにしてしまおうなどという画(え)は思い描いていなかった。少なくとも本気では。それよりも、どんな女でも引っかけていいという夢のような話に舞い上がって、考えるより先に手当たり次第に声をかけまくっていた。そうして一人、また一人と手を付けてゆき、その数が把握しきれないほどになった時、もしかしたら――と、頭の隅によぎるようになったのだ。 その時点で既にもう十人以上を虜にしていたのは確かだった。村の女すべて、と言っても、老女を除けば娘と母親が半々ずつほど、せいぜい四十人程度である。一日に何人相手にしようが満足させる自信は充分にある。時間に限りがあるわけではない、持ち回りの当番制にでもして無理をしなければ充分手が届く数だ。 むしろ、孕める女はすべて孕ましたい、とさえ思うようになった。娘だろうが母親だろうが関係なく、女たちはすべてがぱん太郎の血で繋がった兄弟を孕み、産む。すべての女の秋波が向けられる男は己のみという環境を完成させた時、どれほどの愉悦が味わえるだろうか。 ぱん太郎は果てしない気持ちよさを覚えながら、しのぶの胎内にどくどくと濃厚な精子を注ぎ続けていた。 ひとつの光すらない真っ暗闇の中、触感に全神経が集まる。年若い娘の抱きごこちは最高、いや、母親世代の成熟した肉体も一度抱き始めたら離しがたいものがあった。 あの小僧にくれてやる女など一人もない。 行灯の灯火は消えていた。 5 その後、後戯を挟んでぱん太郎はしのぶを四つんばいにさせ、今度はバッグから突き入れた。 しのぶももはや当初の目的など忘れ、今の行為にのめり込んでいる。ぱん太郎の命令に従い、手足をついて尻を上げるのに何の躊躇いもなかった。 ズチュ……ヌチュ……ズチュ……ズチュ…… 「あっ、あっ、あっ、あっ……♥」 最初はゆっくりと出し入れする。始めの数回で精嚢の底部までネトネトになるほどの精液が掻き出されてきた。 もともと出血量も少なかったようで、処女だった赤い痕跡はもうどこにもない。 (花が効かなかったにしてはイイ出来具合のん……♥) 膣内はまだ固さが残っていて、突く角度や経路が悪いと痛がったりする。だが、後は経験を積んで慣れていけばいいだけであった。まだ二回目の挿入でこの受け入れよう、悦びようである。この娘は特にのめり込んでいくような気がした。 乳撫も交えながら、しのぶのからだをじっくりと責めてゆく。 ズチュ、ズチュ、ヌチュ、ヌチュ、ヌチュ…… 白い影しか映らない闇。だが視覚が無い分、繋がっている部分と相手の存在感が増し、かえって淫らな集中力が高まった。 それに、ぼんやりとしか見えない女体のくねりも、この上なく艶めかしく映る。 「ん……あ……あ……あぁ……♥!」 しのぶの淫声も彼女の愛液同様、粘りついたものを帯びているようであった。 平素はあんな涼やかな眼をした素朴な少女が、今や淫感に支配され、蕩けた顔で突かれるがままに媚声を漏らす。ぱん太郎は愉悦が止まらなかった。 言葉もなく躰を重ねる二人。 濃密な時間が、いや時さえも濃密な闇に溶け、感覚だけが、淫らな快楽だけしか感じられなくなる。 深い肉襞がカリ首に絡みつくように巻き込むたびに、ぱん太郎は心地よい呻きを上げた。 しのぶのアソコはいよいよ熱く昂ぶり、秘肉が踊りを覚え始めていた。肉棒が引き抜かれるたびに蜜汁がこぼれ、双眸からも雫が溢れる。 (すごい、すごぉい……♥!!) しのぶは夢中であった。 今まで感じたこともなかった気持ちよさ。 からだが欲していた。さっきまで引き裂かれそうなほど痛かったはずの異物挿入を、疼きまくるアソコが求めていた。痛みの向こう側に広がる快感。しのぶは何の疑いもなく、何も考えず、ただそれに従うだけであった。 生殖快楽の本能に目覚めた少女のからだ。その美味を、ぱん太郎は何ものにも邪魔されることなく心ゆくまで食していく。 闇の底で、一つの無垢な肉体が、まるで別もののように作り替えられてゆく瞬間だった。 さらに四半刻も過ぎた頃になると、少女の秘孔はもうすっかり熱くほぐれ、ぱん太郎の肉棒をねとついた媚肉で迎えていた。 しのぶは腕に力が入らず、枕を掻き抱いてすすり泣くようにぱん太郎の抽送を感じていた。 その腕を後ろに取ると、ぱん太郎はしのぶの上体を吊し上げ、密着するまで押し入れて肉壺を掻き回し始めた。 ズチュッ! ズチュッ! ズチュッ! ズチュッ! 生意気なほどに上を向いた丸々とした乳房が激しく揺れる。腕で支えられない分、脚に力が入り、アソコが締まって感度が増したような気になる。 「あッ♥! あッ♥! あッ♥! あッ♥!」 蕩けた表情。泣き腫れた目を瞑りながら、しのぶは口をだらしなく開き、パンパンと乾いた音を立てて腰を打ち付けられる度に鼻にかかる甘い嬌声を上げ、男の怒張を膣いっぱいに受け止めた。肉棒は少女の蜜液で濡れぼそり、その肉身を現すたびにいやらしいてかりを見せ、再び淫猥な音を立ててしのぶの中に入ってゆくのだ。 「んああ……♥! あかん……あかん……また……なにかくるう…………♥!」 まだぎこちないが、しのぶの膣内(なか)がうねり出しているのが分かった。 中逝きの気配を感じ、ぱん太郎はしのぶの腕を取った姿勢のまま、腰の動きを速めていった。 「じゃあボクもイクのん、しのぶちゃんのナカでまた種付け射精するのん♥」 ズチュ、ズチュ、ズチュ、ヌチュ、ズチュ、ズチュ! 「お、お、お、おおぉッ♥!」 しのぶの乳揺れも速度を増す。キュウキュウと締まりながらうねる膣。 「あかんっ、もっ、もおイクッ、イクッ♥! イクゥーーーッ♥♥!!」 「のうん!!」 その瞬間、二人のからだが張り詰めて動かなくなり、ビクビクと強く震えた。 ビュルルルーーーッ! ビュクッ! ビュクッ! ビュググンッ! ビュグン! ビュグン! ビュクッビュグッビュグッビュクッビュグッ! ビュルンッ! ビュルルッ! ビュルルルッ! 「ァ――――ァ――――♥!!」 一度目より勢いも濃度も増した膣内発射であった。確実に孕みそうなほどの、いや、こんな射精をされたら孕む以外にないほどの精液がしのぶの胎内に満ち満ちてゆく。 風船のように膨らんだ膣底が濃厚な白濁でみるみる増水し、それでもなお、しのぶの奥壁に、子宮口に、息を呑むほどの勢いで精子が叩き付けられる。 「んんん……おおお……♥♥!!」 折れんばかりに背中を弓反らせて震えるしのぶ。四肢を痙攣させながら、遠い目つきでぱん太郎の射精を感じ続けていた。肉孔を埋(うず)める漲りまくった剛棒が必殺の奥義を放つように、休む間もなく次々と熱い子種を打ち出してゆく。 (――気持ちエエ―──―♥!) 極太肉棒の大波のような力強い脈動、びゅるびゅると胎奥に打ちかかる精液の感触が最高だった。 精液を少しでも逃さんと締まる膣の底で満杯になったオス汁が、最初の時よりも昴奮で拡がった子宮口を通り、さらに大量にしのぶの子宮へと流れ込んでゆく。男の体液を迎える用意が調(ととの)った子部屋は、新たに入ってきた精液に、まるで歓んでいるかのように蠢き、その動きでまたさらに精液が増加され、先に入ってきていた精子も奥へと運ばれる。 ぱん太郎ももぎ取られそうなほど強い締まりに包まれ、搾るような蠕動を始めたしのぶの肉粘膜の感触に、熱く溶けてしまいそうな心地で精を放っていた。 (これこれ、これのん♥! 男の精を貪り取ろうとするいやらしいメス肉の動きのん♥) だが生憎、彼の肉棒は搾っても搾っても搾り尽くせないほどの精力が漲る根源だ。 手の置き場をしのぶの両乳に移し、いやらしくまさぐりながら、絶頂からやや気を取り戻したしのぶと、肩越しに唇を重ね、舌をねぶり合う。まだ、孕まし汁は放ち続けられていた。 「元気なボクの赤ちゃん孕むといいのん♥」 「ン、ン……♥」 ぱん太郎が射精のタイミングに合わせて奥を小突くと、しのぶもそれに合わせて腰をくねらせる。本人が意識しないうちに、そのからだは官能的な仕草を覚えていく。 しのぶは快楽にけぶった目で頷くと、またぱん太郎の唇を求めて吸った。 時の流れを失った漆黒の中、永遠とも思える時間。 二人はずっと繋がっていた――。 まだやる? と訊かれてそれにも頷き返したしのぶを、ぱん太郎は対面座位で三度抱き、また喘がせ始めた。 トントンと軽く浮かせる程度のテンポでも、しのぶは、すごい、気持ちええ、と何度も連呼して手脚をひしと絡みつかせ、乳房を男の胸板に擦りつけながら喘ぎ、ぱん太郎の首や肩に幾つものキスマークをつけ、蜜の溢れる発情した雌肉で肉棒を巻き付くように搾り包んだ。 「とっても気持ちよさそうのん♥」 「ああ、ああ、ああ♥ こ、こないなの初めてや……♥ こづくりがこない気持ちええことやったなんて……ああ、ああ、あぁン……♥!」 「ぬふふ、これからもたっぷりしてあげるのん」 「ほんま……? う、嬉しい……♥」 「その代わり、キミもちゃあんとボクの子供を産んで村に貢献するのん。これはキミとボクの仕事なんだからね。これからもいっぱいボクの精子をしのぶちゃんの子宮にびゅるびゅる注いであげるから、ナカでしっかり受け止めるんだよ♥」 「うん、受け止めるぅ、いくらでも受け止めるぅ♥」 ほとんどの時間、言葉を忘れたように呻き声を上げながら交わっていたが、ぱん太郎としのぶはこのような会話もしていた。 最後はぱん太郎に強く抱きつき、押さえ込まれた腰をビクビクさせながらしのぶは三回目の膣内射精を受け止めた。膨張した子宮口に亀頭を押し付けられてびゅうびゅうと子宮に精子を注ぎ込まれながら、悶えきったか細い悲鳴を上げていた。 さすがに体力に限界が来ていたようで、その後は横になったかと思うと、すぐに寝息が聞こえてきた。 ぱん太郎もしのぶの頭の下に腕枕を通しながら、「おやすみのん♪」と、掛け布団をかぶった。 二人が寝静まると、みゃーはそっと天井から降り、音も立てずに戸を開けて屋外に抜け出た。 辺りは一面真っ暗で、空を仰いでも夜明けまでの時間もわからなかった。 ゆるゆると長い息をつき、立ち去ろうと一歩踏み出したみゃーは、 (そういえば……) と、廃屋を振り返った。 ここに来る前のぱん太郎の言葉が蘇る。 『――何日か集中的に修行すれば、多少は変われるかもしれないの――』 ごくり、と唾を飲む。 もしかして……起きたら……また……? 閨事など何も知らなかった娘が、一夜にしてあそこまで変貌させられたのである。 あんなコトを何日もされ続けたら、いったいどうなってしまうのか―― みゃーは太ももをもじもじとさせた。長時間弄っていたせいで陰部はトロトロになり、水分を吸った布がふやけて冷たくなっていた。 (だ、だめよ……これ以上見てたら、本当に私までおかしくなっちゃう…………) そう首を振ると、踵を返して森を後にした。 (第10話に続く) 上に戻る
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ながされて藍蘭島エロパロSS 『寝取られて』 第1話 1 もしも、ボク以外の男が藍蘭島に流れ着いたとしよう。 たぶん最初は、いやでも目につくおかしな部分――昔話から抜け出してきたような生活ぶりとか、変な動植物とか、人間と動物が言葉を交わしながら一緒に暮らしているとか――に驚きを隠せないだろう。その次に、島の外へは決して出られないという話を疑い、確認し……愕然となり、悲しみ、一体どうしたらいいのかと途方に暮れると思う。 だけど、一時的なショックが去って周りを見回し、そしてしばらく過ごしてみれば、彼の感想は見事に変わってくることだろう。 ここでの生活も悪くないかもしれない……そう思うに違いない。 電気水道ガス電話、便利なものなど何一つない。けれど、どんなに暮らしが楽になろうと、原則的に人も他の生き物となんら変わることはない。自分のことは自分で何とかするのだ。そのことに気付けば、労働は苦役ではない。というか、租税も搾取もないので、自分たちの食い扶持を作るだけで充分なのである。 そして藍蘭島は豊かな島だった。 辛いことなど何もなかった。 たった一つ、決定的なもの――男がいないということを除いては。 彼は考え至るだろう。 『ここはなんて最高の環境なんだ!』 ――と。 まあ、ボクも男だし、わからない話じゃない。 異性に色めき立つ女の子たち。村の将来を案ずる人々は、次の若い世代が誕生することを切に期待している。 そういった中で、藍蘭島という特殊な環境と照らし合わせて客観的に考えれば、女性と仲を深めないのは、むしろ悪い気すらしてくる。 だけど、ボクは思うんだ。 それじゃあんまりにもだらしなさすぎるだろうって。 だってそうでしょ? こういうコトって、男と女が好き合って、初めて成立することじゃないか。順番が逆だと思うんだ。お互いの気持ちを無視して強引にくっつけようなんてすごく不自然なコトだし、なんかおかしいっていうか、大人汚いっていうか。 人として、そして男として、なにか許せない部分がある。 オババに何度も催促めいた言葉をかけられても、その気にもならなかったボクだけど、何も馬耳東風していたわけではなく、いちおうそこまではちゃんと考えていたのだ。 それにボクは異邦人だ。藍蘭島がどんなに素晴らしいところでも、ボクには帰らなきゃならない場所がある。それは、決着をつけなければならない事があるってことで、色々考えたけど、やっぱり会わなくちゃならない、会って話をつけなければならない人間がいるってことだ。 そして一度島の外に出ることに成功すれば、ボクは気付いてしまうだろう。 藍蘭島に戻らなければいけない理由がない、ということに。 藍蘭島には藍蘭島の暮らしがある。もし誰かと一線を越えてしまったら、ボクは何としても戻らなければならない。 でも、戻れるだろうか。ボクは戻れるだろうか。 (……それに、こんな思案しても……) 溜め息をつく。 そもそもボクはまだ14だし、子供を作る年齢じゃあないんだよな。 それに……だから。 東のぬしであるぱん太郎が人間になって、村の女の子に次々とちょっかいを出して回るという思いも寄らなかった展開に、奴に対する嫌悪感は募るばかりだったけれど。 だから、そのことに横槍を入れるつもりは毛頭なかった。 それは水面下で進行していたらしい。発覚した頃には、すでに何人もの女の子が「彼」と関係を持っていたという。 初めて知った時はあまりの青天の霹靂な出来事に呆気にとらわれて、にわかには信じられなかったほどだ。 ある意味、この島にボクが現れたことよりも遥かに大きな事件だった。 聞いた話によると、パンダであるはずのぱん太郎が人間の姿になったのは、ランプの精みたいな魔人に願いを叶えて貰ったかららしい。なんじゃそりゃ。 村の最長老であるオババを始めとして主だった大人が集まり、この事に関して話し合いがもたれた。 その結果、いくら姿が人間だからといってパンダの子が産まれてはかなわないと、ぱん太郎は西への出入り禁止になった。まあ当然か。 ぱん太郎は(追い返されるときはパンダだった、ていうか自在らしい、理解の範疇を越えている)のーのー文句垂れながらも他のぬしにも睨まれて仕方なく東の森に去り、村にはまた平穏が戻った。 ように見えた。 この日を境に、「婿殿、婿殿」とオババの催促が妙に増え、それを適当にあしらい過ごしながらおよそ半年後のこと。 ある報せが島中に駆け巡った。 玉のような赤ちゃんが村に生まれたという。 パンダのように愛嬌のある、丸々と肥えた可愛い子だった。 産んだのは――誰であろう――梅梅だった。 その後にも、ぱん太郎と関係した女の子たちが続々と臨月を迎えた。 パンダとの合いの子かと危惧されたが、どこから見ても人間らしい、それどころか丈夫でよく泣く元気な赤ちゃんたちばかりだった。 村はそりゃもう上を下への大騒ぎになった。 とんでもない事態に落ち着きを失った女性たちを、オババは一同に集めた。ボクだけは呼ばれず、家にポツンとひとり留守番となった。これは村の、そして何より女性たちの問題だから、その辺を配慮したんだろう。 会合は長引いたらしく、夜遅くに帰ってきたすずがまずはゆっくり風呂を済ませた後に聞いた話によれば、オババは皆に一喝したらしい。 「生まれてくる赤子が人であれば何ら問題はない。幸い、東のぬしも以前のことは水に流してくれるそうじゃ。ここはひとつ東のぬしに手をつき、貴重な御種をもっと蒔いてもらおうではないか」 ボクはそんな馬鹿な、と愕然となった。人間ではない者に、いや人間の子が生まれたんだから人間なのか……? わからない。この藍蘭島には考えると頭がぐてんぐてんにこんがらがる事柄が数知れずあって、こういう時はその事に関する思考を止めるのが一番の解決方法だ。 でもそんな馬鹿な話があるのか。そんな事がまかり通るのか。 強制はせず各々の意志に任せるが、ぱん太郎が自分のところに現れても邪険にせず、村のためを考えてほしいと、オババはそう言ったそうだ。 なんてことだ。 (すずは……それでいいのか……?) ボクはそう思って向かいに座ったすずの表情を窺(うかが)ったが、それを口に出して訊ねる勇気はなかった。 すずはどことなくショックを受けているような感じで、虚ろにすら映る元気がない瞳でボクを見つめ返してきた。 二人の間に、よくわからない空気が流れるのを感じた。 ……子供を作ること。 それは男で、しかもまだ自分自身が子供のボクには、あまり理解しきれない領分だった。女の子だって納得できるんだろうか。ボクはそう疑問に感じた。いくら藍蘭島の住人が昔の時代の人のように早熟早婚とはいえ、好きでもない、いや人間なのかどうかもわからない男と、その、あ……あ、赤ちゃんを作るなんて。 ヘンずくめの藍蘭島であっても、こればっかりはあまりにも現実離れしている気がした。 すずはどうなんだろうか。たとえ村長(むらおさ)の言いつけであってもそんなことを承伏できるんだろうか。 ……でも、ボクには奇妙な確信があった。 すずは大丈夫だろう。だってすずは以前、「結婚はお互いが好きだからするもの」って言ってたし。恋愛がまだよくわからないとも聞いた記憶がある。それに異性として意識してないから、男であるボクと一緒に暮していて平気なワケだし。 そうだよね。まだそんな年じゃないんだ。 ただ、ボクはその安心感をどう言葉にするべきかどうかわからず、すずの前でごまかすようにゆるむ頬を掻くばかりだったけれど。 その夜、すずはまた長風呂をした後、さっさと蒲団を敷いて寝床に就いた。 そりゃそうだろうなあ……と、暗闇の中に浮かぶ、こちらに背を向けて寝るすずのうなじの白さをちらと覗き見ながら思った。 この件に関して、村の人間ではないボクがとやかく言う権利はない。それにいちおう女性側にも拒否する選択肢はあるんだ。 だけど──なんだろう。 この胸のざわつく感じは……。 こんな形でこの村の未来を定めてしまっていいんだろうかと、納得できない気持ちがある。 暗闇の中に梅梅の顔が浮かんできた。 最初、殺るべしと息巻きながら疾駆する遠野サンに偶然出遭い、梅梅がぱん太郎に手籠めにされたと聞いた時は耳を疑い、次いで得体の知れない怒りに包まれた。気分の悪そうな梅梅をオババの所に診せに行くと、妊娠二ヶ月目であることが発覚したそうなのだ。 つまり、だいぶ前から誰も知らないまま、梅梅はあの無節操パンダに……! あの時はボクも、あの梅梅が、どうして、誰と、なんで、どうやって――などと、怒りが湧く直前は意識がストーンと落ちるような気分になった。それまでも梅梅と会ってもおかしな様子は微塵も感じられなかったし、お腹も膨らんでるなんてわからなくて、言われて初めて少し張ってたかなと曖昧な記憶をたどるぐらいで―― 現実感がまるでなかった。 怒髪天の勢いの遠野サンを、梅梅はずっと脚にしがみついて必死に止めようとしていた。そればかりでなく、泣いてぱん太郎をかばっていた。診察した時にオババが、「堕ろさんのか」と訊くと、 「産みマス……」 と申し訳なさそうに、だけどはっきりと言ったそうだ。 ボクは怒りのやり場を失った。遠野サンもぱん太郎の所へ行くのを止めた。 ──そして、梅梅はお母さんになった。 会合には出席できなかったが産後の肥立ちは良好で、他にももう何人かいる出産し終えた子たちの中には、床から抜け出して動いている子もいるらしい。 身篭もったことが皆に知れ渡ってから以後、梅梅は……変わった。会いに行くと、ずいぶん落ち着いた感じで、なんかこう……優しくなった。いや元から優しいんだけど、そういう風な優しさじゃなくて、もっと大人の母性的な、そうそれ母性的、お母さんになったみたいな優しさ……って、なに元に戻ること言ってるんだろうね。 とにかくこれが藍蘭島の空気なのか、彼女たちの強さなのか、結婚の契りも交わさず、ていうかちゃんと正妻がいて、人間とすら言えないような男を共にいただいているというのに、まったく落ち込んだ様子もなく、少女たちは今までのようにしっかりと生きている。 ――という現実が、ボクの目の前にはあった。 ……はあ。 理由もわからず、溜め息が出てしまう。 釈然としなかったが、けど、本人たちが納得していることに、ボクみたいな部外者がどうこう言える問題でないのも確かだ。 (……島からの脱出方法、本格的に調べなきゃな…………) 寝返りをうちながら頭の中のもやもやをさっさと払い、ボクも布団を被って眠りに就いた。 明くる日から、我が物顔で村の中をぶらつく大男の姿があった。 2 それからは毎日、見かけるたびにぱん太郎は誰かしら女の子と喋っていた。 女の子たちはおっかなびっくりといった感じだったが、中には臆すことなく朗らかに談笑している子もいた。本人は洒落ているつもりなのか、よく花をつまんで持っていて、それをプレゼントしている場面もあった。 しかし奴がいくら調子に乗って次から次へと女の子たちに言い寄ろうとも、石を投げて追い払う男たちなどいない。 正直なんであんな奴がモテるんだろうと、ボクは首を傾げざるを得なかった。 どうして人間になれるかはとりあえず置いといて、ぱん太郎の人間の姿というのは、身の丈二メートルを超える巨漢――というか肥満漢であった。ただ、よく見ると奥行きはそれほどでもなく、むしろ横幅の方が凄いことになっていて、太ってることは太っているのだが、そう、力士のような躰つきである。足袋と雪駄に羽織と着物という組み合わせもまんま相撲取りの服装だ。その上に愛嬌のある丸顔が乗っかっているのがなんとも言えなかった。 軽薄かつ誰彼構わず言い寄る放埒さ。自分勝手で無責任も甚だし過ぎる。中身も最悪。のんのんうるさいしノンタンかお前は。パンダはパンダに求愛するべきじゃないのか。 (こんな奴に……) ボクはやれやれと頭を振った。奴に手を付けられた女子たちは、これをどう思っているんだろうか。 ぱん太郎が近づくと泣きそうな顔で駆け去っていく子もいて、むしろその方が正常に見えた。 女の子に逃げられても、ぱん太郎はまったく意に介さなかった。つぶらな瞳をくりくりと回して、長い腕をるーんるーんと振りながら足取りも軽やかに何処かへと消え去ってしまう。また見かけることもあるが、例外なく別の女の子をつかまえて話していた。その中にはりんやあやねなども含まれていたし、なんとゆきのまでいた。それだけでなく大人にまで声をかけていたりして、何というか……ただただ呆れるばかりだった。 何だかな……もっとカッコイイ男がナンパしてるなら様になってるんだけどさ。これじゃまるで異次元生物が徘徊しつつ獲物を捕食しようとしているみたいだ。 すずも心配そうな目つきでその様子を眺めていた。 その不安そうな横顔を盗み見ながら、ふと今更ながらなことに思い当たった。 すずだけは、あいつに言い寄られてない。 「フフッ」 思わず笑みが漏れてしまった。 それに気付いたすずが振り向き、不思議そうな目でボクを見つめた。 「どうしたの?」 「ん? いや、何でもない」 「……?」 肩をちょっと上げて後ろ手に組み、胸をそらすような姿勢で小首を傾げるすず。少し持ち上げられた白い太股を撫でるように、短いスカートがさらりと流れた。 目が合う。 ゆるやかに――微笑みが浮かんで―― 「――ッ!」 不覚にドキッとして、ボクはさっと顔を逸らしてしまった。 な、なんだ。なんだろう今のは。 この異様な胸の高鳴りは……。 なんか、今、ものすごく……すずがとても可愛く見えた。 「ホントにどうしたの、行人?」 わざわざ回り込んでひょいとボクの顔を覗くすずに、慌てて背をシャンと伸ばし、薪を背負い直した。頭の上のとんかつが落ちそうになって、「プー!?」と鳴く。 「だからなんでもないって、それよりも早く帰らなくちゃ!?」 「え~!?」なんだか納得いかなそうに頬を膨らませるすずだったが、すぐに可笑しそうに吹き出した。「変なの……ウン、じゃあ、帰り――」 言いかけてすずは、「あっ」と何か思い出したように言葉を切った。今度はこちらが、「どうしたの?」と尋ねる番だった。 すずの目が宙を泳いだ。「ゴ、ゴメン、行人」と、申し訳なさそうな顔でいきなり謝ってくるすず。「そういえば、これから用事が……梅梅の、そう、梅梅のところに行かなくちゃならない用事があったの」 「用事?」 「う、うん……。ホラ、梅梅もまだゆっくりしてなきゃいけない時期だから。皆で持ち回りで助けようって、今日の夕ご飯の当番、私なんだ」 「そうだったんだ。……でも水くさいな、言ってくれれば、薪拾いなんかボク一人でやったのに」 「ちょっと忘れちゃってて……ホントにごめんね……」 「ん? いいっていいって、そんな謝る必要なんかないよ。それよりも早く梅梅のところへ行ってあげなきゃ」 「うん……」 すずはなぜか悄然とした顔になった。 なんだろうと思っていると、すずはポツポツと小さな声で言った。 「行人も……一緒に来る?」 「……え…………」 ボクは……ためらってしまった。 別に、梅梅がボクに冷たくなった――などということは、決してない。むしろ彼女の態度は前よりもフレンドリーになったぐらいで、ボクが訪ねると心から喜んで迎えてくれる。だけどそんな梅梅と対照的に、ボクの方といえば、彼女の傍にいるとやたら落ち着かない気持ちになってしまうのだ。どうしてもぱん太郎が気になってしまうし、居ちゃいけない場所にいるような、そんな感覚に苛(さいな)まれるのだ。 何故かは……わからない。 梅梅は全然不幸せそうに見えず、それはとても良いことなのに。 前とは違う雰囲気。前とは違う笑顔。前とは違う、その腕の中にアイツの赤ちゃんを抱いて―― 「いや、ボクはいいよ。代わりに薪持ってってあげる」 遠慮しようとするすずから多少強引に薪の束を受け取った。 「ついでに夕ご飯も作って食べちゃってるから、あっちでゆっくりしてきなよ」 「行人……」 すずは寂しげだった。 胸がズキッときたが、ボクは口を結んで視線を逸らし、それ以上すずの表情を見ないようにした。 なんかおかしいな、ボク。……でも、すず、ごめん。あんな奴が大手を振って村をのし歩いているのを見ていると、気分がよくないんだ。 「ありがとう行人……じゃあ、行ってくるね。……なるべく、すぐ帰るから」 そう言って去ってゆくすずの背中を、ボクはできるだけにこやかな笑顔で見送った。 『くれぐれもあいつには気を付けて』 そう声をかけようとして―― かけられなかった。 「なんで?」と……すずにそう聞き返されるのが怖かったからだ。 ……大丈夫さ。 ボクはそう自分自身に言い聞かせた。まがりなりにもぬしであるアイツの腕っぷしが強いことは確かだけど、すずはそれ以上に強いんだ。あのぱん太郎を簡単に投げ飛ばすほどだもの。……心配ないさ。 「行こう、とんかつ。今晩はお前の好きな冷や奴を作ってやるよ」 と、ぷーぷー喜ぶとんかつの頭を撫で、重くなった荷物を苦労して背負いながら家路を急いだ。 薪を入り口脇にどっさと置くと、蹌踉と中に入り、「ひー!」と框に伸びた。この島に来てから随分と鍛えられたとはいえ、さすがに二人分はきつい。 薄暗い吹き抜けの天井を見ながら休んでいると、もやもやと出てくるのはやはりぱん太郎のことだった。 もう、新しく手を付けられた子もいるのかな……。 それを考えると、もやもやは水気を得た雲のように膨らみ、重く濃く広がってゆく。 ボクのよく知ってる子たちも………………梅梅のように……………… (……くそっ!) ボクはまだ疲れがとれない躰を無理に起こし、また外に出て薪を置き場に移し替える作業を始めた。 それだけは絶対に考えないようにしようと決めた事だったからだ。だってボクには関係ないんだ。関係ないことなんだ。この島の重大事に、いつかは島の外に出ていくボクは関わっちゃいけないんだ。 梅梅は……梅梅は……いいんだ。彼女はもう心を決めているのだから。 こんな気持ちになるなんて、気分が悪い。 薪を移し終えると、ボクはすぐさま木刀をひっ掴んで縁側に回った。 そしてただひたすらに腕を振る。 躰が悲鳴を上げるのも構わず、少しの休止も入れずに空気を切り裂き続けた。 (くそっ、くそっ、くそっ!) 鬱屈した胸のむかつきを切り払うように、ボクは汗を飛び散らせながら素振りを勢いよく繰り返す。 あんな奴が何だっていうんだ。村には村のしきたりがあるんだ。ボクはまだ責任能力のない未成年者で、あんな無責任極まりない奴なんかとは立場も考え方も違うんだ、オババの期待に応えられる年齢じゃないんだ、そういう環境に育ってないんであって、女性の考えることなんてわからないし、だからそういうのはまだこれからで、村の将来を見越してのやり方に異議を唱える権利はないし、立場の違うボクにはボクなりの主義主張というのがあって、やるべき事があって、あんな奴とは違うんだ! ――素振りの回数を数えるのも忘れ休みもつくらず振り続け、もう保たないというところまで追い詰めた意識と躰がついにオーバーヒートを宣言すると、木刀を落としてよろよろと縁側に突っ伏した。 数分にも満たない運動だったけど、全身汗みどろになってぜーぜーと切れ切れの息を吐いた。頬をつけた部分があっという間に汗の水たまりになる。腕が鉛のように重くなり、無茶な過運動に抗議するように全身の筋肉から痛みが発せられた。 だけど、胸のもやもやはだいぶスッキリした。 「…………ふぅ……………………」 そう。考えても虚しいだけだ。 藍蘭島には藍蘭島の風習があって。背に腹は代えられない切実な問題があって。それに馴染めなければ、ボクはもう。 「……美咲や父さんたち、どうしてるかな……」 海から家の中に吹き込んでくる柔らかい潮風の気持ちよさに身を委ね、ボクは遠い故郷の家を思い出した。 帰りたい―― すず。 ボクは大きく目を見開いた。 そうだ。 なに考えてるんだ、ボクは。 躰を起こすと、縁側に腰をつけて青い海と空を遠望するように目を凝らす。ボクは自分で彼女に言ったじゃないか。ボクはすずの家族だって。 あの寂しがり屋のすずを置いて、一人きりにするっていうのか。 冗談じゃない。 そうさ。すずにはもう数え切れないほどの恩があるのに、彼女を悲しませるなんてとんでもない。 「……ふうっ」 また溜め息をついた。だけど、さっきよりもずっと軽かった。 ボクにはまだ、ここでやるべきことが残っている。たとえゴクツブシの性悪スケベパンダが他の女性全てをかこったとしても、すずだけは必ず守る。 家族になった人を独りでこの家に住まわせるわけにはいかないし、大勢の女をとっかえひっかえするような男にだけは、絶対やれないんだ。 3 狭い小屋の中での、二人だけの空間。山のような男が尻をつく寝床はまるで座布団のようであった。 優しくせせらぐ川の音を聞くことなく、ヨダレを垂らしながら昂奮した荒い息をつき、男は短い足で組んだあぐらの上に少女を乗せ、その肌に指を這わせ回っていた。 衣服をほとんど半裸に剥かれ、後ろから男の太い指でなすがままにされている少女。敏感なところばかりを執拗に刺激され、男と同じようにその愛らしい唇から熱い吐息を漏らしている。 大男は昂奮でいきり立った熱い肉棒を背すじのくぼみに擦(こす)りつけながら、肉付きも豊かな乳房をいやらしく揉みしだく。恥ずかしそうに閉ざされた脚の隙間に差し込まれ、パンツの中に潜り込んだ中指が、その図体に似合わない細かな震えで動いており、かすかな水音が聞こえていた。 少女の顔やからだには朱が差し、切なそうに胸を上下させ、肌にはしっとりとした汗が浮かんでいた。眉をひそめ、懸命に堪えている風情だったが、時折、 「あっ……」 「はっ……」 と、感に堪えない声が漏れるのを我慢できない。 時折、甘く喉を震わす――男の指遣いを感じているのは明白であった。 少女が夢見心地になりつつあるのを見て、男は壁際に置かれた花瓶の黄色い花を一差し抜き取り、少女の鼻の下まで持ってきた。少女はそれに気付き、いやいやと言う風に顔を背けたが、強引に花弁を鼻に押し当てられ、擦りつけられた。 ほわっと花粉が舞った。それを吸い込むと、少女は、「はっ――」と息を呑み、さらにその瞳がぼうと霞んだ。「や…………やぁぁ…………」 少女のからだに残されていた最後の力が抜け落ちたように緊張が解れてゆき、唇からより官能的な吐息がこぼれる……投げ捨てられた花は、引き臼のそばに落ちていたもう一本の上に交差した。 男の愛撫責めが再開されると、少女のからだは敏感さを増したようにしなり、熱く湿った吐息をつきながら、次第により艶めいた反応を露わにしていった。 その凹凸の豊かな肢体を弄ばれながら、徐々に服を脱がされ……下着も剥ぎ取られ……ついにはニーソックスだけの姿にされ、その脚もぐいと押し拡げられ、栗色の産毛が淡くうっすらと生える恥ずかしい秘所を丸見えにされてしまう。 腕も脚も力が入らない少女はそれを止めることができない。涙をこぼしながら、なされるがままであった。 男は少女の大事な場所にまで遠慮なく手を伸ばし、その無骨な指によって、桃色に近い鮮やかな肉の園を開帳した。 クチュ……と、水気のある音が立つ。 「うにゃあ……そ、そこ……そんなに拡げないでぇ…………」 時間をかけて弄くられたソコは、充分に潤んで充血していた。小さな突起はピンと気持ちよさそうに膨らみ、綺麗な肉ビラはぬらりと濡れてヒクヒクと蠢く。 自身の小指も入らなさそうな狭い窄まり――だがこの奥に、女性の証である小部屋が確かにあるのだ。 「あああ……♥」 これまでとは比べものにならないほどの甘く痺れるような媚声を上げ、淫らにけぶる目の焦点を半ば失い、男の指は今動いていないというのに、少女はからだの奥底から源泉のように湧いてくる快感に身悶えた。 ズクズクとアソコが熱く疼く。疼いて疼いて仕方がなかった。 からだは素直に求めている。もっと――もっと触って欲しい――――と。 「いやあ……こんなの……いやだよぉ……!」 何もせずとも屈服していく少女に男は邪な笑みを深くし、いよいよ中指を折り曲げ、濡れた秘洞に当てた。 そこは――と言いかけた少女は、途端に言葉を失って喉の奥から喜悦を発してしまう。 小屋の中にぬぷぬぷと淫猥な埋没音、そして少女の嬌声が絶え間なく響いた。 少女の苦しそうな様子は、ほんの初めだけであった。いやらしく抜き差しされる中指がまたたくまに蜜液にまみれ、少女の顔には、先ほどまでよりもさらに深い悦楽の表情が宿り、瞳を霞ませ、からだを快美感にわななかせながら、気持ちよさそうな喘ぎ声を漏らすようになっていった。 そしていつしか……恥ずかしがるどころか、果実のような乳房を盛大に揺らし、股を大開きにして腰を浮かせながら男の指を感じまくる少女がいた。 間もなく、少女は快感に泣きはらした顔で切羽詰まったようにからだを悶えさせながら、 「あ、あ……! も、もう……だめぇ…………イッ、イクうぅぅ…………♥!」 と、その四肢を痙攣させた。ビクビクと腰が張りつめ、媚肉が男の指を強く締め付ける。 「――――――~~~~~ッッッ♥♥!!!!」 少女の絶頂は長く続いた。 やがて落ち着き――くったりとした少女の秘洞からようやく指が引き抜かれると、ねっちゃりと粘っこい上質な蜜が太い糸を引いた。花園は火照り染まりながらパクパクと蠢き、その周りはすっかりびしょ濡れ状態であった。 男の広い腹部に埋もれながら、絶頂の余韻に上気した顔を惚けさせ、豊満な胸をゆるやかに波打たせる少女。 男は少女の顎をつまみ上げると、背を丸めて顔を近付け、頬張るようにその可憐な唇を奪った。 拒む余裕など、もはやなかった。口全体をむしゃぶるように吸われると唇をあっけなく割られ、舌を絡み取られながら、むわっとする口臭とヨダレを流し込まれる。その濃密な口づけに、少女の体内で昂奮がふたたび盛り上がり出し、瞼を閉じて喉を動しながら、男のヨダレを胃に落とし込んでいく。 男は指先で乳首を弄くりながらやわやわと乳肉をもみ上げ、敏感になった肌を撫で回し、アクメに達した艶めかしいからだをなおも嬲り続けた。 少女はその痺れるような気持ちよさをまったく拒めず、思考が蕩(とろ)けきったような表情で、いつしか男の愛撫を進んで享受してしまっていた。 ぴちゃ、ぴちゃというキスの音とともに、何にも邪魔されることなく、二人の熱い吐息が交わってゆく。 「さあ……いよいよ……お楽しみの種付けたーいむ、なの……♪」 男は舌なめずりしながらそう言った。美味しそうに茹で上がった少女のからだを寝床の上に四つんばいにさせると、踝まで届く長い栗色の髪を掻き分けて覆い被さってゆく。 二人の体格差は、まるで小猫にのしかかる成獣であった。 お尻にくっつく熱いモノを感じた少女は、正気を取り戻したようにハッとして、ぐっしょりと濡れた秘陰を手で隠し、哀願の涙を溜めて男を見上げた。 「あ……こ、これだけは……お願い……他のことだったらなんでもするから、……これだけは……もう…………!」 「ナニ言ってるのん、こんなにヌレヌレで、オマンコひくつかせてるのに。もう痛くなんてぜんぜんないのん。キモチイイうちに終わるのーん♪」 と、男は悠々と少女の手を外し、完全に皮が剥けたカリ太の大マラを慣れた腰つきで秘裂に押し当て、「ああ……だめ……だめぇ……!」と震えながら拒む少女などお構いもなく、一気に埋(うず)めていった。 ヌプジュプと潤んだ肉と肉が擦れ合う淫湿な水音とともに、少女の口から、 「アア~~~~ッ♥♥!!」 と、哀切な嬌声がほとばしる。 少女の願いなどまるで初めからなかったかのように、あっけないほど簡単に。 二人は一つとなった。 男の陰茎はその体躯に比べればエノキタケのようであったが、少女からすれば秘孔をぱっくりと拡げて奥まで挿し貫く、雄飛な剛直であった。 男は太腿をピッタリくっつけ深々と根元まで挿し込んだ状態で、気持ちよさそうにぶるぶると胴を震わせた。 「のーーー……♥ いい肉具合なのん……感じまくって奥までヌレヌレ、メス肉がいやらしく吸い付いてくるのん……♥ こんなごくじょ~のオマンコもほったらかしにしてたなんて、あのオトコはホント信じられないのん……!」 布団に上半身を突っ伏してふくよかな胸を潰しながら、「あ……いや……いやぁ……!」と、少女は枕を涙で濡らした。 「ニンゲンのメスマンコも悪くないのん、病みつきになるのん♥」 「お、お願い……もう……やめてぇ…………」 「の♥ の♥ ダイジョブダイジョブ、この調子ならキミもスグに他のコみたく病みつきになるから♪」 「いやあぁぁ……!」 だが、男の言葉どおりであった。 のしかかられ、からだを押さえ付けられながら、ケダモノのような動きで腰を打ち付けられ。固くも柔らかいオス肉が彼女の躰の中をくまなく広がるように、奥まで貪り尽くされるように掻き回されて。 お腹の奥から響く、普段では味わうこともできない心地よい刺激に、少女の忍耐は、一突きごとにもろくも崩れていってしまった。 そうして、体位を変えながら半時ばかりも肉壺を掻き回されていただろうか。 「あっ、うにゃっ、あっ、あっ、うにゃあああ~~ッッ♥」 もう、少女の口から拒絶の言葉は出ていなかった。 長い髪を振り乱して、身も心も快楽の虜になったようにあられもない嬌声を上げ、むせび泣きながら頬を緩める少女。 なんでこんなに気持ちいいのか、少女自身にもわからなかった。痛かったのは初めての時ぐらいだった。彼女だけでなく、ほかの子もそうだという。こんな大きな肉の棒でお腹の奥までめちゃくちゃに突かれ、擦られ、掻き回され、膣(なか)の肉が引きずり出されそうになるぐらい抜き差しされているというのに、もう前後不覚になるほどに気持ちよくなってしまうのだ。 気持ちよくて、気持よくて、気持ちよくて……! 何もかも吹き飛んでおかしくなってしまいそうなぐらいだった。 どうしようもなく欲しがってしまうのだ。どんなに口で拒んでも、からだが、お腹の奥が、熱く潤んできてしまう――少女はそれに気付きはじめていた。 少女は少年の顔を思い浮かべながら、 (ごめんなさい……ごめんなさい…………にゃああ…………ッ!) と、心の中で謝っていた。 男はというと、無数の襞々が奥までびっしり生えた名器の味わいに深い感嘆の溜息を漏らし、本体に負けぬぐらい巨(おお)きさの精嚢を盛大に揺らしながら、まるでケダモノのように本能の衝動にあかせて律動をヒートアップしていくばかりであった。 「の~♥ の~ん♥!」太い腰を激しく打ち付けながら、性欲丸出しでヨダレを滴らせる男。「スゴイのん、スゴイのんッ、スゴイきもちいいのんッ♥!」 反り返った肉棒はさらなる昂奮でますます膨らみ、少女の蜜壺を思う存分押し拡げてたっぷりと蹂躙しまくる。 全身を薄桃色に染め上げて、そのたまらない快感に身悶える少女。 「こみ上げて来たの~んッ! もう出るのんっせーえきドプドプ出るの~~~ん♥!!」 「にゃああ……ッ!?」少女は顔を上げて悲痛に叫んだ。「な、ナカはダメェ……ナカにだけはあぁぁ……ッ♥!」 「のののの~~~~~んッッッ!!!!」 男はまったく聞いていなかった。再び後背位になると、その巨体で布団とサンドイッチするほどに少女の臀部を押し潰し、ぐいぐいと子宮口に当たるまで深々と突き入れた。 その淫撃にキュウキュウと収縮した肉壺の刺激が最後の一押しだった。 「のッ♥!!」 やだ……出る……赤ちゃんの出来る白い汁…………!! 「ドプドプ~~~~~ッッ♥!!!!」 ドビュルッドビュドビュドプドビュッッ!!!! ドビュドビュルルルルドププッッッ!!!!!! ドプドプドビュドプドププッッッ!!!!!! 最奥まで届いた熱い塊。その全体が弾けるようにドクドクと力強く脈動するのがはっきりとわかった。夥しい量の精液が中いっぱいに撒き散らされていくのがわかった。 「ハ――ァァ……アアアァァアァ…………♥♥!!」 お腹の奥でそれを感じ取った少女は、のしかかられて満足に動けないからだをガクガクと震わせながら、どうしようもなく二度目の大きなアクメに昇り詰めていってしまった。 (どうして……どうして…………ああ……ッ♥!?) 望んでいないはずなのに。嫌なはずなのに。 この上なく気持ちよい絶頂に駆け上がるのを抑え込むことができない。 しっかりと種付けられている――そう考えてしまうと、 「――ハァァ……アアァアァァァ…………♥♥!!!!」 少女は白い咽を晒しながら、ひと際高く潤んだ声で鳴いた。 出てる……赤ちゃんのもと……お腹の一番奥で出されてる……! 「種付けられちゃう……種付けられちゃうよおぉぉ……♥!!」 気がどうにかなってしまいそうなほどの淫悦に、少女は随喜の涙が溢れて止まらず、歯が噛み合わなかった。頭がほとんど真っ白になり、身も心も舞い上がっていくような絶対的な開放感。その感覚は抑えられず、しかも経験するごとに深く広くなっていくばかりだった。 彼女の意志に反して熱く潤んだ肉襞は、みっちりと埋(うず)まった肉棒を奥へと招くように蠕動する。快楽に緩んだ入り口が、常人の何倍もの精子が詰まった濃濁な精液を誘い入れるようにヒクつき、次から次へと子宮内へ吸い込んでゆく。 男の精子が少女の子宮に招き入れられるのはこれが初めてではなかった。 そこにはすでに、かなりの先達が溜まっていたのである。数ばかりでなく生命力にも満ち満ちた兵隊たちは、生死を分けた戦場をまるで障害などない平野のように容易く走破してゆく。さらに溢れんばかりの加勢を得て欣喜雀躍し、目指すべきただ一点を求めて強力に侵攻するのだ。 これほどの精液をこれほど大量に注がれてしまっては、新しい生命が創り出されないほうがおかしい話であった。 「のんのんの~ん♥ 出る、出る、どぷどぷ出るの~ん♥ せーえきいっぱい吸われてるの~ん♥ キモチイイのおぉ~ん……♥!!」 男にも腰を引く気配など微塵も感じられなかった。 あまりの射精量にみるみるうちに満杯になる少女の膣内で、それでも熱いミルクの放出は止まらず、結合した下部から、そして上部から白濁液がぶちゅぶちゅ、ねろねろと溢れ出してくる。 「アァアッ……アアアァアアァァ…………ッ♥♥!!」 少女は征服されていた。まったく引き抜かれず、それどころか逆にみっちりと奥まで挿れられて、膣内(なか)でたっぷり射精されていた。からだ中が快感と絶頂に痺れて、のしかかる男をはねのけられない。男の体液は熱くてどろどろとしていて、お腹が重くなっていくばかりだった。奥にどんどん溜まっていくのが分かるような気がする。 「ニンゲンのオンナはみんな、ボクが孕ましてやるのーん♪ キミもボクの赤ちゃん孕むまで、たっぷり交尾しまくってあげるからね~♥」 「イ……イヤ……ァ……ア……アア……アアアアア…………♥!!」 男がその気なのは初めの時から分かっていた。それでも、今こうして孕ませられている。村の決まりに、周りの流れに逆らえなかったからというのもある。 だけど今は。 本能の悦びを沸騰させるオスの肉と精でからだの奥まで征服された少女に、抗う術などわずかばかりも残されていなかった。 ようやく少女の中で射精が収まると、男は胴震いをし、 「ののの~ん…………♥」 と満足そうに低く唸り、ゆっくりと腰を引いた。 少女の生殖器官からゴポリ、ゴポリと大量の白濁液を溢れ返らせながら出てくる肉棒。引き抜く際にも襞々に引っかかり、「アッ……♥ アッ…………♥」と、少女のからだが小さく震え続ける。 「ふぅ~」顎を伝う汗を手の甲で拭いながら、「相変わらずいっぱい出るのん♥」 そう言って、男は少女の股間を眺めた。 全身を小刻みに痙攣させる少女の中から、抜いてまだ少しも経っていないというのに、まるで水桶を引っくり返したように後から後から放出された精液が流れ出し、三角地帯を白い池に化させている。もう穴が見えなくなり、秘裂も白濁で埋まってゆく。 「…………でも、まだまだこれからなの~ん♥」 そう――淫辱はこれで終わりではなかった。 男のイチモツは硬度も熱気もまったく衰えていなかった。射精直後だというのに元気が有り余る己が愚息をしごきながら、早くも次なる慾望に鼻息を荒くし、男は休む間もなく少女をひっくり返してまたのしかかっていった。 「ハァハァ……今度はニンゲンのすたいるでやるのーん♥」 男は疲れというものを知らないように、飽きるまで何度でも少女のからだを責め嬲ってくるのだ。――そのほとんどを、膣内で果てるという結果で。 「ッ! …………ヤ……ァァ…………!」 淫落に漂う少女は、涙を浮かべて緩慢に首を振る。 これまでも全てそうだった。この快楽が、いやこれ以上の快楽が、意識が飛ぶぐらいまで続くのだ。身も心も溶けてしまうぐらいに――! その記憶が快美感とともに思い出され、「あっ……」と、まるで酩酊するようにぼうっとなってしまう。言葉とはうらはらにゴクリと喉を鳴らしてしまい、少女は蒸されたような目で白濁の汁にまみれた男の股間を見つめる。 こんなの……こんなのって……! 誰か……助けて…………! だが、少女のそんな想いは、口から発せられることはなかった。喋る前に、再び胎内に男が侵入してきたのだ。 「ア――ーッ……ッ♥!」 そのめくるめく心地よさを少女は抵抗もできずに受け入れてしまい、どうしようもなく口を緩ませた。 (ご……ごめんなさい……私、もう…………) 心の中でそう謝りながら、後はもう、快楽の海の底へ沈み込むばかりだった。 貪り、悦び、鳴き、痺れ、男に好き放題に犯され、やがては自分の方から淫気に染まったからだを開き、求め、濃密な一時の中で胎奥に注がれる男の熱い精液を何度も感じながら、少女は絶頂の中に意識を溶けうしなっていった。 あまり慣れたとはいえない電気もガスもない調理に手間取り、空気もけっこう静まってきた頃になって、ようやく食事は出来上がった。 膳の上の粗末な有り様に苦笑しながらも、とんかつと向かい合っていただきますしたところへ、梅梅の家の行灯を借りたすずが帰ってきた。 脇を通るとき、ボクの料理のニオイなんかより断然いい、湯上がりの残り香がふんわりと漂ってきた。お風呂も済ませてきたんだ。 やはり梅梅のところで食べてきたらしく、ちょっと疲れちゃったから先に休ませてもらうねと、さっさと寝床を作って着替えを始めた。もちろん、ボクはそっぽを向いてたよ。 すると、 「あ……」 と、何か気付いたような声がしたかと思うと、パタパタと板を踏み駆け、ガタガタと箪笥を開く物音。 なんだろうと振り返ると、ガラッ、パタンと風呂場に続く戸が閉まったところだった。 そして風呂場を使う音が聞こえてくる。 「あれ?……お風呂入ってきたんじゃないのかな?」 味噌を入れすぎたカライみそ汁をすする。作る順番も間違えてて、もう湯冷めしていた。トホホ。 しばらくして、ホカホカになったすずが出てきた。 「すず、梅梅とこのドラム缶風呂に入ってきたんじゃないの?」 と訊くと、なぜかエッとした顔になるすず。なんで? 「う、うん、でもまだ汚れてたとこがあったから入り直したの」 「そうなんだ」 なるほどと思いながら、ボクは食べ終わった膳を台所に運んだ。なんかちょっと怪しかったけど、それ以上追及しなかったのは、湯上がりのすずがなんだかやけに色っぽくて、直視しつづけられなかったからだ。後ろからすずの声が聞こえた。 「おやすみなさい、行人」 「うん、おやすみ」 振り返って、いつものように言葉を交わして。すずは布が擦れる音をさせて、布団に入るところだった。 すずが寝づらくないよう灯りを小さなもの一つ残し、汗を落としにいく。戻ると、すずは寝息を立てていた。 開け放しの縁側から夜空を見上げると、寝るにはまだちょっと早い月の位置だったが、ボクも今日はすずに合わせて早めに眠りを取ることにした。 雨戸を閉めて自分の分を敷き、彼女の後ろ髪におやすみ、と心の中で言いながら行灯の火を消す。もぞもぞとフトンの中に潜り込み、夜の潮騒と虫の音を聞くともなしに聞きながら、ひさしぶりにすうっと眠りにおちていった。 ボクはこんなにも女の子に囲まれた生活をしながら、ついぞ女の子の気持ちなどわからなかった――わかろうともしなかった。 問題児な東のぬしの、同性として軽蔑すらおぼえる行動にばかり目がいき、もう一人の男として何らその理由に気付くことがなかったのだ。 藍蘭島という社会。そこに住まう女の子たち。そして、男と女のかたち。この村の主役は誰になったのか。誰が主役にしたのか。 それを厭というほど思い知らされたのは、翌日からのことであった。 4 夜が明けて、また今日も一日の生活が始まる。 これまでと違うただ一つの(ボクにとって)煩わしい要素を除いて、藍蘭島の人々はいつもと変わらない日常を送っていた。 快晴の青空の下、おハナさんの所でカボチャの収穫を手伝う。中にはいったい何百人分あるのか見当もつかないっていうか家にできるんじゃないかというほど巨大なモノがあり、これがヘルプの原因だった。 三人がかりでウンウン唸りながら、「これがホントウのハウスカボチャか」「ガラスのカボチャを5個探さないと」「ここがあの女のハウスね」などと自分でもよくわからない事をぶつくさ言いながらなんとかテコで動かそうとしていると、畑の向こうにある道に複数の物影が動いているのに気づいた。 見やると、くまくまに乗ったゆきのと他の動物たちが道を歩いていて……げ。 ボクは眉をひそめた。一番後ろにぱん太郎がくっついていたからだ。ここに来る途中、別の女の子と話してたのに。 「あ、いくいくたちだー!」 ゆきのはくまくまを立ち止まらせ、道の上から、「オーイ」と、満面の笑顔で手を振ってきた。 「あ、ぱん太郎さまでねか」 おハナさんはテコ棒を放り出し、飛ぶように駆けていった。 彼女が抜けては仕事にならない。仕方なくすずと一緒に後をついていった。 「やあ、ゆきの。これからおでかけ?」 「うん! ぱんぱんと一緒に森に木の実採りに行くんだー♪」 「へえ……」 ぱんぱんって……。 ちら、とぱん太郎を視界の隅に入れる。実に呑気そうな顔でおハナさんと話していた。 「ぱん太郎さま、どこいくんだべか」 「このコたちと木の実採りなのーん」 「ウチのカボチャいらねが。蒸かすと美味いだよ」 「食肉植物の方がいいのーん♪」 「よっしゃ、今度それの畑作るだ」 おハナさんが秋波を送っていた。なんとなく、お似合いのカップルに……見えるわけないか。おハナさんに失礼だ。 ボクはゆきのを手招きし、頭上から躰を傾けてきた彼女の耳に囁いた。 「いつのまに仲良くなったの?」 「え? ……もしかして、行人、妬いてるの?」 ニヤニヤと笑うゆきの。 「ちがうよっ」なんでそうなるんだ、このおませさんは。「アイツが誰かと一緒に歩いてるのって初めて見るからさ」 「そうなの? けっこう他の子とも遊んでるよ。この前もりんのところの仕事手伝ってたし、しずしず達の山菜採りにも付き合ってたし。話してみればけっこう面白いヒトだよ」 「そうなんだ……」 知らなかった。いつの間にそこまでとけこんでたんだろう。 と、その時だった。 おハナさんから離れたぱん太郎がこちらに来たかと思うと、何気ない動作ですずのスカートをぺろんとめくり、まじまじと中を覗き込んだのだ。 一瞬、周囲の時が止まった。 すずも固まってしまったが、数秒のタイムラグを置いて顔が瞬時に沸騰し、 「うにゃッッ!!??」 と叫び、スカートを押さえてうずくまった。 「この野郎!!」 ボクはありったけの力でぱん太郎の腕を蹴り上げ、ついでに下がっていた顎にもアッパーカットをかました。ガキン、と歯がぶつかる痛そうな音がする。 「んごーッののー!?」 もう一発いきたいところだったが、顎をおさえてぱん太郎は二三歩下がってしまった。「な、なにするのー!?」 「そりゃこっちのセリフだっ!!」 すずとぱん太郎の間に割り込み、握り拳を顔の前に示して睨み上げる。コイツ、もう勘弁できない! 「ぬぬぬーん……ぬしに手を出すとはいい度胸なの」 もう回復してしまったパンダの顔が凶暴そうに歪み、ボクはちょっと怖じ気づいてしまったが、一歩も退かずに睨み返し続けた。怒りの煮えたぎる方が凄まじい。 メンチのきり合いになり、膨れ上がった闘志がいよいよ一触即発状態になった時、横から飛び込んできたのはゆきのだった。 「ちょ、ちょっと二人ともやめようよ~!」 わたわたと腕を振りながら間に入り、制止するように互いの方へぴょんぴょんと跳びはねた。 「ね、ね、仲良くしようよ! ぱんぱんもさあ!」 う……闘争心が薄れる……。 「ボクは別にどっちでもいいのーん」 ぱん太郎の躰から力が抜けた。フッと笑い、肩をすくめると、憐れむような眼差しをボクに送る。 なんだ……こいつ。 何故かは分からない。でもバカにされている。そんな目だ。それだけはハッキリと分かる。 ボクの全身の血がカッと昇った。絶対に許せない。「このッ……!」 「仲良くしよーよ! ね! ね!」 ゆきのが飛びついてきた。 「わかったのん、キミがそう言うならそうしてあげるのん」 「わー! やったー!」 ゆきのは嬉しそうに今度はぱん太郎に飛びつき、その長い腕にコアラのようにぶら下がった。「ぱんぱん大好き!」 怒りは収まらなかったが、ボクも身構えを解いた。 だが、ひとつだけ絶対に譲れないことがある。 「おい、すずに謝れよ」 「のん?」 つぶらな瞳でボクとすずを交互に見るぱん太郎。 「なんでー?」 「な……!」 また肩を怒らせたボクの腕に、すずがしがみついてきた。 「行人! やめて!」 「すず……なんで……!?」 「いいの行人、私は気にしてないから」 「でも、コイツ……!」 「突然のことだったからつい大声出しちゃっただけ」そう言って、すずは取り繕うようにペロッと舌を出した。「あんなの全然ヘイキだから」 ……。力なく拳を下ろす。 本人がそう言うのであれば、これ以上ボクがやることはなかった。 ゆきのがぱん太郎に、「スカートめくり禁止!」などと言いながら、彼らはすぐ北にある森へと向かっていく。 なんともなしに道端に立ち、小さくなっていく後ろ姿を見送っていると、隣に立ったすずがこちらに振り返った。 「ありがとう、行人。助けてくれて。……嬉しかった」 「え? と、当然じゃないか」そんなコト言われると照れてしまう。「いきなりあんな事してくる方がどうかしてるし」 「……そうだよね。でも……」 ためらうような笑みを作り、すずは視線を泳がせた。 「……あんまり東のぬし様を怒らせるようなことはしないで……」 ボクは「え……?」と、すずを見やった。 え? 「今、村が変わりつつあるのは、行人も知ってるでしょ?」 「……そ、そりゃまあ……」 「東のぬし様のおかげでみんなが将来の希望を持てるようになって……それを怒らせちゃって、もしこれ以上来てもらえなくなりでもしたら……みんな悲しむと思うの……」 希望だって? あんな最低パンダ野郎が去ったら悲しむだって? そんなバカな。――と、言おうとして、ボクは寸手で言葉を呑み込んだ。唾棄したい気持ちに偽りはない。だけど、我ながらみんなを侮辱する酷い言葉だと思った。 藍蘭島には藍蘭島の事情がある。社会の風習が違えば、理解の範疇を超えることだってきっとある。 これがきっとそうなんだ。 ――でも、ボクにはやっぱりわからなかった。 「そこまでして……そんなに欲しいのかな……好でもない人の、その……子供……とか…………」 「うん……」 すずは曖昧に頷いた。 「……たぶん、みんな村のことを考えてるんだと思う。でも……」ボクを見つめる。「……やっぱり本心でも欲しいんじゃないかな。だって、みんなこの島が好きだもん。ここでいつまでも暮らせたらいいなって……。それが自分の代で終わっちゃったりしたら、それはとても寂しいことだと思うし…………。…………それに………………」 言葉が途切れ、すずはもう姿の見えなくなった道の向こうを、目を細めて遠視した。 ボクはそれを不思議そうに見た。 なんだろう……なんでこんな目をするんだろうか。 「……それに……なに?」 「え? う、ううん、なんでもない! ……あ!」 すずが慌てて指さす。おハナさんがハウスカボチャの前で不思議そうにじーっとこちらを見ていた。 「行人、おハナさんが待ってるよ。行こう?」 「う、うん」 なんだか誤魔化された感じを受けたが、それも重労働をこなしているうちにどうでもよくなってしまっていた。 昼前には何とかおハナさん家の庭先まで運ぶことができ、お礼に手頃サイズ(とはいっても幅がボクの首あたりまであるやつだったけど)の採れたてカボチャをいただき、その上に座りながら晴天の下、ゆっくり流れる雲を眺めてお昼のおにぎりを食べた。 ボクはそろそろ次の本が読みたくなっていたので、軒先にカボチャを置くと、ちかげさんの館に出向こうと借りていた本をまとめた。すずもすずで所用があるらしく、別々に分かれて家を出た。 西洋館に着くと面白そうな読み物はないかな~と物色するついでに、島から抜け出せる方法のきっかけでも掴めないものかとそれらしい本も探してみたが、そちらはあいにく見つからなかった。 その後でぱな子さん特製の大粒ブルーベリーがのったガトーフレーズとシナモンミルクティーをご馳走になり、二人と歓談していると、ふとちかげさんが思い出したように、 「そういえば、行人さんはどこかでこの花をみかけたことはありませんか?」 と、一輪挿しの黄色い花を差し出した。 ボクは手にとり、まじまじと観せてもらった。 花の部分は丸く4センチほどはあるだろうか。放射状に伸びる花びらは半分あたりで内側にゆるやかなカーブを描き、それが何枚も重な合い、一見してキクらしい円になっている。これはしおれて鬱金色になっているけど、元はもっと鮮やかなんだろう。小菊かなとも思ったが、キクでこんなかたちをしているものがあるのか、そもそもキク科なのかどうかも、調べてみないことにはボクにはわからなかった。 だけど思い当たることはあった。 「……これって確か……」 あいつがよく持ってる花だ。 そういえば、とボクは気付いた。あいつの花って、いつも黄色いよな。 「知ってますの?」 「あ、いえ」慌てて首を横に振る。「違うんです、見たことはあるんですが、どこに生えてるかとかまでは知らなくて……」 「そうですか、残念ですの……」 フウと頬に手を当ててちかげさんはソファに戻った。 「すみません、お役に立てなくて……」 何だか申し訳ない気持ちになる。 「あ、いえ、いいんですの。ちょっとその花が気になってて、探してるだけですの。でもやっぱりこの辺にはないみたいですね……まあ、それはいいとして」 ちかげさんは眼鏡をスチャと掛け直してボクを見た。 「行人さんが来てから、この村もだいぶ変わりましたですの」 「え? そ、そうなんですか?」 唐突に切り替わった話題に戸惑いながら応じるボク。 「ええ、変わりましたですの」ニコッと笑うちかげさん。「なんか色々と、止まっていた歯車が動き出したように」 「へえ……」 「待望の子供も産まれましたし……ちょっとビックリな展開ですが」 ボクはしばらく置いてから、 「そうですね」 と答えた。それはボクではなく、アイツが来てから変わった事だろう……と、胸中によぎらせながら。 「ときに行人さんは、これからいかがなさるおつもりですか?」 「え? この後はもう家に帰ろうかなと……」 ちかげさんの顔がヒクッとなった。 「そうではなくて――」目を瞑って頭を振る彼女。「……いえ、やっぱりいいです」 「は、はあ……?」 それで会話は途切れ、ボクはそろそろおいとましようと腰を上げた。 ちかげさんは玄関の外まで見送ってくれると、戻り際に、 「行人さん……」 と、変に改まったような感じでボクを見つめた。 「行人さんは……本がお好きですのね」 「へ? え、ええ……。ミステリー物は特に好きだから、どんなに細かい活字でびっしり埋まってても、頑張って読みたいですね」 「フフ……」 ちかげさんは下唇に人差し指の横腹を当てておかしそうに微笑んだが、ふっとそれがやんだ。 次の言葉を待っていたが、ちかげさんはただボクを見つめるばかりで、その訴えかけるような瞳にボクはなんだか落ち着かなくなってきた。後ろのぱな子さんも「?」な顔をしている。 「な、なに?」 「……いえ。なんでも」また微笑むちかげさん。「行人さんは、行人さんですものね。でも、私もミステリーは大好きですの。……色々なミステリーをね…………」 謎な言葉を残して、扉は閉まった。 ……なんなんだろう。 5 そろそろ日が沈みそうだった。 次第に茜付いてくる斜光の風景の中、すずがひょっこり居たりしないかなあ……と、適当にぶらついて道を歩き、薄暗くなってきた雑木林の林道を通りがかった時に、ふと、木々の奥から人の声のようなものを耳にした気がした。 「……誰かいるのかな?」 声のしたような方向に耳を澄ませてみる。 「…………ぁ……ぅ……」 ……やっぱり何か聞こえる。 ためらいつつも茂みをかきわけて行くと、それは段々と明瞭に聞こえるようになってきたが、同時におかしな様子も分かり始めた。 『……そこは……』『……あう……!』『……きゃうう……!』 ギョッと躰が硬直し、足が止まる。 なんだ……これ…………もしかして………………。 つばを飲み、ちょっと逡巡した後。 そこからはなるべく物音を立てないように、立ててもできるかぎり小さくなるよう気を付けて歩き始めた。 後で振り返ってみれば、こんな行為は恥ずべき以外の何ものでもなかった。 だけど、この時のボクは、雑木林の奥から聞こえるその声音を聞いた途端、強力無比な磁力で意識ごと方向を定められてしまったかのように、その声に吸い寄せられてしまった。 いけない。心の隅で倫理がそう警鐘を鳴らしてた。よせって、やめろって。だがそんなボクの耳の中に、他の音をはね除けてその声は浸透してくるのだ。 『はうぅん……!』『……な、なんかおかしいよぉ……!』『あ……あ……あ……だ、だめぇ……』 (ま、まままさか――) 心臓の鼓動が一気に高まる。心音が調子はずれたように、息が不規則になっていく。 聞いたこともないような声音だった。それなのに、頭の奥がピリピリと痺れ、血がカッと昂ぶる。思わずよろめきそうになって、慌てて脇にあったブナの幹に手を当てて支えた。 一歩一歩、声は着実に近づいて来た。 「あう、あうぅ……ぅうぅん…………!」 背骨がゾクゾクしてくる、甘酸っぱいビブラート。 「こ、こんなの初めてだよお……あ、あ、そ、そこは……! そんな……あ、あ……! し、しないでぇ……っ!」 (まさか――――) 昂ぶった血が冷えるような、でもまた騰がるような。醒めたワケじゃない。騰がってるのか下がってるのか、よくわからなくなってきた。胸が痛い。つばを何遍も飲み込む。目が乾く。ヤバイ、呼吸が苦しくなってきた。 引き返そうとも思ったが、声はもうだいぶそこまで迫っていた。ここまで来てしまっては、背を向けて離れる方が怖かった。バレるかもしれない。バレたらどうしよう。こんなとこたまたま通りがからない。どう弁解しよう。どんな目で見られる。蔑まれる。憐れまれる。くそ、あの目で。ダメだ、やっぱり引き返さなきゃ、だからもうダメなんだって。ああああ。 その間にも、脚はゆっくり、ゆっくりと……前に動いていた。 ――立ち止まる。 目の前にボク一人の躰ぐらい十分に隠せるブナの巨木があった。その向こう側から、熱い息遣いと喘ぎ声が聞こえてくる。このブナを回ってしまえば、その現場に鉢合わせするだろう。 ど……どうするんだよ……。見る……のか……。 ボクはまるで念力発火でもするかのようにブナの白い木肌を凝視した。 見つかったらどうするんだ。覗き魔って言われて、みんなに知られて。すずにも。 しかも相手はアイツだ。100%間違いない。 止めた方がいい。まだ引き返せる。今すぐ回れ右して戻ろう。知らぬ振りして帰ろう。 こっち向いてたらどうすんだ。頭出してすぐ見つかったらどうすんだ。 心臓がバクバク弾ける。 ボクは目を伏せてブナのスベスベした幹に手をつき―――― そっと。 木陰から頭を覗かせ……目を上げた。 ――――見てしまった。 ゆきの。 平たいまんじゅうの端っこで拡げた脚を膝立ちに腰掛け、「あっ、ああっ♥」と、甘く上擦った声を漏らし、その未成熟な肢体をくねらせていた。 ボクの瞳孔は今きっと、驚きのあまり絞りきられてるに違いない。 からだをわなわなと震わし、何かを堪えるように目を閉じ真っ赤になった顔を俯かせながら、半開きの口からは濡れた舌が覗いていて。 「あ……あ……あぁう……♥!」 悲鳴のようにも聞こえる声。でも苦しんでるわけじゃない。 なんて顔してるんだ……。 スカートは片方の足首に引っかかり、白無地のお子様パンツで座っている。 帯を解いているため、ゆきののからだが揺れるたびになだらかな膨らみと小さな乳首がちらちらと見えた。彼女のふとももには手が乗っかり巻き取るように押さえつけられていたが、ゆきの自身のものではなかった。それが伸びているのは彼女が座っている、下の物体からであった。 無論、それは本物のまんじゅうなどではなく。 「あうゥッ! うぅぅんッ♥!」 今度はピンと背をしならせ、中空を仰ぎながらガクガクと震えるゆきの。頬が朱に染まって緩んでいる。 腰がわずかに浮き上がり、パンツの股の部分が露わになった。そこはお漏らしをしたかのようにぐっちょりと濡れ、粘性の透明な汁がたらーりたらーりと垂れ落ちた。 平まんじゅうから赤くうねうねしたモノが伸び、汁を垂らしている股部に埋(うず)まるようにねっとり舐め回すと、 「ふうゥんッ♥!」 ゆきのの腰が逃げそうになるのを、平まんじゅうはふとももをしっかと押さえつけ、また元に戻す。 「ふぁっ……あ、ああ……ああぁ……♥!」 グンと上体がしなって今度は前に来て、背中を丸める格好になった。股を締め、上着の裾と一緒に下の物体を掴む。服がシワになるぐらい強く握りしめ、わなわなと開け、締めたふとももをぶるぶると震わせ――ボクがこれまで見たこともない、性的快感に惚けた浅ましい表情だった……。 「いっ……いいっ、いいよぅ……♥」 「もっとやって欲しいのーん?」 まんじゅう――ぱん太郎が口を離して下から尋ねてくると、ゆきのはうるうるとした目で、 「やって、やって……!」 と、しきりに頷いた。 「ぬふふ、じゃあもっとキモチよくしてあげるから、今度はこの布も脱いで逆にまたぐのん♥」 ゆきののふとももから手が離されると、片手に挟んでいた黄色い花が地面に落ちた。 「はぁ……はぁ……♥」 ゆきのはぱん太郎の胸に手をつきながら片脚ずつ持ち上げ、んしょんしょとパンツを脱ぎ始めた。パンツとあそこの間にもぬっちゃりと何本もの糸が伸び、プップッと切れる。びちゃびちゃに濡れたパンツを赤い顔で見つめると、ゆきのはスカートと一緒に近くに放った。 覆うものが何もなくなった股間が拡げられ、ゆきのの大事なところが丸見えになった。 ぷっくりと膨らんだひとすじの可愛い割れ目。産毛がほんのわずか生えたばかりの幼いスジは、しかし、ネトネトとした汁にまみれ、後ろの穴までいやらしく濡れぼそっていた。 「さ、腰を落とすのん♪」 「う、うん……」 いくぶん恥ずかしそうに、ゆきのはぱん太郎の顔に腰を落としてゆく。膝が曲がりきり、ゆきのの大事なトコロが……ぱん太郎の舌が直接アソコに、触れて…… 「あ、あ……♥」 と、ゆきのは鼻にかかった声を上げ、くたくたとぱん太郎の胸に頬をつけた。 ぱん太郎の顔が、ゆきののアソコにくっつき、少女が感じる部分を思う存分舐めまくる―― ゆきのはさっきよりも一声一声がハッキリした甘い嬌声を上げた。くゆらすようにお尻をうねうねとする。それは……12歳にはとても思えない、淫靡なダンスだった。 ぱん太郎が逃げる腰に業を煮やしてふとももを掴み、しっかり引き寄せると、 「ふぅ……うぅん……♥!」と、からだをプルプル震わせ、指を甘噛み、動物のように発情して潤む目から涙をこぼしながら、ゆきのは股間から襲いくる感覚に必死に堪えているようだった。 ――なんて……光景なんだ……。 ボクはクラクラと意識が遠くなりそうになった。 ゆきのまで、こいつは――! 『ゆきのはまだ子供なんだ。こんなコトしていいはずないじゃないか』 そう思う。思わなければいけない。 思うハズなのに。 そう思うなら、動くべきなのに。 まだ早すぎるって、止めに行くべきなのに。 足が、動けなかった。 いつしか、木々の間から垣間見える空は真っ赤に燃え上がっていた。 そして、枝葉が光を遮る薄暗い林の奥で――ゆきのはもう、すっかり耽溺していた。 「ひぃっ……いぃぃ……い、いぃよぅ……♥!」 ぱん太郎の胸によだれを垂らしながら、股間からのいやらしい刺激にもがくようにからだを泳がしている。しかしふとももを固く押さえ付けられているために腰だけはどうしても動かせず、快感は後から後から際限なく生まれてきてしまうらしかった。 いつの間にかゆきのの上着も脱がしてしまっていたぱん太郎は、長い腕を活かしてお尻から手を回し、ゆきのの割れ目をパックリ左右に開き、桃色の肉を覗かせて直にソコを舐(ねぶ)っていた。ゆきのの大事なトコロは、男のソレと同じく、敏感なトコロだった。 ぱん太郎の唾液――だけなのだろうか――でぬらぬらと濡れる女性器。それは12歳の熟していない肉体であるはずなのに、ボクにとって、とてつもなく淫靡なものだった。 ゆきののお尻は、あんなにふっくらとしていただろうか。腰から胸に至る曲線は、あんなに女らしいカーブを描いていただろうか。わからない。今となっては記憶に自信がなかった。 甘い嬌声を震わせ続けていたゆきのに変化が現われた。そのからだが次第にビクリ、ビクリと弾み始め、細かく痙攣しはじめたのだ。 「あ……あ……だめ……なんか……なんか来るよう……♥!!」 と、追い詰められたような声で叫び、真っ赤な顔からポロポロと涙をこぼして口をわななかせ、背中を反らしながら腕をピンと伸ばして爪を立てる。 「ああっ……ああああ……ッ……はあッ……あぁ……ッ……!」 しっかり押さえられた腰が前後にフルフルと震え、今度は俯き何かに堪えるように目を瞑り、その喘ぎ声の間隔がせっぱ詰まったように早くなっていった。 「あッ……あッ……あ、あ……ああ、あ、ああ……はあぁ……あ……ああ! ああッ――――あ~♥ あ~♥! イッ――イクゥゥ~~~ッッ♥♥!!」 しまいには、しゃがんだ犬が遠吠えるような姿勢で、あられもなく喉を震わせて鳴きまくるゆきの。傍目にも、彼女の腿がギュウギュウとぱん太郎の顔を強く挟み込んでるのがわかった。 ゆきのの震えが止まった。 つま先が引きつるんじゃないかと思うぐらい伸ばされた姿勢で固まったように、声を裏返して鳴き続け、ただわずかにからだを痙攣させていた。 それは十秒……ぐらいだっただろうか。正確な時間、いや時計があっても、今のボクには永劫にも思える長さだった。 「――――あァーーー……………………♥♥」 からだが徐々に弛緩してゆき、か細くなるまでゆきのの声は続いた。 緊張が抜けたゆきのは、ぱん太郎の胸にくずおれるように伸びた。 ときおり、ヒクンヒクンとそのからだが揺れた。 どうしたんだろう……ゆきの……もしかして……女の子にも男みたいに「イク」っていう感覚があるのかな………… ぱん太郎は元気のなくなったゆきのの背中などを撫でていたが、少女がだいぶ落ち着いてくると、その躰を掴んで近くにあるブナまで持ってゆき、そこで膝立たせた。 内股までぐっしょりと濡れたゆきのの全裸姿に、ボクは目が吸い込まれてしまった。ゆきのはまだ成長途上のハズだ。でもなぜだか、少女のからだから淫靡さを感じずにはいられなかった。 イケナイ感覚だと理性が忠告していた。小学生にドキドキするなんて、まるで変態じゃないか。 だけど――そう頭で考えつつも、ボクはゆきのから視線を剥がすことができなかった。 「こ……今度はなにするの……?」 惚けたような目で訊ねるゆきのに、ぱん太郎は行動で示した。 ゆきのの目の高さになったズボンがずり下ろされ、中からビインッとバネ仕掛けのように、長大なエモノが飛び出した。 デカイ。ボクは息を呑んだ。 気にくわない奴という色眼鏡を差し引いても、それは間違いなくでかかった。 亀頭の付け根までしっかり皮が剥け、浅黒く反り返った太い肉茎。鮮やかに育った毒キノコのように傘張るカリ首。大きさも、形も、悔しいけど今のボクではとても敵わない大人のペニスだった。玉袋も、まるで化け狸のそれだ。 でも、ボク以上に驚いたのはゆきのだろう。 玉袋まで含めれば自分の顔よりも広い醜悪な肉塊が目の前にそびえ立ったのだ。精臭がここまで漂ってきそうなほどのおぞましい男性器を鼻先にまろび出されて、ゆきのがどれほど怖がるだろうか。 だが―― ゆきのはうっとりとした表情で、臆しもせずにソレに指を這わせた。 「あは、いつ見てもすごぉい……♪」 え………………え? ……………… ――ええええええ………………!!?? 「口に入りきらないよお……」 甘えたような声でそう言うと、ゆきのは両手で厚太の肉茎を掴んで曲げ、先端を自分の口元に引き寄せた。「あ~む♪」と、まるで食事を始めるかのように大きく開けられるゆきのの口。いっぱいに開けてもなお亀頭の方が大きかったが、お構いなしにパクッと先っぽだけを口に含む。 そして、親指で裏筋を揉みながら、シュッシュッと手慣れた手つきで両手でしごき始めたのである。 真っ白になるボク。 (ゆ、ゆきのが……!? そっ……そんな…………!?) 信じられない光景。 でも、そんなボクを可笑しがるように、ゆきのは積極的な奉仕をしていった。 「ん……ん……んむ…………」 ゆきのの頭が前後左右に小幅に揺れる。どうやら口の中で鈴口を刺激してるらしかった。ときおり唇が離れ、より大きく前後に揺らしながら、突き出した 舌の先でリズミカルに鈴口の中をほじくるのが見えた。 また、手と役割を交代して、ハーモニカを吹くように口をつけて肉茎をしゃぶりながら、中指の腹で鈴口をコネコネとする。 ときおり犬歯でカプッと敏感な先端に立て、ピクピクとペニスが反応し、ぱん太郎が「ウッ」と軽く顔を歪ませて切なそうにするのを、上目遣いに可笑しがっていた。 (うわ……うわ……うわあぁ…………) ボクは思わず股間を押さえてしまっていた。あ、あんな風におしっこが出る場所を弄くられたら、どんなになっちゃうんだろう……! 「ののの~♥」ぱん太郎も気持ちよさそうな吐息を何度もついた。「キミもだいぶ上手くなってきたの~ん♥……」 「えへへー♥ 上手になったでしょ? お母さん直伝なんだから♥」 僕はゆきのの言葉の意味が最初わからず、変に頭に引っかかったが、ちょっと考えてすぐに、寄せる細波のように驚きを広がらせた。 そんな……かがみさん……まで…………!? つい、母娘二人がぱん太郎とコンナコトをしている光景を想像してしまい、危うく前後不覚によろめくところだった。 ペニスを愛おしそうにしゃぶるゆきのの幼い顔は火照ったように上気し、上目遣いにぱん太郎を見る目がとっても潤んでいた。すごくいやらしい顔で、いつものゆきのと同一人物なのか信じられなかった。 「ん……んむぅ……んんむぅ……♥」 ゆきのの口戯は段々とノッてきたように熱が籠もってきて、ほとんどむしゃぶりつくようにぱん太郎のペニスを味わっていた。彼にそうされたように、ゆきのもまた、舌から垂れ落ちるほどのつばをのせて満遍なく塗りたくり、それを指で広げ、ペニスがぬらぬらと妖しい光沢を放つまで舐めるのだ。 「のの~ののの~♥ も、もう出るのーん……♥」 ぱん太郎は上擦った声を出し、腰をカクカクと動かし始めていた。 「ののの~今日はまずどこに出してほしいの~♥?」 「えっ……えと、ク、クチ以外なら……あっ」 ゆきのはパッと閃いたような表情になると、ぱん太郎のペニスを握ったままやおら立ち上がり、背を向けて後ろのブナに手をついた。そして、 「ここに……おねがぁい……♥」 と、脚を大きく拡げて腰をつきだし、秘裂の前までぱん太郎のペニスを誘導した。 「ナカがダメなら、せめて入り口でドピュドピュ出して……♥」 「い、いいの~ん?」 ぱん太郎はそう言いながらも、誘われるままに一歩前に出て先端を割れ目にくっつけた。愉悦げに笑みながら、昂奮を抑えられないようにハァハァと荒い息を吐いた。 「うん、お母さんにはナイショ……♥ ぱんぱんの熱いせーえき、ゆきののマンコにもいっぱいかけて♥」 「ぬふふ~ん、そこまで言うならわかったのん。ナカに入っちゃうぐらい、ドプドプ浴びせてあげるのん♥」 少し腰を突き出して、ぱん太郎はゆきののまだ閉じた割れ目に、丸くなるぐらいパンパンになった亀頭の先を――ぬちりと埋(うず)めた。 「んんっ♥」 と、ゆきのは気持ちよさそうな声を漏らして、甘く腰を揺らす。 「ああんっ……♥ お、おちんちん入れちゃうのはダメだよぉ……ナカまで入れるのはダメェ……♥」 「のんのんのん、ここまでなら大丈夫なのん♥」 ぱん太郎はそう言い、自分の手で肉茎をしごき始めた。 「ぬふん、ぬふん、割れ目の中の肉がヌルヌルでキモチいいの~、の~♥!……ぬのーん、ぬのーん……♥」 ぱん太郎の腰がカクカクと動き、今にもゆきののアソコに入り込みそうだった。 「ハァハァ……イクのーん、イクのーん……ッ♥!!」 もうしごかなくてもほとばしる直前を予感したぱん太郎は、肉茎から手を離してゆきのの秘裂を左右にぐいっとさらに拡げ、真っ赤に膨らんだ亀頭のカリがゆきのの内に隠れるほど押し込んだ。 「あああっ♥!?」 ゆきのがその感触に官能的な嬌声を上げた瞬間。 雷に打たれたように、ぱん太郎がビクンと跳ねた。 ブピュッブピュッブピュッブピュッッ!!!! ブピュピュピュッッブピュピュルルッッ!!!!!! ブピュブュビュブュブュブュッッッ!!!!!! 「のののののーん…………♥」 肉茎が膨らみビクビクと脈動し、亀頭が埋(うず)まった周囲から、ビュッビュッとまるで噴水のように白濁液が噴き出してくる。ゆきのの秘裂が、お尻が、内股が、みるみるうちに白く染まっていく。 その鉄砲水のような放出に唖然として、ボクは開いた口が塞がらなかった。 なんていう射精なんだ……! しかも量だけでなく、その濃さも凄いものだった。ゆきのの肌についた白濁液は、まるでゼリーのようにドロドロと垂れ落ちていく。どれだけ溜めればあんなに粘っこくなるんだ……。 「ああっ♥! あああっ♥!? こっ、これナカで出しちゃってるのおぉ♥!?」 ボクもそれがナカで出されていないとは思えなかった。確かに入っているのは亀頭の部分だけ……みたいだ。けど、こんな勢いで出されてしまっては、中に流れ込まない方がおかしかった。 「奥じゃないの~ん、ほんの入り口で出してるの~……でも、これはこれで……キモチい~の~ん……♥」 「ああ、だめぇ、お母さんが、お母さんがナカはダメってぇ……♥ あ、ああ、でもっ、でもすごい、すごい熱いのがいっぱい出てるよお……ゆきののマンコにいっぱい、いっぱいせーえきいっぱいかかってるよぉ……♥ せ、せーえき、せーえきすごぉぃいぃ……っ♥!」 あられもない嬌態を振りまくゆきの。 出来る限りペニスが当たるようにつま先立ち、快感に酔いしれながら、パンダ人間の射精を女性の大切な部分に浴び続ける姿は、もはやボクの知っているゆきのではなかった。年齢や胸の無さなんてどこかに吹き飛んでしまう……まぎれもない“女”、だった―― 放水にも似た射精がようやく収まり、ぱん太郎の躰から力が抜けると、ゆきのの股間は一面、白で覆い尽くされていた。 ぱん太郎は残尿処理のように腰をくにくにと動かしながら、 「もしかしたら、少しは入っちゃったかもなのん。ぬふふん。そしたらごめんなのん♪」 と言った。余韻に浸りまくったその顔は、まったく謝ってる風に見えなかった。 ゆきのといえば――恍惚状態だった。 「ナカで出しちゃダメ」と彼女自身が言った精液でアソコをまみれさせながら、手足をぶるぶるとさせ、涙に濡れた頬を快感に緩ませて。あと少し進まれてしまえば容赦なく処女膜が破られてしまうというのに、本物の先っぽを咥え込んで、気持ちよさそうに腰を前後に揺らしている…… 「あ……あ…………赤ちゃん……赤ちゃぁん…………♥」 ゆきのは喜悦の涙いっぱいの瞳で腰を動かし続けながら、直上にあるぱん太郎の顔を見上げ、信じられない言葉を口にした。 「あぅぅん……やっぱり……ゆきのも赤ちゃん欲しいよお……♥」 ゆ……ゆきの…………!? 「ぬっふふ~……♥」ぱん太郎は極上の笑みを浮かべた。「ちっちゃいのにスケベなムスメなのん。マンコがキュウキュウって締め付けてきて可愛いのん♥ …… ぬふふん、どうしても欲しいっていうんなら、ボクのせーえき、キミの中でドプドプ出してあげてもいいのん♥」 「ホ、ホント……? ゆきのでも赤ちゃん出来るの?」 「もちろんなのん、出来るまでやってあげるのん。ボクのせーえきマンコになるんだったら、いくらでも孕ましてあげるのん♥」 ゆきのは淫蕩にけぶった目をきらきら輝かせた。 「ゆ、ゆきのも赤ちゃんつくりたい……!」 「ぬふっ、ぬふ、ぬふ~……♥ いいのん? ボクのせーえきマンコになるのーん? 種付けしまくってもいいのーん?」 「なるっ、なります、『せーえきマンコ』になるからぁ……」ゆきのはそう言いながらお尻を振った。先端が嵌(はま)っている肉棒もそれに合わせて揺れ動く。「ゆきのにも……種付けしまくってぇ……♥」 ボクは頭に思い浮かべる言葉すらなく、ただ呆然と突っ立つしかなかった。 こんな……ゆきのがこんな女の子だったなんて……!? ぱん太郎の奴に騙されてるんじゃないのかと思った。ただ、思っただけで、どう騙されてるとか、だからどうしようというとか、思考の続きはなかった。ゆきのの悦んでる姿にうろたえた。自分の知らないコトをやっているぱん太郎の存在感に気後れしてしまっていた。 初めて見る本物のセックス――いや、ニセモノも見たことないけど――に完全に呑まれてしまっていた。 なんで飛び出して阻止しなかったんだろう――などという悔やみは後の祭りだった。 「種付けされて、ボクの赤ちゃん孕むのん?」 「うん、ぱんぱんの赤ちゃん孕む、種付けされてゆきの孕むからぁ……ぱんぱんの赤ちゃん孕ませてぇ~♥」 「ぬふ、ふ、ふふ、ふふ♥」 ぱん太郎は腹のぜい肉を揺らして笑った。心底愉快そうな笑いだった。 「ぬふふ、それじゃあキミの小さなしょじょマンコもボクが開発してあげるのん。他の子に負けないぐらい立派な、ボクのせーえきマンコにしてあげるのん。ボクのせーえきドプドプドプドプ入れて、キミの子宮の隅まで染み渡らせてあげるのん。それで、5ニンでも10ニンでもボクの赤ちゃん孕ませてやるの~ん……♥」 そう言うとぱん太郎は昂奮極まった息を吐き、ゆきのの腰を掴むと、ガチガチに勃ったペニスを真っ白に塗りたくられた秘裂の中へ、ケダモノの欲望のままに腰を進めていった。 「キミのばーじんも、いただきなの~……♥」 あんな量を射ち切ってもまったく固さを失ってないパンパンに張ったペニスが、ゆきのの中に押し入っていく……! 「あ……! あっ、あうっ、あぅぅ……! うううぅ~~~ッッ!!!!」 今度は本物の苦悶の声だった。激しい痛みに襲われるように、ゆきのの全身が苦しげに強張った。 「い、痛い……裂けるよおお……ッッ!!!!」 やっぱりあんな大きなモノ、ゆきののからだじゃまだ耐えられないんだ……! ぬ る んっ 「ん ああッッ!!??」 ――ボクの憶測を裏切るように、それは途中で加速し、想像よりも呆気なくゆきのの中へ収まった。 根元部分を少し残して挿入に成功したペニスに、「のの~……♥」と、満足の溜め息を吐くぱん太郎。 「……クッ…………」 ブナの表面が剥がれて手のひらに刺さり、思わず声を漏らしそうになった。いつの間にか、爪が痛くなるほど指を強く木肌にくいこませていた。 ゆきのの処女は、ボクの視界の中でパンダ男に蹂躙されてしまった。 ……ボクが何かを奪われたわけじゃない。 ゆきのはボクのものじゃないんだ。 それはわかっている。 ……なのに。 胸をライフルで射ち抜かれたように、心の中にぽっかりと穴が空くような感覚に襲われた。 痛かった。 シャツの胸元をシワになるぐらい強く掴んで、ハッと気付いた。目でわかるほど手が震えていた。躰が揺れ、頭がクラクラした。 (くそ…………!) しっかりしろよ、東方院行人……! それはおよそ、人と人とがする光景とは思えないものだった。こう言ってはおぞましすぎるが、まるで年端もいかない子供に無理矢理のしかかる変質者を見ているようだった。 そういうのは止めなくちゃいけない。そんな気持ちはあった。だけど、あまりの光景に麻痺してしまったかのように、依然ボクの脚は動かなかった。 現実感が希薄だった。 「あ……! ッあ……く…………! ぅ……、あ、ぁぁ…………!」 激痛に襲われているのだろう、ゆきのの背中がプルプルと震えて仰け反り、つま先立ちになっていた。項垂(うなだ)れた顔は両目がギュッと瞑られ、辛そうな息が何度も吐かれる。 それとは正反対に、 「のののの……♥!」 男の方と言えば、のど仏をさらしながら快感の声を雄叫びのように上げる。 「今までで一番のキツキツヌルヌルなのん……♥! ののののの~♪ 最高なの~~♥!」 「はぁ……はぁ……そ、そう……なんだ…………う、嬉しいかも……♥」 「大丈夫~?」 「だ、だいじょうぶ……!」言葉とは裏腹に、ゆきのは苦しげに喘ぎっぱなしだった。 「裂けるかと思ったけど……今はもう……あんまり痛くない……よ……!」 「ぬふふ、これまでのエッチが効いたのかもー」 そう言うと、ぱん太郎はゆっくり、ゆっくりと動き始めた。 ぬちゅ……ぬちゅ……ぬ ちゅ……ぬ ちゅ…… キツいと言うわりには、ゆきのの手首ほどもありそうな肉棹は、スムーズとも思える滑らかさで何度も何度もゆきのの胎内に挿入された。 その赤黒い皮膚が、男自身が吐き出したもの以外の透明の体液で濡れているのが分かった。そして、そこには赤いものも混じっていた。 「んあ……んああ…………!」 出し入れされる度にゆきのの顔が苦痛に歪む。 処女だった赤い証が白濁汁と混じり、ねとついた糸を引きながら、腐葉土の上に垂れ落ちていった。 しばらくは、ぱん太郎の腰の動きに合わせて、ゆきのの苦悶の呻きが続いた。 「う、うぅん……んあ、あ……うう……!あ、ああ……ああぅ……!」 それはまるで、拷問にかけられているかのような光景であった。初めての女の子は、あんなに辛いものなんだろうか……? ゆきのは滑りやすいブナに手をつく余裕がなくなったようで、だらりと前屈した。ぱん太郎は立ちハメしたままゆきのの上体を起こし、木との間に挟み込むように彼女を立たせると、突き上げるような抽送を再開した。 「ひう……ひううっ……ひゃううんッ!」 ゆっくりと腰を使って突き入れられるたびに、背中を張りつめて悲鳴を上げ、さらに脚をガクガクと震わせる。 そんなゆきのに、 「頑張るの~……ゆっくりやってあげてるから、なるべく力を抜いて、でもマンコはよく意識するのん」 と、ぱん太郎は上から声をかけた。どこまでも呑気な声であった。 ゆきのは痛みに涙をポロポロこぼしていたが、健気に頷いた。 「が……頑張る…………!」 ズチュ……ズチュ……ズチュ……ズチュ…… ――ほどなくして。 わずかずつだが、ゆきのの反応が変わってきた。 「……あ……あ……あぁ…………。な……なんか…………お、お腹の中が……痛くない……ジンジン…………痺れてきた……」 「ぬふふ、どうやら感じてきたみたいなのねん、じゃあ、もっと速く動くのねん♥」 徐々に腰の動きを速めていくぱん太郎。 ズチュ、ズチュ、ズチュ、ズチュ、ズチュ、ズチュ 「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あッ!」ゆきのの顔に快楽の兆しが戻ってきた。 「な、なに……奥に届いてる……あ、ああっ、あうぅっ……お、奥に、奥にぱんぱんのおちんちんが当たってるよぉ…………!」 「ぬふ、ぬふ♥ お望みどおり、キミのお腹の奥にある子供部屋に、い~っぱいボクの子種注いであげるからね~♥」 そう言って、ぱん太郎は腰の動きをさらに深く、強く、加速し始めた。 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ! 「あううっ、あうっ、あうっ、あううっ♥!」 ゆきののからだの揺れようはまるで、幼児が振り回す人形であった。 だけどそれでも、一度感じ始めた快感は無くならないようで、苦悶とも陶然ともつかない表情で、ゆきのはうわごとのような喘ぎ声を上げ続けた。 信じられなかった。あんな乱暴に扱われて……あんなに大きいモノで蹂躙されて……ゆきのはまだ小学生の年齢なのに…… 二人の結合部から漏れ聞こえる粘質な音が、どんどんと大きく、高くなってゆく。精液にまみれた入り口に、あの巨(おお)きいペニスがゆきののアソコにほとんど根元まで出入りする様は、淫猥以外の何ものでもなかった。 「のの~♥ 狭すぎなの、ぬるぬるだけどぎゅーぎゅーなのー♥ キモチイイよすぎるののの~~~♥♥!!」 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ! 「あ、あ、あは、あ、あ、あはあぁッ♥!」 ゆきのは前後に揺さぶられながら眉根をキュッとさせ、 「奥に、奥に感じるようっ、届いてるようっ!ぱんぱんのおっきいのが奥まで……来てるうぅ……♥!」 と、嬉しさを含んだ声で叫んだ。 「のお~~~♥ のお~~~ん♥!」ぱん太郎が吠えた。「締まる、締まるの~~♥ もうボク限界なのん、もうドプドプ出ちゃうの~ん♥!」 ゆきのの大事なトコロの中で、ついにラストスパートが始まった。 ぱん太郎はゆきのの腰をがちっと掴み、深いところをえぐるように、激しく腰を打ち付け出した。 「んああっ、んああっ、んあああっ!!」 これには、慣れてきたゆきのも苦悶の悲鳴を上げた。 「痛いっ、お腹痛いようっ、激しすぎるようぅ……っ! お、お腹がぁ……苦しっ、……んいいぃぃ……!!」 ゆきのの上半身がずるずると地面に落ちる。腰だけが持ち上げられた状態になって、ゆきのがいくら苦しそうな声を上げても、ぱん太郎の貪るような律動はとまることが―― 「のの~~~~~……ッッ♥♥!!!!」 ――とまった。 めいっぱいまで深々と挿し込んで。一瞬、ぱん太郎の躰が膨らんだようにも見えた。 獣の咆哮とともにここまで放出音が聞こえてくるのではないかと思うほどの、何らためらいのない明快な絶頂射精。 臀部の筋肉が搾られるように断続的に締まり、緩み、また締まりを繰り返すのが、いやがうえにも、ゆきのの中で射精が行われていることを強調していた。 ゆきののまだ発育途中のからだの中に、これまでにも何人もの女の子を孕ませた濃い精子が、溢れるほどにどくどくと流し込まれているのだ。 「あっ……♥! あっ……♥! あっ……♥!」 ゆきのはからだをビクビクと弾ませ、うっとりと目を閉じながら、ぱん太郎の精子が自分の胎内に注ぎ込まれるのを――ぱん太郎が言う、子供部屋に注ぎ込まれているのを――深く感じ取っているみたいだった。 ピーンと伸びて震えつま先立ちした脚の内側に、ネトついた白濁が伝い流れてゆく。それだけではなく、もう一本の脚が生まれたように、太い白布となってゆきののアソコらドロドロと落ちていった。 ゆきのの幼い生殖器官は、中も外も余すところなく、ぱん太郎のおびただしい精子でまみれ、埋め尽くされていっているのだ。 「はあぁぁ……♥ んっ、んん、んんんんん………………♥♥!! すごい……すごぉぉい…………♥ すごいよぉ…………♥!」 うわごとのように呟くゆきの。「ぱんぱんの熱いせーえきが……どくどく……入ってきてるよおぉ……♥!」 「の~~~……♥」 尻をすぼめながら、ぱん太郎も心底気持ちよさそうな吐息をつく。 「種付けられてるのわかるの~♥? キミのちっちゃな赤ちゃん部屋に、ボクの特濃せーえきがいっぱい入ってってるの~ん♥」 「わかる、わかるうぅぅ……♥!」熱に浮かされたように叫ぶゆきの。 「お腹の奥に入ってくるぅ、あったかくてキモチイイのがいっぱい入ってくるようぅ……♥!」 「ぬふふふふふ、これでキミも立派なボクのせーえきマンコになったのん。ボクの子供孕んで、痛い思いしてボクの赤ちゃん産むのん」 「え……い、いやあ……痛いのはいやぁ……」 「でも子供産んだら、またこうして子作りできるのん。産んで、孕んで、産んで、孕んで、産んで、孕んで……一生忘れられないほどキモチよくしてあげるのん。ボクが飽きるまで、キミもボク専用のせーえきマンコなのん♥」 「ア……ァ…………アァ~~~――――…………♥」 ゆきの声はもう言葉にならず、全身を震わしながら、堪(こら)えられない甲高い嗚咽を漏らした。 あんな量の射精を二回も立て続けたというのに、ぱん太郎はすぐにケロリとして、 「一発だけじゃ満足できないのん、もっとやらせてもらうのん。せーえきマンコにきょひけんはないの~ん♥」 そう言ってゆきののからだを今度は地面に仰向けにして転がし、彼女の下半身を持ち上げて脚を拡げた。ゆきのの頭の方に尻を向け、腿の裏に乗っかるようなかたちでその上をまたぐと、斜め下に打ち下ろすようにペニスを秘裂に埋(うず)め、そのままガシガシとまた腰を振り始めた。 グチョン! グチョン! グチョン! 「ふあぁぁあぁああぁぁぁああ…………♥♥!!」 ゆきのは細長い悲鳴を上げた。痛がっているのか、感じているのか、わからなかったが、どちらかというと感じているようだった。 こんな姿勢でもセックスができるのかと、ボクは頭を殴られたようなショックを受けながら、その想像を超えた行為を見続けた。ボクだったら抜けてしまうだろう高さまで腰が上がっても、ぱん太郎のペニスは先端を覗かせることもなく、繋がった部分をまざまざとボクに見せ付けた。 いやらしい液でぬたぬたに濡れた肉の楔が、ぬ ろぬ ろと出たり入ったり。 ぱん太郎が突くたびに前に注ぎ込んだ白濁液がビュプビュプッと吹き出し、引いてもゴポゴポと溢れ出てくる。ボクの倍もある大きなモノが、ゆきのの小さなアソコにもう、実にスムーズに出入りしていた。 「あっ……あっ……い、いぃ……いいよぅ……♥ キモチイイ……キモチイイよう…………♥!」 ゆきのは悲鳴にも似た嬌声を上げ続け、最後はぐったりとしてブナの落ち葉に上体を横たえ、だけど気持ちよさそうな笑みが消えることはなかった。 ゆきののからだを折り潰さん勢いで腰を打ち付けていたぱん太郎が、 「ドプドプ~~~~ッッッ♥♥!!!!」 と叫ぶと、ゆきのの背の付け根あたりを押しながら、密着した状態でピストン運動が止まった。また、だらしない尻肉がビクンビクンと痙攣した。 その瞬間、「あああああッッ♥♥!!!!!!」と、ゆきのは子供とは思えないケモノのような叫び声を上げ、三度目の射精がほとばしるのを迎えた。 またもや半端じゃない量のようで、濃厚な白濁液がビュッビュッと噴き出して辺りに飛び散り、ゆきのの幼い肢体にも真っ白になるほど浴びせかけられた。 顔も胸もお腹も白濁に染めながら、ビクビクと全身を快感で痙攣させ、背中を反らせて脚をいっぱいに拡げ、惚けたような表情で射精を胎内に受け止め続けるゆきの。 「んあぁ……んああぁぁ……♥ おなか、おなかが熱いよぅ……赤ちゃんが、いっぱいできちゃうよおぉぉ……♥ タプタプしてるぅ…………♥」 「のの~……♥ ボクの濃~いせーえきをいっぱい味わうの~……♥」 ゆきのは理性を失った顔でコクコクと何度も頷き、「赤ちゃあん……♥」と、夢見るように呟いた。 「これからはキミも、いつでもどこでもボクのせーえきマンコになるのん。ボクが命じたらどこででも股を広げて、ボクのチンポを迎えるのん。ボクのせーえきマンコにきょひけんはないのん♥ 孕むまで何度でもマンコにたーっぷり注いであげるのん。わかったのーん?」 「は……はあぁい……♥」 本当の理解しているのかどうか怪しい表情で嬉しそうにお腹をさすると、水たまりになっていた精液がヌルヌルと糊のように広がった。 この後も、ゆきのはぱん太郎の言う“精液マンコ”になってしまったようにスケベパンダの好き放題に犯された。時間が経つにつれてゆきのは息も絶え絶えになり、疲れをにじませていった。そしてついには失神してしまったが、そうして気を失うまで、計五回も彼女の体奥で“種付け”が行われた。 だけど、彼女の小さな躰も、アソコの中も――おそらく子宮も――特濃の白濁液で満たされて、ゆきのは自分を失うほどの快楽に包まれてながら、気絶してもなお、幸せそうな笑みを浮かべていた。 (第2話に続く) 上に戻る
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ブランド アトリエさくら #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (000.jpg) ジャンル アドベンチャー 原画 綾風柳晶 シナリオ 中森南文里 発売日 2022/7/29 価格 2,800円(税別) 選評 【2022】クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 1本目 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1647683806/ 376:寝取られ姉妹、美亜と悠美~繰り返される恋人強奪:2022/08/19(金) 13 01 58 ID vG.Cxm.6 寝取られ姉妹、美亜と悠美~繰り返される恋人強奪 ジャンル ADV ブランド アトリエさくら 価格 3,080円 発売日 2022年 7月29日 CG20 シーン数17(3Pは1回のみ)ENDは3種類 プレイ時間2時間30分 あらすじ(公式サイト) 主人公の大学生、江田安隆(えだやすたか)には苦い思い出があった。 付き合っていた芝沢悠美(しばさわゆみ)の部屋に行くと、 彼女が見知らぬ男と抱き合っているところに遭遇してしまう。 しかし悠美はそれを隠すことなく目の前で男と交わり続け、 その理由を自分とするのでは満足出来ないからだと告げた。 そして恋人関係は終わりを告げ、悠美は大学から姿を消したが、 その時のショックは残り続け、もう恋人なんて作ることは出来ないと思い込んでいた。 その後、悠美の妹、芝沢美亜(しばさわみあ)と再会する。 次第に惹かれてゆき、つきあうようになるが、 安隆には悠美から受けたトラウマが残り続け、セックスにも影響を与えていた。 しかし、美亜が安隆に寄り添い、その傷もやっと癒えてきた。 しばらくして、悠美が再び安隆の前に姿を現す。 安隆は彼女に今の恋人は妹の美亜だと告げ、 悠美もそれに抵抗を示すことはなかった。 そして過去の事はもう忘れ、このまま美亜と幸せにやってゆけると思った。 しかし過去に目の前で悠美を抱いていた男、鷺沼颯眞(さぎぬまふうま)は、 悠美のみならず、安隆だけを愛していたはずの美亜をも、性欲の世界に巻き込んでゆく――。 〈問題点〉 本作の問題点としてNTRモノなのに致命的に人間関係の描写が薄く ヒロインが、何故付き合ってたか疑問になる性格の元カノと 付き合ってる描写がほとんどなく、終盤まではモブレベルの登場頻度の恋人で 全体的に感情移入がしづらい 恋人の悠美の寝取られシーンからゲームが開始するのだが 悠美と付き合ってるシーンや 悠美を好きだという描写も無い状態で始めるため感情移入がしづらくNTRとして微妙 上記の出来事がトラウマになり、もう恋人は作らないと考える主人公 その後3クリック程で美亜と付き合いセックスするシーンに移る 美亜と付き合うまでの過程も、主人公が心の中で僅か10クリックで説明してくれる程度で 付き合ってる描写もフレーバーテキストレベルなのでNTRに説得力がない 元カノの悠美の性格が悪く、間男の颯眞が結構いい奴であまり悔しくない ゲーム序盤の悠美と颯眞のセックス中に悠美が 「安隆(主人公)とのセックスじゃ満足できない」と目の前で見ている主人公に対し発言し それに対し颯眞が「恋人なんだからもっと優しくしなよ」とフォローを入れてくれる 他にも颯眞は「俺ばっかり気持ちよくなっちゃ悪いし、ここで彼氏ともヤる?俺見てるけど」と主人公を気遣ったり 高級レストランで奢ってくれたりタクシー代を払ってくれる作中最大の聖人 主人公と美亜がよりを戻すENDでもクールに去っていった + ... imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (001.jpg) 悠美は主人公と再開直後に飯を奢らせ ゲーム中盤「颯眞にも飽きてきた」と言い主人公とセックスしたがり ゲーム終盤に颯眞のセックスの虜となった美亜を追いかけようとする主人公に 「私の時は、ただ一回で離れていった癖に!」と言い放ち たとえ颯眞と寝たとしても、もっと粘って恋人だと主張して欲しかったことが発覚し、 主人公がそれでも今は美亜を愛していることを告げると 「あの子、私ががアンタのことまだ本気で好きだって思って、譲ろうとしてたみたい」と言い 二人がセックスしてるホテルのカードキーを渡してくれるシーンがまるで名シーンのように描かれていたが 筆者にはなんだコイツとしか思えなかった ちなみに時系列的には美亜が颯眞に寝取られるより先に 主人公は再開した悠美とフェラ&セックスしている 気になった点 場面転換の度に毎回3クリック分の三点リーダーを挟み、小癪なクリック数稼ぎ + ... imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (002.jpg) 二人用のテーブル席しか無い高級レストランで3人で食事をするシーンが2度ある なおこの場所で2人以下で食事をするシーンは存在しない + ... imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (003.jpg) まとめ NTRという人間関係を書くのに登場人物が 恋人描写が無く、感情移入もできない元カノと それよりも影が薄い恋人 その二人と付き合う描写をプロローグで済ませる主人公 終始主人公に気を使ってくれる間男 ではプレイヤーとしてどこに感情移入すればいいのか疑問である あらすじの部分をストーリーとしてちゃんと掘り下げていればNTRとして完成しただろうが その部分を雑にしたがために 主人公は恋人の事を好きだが、プレイヤーはその恋人の事をよく知らず そしてNTRとして不完全燃焼が起こってしまった
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『冒険者で寝取られ』 前編 1 あまりよろしくない通りにある酒場は混み合っていた。一癖も二癖もある顔つきの男達が何人も屯(たむろ)していて、その中にどれぐらい盗みを生業にしている者が紛れているのだろうと思った。中には並の冒険者よりよっぽど面白い話を持っている者もいる。とはいえ、街に着いたばかりの身としてはひとまずは歩き疲れた躰に染み込む一杯が欲しかった。 狭い隙間を抜けてカウンターの奥、空いている席に滑り込む。 「エールを」 船着場の荷役の方が相応しそうないかつい体躯のバーテンダーは軽く頷き、樽からカップに赤褐色の液体を注いで置いた。 私はそれをぐっと傾けた。苦味と甘味が程よく混ざり合った魅惑の液体が喉を通ってゆく。一気に飲み干し、美味そうに息を吐いた。 もう一杯、と空になったカップを上げると、バーテンダーはすぐに受け取った。 一番隅となる隣席ではフードを目深に被ってうずくまるようにして飲んでいる男がいた。 新たに注がれた杯を渡されながら、ちらと覗うと、時おり思い出したように杯を口に近づけているが、その目は虚ろで、何か考え事をしているようだった。よく見ればまだだいぶ若かったので、 「どうしたんだい、まずい酒を飲んでるようだね」 と、私は話しかけてみた。 若い男は緩慢に顔を向けた。 (まだ少年を抜けきってないな)と、私は驚き、その瞳の奥にある深い悲しみにも気付いた。 どうしてこの少年はこんなに虚ろで、悲しみに満ちた目をしているのだろうと興味を惹かれ、色々話しかけてみると、少年はポツリポツリと言葉を返すようになり、やがてクレストと名乗った。 まだ十七だが盗賊上がりの冒険者をしているのでこのような酒場が落ち着く、と、自嘲的に笑んだ。 確かに少年の雰囲気や物腰に場違いな浮つきはなく、フードの中を覗かなければこんなに若いとも判らなかっただろう。ただ、顔だけ見れば、駆け出しの冒険者と勘違いしてもおかしくない幼さが残っていた。 「しかし、随分と物思いに沈んでるね。冒険で手痛い失敗でもしたのかい」 「ええ、そうです。その通りです。取り返しの付かないことが起こりました。僕は全てを失いました」 「全てか。それは穏やかじゃないね」 「いっそ死んでしまえば楽だったかも知れません。ですが僕は逃げた。逃げてしまった」 「……。良ければその話を聞かせてくれないかい。私は旅の唄い手で、人の話を聞くのが好きだ。嬉しい話も、悲しい話も、どんな話もね」 「ですがとても恥ずかしい話です。自分自身の大きな恥を語ることになってしまう。それが口を開くのを妨げるのです」 「けれども、君はとても苦しそうだ。そんな想いを胸の内にしまい続けるのはよくないんじゃないか? いっそ誰かに話してしまった方が楽になれるだろう」 「そうですね、そうだと思います。ですがそれでもあまりに恥ずかしく、情けない話なのです。喋り続けられるかどうか自信がありません」 「じゃあ、他言無用というのはどうだい。私は他の誰かに話すのも、君の話を材料にして歌を作るなどもしないと誓おう」 私は周りを見回した。 「幸い、ここは騒がしい酒場の片隅だ。私達以外に声は届かない。むしろ君の声に耳を澄まさなければならないぐらいだ」 「……。わかりました」 少年は頷き、カップに残ったエールを飲み干すともう一杯と告げた。おかわりがやってくると、その表面を見つめながら、少しずつ語り出した。 2 先程も盗賊上がりと言いましたが、僕は元々そんな稼業をしてました。最初は、こことは違う街で、ペティという同じ境遇の子と一緒に、引ったくりなどでわずかな糧を得ていた戦争孤児でした。 ある時、街の市場で余所者らしい隙のありそうな男を見つけて引ったくろうとし、失敗して二人とも捕まりました。 それはベンゼマという男で、盗掘団を率いる頭領でした。 (盗掘団?) そうです。盗賊団ではなく、盗掘団。 でも彼は、俺の財布を盗もうなんて肝の座った奴らだと笑い、逆に気に入られ、食べる物を保証されて盗掘団に拾われました。罠避けの先頭役に使われたのです。老いた盗賊がいて、罠の種類や探し方、外し方など、そういった技術を教わる代わりに、ダンジョンの罠解除から雑用までこき使われました。でも僕とペティは幸運にも恵まれて、罠にかかって死ぬようなこともなく育ちました。 ペティは僕より一つ下の快活な女の子で、いつでも僕を助けてくれました。僕も彼女を助けました。妹であり、姉でもありました。同じ出身の幼馴染みとして支え合いながら、道具として扱われる盗掘団で生き永らえました。 数年が経ち、僕が十四になった時、あるダンジョンで魔族に襲われ、盗掘団が壊滅しました。老盗も殺され、僕とペティは命からがら脱出しました。頭領のベンゼマは生死不明でしたが、ダンジョンから出てきた形跡がなかったため、殺されたのだと思いました。生き残ったのは下っ端が何人かだけ、盗掘団を引き継げるような人間はいなかったため、散り散りとなりました。あっけない終わり方でした。 魔族はご存知ですか? 普通の魔物より強い魔力と知性がある、とても恐ろしい存在です。魔王に授けられた力と悪魔の奸智でダンジョンにのこのこ来る人間達を翻弄します。何が起こるかわからないダンジョンでは、浅いところしか入らなくても稀にこういう事があるのです。天は無慈悲です。 この先どうしようかと思案に暮れていると、ペティがもう泥棒はこりごり、冒険者になろう、と言い出しました。冒険者と盗掘団、同じあぶれ者の集まりでそう違いはないと思うかもしれませんが、盗掘団は冒険者ほど命知らずにダンジョンの深くまでは潜りません。それに御法度に触れる王家や富者の墓所なども狙います。当たり前ですが、盗掘団は盗賊なのです。あまり良くない人間が集っていました。トラップ技術を教えてくれた老盗も憂さ晴らしによく僕を蹴ったり、棒で叩かれたりしました。 それに比べて、冒険者は……そうですね、馬鹿の集団でしょうか。お宝を求めていますが、危険で人の寄りつかないようなダンジョンを狙います。食い扶持に困っても魔物退治などやはり危険な仕事をこなして糊口をしのぎます。冒険というスリルを好む馬鹿の集団です。 ですが、そういう生き様が格好良くもありました。 ペティは利害だけの関係や、他人様の物を盗むすさんだ行為にはもう飽き飽きしていたのでしょう。それは盗掘団にいた頃にも僕だけに愚痴っていました。別の仕事がしたいって。それに、ダンジョンでしばしば出遭った冒険者達に憧れてもいました。だから自分もなろうと思ったんでしょう。この話をしている時の彼女の表情は、何かから開放されたように、晴れ晴れとしていました。 生活が成り立つのか不安でしたが、僕ももう出来れば引ったくりや盗掘などはしたくありませんでしたので、ペティと一緒なら何でもやろうと決めて賛成しました。 3 それから色々あって、僕達は何とか正式な冒険者になれました。皮肉にも盗掘団にいた頃培った経験や技術が存在意義になったんです。ダンジョンのトラップは厄介ですからね。 冒険者になってみるとなかなか面白かったです。冒険者にも協会があって、そこに登録すると正式な冒険者になれるんですが、冒険者一人一人の中身はかなりバラバラなんですよ。戦士がいたり盗賊がいたり魔法使いがいたり、はたまた異種族がいたり。 冒険者はあまり安定した仕事ではありません。生活に必須な職業でもありませんしね。でもいなければいないで、魔物退治の人手が足りなくなる。危険な仕事に対する便利屋がいなくなる。何というか、ある意味、魔物がいるから成り立っていると言えましょうか。基本的に戦いが本分ということでしょうか。盗みで生計を立てようものなら協会に厳しく咎められます。毎月報告の義務があるんですよ。収支があやふやだと疑われるんですね。世間では風来坊の印象があって、あまり良く見られない風潮も強いですが、意外としっかり管理されてるんです。 僕は新しい生活に満足していました。 それは、仲間に恵まれたからだと思います。 二年ほど冒険稼業を続けて、人の出入りがあった結果、男は僕一人というパーティーが出来上がっていました。僕以外は全員女という。 (それは羨ましいね、と私が言うと、薄く笑って同意した) こういう場合、男は抜けるのが普通というか、抜けた方が面倒が少ないですよね。ですが僕とペティが中心のパーティーでしたし、僕が望んで女だらけにしたわけでもありませんし、何より彼女達が構わないと言ってくれたので、パーティーはこの状態を保ち続けました。 僕はリーダーを務めました。ペティは副リーダーでした。男は一人しかいないので、力仕事は進んでやりましたし、戦闘ではアラサとチェニーという僕より強い戦士にオフェンスを任せ、僕は主に後衛の守りを心がけていました。 僕にもちゃんと役割があって居場所を掴んでました。罠に関してはペティより遙かに嗅覚と自信があったんで、あんた一人に任せた方がいいねって、初めは対抗していたペティもしまいには白旗を揚げました。 あの頃は一番良かったです。女だらけのパーティーは最初、居心地が悪く、仲もギクシャクしていましたが、徐々に打ち解けていって。ペティの存在が大きかったですね。彼女という歯車がなければパーティーは上手く回らなかったでしょう。 まあでも、確かに僕はリーダーの立場でしたが、内情は他のメンバーに振り回されてました。こういう男女比率の悪いパーティーのリーダーは大変だと思います。自分で実感しました。男が女性ばかりを率いる時は、とにかく忍耐が全てですね。 他のメンバー? 四人いました。剣士のアラサ、獣人のチェニー、エルフのレスティア、魔法使いのアスリナン。僕はその頃戦士になっていて、ペティは盗賊のまま、小振りですが魔法の巻取機を備えた、なかなかの威力のクロスボウを撃ってました。でも彼女はパーティーの財務係の側面が強かったですね。 アラサは東方から来たという珍しい人間で、夜のように黒々とした髪の毛でした。飄々とした性格をしていましたが戦闘では鬼神のようで、見たこともない剣や鎧を使いました。 チェニーはシルバリオ(半人半狼の一族)でした。見世物になっている彼女を助けた経緯があるんですよ。でもわざわざ故郷まで連れて帰ったのに、改めて外の世界が見たいとついてきてしまって。元気いっぱいの少女で、僕達に対してだけはものすごく人懐っこかったです。でもびっくりするほどすばしっこいし、野獣並の鋭い爪牙を持っていて、見た目に騙されてやられた奴は数知れません。 エルフのレスティアも見聞の旅がてら冒険者をしているとのことでした。実際に何年生きているかは知りませんが、人間で言えば僕より少し上ぐらいでした。エルフらしい神秘的で美しい外見をしていましたが、中身はかなり開放的で、ペティやチェニーと気が合っていましたね。そういう性格だから外界に来たんでしょうけど。そうそう、彼女は精霊と話せて使役できたんですよ。 魔法使いのアスリナンは眼鏡をかけた大人しい性格の子でしたが、僕と変わらない年齢なのに大きな魔法や様々な知識を持った凄い子でした。他の冒険者に聞いた話だと、あの若さであそこまで実戦通用する魔法使いはそうそういないとのことでした。でも全然偉そうじゃないどころか、かなり引っ込み思案な子でしたね。 とまあ、こんな面々で冒険の日々を送っていました。 4 とにかく周りは女性だらけです。僕も男ですから、目のやり場に困るような事も度々ありました。皆んな可愛い子達ばかりでしたし。それにスタイルも……。旅に戦闘にと冒険者は躰が資本です。真面目にやっていれば贅肉なんて付かず引き締まります。年頃の女子のそんな均整の取れた躰なんて、男には大変な猛毒ですよね。 え、ペティとは恋人同士だったのかって? え、ええ……まあ……。腐れ縁というか……孤児だった頃からの仲でしたからね。これからも離れられないだろうなって……お互いに感じてました。冒険者になってある程度経って落ち着いた頃、どちらからともなく、そんな関係になって。 ただ、冒険者は当てるとでかいですが、そうでなければからきしです。そして僕はまだからきしの方でした。子供が出来ても養える算段がないので、一線は越えませんでした。ペティも理解してくれて、市民権と家が手に入るまではって、恋人らしい交渉はキスとペッティングぐらいに留まりました。冒険中は二人きりになる時間も満足にありませんでしたし。 だけど彼女も年頃になってとても可愛くなっていたので、一線を越えないよう我慢するのはとても気力がいりました。胸までは見せてくれたんですが、とても形の良いお椀のような膨らみに桃色の突起がついてて、彼女のからだから匂い立つ甘い体臭を嗅ぎながらそれを見ただけで、すごく昂奮してしまいました。キスをして、甘い気分になって、あれを見てから、じゃあここまで!──と、お預けを食らうのは男にとって辛い事です。その後の悶々とした気分を消すのも大変でした。 だからいっそう生殺し状態でした。 (私が、ペティは君に他の娘が接近するのは許したのか、と尋ねると) ええ、彼女も彼女なりの一線があったみたいで……女ってわかりません。僕にとってはドギマギするような行為でも、ペティにとっては黙認できる範疇だったようです。 彼女達は水浴びが大好きだったんですよ。旅をしてると野宿も多く、入浴はままならないじゃないですか(私は同意の頷きを返した)。仕事中でも水辺を発見すると、エルフのレスティアが決まって水質調査するんです。水の精霊に尋ねて。まあ、水辺があるかどうかも聞いてるんですけどね……。で、問題なければ、浮き浮きした表情で、「入れそうよ!」って──。 それに対する僕の台詞の定番はこうでした。「わかった、じゃあ僕はあっちで見張っとくから」。 ……ええ、自分でもおかしいと分かっています。リーダーとしてそこは別の台詞を言わなくちゃならないんじゃないかって。でももうパーティーのルールみたいになっていましたから……。 時には辺りに遮蔽物なんかなくて、背中越しに彼女達がはしゃぐ声や水音が聞こえるんですよ。無論、皆んな真っ裸です。で、「クラスト、あなたも入りなさいよ!」ってレスティアとかが……。モンスターが出てくるかもしれないのにですよ。ふざけてるんですよ。時にはペティですらそんなことを言ってきたり。で、僕が誘惑に負けて振り返ろうとすると水をかけて、驚く様を楽しむんです。仕事中ですよ。参りますよね。 野営する時など、寒いからって寝袋をピッタリ寄せてきたり。左右どちらからも寝息がかかるぐらい顔を近付けてきたり。女性の寝息の甘さは毒の息同然です! とても眠れやしませんでした。 仕事が終わって酒盛りをすれば、妙に絡んできたり、躰をくっつけてきたり。ペティも助けてくれません。チェニーなんか僕の膝の上に乗ってきて。彼女は小柄ですが、僕もこの通り体格がいい方ではありませんので大変でした。 宿も相部屋で構わないと言うし……。 仲間と認めてくれた、気を許してくれているんだって、そこはとても嬉しかったです。仲間としてのスキンシップなんだって。 ……が、やはり、僕も男でして……そのような彼女達の振る舞いは、ある意味、拷問のようなものでした。 (何とも羨ましい話だ、と、私が重ねて言うと、微苦笑した。だがまだ君が悲嘆している理由がちっとも見えてこないね、と続けざまに言うと、その笑みは途端に引っ込み、再び暗い顔に戻った) すみません。このお話をするには、ペティや彼女達が僕にとっていかに大きな存在だったか、説明する必要があったんです。 こっからなんです、このお話は。 5 ある時、地方でオークの目撃が頻発するというので退治しに行きました。山に入って捜索している最中、レスティアが泉を見つけて恒例の水浴びが始まりました。オークなんて大した敵じゃない、そんな気の緩みがあったんでしょう。僕達はそれまでに、既に魔族や竜とも戦ったことがありましたから。 (魔族! 竜! 本当かい、と訊くと、ええ、ちょっとした自慢なんですよ、と照れるように笑った。そちらの話もだいぶ興味を惹かれたが、ひとまずは今の話を訊き続けることにした) そういう難敵との死線も越えた仲なのに、その時、また、入らないのって誘われて、いい加減そういう悪ふざけに腹が立っていた僕は、「よし、じゃあ入ってやろうじゃないか」と叫び返し、本当に鎧や服を脱いで泉に行きました。そしたら、「あらやっと来たのね」って、何でもないように皆に出迎えられて……でも男女が真っ裸同士だと、さすがにお互いに何だか気恥ずかしくて、妙な沈黙の間が漂い始めた頃、タイミング悪くオークどもが現れたんです。 オークに遭ったことはありますか? 実際にはない? あいつらは本当に豚と人間が合わさったような姿をしているんですよ。普段は洞穴や薄暗いダンジョンの中などに棲息してますが、しばしば地上に出て人間を襲います。あいつら雌の数が少ないみたいで、人間の女を拐うんです。 (この手の話は聞いたことがあった。オークやトロールといった“人間のなりそこない”が女性を連れ去るという話。命からがら逃げ帰った者もいるようだが、彼女達の身に降りかかった運命は痛ましすぎて想像し辛い) オークどもが下卑た豚の鳴き声を出しながらペティ達の裸を視姦していました。盗掘団にいた頃は貧相だったペティのからだは、いつの間にか女性らしいふくらみと曲線で形作られていましたので、あいつらがそのからだを見て……その他の皆んなの裸を見て……どんな想像をしたのか……考えるまでもありません。それは絶対に許せないことでしたが、でも正直、この状況をどうしようかと困惑しました。 それにもう一つ、気に掛かることがありました。奴らの何匹かの肩に人間が抱えられていたんです。全員血だらけで気絶しているようでした。 すると、奴らの後方から叫び声が上がり、何だろうと思っていると、アラサが凄まじい怒声と剣技でばったばったとオークどもを薙ぎ倒すところでした。彼女だけはこれも修行の一環と言って水浴びしていなかったんです。後で訊くと、オークの集団がやって来たので一旦身を隠し、背後から不意打ちしたのだそうです。 オークどもは混乱し、次いでアラサの強さを見て恐慌が広がり、我先に逃げ始めました。一匹倒されて驚いている間にもう一匹斬り伏せられるんですから、当然ですよね。僕達は武器だけ取って後を追っかけ、だいぶ逃してしまいましたが、担がれていた人々は放られるなどしたので、何とか助けることができました。 そしたら、驚きました。 その中に盗掘団の頭領だったベンゼマがいたんです。 ペティも非常に驚いていました。穴が開くほど見つめていました。 ベンゼマは……人を惹きつける魅力と自信、そしてしたたかな計算が出来る男でした。十数人といえど一団を率いただけの人物です。たった数人も満足に率いれない僕が言えるような台詞ではないかもしれませんが。 世間では悪名があるけれど、実際に会って話してみると朗らかで人当たりがよく好感が持てる──そういう人物っているじゃないですか。なんかこう、人の上に立って当然、みたいな堂々とした雰囲気がある人間。ベンゼマはそういうタイプでした。ただ同時に、盗賊の小狡い性根も持ち合わせた人間でした。だから盗掘団の頭領なんかに収まっていたんだと思います。 僕とペティが拾われた当時は二十四、五と言ってましたから、その時には三十ぐらいでしょうか。意識が戻った彼もすぐにこちらに気付き、互いに驚きつつも再会を喜びました。盗掘団では危険な仕事をさせられ、嫌な人間も沢山いましたが、ベンゼマの人柄は好きで、拾ってくれた恩を感じていました。憧れさえ抱いていました。 事情を訊いてみると、魔族に襲われた時、瀕死で気を失っていたために止めを刺されず、九死に一生を得たそうでした。気が付いて這々の体でダンジョンから抜け出て、通りがかった人間に救われたのはいいものの、生死の境を彷徨い、数ヶ月はベッドの上だったそうです。傷が癒えても盗掘団の再結成はせず、僕とペティのように冒険者に転向したそうです。 そして、奇しくも僕達とは別ルートでこの地にやってきていて、この辺りにあるというダンジョンに潜ったまではいいのですが、そこはオークの根城になっていて、さすがに多勢に無勢で彼のパーティーは捕まってしまったのだそうです。 ただベンゼマだけが何とかその場から逃げ、数日後のこの日、仲間を救いに再び潜り、助け出したのはいいものの、追っ手に捕まってしまったのだそうです。 ベンゼマは助かった、命を救われたな、と、何度も感謝しました。男が捕まると食料にされてしまいますから、僕も本当に良かったと思いました。 ベンゼマのパーティーは四人で、こちらと同じく彼以外は若い女性でした。皆ぼろぼろの衣服や肌にオークの体液らしいものがこびりついていて、むごたらしい有様でした。彼女達が捕まっていた数日間のことを思うと非常に胸が痛みました。命だけは無事だったのが唯一の救いでしょうか。ただショックが大きいようで皆呆然とし、ペティ達が介抱しても満足に話せないようでした。僕は女ではありませんが、気持ちは分かる気がしました。 その日はもうオーク退治どころではなくなったので、引き返すことにしました。ただ最寄りの村に戻るだけで一泊野営する必要がある奥地まで来ていたので、その晩は襲撃を警戒して交代で見張りを立てましたが、幸い何もありませんでした。 翌日、村の宿屋に女性達を預けると、ベンゼマも交えて話し合い、オークどものいる場所も分かったので本格的に討伐に向かうことに決まりました。ベンゼマは人手が足りるか不安があるようでしたが、僕達にはオークどもを蹴散らす自信がありました。それを聞くと、いつの間にか頼もしくなったな、と、ベンゼマは当時のままの人懐っこい笑みを僕に向けました。 ただ、ペティだけがベンゼマのようにどこか不安そうだったのが気になりましたので、会議後に何か引っ掛かることでもあるのかと訊ねたんですが、「何でもない」と、ペティは首を振りました。 その日は戻ってすぐですし、明日に備えることにして宿を取り、交代で村に警邏と見張りを立てることにしました。 ベンゼマはあの性格ですし、僕とペティの旧知の仲ということで、皆も彼に親しみを持ってくれたようで、彼らはすぐに打ち解けました。僕の時とは大違いです。 ベンゼマがレスティア達と楽しそうに談笑するのを見て、ふと、昔もよく女と話し込んでいたな──と思い出し、当時はそのことに何も感じなかったのですが、その時初めて、彼も男だという当然のことに気が付きました。ベンゼマは女好きなのかも知れないと思い、いや、そうだとしてもどうだというんだ、それに、男が女に対して調子がいいのは当然だろうとすぐに思い直しました。 贔屓目に見てもレスティア達は良い女ですから、彼女達を前にして無愛想になる男はいません。それに僕はペティと約束を交わした仲で、他の皆んなはフリーです。もし仮にベンゼマが彼女達の誰かと惹かれ合ったとしても、彼自身もフリーなら何も問題ないことです。 他にもベンゼマの仲間の女性達やオーク討伐のことなど色々考えていたら、頭がごちゃごちゃになってしまいました。 ……こういうのって、独占欲って言うんでしょうかね。嫉妬じみた気持ちを抱いたのは確かです。 (ここでクラストは深く吸って吐き、しばし黙ったのち、ゆるゆると呟いた) ──ただ、そんなのはどうでもよくなるような事が……ありました。 6 その日の夜、ふと目が覚めました。日中やることがなくて少し寝たせいでしょうか。すぐに夜番があることを思い出しました。僕が警邏を、ペティが見張りに立つはずでした。 慌てて寝床から抜けると、同室だったベンゼマのベッドが空でした。 深夜に女性が泊まっている部屋をいきなり訪ねるのは気が引けたので、状況を把握するためにまずは前当番がいないか探すことにしました。アラサとアスリナンがやっているはずです。何にしろ、見張りの場所に行けば誰かしらいるはずでした。 雲が少し出ている半月の夜でした。 カンテラを点けて暗い道を歩いている途中、農家を通りがかった時のことです。 そこの納屋の戸が少し開いていて、辺りは虫の音が響いていましたが、中から何か物音がするのが僕の耳まで届きました。罠感知や解除には聴覚も大事なんで、それなりに鋭いんです。 僕は習性でカンテラの火を消し、足音を忍ばせながら納屋に近付き、戸に張り付きました。 そこで音の正体が分かりました。 ──あの、あれです、男と、女の、あれ。──あれをしている時の声でした。 何ででしょうかね。一度も聞いたことなんてないはずなのに、直感でそうだと分かったんです。 だって、女の声はものすごく甘ったるくて、男の方もすごい気持ち好さそうで……。両方とも蕩けるような声音で。 僕も年頃の男子です。ドキドキしながら中を覗きました。 まだ夜目が効かない視界の向こう、藁束が積まれた場所で蠢くものがありました。 暗闇に白い裸体がぼんやり浮かび上がっていて、すぐに裸の男と女が重なり合っているのだと判別できました。 男が腰をテンポよく振り、藁の上に寝た女が脚を大きく拡げてそれを受け止めています。 ああ、ああ、ああ、と、声量は抑え気味でしたが、気持ち好いのがはっきりわかる声を、女性は出していました。 この家の人だろうか、そんな事を考えてながら覗いていると、僕は、(ん……?)と、不審に思いました。 夜目が来るにつれ、男の姿が見覚えあることに気付いたんです。 すぐにわかりました。 ──ベンゼマでした。 ……びっくりしました。 セックスしている場面に遭遇したことにも、それがベンゼマであったことにも。 不意打ちでしたからね。 でも、ベンゼマも大人ですから、セックスぐらいするだろう──と、彼だと知った時の驚きはその程度で済みました。 その直後に、もっとびっくりすることがあったんです……。 「どうだ、やはり気持ち好いだろう、久しぶりの俺のモノは。え?」 下の女性は答えませんでした。 ──その時、女、というには少し躰が華奢だな、と気付きました。 「ハハ、だがコッチは正直だな。前とは比べものにならないほどの締め付け方だぞ。反応も格段に色っぽくなってる。柔らかい肉も増えやがって、ちゃんと女らしく育ってるな……」 「……いやぁ……」 その声を聞いた時、死神の手が心臓を鷲掴み、一瞬止まったかと思いました。 いやでも──そんな──── 藁に沈んで、まだ暗くて、よく見えないけれど。 その女──いや、少女は。 ベンゼマのペニスをアソコに出し入れされて、蕩けた声を出しているその子は。 「いやなものか。この愛液の量は何だ。中の肉が熱く躍っているぞ。突くたびにグチュグチュといやらしい音が立ってるじゃないか、ええ? 俺のモノをこんなに歓迎しやがって」 「あ、あ、あ……い……、いっ、言わないでぇ……!」 「くっ……ほら、また締まった。ビクビクしてるぞ。もうすぐイキそうなんだろ? どこが弱いのか、イキそうなタイミング、俺はすべて覚えてるんだからな。お前も俺のペニスの味をしっかり覚えていたみたいじゃないか」 そう言ってベンゼマはさらに腰を振り立てました。 「あっ、あっ、ああっ!」 「なに、遠慮することはないんだ。今は二人だけの時間だ……。俺達だけの時間。誰も知らない秘密の時間じゃないか……。今だけは自分を抑えなくてもいいんだぞ……」 「あぁ……!」 ベンゼマにそう言われると、少女はもう我慢しきれないといった風に、彼の首を掻き抱きました。太股が脇腹を押さえ付けました。そうするとベンゼマはもっと激しく腰を振り始めました。 「そうだ、ハハハ、やっと正直になったな。もっと楽になるんだ、もっと俺を受け入れるんだ、そうすればもっと気持ち好くしてやる」 「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ!」 密着して抱き合った二人は、ベンゼマの忙しない腰の動きと、パンパンと打ちつける音だけが目立ってました。 「おお、たまらん、いいぞ、いい締め付けだ、俺もイキそうだ! たっぷりと中に出してやるからな、昨日みたいにまたイキながら中出しされる感触を味あわせてやるからな!」 ベンゼマははっきりと中に出すと言ったのです。ですが、そう言われても、その子はベンゼマの抽送をしっかりと受け止めていました。 「オォッ──イクッ……ウッ……ペティィッッ!!」 そう低く叫びながら、深く突き進んだ体勢でベンゼマの動きが止まりました。 そうです。 その子は………… たった今、ベンゼマのザーメンを中出しされ始めた少女は……………… ──────────ペティだったんです………………。 ペティが、ベンゼマと。 裸で。 肌と肌を重ねていて………… …………二人は、男と、女に、なっていて、そして………………。 「ンンーッ!!」 と、ペティも身をこわばらせました。 ベンゼマが両手をついて、低く唸りながら、グッ、グッ、と何度も、ペティのアソコを擂り潰すように腰を押し進めます。 僕だって木偶の坊ではありませんから分かります。それが射精の光景だってことぐらい……。 そう。ペティの中でベンゼマが射精している。 ペティの中に他の男の精液が撒き散らされている……。 それを彼女は、震える両脚で、ガッチリと押さえ込んでいるのです。 まるで離すまいとでもいうふうに……! 「おお……いいぞペティ……肉ヒダが吸い付いてきやがる……! そんなに俺のザーメンが欲しいか……そんなに俺のザーメンを溜め込みたいか……いいぞ、玉が空になるまで、お前の中で出し尽くしてやるからな…………!」 そう言いながら、ベンゼマはグッ、グッと、腰を緩やかに押し進めていました。射精のタイミングで突き入れているんだって分かりました。そうやってペティの中にベンゼマの精液が流し込まれているんだって分かりました。 その動きもやがて止まって、また折り重なるように抱き合って。 ──二人の荒い息だけが聞こえました。 ペティとベンゼマは、その間じゅうも、ずっと……繋がっていました。 「……ああ、ペティ……最高だぜ……。すげえ射精したってのに……ペニスも俺もちっとも衰えねえよ……。もう一回、お前が欲しい……いいよな……?」 僕は拒んでくれ、と切に願いました。 ですが── 「…………うん…………」 と、ペティは……緩慢ながらも、しおらしく頷いたのです……! 「お前も相当欲求不満が溜まってんだな。……いいぜ、どうせオークなんて来やしねえよ。明日も移動だけなんだ。もう少し……ペティ、俺と一緒に楽しもうぜ……」 ベンゼマはそう言うと、ペティの小振りな乳房を揉みながら緩やかに腰を動かし始めました。ペティもすぐにまた喘ぎ出しました。 二人がふたたび快楽に没入したのはすぐでした。ベンゼマは余裕の篭ったゆっくりとしたいやらしいストロークでペティを突き、ペティはまた大きく脚を拡げてそれに合わせて腰をくねらせながら、聞いてる僕の脳みそが溶けそうな声を出し続けました。 ベンゼマがここか、ここがいいのか、と言いながら腰を使うと、ああ、そこ、そこがいいの、と甘い声で答えました。僕が聞いたことのないような声でした。 「ペティ、すごく締め付けてくるじゃねえか、そんなに俺のペニスが恋しかったのかよ」 「そんな……わけ……あぁ……!」 「へっ、躰と言葉が全然違ってるぜ。どっちが本当なんだ!?」 ペティはベンゼマにさんざんに責められ、そして、 「ああ、そこ、だめぇ、溶けちゃう、溶けちゃうぅ♥」 と、すすり泣くまでになりました。嬉し泣きです。 「溶けちまえよ、俺が天国へ連れてってやる、おら、おら!」 「ダメェ、ああ、あぁ、ああ……♥! ベンゼマァ……♥!」 「ペティ……!」 二人は互いの名を呼び、また深く繋がり合い、痙攣しながらイキました。 「どうだ……深いところで……オスの体液を……ドクドク出される、感想は……!?」 「あぁっ、いいっ、いいの、出てる、感じるぅ……♥!」 「よし、もっと……もっと俺を感じさせてやるぞ……!」 一回という約束はどこへやら、ベンゼマはペティを抱き続けました。 ペティは異を唱えませんでした。 それどころか、納屋の小窓から差し込んだ淡い月の光に浮かんだ彼女の顔は、この上ない快美感に包まれていました。僕に見せたこともないほど深い淫感が刻まれていました。ベンゼマに気持ち好くされ、彼のペニスを感じまくって、奥まで突かれ、掻き回されて……。 体奥にベンゼマの精を放たれても、それを感じている表情でした。 次々といやらしい体位にされながら、ベンゼマのペニスとスペルマの洗礼を受けるペティ。ベンゼマに深く貫かれながら悦びの色を隠せなくなるペティ──。 ペティが上に、ベンゼマが下になりました。 まるで用を足すような姿勢で腰を上下に振るペティ。それはどう見ても夢中になっている姿でした。夢中でベンゼマのペニスを感じていました。 「ああっ、あっ、あぁっ、あぁっ♥!」 「どうだ、俺のペニスでヴァギナを掻き回されるのは気持ち好いだろう」 最初と同じような質問をされると、あの時は答えなかったのに、 「うん、うん♥!」 と、腰を振りながら、今度は快感に蕩けた顔で頷きました。それで、ペティの本心はベンゼマとのセックスが気持ち好いんだと分かりました。 「俺のペニスのどこが好いのか言ってみろ」 「ああ、あなたのペニス、固くて、長くて、逞しくて……♥ 気持ち好いところ沢山知ってて……♥」 「そうだ、さっきも言っただろう、お前の弱いトコロはすべて知ってるんだ。そして、お前は成長してセックスの快感も増した。俺とすればいつでも極楽へ行けるんだぞ、ペティ」 そう言われて、ペティの背中がゾクゾクと震えたような気がしました。 しまいには、 「出して欲しいなら出して欲しいと言え!」 と、言われながら突かれまくると、 「あぁっ、出してぇ、ザーメン、ベンゼマのザーメン……! 私の中に……ドクドク出してぇ……♥!」 「一番深いところでもか! お前の子袋に俺のペニスが当たりながら、直に熱いのを浴びせかけられてもか!」 「そうしてっ、一番奥で、あなたのザーメン……♥! 私の子宮に注いでぇ……♥!」 と従い、その通りにされ、深い悦びの声を上げる始末でした。 射精のたびに動かなくなり、一つになるベンゼマとペティ。 ベンゼマの子種がペティの子宮に受け渡される瞬間でした。 ……それが何度もありました。 ペティの中でドクドクとベンゼマが弾けている。ベンゼマの子供ができる体液がペティに滾々と注がれている。外からしか見えなくとも、二人の様子でそれが容易に想像できる。 ベンゼマはしっかりと彼女の腰を掴みながら、昂奮にまみれたザーメンを注ぎ込みます。 泣き腫らしながら高い声を上げ、ベンゼマの背中を引っ掻くペティ。 拒まないどころか、ベンゼマのザーメンを注がれて、恍惚に包まれている顔──。 ペティとベンゼマは、今や、子作りに励んでいる夫婦でした……。 四回、五回、六回と、行為は終わりませんでした。 一時間経っても、二時間経っても、二人はオスとメスのまま、これまでの時間を埋め合わせるようにひたすら繋がり合い、本能にまみれて肉欲を貪っていました。乱れた声と躰を重ね、息を合わせて絶頂を迎え、深々と密着し合いながら震えていました。 ペティの嬉し涙は途絶えることがありませんでした。 僕はついに耐えられなくなりました。その場を去って宿屋に戻りました。そしてベッドの中に篭り、日が昇るまでガタガタと震えていました。これが悪夢であると願いながら。 ──ベンゼマは、とうとう、部屋には戻って来ませんでした。 (つづく) 上に戻る
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ながされて藍蘭島エロパロSS 『寝取られて』 第15話 1 暁闇のうちから藍蘭島の一日は始まる。まどろみに寝静まった草深い郷邑に清澄な大気を破って鶏たちの励声が響き渡ると、それを目覚まし代わりに人々は蒲団から抜け出して水汲みや朝餉の支度、その日の仕事の準備など、薄暗い中で村は動き出す。 現代人の目で見ると、日も昇りきっていないうちから働くなんて大変だな──などと思うけれど、朝が早ければ夜も早いので過労働というわけでもなかったりする。空が染まる頃には一日の仕事を終えて太陽が沈み切る前に夕食や入浴を済ませ、灯火を使うのもそこそこに床に入ってしまうのだ。冷蔵庫の無い時代は台所を北側にする風潮があったおかげで調理場が暗かったりもするから尚更だった。 そう言えばボクが発案した氷冷式の冷蔵庫はすっかり村の家々に定着したという話だった。みちるさんが調達係として氷を入手しているらしい。皆んなが重宝してくれているのは流行らせた身としては嬉しい限りだった。 こんな自然と一体化したような生活サイクルの島に流されてきた現代っ子のボクだけれど、慣れてしまえば電気のない暮らしも意外と平気だった。むしろ太陽に従う方が遙かに健康的だ。電気で光明を生み出し機械で道具を動かせる現代社会は、時間や労力をより有効活用できるようになったと謳いつつ、その実、心身への負担も増大したようにも思える。だからストレス社会などと言われ、心身を壊してしまう人も後を絶たないんじゃないか……と。その点、藍蘭島は電力や機械に頼れない分肉体労働は厳しいが、決して無理はしない。する必要がないほど土地が滋味豊かという側面もあるけれど。 ただウチの場合、無理するしない以前に大抵の家事はすずがテキパキとこなしてしまうので、必然、居候のボクは暇を持て余しがちになり、剣の練習などに精を出す始末なのだけれども。 日中は目が霞むほどの深い蒼さに吸い込まれそうな海も、辺りが暗いと澱んだような表情を見せる。 太陽が昇って気温差が出てくれば強くなる潮風も今はまだ穏やかで、ブンブンと切り裂く音を出しながら木刀を打ち下ろす。 「一、ニ、一、ニ……」 島の西端の崖に構えられたすずの家は美しい夕焼けに染まる大海を心奪われるほど観望できるのが特徴だったが、その代わり朝の到来は最も遅かった。屋根の彼方を振りさけ見れば悠然とそびえ立つ富士が天の羽衣を纏うが如く後光さす姿を拝観できるが、目を戻すと崖下に広がる溟海(めいかい)はまだ夜の昏(くら)さを湛え、視界の果てまで続いていてもまるで蓋で壅(ふさ)がれている逃げ所のない溜まり水にも見えた。 一、ニ、一、ニ……。 そんな海面を眺めながら木刀を振っているボクは、澱み塞いでいるのは自分自身かな──と思った。 最近、この早朝稽古に少し身が入っていないのは自分でも気付いている。練習相手になってくれていたからあげさんは東の森に行ったきりだったし、侍になるのは止めたらしいしのぶはすっかり姿を現さなくなって、以前のような独り稽古に戻った分、張り合いが無くなってしまったのかもしれない。 ただ、理由はそれだけではなかった。 そう、あれが── 「──くっ」 頭の芯に鉛を流し込まれたような感覚に襲われ、木刀の軌道がグラッと揺れる。 一旦素振りを止めた。 剣先がはっきりブレるほど狼狽してしまった自分の不甲斐なさを内心叱咤しながら、小休止を入れようと濡れ縁に腰掛けた。 「ハァ~……」 地面を突いた木刀の柄頭に両掌を重ね、背を折り曲げてそこに頭を当てながら深い溜め息を吐く。 額に滲(にじ)む汗には、運動によるものだけでなく、今思い出してしまった記憶によって絞り出されてきた嫌な水滴が混じっていた。 おかしな夢──はじめに観たのは先月だった。それからというものの週に一、二度はやってくるだろうか。昨晩でとうとう片手指の数を突破してしまった。 気分が最悪になるので思い返さないよう努めてはいるのだが、内容が強烈過ぎて、意識の下に封じたくてもちょっと気が緩むとすぐに出て来てしまう。始終そのためだけに気を張り詰めているのも土台無理な話なので、近頃では半ば諦めも出ていて、過分に反応せず適度に受け流す方がいいのかもしれない……などとも考え始めていた。 それにしても、あんなものを何度も夢に見るのは、深層心理にそういう願望があるからなのかな──何度も覗き見しているせいで影響されてしまっているのかな──と、自分で自分が情けなく思えてしまう。一説によると、中学生ぐらいの男子は本来、思春期の性的衝動の波をもろに被るそうで、ボクが考えるより遙かにその方面への欲求が昂(こう)じるものらしい。でもボクは違う、こんな環境でも──生々しいセックスを実際にこの目で見てしまっても、そのセックスをしていた子たちと面向かって話しをしても、我ながら動揺を表に出さずに自分自身を抑制できている。そういう自信はあったんだけれど……。 その夢の中でのボクは、単なる傍観者であった。その場にいるのに誰にも意識されない存在感の無さは夢らしいご都合主義だ。主演はすずとぱん太郎──この組み合わせが常連だったが、毎回相手がすずとは限らず、他の子が出てくる場合もある。だけど共通して言えることは、出演する“女優”は今のところボクがこの島で特に親しくしている女の子たちばかりということであった。 ここでは毎日たくさんの女性と忌憚なく言葉を交わしている。別にボクが女好きだからというわけではなく、女しかいないから仕方がないのだ。それはともかく中学生になって性別というのをより意識するようになった分、今の状況にふと、我ながらおかしな感慨に浸った時もある。自分自身、あまり面白味のない男で本来女の子なんかにモテる筈もないと感じている部分があるし、実際学校では箸にも棒にも掛からない存在だったので、そんなボクにでもにこやかに接してくれる皆んなの態度がとても嬉しいのだ。 そんな親しくなった女の子たちが────。 「………………ハァ………………」 再びがっくりと深い溜息をつく。 夢の内容がどんなものか……ここまで話せば誰だって大体想像がついてしまうだろう。彼女たちとぱん太郎のセックスが延々と繰り広げられるのだ。眠っている頭の中でアダルトビデオが自動的に垂れ流されているようなものだった。しかも濃密で鮮明な、停止ボタンのないポルノ録画が──。 そう、それはいつも残酷なまでに鮮明で、腕を伸ばすことができれば触れることさえ出来そうな、まるで現実めいたほどの肉感を覚える光景であった。 すず以外に出てきたことがあるのは、梅梅、ゆきの、しのぶ、みちるさんなど……。大抵の舞台はあの“屋敷”にある特大ベッドだ。いや、アイツ専用のどでかい寝台が造られたという話を小耳に挟んだことはあるが、本当に実物があるのかどうかは知らない。天蓋が付いていたり、躰が沈むほどたっぷりと柔らかい詰め物が使われた布団だったり──細かいところも含めてすべてボクの夢の中の産物だ。実際はまったく違う形をしていたり、そもそも無かったりしたとしても不思議ではない。 ──ともかく、その途方もない大きさのベッドの上で、皆、最初に見たすずの夢のように……ねっとりとぱん太郎に犯されているのだ。 いや……そう言うと何だか語弊があるか。正確には犯されているなどという一方的な行為ではなく……。 愛し合っている、だ…………。 そう……一人残らず合意上のセックスを楽しんでいるのだ……すずでさえ……くそっ……! さっきアダルトビデオと言ったけれど、撮られている意識も商売気もなく心底気持ち好さそうに喘ぎながら、抵抗する意志もなくぱん太郎の剛物を己がカラダの中に迎え入れ往復するのを感じている女の子たちの姿は、ポルノ以上にいやらしい光景かもしれなかった。 あんな奴の腕に抱かれて悦び悶えている皆んな。自分から股を開き、あんな奴のペニスに突かれて善がりまくっている皆んな。角材のように太い男根を激しく突き入れられているのに、まだ十代半ばのうら若い少女とは思えないほど女の顔になって感じまくっている皆んな……。からだつきも大人びてきていて……。 お互いがお互いを求め合う、男と女としては正しいであろうセックスのかたち──。夢の中のボクが傍観しかしないのは、そこに文句を差し挟む余地を見い出せないからかもしれない。 ぱん太郎とすずの間にさえそんなふうに近付き難い親密な空気が流れているのだから、現実の出来事ではないとはいえ、気が滅入って仕方がなくなってしまう…………。 この二人のセックスを観るのは、他の子たちより拷問に近い苦しみがあった。 すずが厭がっていればまだ救いがあると考えるのはおかしいかもしれないが、そうでなくとも──毎日顔を突き合わせ、夜も枕を並べて寝ているほど近しい女の子が、あんな色情狂ととびきりいやらしいセックスを──ボクに見せたこともない表情で──しているなんて、気が狂わないよう堪えているだけでも大変だった。 それでなくともすずを守る、と気炎を吐いたのに……これではその意志も萎えてしまう。 ただその半面、それでもこんな夢を何度も見続けられてしまうのは何故だろう──と、我ながら不可思議でたまらないのだった。 こういうのを不幸中の幸いと言っていいのかどうか悩むけれど、寝ている最中は感情も鈍麻していて、半ば機械のように情景を見流していられる。その辺は夢らしいものだ。苦しいほどに煩悶するのは朝起きてからだった。今まさにこうして落ち込んでいる最中だけれど……この起きてからの苦しみも言ってみれば過ぎた後のことなので、思ったよりはショックが和らいでいるのだろうか……? それとも、やっているのが誰であろうと、ボクにも性的なものを見たいという邪な慾求が無意識下にあって、本当はまんざらでもないのだろうか……? だとしたらボクは最低最悪な人間だ。激しい自己嫌悪に陥らずにはいられない。 あるいは、邪魔する意欲も失せるほど動きが合わさった二人の情熱的なセックスのせいか──。 例えば、キスをしながら抱き合っての正常位。すずとぱん太郎、互いの手足が絡まり躰が吸着した様は、アイツの体格もあってまるでダンゴムシが丸まっているようであった。全身で繋がり合っていた。すずの脚にガッシリ挟まれたぱん太郎はあまり腰を動かせなかったが、深々と繋がりながらグッグッと押し進めるような動きだけで十分過ぎるほどの快感をお互いに得ているようで、すずの悦声は途切れることがなかった。フィニッシュを迎え結合部から白濁が滾々と溢れ返っても、二人はずっと抱き合ったままからだを震わせ、何回戦もそのまま続けていた。 例えば、四つん這いになっての後背位。官能にまみれたいやらしさを全身から発散させ、ねだるようにお尻を突き出した姿勢のすずと、それを覆うように腰を密着させるぱん太郎。夥しい愛液で濡れまくったすずのアソコに、それでなくとも巨根のぱん太郎がグンッグンッと押し込むように腰を突き進めても、開発されまくりさんざん逝かされまくったすずは、涎が垂れっぱなしの口から舌を出してだらしなく喘ぎ、快感に泣き腫らしてぐちゃぐちゃの顔で、「ンォオオ♥! ぱん太郎様がッ、ふッ、深くまでッぐるぅぅッッ♥♥!!」と、目を背けたくなるほどの発情ぶりで叫びまくり、乳首を痛々しいほどに勃たせながらさらに逝きまくるのだ。 日常では今までと変わりなくボクの身近で穏やかな暮らしをしているすずなのに──。 最初に見た頃はそうでもなかったが、回数を重ねるに従って全くの別人に感じてしまうほど多淫多情に乱れる時もあった。まるで夢を追うごとにすずの性感の開発が進んでいるかのように……。 すずはぱん太郎に抱かれている最中、何遍も好き、愛してる、もっとメチャクチャにしてと本心から連呼していた。 ぱん太郎様のお嫁さんになる、 ぱん太郎様が満足するまで抜かないで、 行人なんか私の中から消えちゃうぐらいもっと奥まで掻き回して、 いくらでも私の子宮にぱん太郎様の精液注いで、 早く私も孕ませて、何回でも孕ませて──── 現実で耳にしてしまった他の子達の台詞を、すずも遠慮なくその愛らしい唇から漏らす。ぱん太郎に甘く突き回されながら嬉しそうに笑みを浮かべさえして、本当にボクなんか忘れたような顔をして……。いや、ボクはすずの恋人でも何でもないんだから、例えそうであってもボクがショックを受けるのはおかしいのだけれど…………。 でも、たとえ夢であってもすずの声でそう言われると、ボクの心は決して小さくない狼狽で揺さぶられてしまう。 耳の穴を塞いでも、頭を激しく振っても、脳内に直接響いてくるのだ。一言一句余さず聞いているしかなかった。 ──これほど悪夢に苛まされているというのに、寝ている時の自分に目を覚ますという選択肢がないのが理解しずらかった。あまりにも恐ろしい夢のせいで飛び起きたりするのはお話の中の都合のいい演出なんだろうか。ただ──自己弁護する気はないが──後々こうして夢の内容について推量することができるのは起きているからこそで、睡眠中の“意識”はコントロール不能なのだ。“夢”を意識と言っていいのかどうかわからないけれど……。ホラー映画のような瞬間的な恐怖感がないので反射で目が覚めるタイミングを取れないのか。何にしろわからない。 とにかく、彼らは行くところまで行く。 男と女が交わる本質である最終段階まで……。 彼らの行為は必ず、一人残らず──そう、すずでさえ……ぱん太郎のあの大砲を深々と突き刺されての中出し種付けでフィニッシュを迎えるのだ。 それも呆れるほど濃い精液を、長い長い時間をかけて……。 発情しきった生殖器同士を一片の迷いなく繋げ合い、人間の射精とは思えないほどの量と勢いがすず達の胎奥にぶちまけられる。何分も何分も。夢の世界で精確な時間など計れるはずもないが、あっという間に終わる普通の射精では絶対になかった。現実で見たのと変わらない長い長い“種付け時間”──。 射精に至るまでに彼女たちの下半身は完全に蕩かされ、種付けられている間、すず達は悶え死にそうな声を漏らし続けながら、そこまで濃厚に生殖させられていることにオルガスムスを感じまくっている。繰り返し絶頂を覚えながらぱん太郎の肉棒と精液をいつまでもからだの奥に呑み込んでいる。膣内射精中はいつもすぐに結合部から白濁液が溢れ出てきて大瀑布や大河口となる。ぱん太郎は出し終わるまで抜かない。すずの膣内(なか)からも──それどころか、すずは他の女の子たちよりも目立って熱烈に種付けされる。一回ごとに十人も百人も孕んだとしても不思議ではないほどの量の特濃ザーメンで。 射精の間だけでも一つの世界が形作られていた。 その上で、それが何回も何回も繰り返されるのだ…………。 ぱん太郎は心の底から村の女子すべてを孕ませたくて仕方ないようにしか見えなかった。それほどまでに精力が横溢していた。単に溜まった性欲を吐き出す行為ではない。それを感じ取ったすず達も、気の遠くなるような長い射精が尽きるまでずっと、ぱん太郎の種付けペニスをからだ深く迎え入れたまま、受精の姿勢を崩さないのだ。本能が識っている体位。直に見えなくとも、子宮口の位置までも探り当ててしまうというぱん太郎が彼女たちの子宮へと途方もない量の精子を送り込んでいるのは確実だった。よくもキンタマが空にならないものだと呆れるばかりだった。 ボクの仲良しの女の子たちは、そうしてぱん太郎の女に、奴の子供を孕む存在となった──結婚もしていないというのに。アイツと絡み合っている時の彼女たちからは、少女の面影など脇に追いやられてしまう。男の本性など毛ほども知らなかった頃の清純さなど微塵もなく、ぱん太郎と共に本能の快楽を貪る一対の雌雄になり下がっていた。 ……救えないことに、それは夢だけの話ではなく、現実でも同じなんだけれどね……。 すずだけは完全に夢の産物としても、梅梅も、ゆきのも、しのぶも、みちるさんも、そして他の女の子やその母親たちさえも……夢の中と少しも変わりはないのだ…………。 精力絶倫の剛物自慢、かつ女を悦ばせることを忘れない色事師と化したぱん太郎にかかると、どんな女でも変貌せずにはいられないらしい。そりゃあ年がら年中暇と体力に任せてあんな慾望まみれのセックスばかりしていたら、好きこそものの上手なれというか、嫌でも上達するよね…………。 それにしても、なんでボクがこんな夢を繰り返し観てしまうのか皆目見当がつかない。胡蝶の夢とは言うけれど、現実に目撃した光景と変わり映えしない中身に、どこからどこまでが本当に夢なんだろうか──なんて考えたこともあった。夢には現実が投影されるという話を思い出して痛感する。ただ、ボクと共に暮らしているすずまでもがあんな風になっているなんて有り得なかったし、こんな事を考え出すと虚実の境界があやふやになり、物事に対する判断能力自体が怪しくなってしまうと思ったので、夢は夢以外の何物でもありはないと結論付け、その件についてこれ以上熟考することは止めにしていた。結局は答えの出ない逡巡の迷路に彷徨い込む羽目にしかならないのだ。剣に迷いがあってはならないように、心にも迷いがあってはならない。何の証拠も無いのにこれは現実だ正夢だなどと思い込むなんて非科学的にも程があるし。 それに何より、あんなのが夢ではないだなんて、そんな恐ろしいこと…………幻影に過ぎないと決めつけないと、正常な精神状態を保つ自信がないという恐怖感もあった────。 2 昨晩はすずとぱん太郎が手を繋ぎながら森の小径を歩いているところから始まった。 デートのような雰囲気だ──と考えてから、セックスしていない場面を夢に見るのは初めてだと気付く。つまりこれまですずとぱん太郎がひたすらハメ狂っている所ばかり見ていたのかと、我ながら呆れてしまう。 寄り添いながら親しげに語らう二人が何処を散策しているのか気になったが、ほぼ全体が森林に覆われていると言っても過言ではないこの島では、場所の特定など無理な話だった。 それよりもすずとぱん太郎が本当に恋人同士であるかのように振る舞っているのが苛立たしくて仕方なかった。ボクと話している時──いや、それ以上に屈託がなく、それどころか完全に気を許した表情で、すずは頬を染め瞳をキラキラさせながら大男を見つめ上げ、とても楽しそうな様子なのだ。恋する乙女の表情とでも言うのだろうか。繋いだ手は指を一本ずつ絡め合いさえしてて……。 二人がセックスしている光景は完膚なきまでに打ちのめされるが、こういう光景もまた、ある意味どれほど濃厚な交わりを目の当たりにするよりも敗北感に満ちた一撃を心深いところに突き刺さして来る。 (くそ……!) 夢に悪態をついても仕方ないのに、歯軋りせずにはいられない。 すずが悔しいほど綺麗なのがまた癪だった。いつもと変わらない服装だし、日本であればボクと同じ中学生のはずだけれど、並外れた容姿は中学生という規格に収まっていなかった。夢の中のすずはボクよりずっと年上、高校生──いや、大人にさえ見えた。顔つきというか、雰囲気というか……。 「その紅、よく似合ってるの」 「ホント?」 ぱん太郎に褒められて嬉しそうに破顔するすず。ボクはその時ようやく彼女の唇がいつもより紅く輝いていることに気付いた。すずが口紅を……化粧をするなんて。だからやけに大人びて見えるのか──? 「すずちゃんもおめかしに目覚めてきたんだね」 「う、うん……」すずは気恥ずかしそうな笑みになり、藍色の服に空いてる方の手を当て、自分の躰を見下ろした。「服とかももっと欲しいなって思うんだけど……」 「ボクとのでえと用で?」 「……うん♥」 「でも、その服だってとってもステキのん」 「そ、そう……?」 すずの普段着は躰のライン、特に生地の薄いスカートに包まれた腰と、肌色に近いストッキングを履いた長い脚の構成が小悪魔的と言っていいほど魅力があり、藍染めの上着に包まれた胸も大きい上に形が美(よ)いし、どこに目を置いていいのやら困るときがあるほどだった。スタイルは完璧、目鼻の整いぶりは言わずもがな。どこに文句を付ける隙もないほどの美少女だった。そして勉強は苦手だけれど器量良し、性格も素直で優しく快活、自分の美貌を鼻にかけたところなど少しもなく。運動神経は抜群、甲斐甲斐しい働き者で、炊事洗濯裁縫調理なんでもござれのお手の物。 まだ抜けきっていない子供っぽさが救いで、これまで何とか普通に接することができていた。これで大人びた性格まで手に入れていたら、まともに正視する自信がなかった。 「モチロンのん」 と、ぱん太郎はニヤケ面になりながら、そんなすずのお尻を淫らな手つきで撫で揉んだ。 「うにゃん♥」 思わず立ち止まるすず。少し驚いた様子だったが、まったく厭がらず、むしろ嬉しげに軽く身悶える──。 (コノヤロウ……!) ぱん太郎は丸みが目立つ尻をやわやわと撫で続け、いやらしい目ですずを眺め下ろしながら、 「すずちゃんのこの服、とってもそそられちゃうのん。すずちゃんが可愛いからね♥ 特にこのまあるいオシリや、短い布から出たムチムチのフトモモなんか……♥」 「そ、そんな……あっ……♥」 男として目が行く所は同じなのか。人が往来する気配もない径の真ん中で立ち止まった二人は、その場でいかがわしいコトを始めた。ぱん太郎はすずの下半身を──尻や太ももをさらに撫で回し、その手はとうとうスカートの中にまで入り、パンティ越しにアソコまで触り出した。 それを立ちっぱなしで当然のように甘受するすず── 「あ……うにゃ……うにゃぁん……だめぇ……♥」 下半身に集中する愛撫に、すずはぱん太郎の恰幅のいい躰に寄り掛かりながら喉とからだを甘く震わせる。駄目と言いながらもアイツが手を動かしやすいように股を開き、決して拒んだりしない……。 「ぬふふ、ビチョビチョのん……♥」 すずのアソコを指先で弄りながらぱん太郎が可笑しそうにそう言うと、「だってぇ……♥」と、耳の奥がザワつくぐらい甘えた声を出し、すずはアイツの胸に顔を埋(うず)めながら目を細め、恥ずかしそうに頬を染めた。 「のふふ……」 ぱん太郎はすぐ脇にある胴の長い樹木にすずを誘導して幹に手をつかせると、自身はその横に膝をついて愛撫を続けた。 まさか、今まで長閑に散歩していたというのに、いきなりこんな所で発情してやり出すというのか……? ──その通りだった。 初めは衣類越しにアソコと乳首を弄びながら、ぱん太郎はすずの白いうなじに顔先を埋(うず)めていたが、それだけですずは表情を潤ませて切ない声を漏らし、スカートがめくれていくのもお構いなしに掲げた尻を甘く揺らすのだ。 周囲に人はいない。物音すら遠く、二人だけの世界……。 まだ下着に覆われているとはいえ露わになった陰部はパッと見でも分かるほどに白い布地が濡れて変色し、そこを往復するぱん太郎の指は上下に動くたびに深いクレバスに挟まれていた。時おり中指が沈み込むようにして膣内へと入ってゆくと、一緒に押し込まれたパンティの布地が引っ張られて尻肉がはみ出るかたちとなる様がひどくいやらしかった。 「ああ、ああ、あぁ……♥ イ……イイのぉ……ぱん太郎様ぁ……♥」 あまりにも自然な移ろいだったので見落としそうになったが、すずの変わり様も相当なものだった。ほんの少し前まで和やかに談笑していたのに、もう頬に淫媚な朱を差し、ぱん太郎に隷(したが)ってしなを作り、情欲を帯びた声を出している── その理由はすぐに分かることになる。 そのうちにとうとうぱん太郎の手が下着の内側へ潜り込んだ。ボクと比べても優にふた回りはある掌。双手を展(ひろ)げればすずの肉付き良い臀部でも蜘蛛の脚のように絡み覆えるほどである。指の長さも段違いで、傍から見ても動かし方は細やかだった。“ザラザラした指や舌で擦られるのがすごく気持ち好い”とは、女性たちがぱん太郎を褒める常套句だ。そんな手で弄られて、女性たちは別天地へ誘(いざな)われるように悶えるのだ。すずだけは例外であって欲しかったが── 「あっ、にゃっ、ああっ、あうっ、うにゃっ、あぁんっ……♥」 媚びるように尻を揺らめかせながら気持ち好さそうに囀り、顔をどんどんいやらしく変貌させて、全身を甘美にわななかせるすず……。 ここにいる少女も紛れなく、身体的長所という武器が加わったぱん太郎の淫技に溺れる一人の“女”であった──。 こんなすずの姿は見たくなかった。 でも──見たくないはずなのに──見てしまうのだ。顔を背けられないのだ。夢だからなのか。 まだパンティを脱がされていないため布に隠れていたが、それでも動きだけでぱん太郎の指が彼女の中に盛んに出入りしているのが容易く分かってしまう。それも深いところまで……すずのアソコの奥まであの太くて長い指が……。その滑らかさはグチュグチュという柔肉を掻き回す音さえ聞こえてきそうで、快感に満ちたすずのくねりも直接視認するより淫らさを感じてしまう光景だった。 蕩けていく一方のすずの表情。開けっ放しの紅唇から漏れる吐息も熱く茹だるばかりで。 ぱん太郎の指一本に支配されているすず──。 ボクにとってあまりにもむごい光景だった。 そしてその時、蹂躙されているパンティの中から、ぱん太郎の指を伝ってドロドロとネトついた白い体液が垂れ落ちてきたのである。 一瞬何だと思ったボクも即座にその正体が分かり、間を置かずにぱん太郎の口からもそれを裏付ける台詞が出てきた。 「ぬふふん、さっき注いだセーエキがこぼれてきたのん♥」 「あぁん……♥」 まだ行為前だとばかり思っていたのは間違いだった。 既に二人は済ませた後だったのだ。 ボクがこの夢を見始めた時からすずの体内にはぱん太郎の精液が溜まっていて、パンティがビチョビチョになるまで濡れていたのはすずの愛液だけのせいではなく、“没入”がやけに早かったのも……つまりはそういうことなんだろう。 種が明かされればなんてことはない筈だったが、どこかまだ心構えが出来てなかったのか、本番ではない段階で不意打ちのようにすずのアソコからぱん太郎という存在の現物が溢れ出てきたのを目の当たりにしてしまって、その時のボクの動揺はかなり深かったように感じる。今にも意識が遠のきそうなほどにズキンとした鈍く重い痛みが心の中に走った。 アイツの子供を妊娠してしまう体液を胎内に満たしたすず────。 すずがこんな男とこんな男女の仲に──当たり前のように中出しセックスする仲になっている。ぱん太郎の子種をさんざんに注がれて、ヤツの子供を受精させられようと──いや、しようとしている。すずまでもがそんな存在に成り果てている。その事実が心に防壁を構築する前に入り込み、鮮血を吹き上げるような生々しい傷となってしまったのかも知れない。 「にゃぁん、ぱん太郎様の赤ちゃんの素が出ちゃうよお……♥」 勿体無いと言わんばかりに尻を揺らめかせるすず。 「のふふ、心配しなくてもすぐに追加してあげるから。それより、おマメよりオマンコの方がだいぶ感じるようになってきたかな?」 「うん、オマンコ気持ち好い……指もチンポも気持ち好くてたまらない……最高だよぉ……♥」 蕩けたまま笑みを浮かべるすずの女っぽくていやらしい表情といったら……。 ぱん太郎は目を細め、そんなすずの顔を横に曲げさせて唇を奪った。二人は何度も鼻を擦らせながらエロチックに唇を触れ合わせ、舌を絡ませ、周囲の森からどんな物音がしようとお構いなしに熱烈に吸い付いた。 「ぬふふ……ボクもすずちゃんを開発してきた甲斐があるってもののん」ぱん太郎は緩やかに指を動かし続けながら、下唇をくっつけたまま喋った。「でも初めて繋がった日から半年も経ってないし、イクト君ともいまだにドウセイしてるってのに……その彼を放ったらかしにして、他の男のチンポで種付けされながらオマンコ逝きしちゃうまでになっちゃうなんて……とってもイケナイ子のん♥」 「うにゃぁん……行人なんて私の裸見るのもイヤみたいだし……それに、ぱん太郎様との子作りを経験しちゃったら、もう……前には戻れないよォ……」 「ボクがいない頃に……男は彼だけしかいなかった頃に戻りたい?」 すずは栗色の長い髪を振り乱すように激しく頭(かぶり)を振り、熱っぽい視線で自分からぱん太郎の唇を求めた。 「戻りたくない……ぱん太郎様がいなきゃイヤ……このオチンチンがないとイヤ……♥」 と、すずはぱん太郎の股間に腕を伸ばし、裾の中に手を入れてまさぐった。アイツが帯を緩めて着物の前をはだけると、すずの手に誘われて大業物が強力なバネを弾くようにビインと飛び出してきた。 自分の手首より太いその肉竿を愛おしそうに撫でるすず。上目遣いでぱん太郎を見上げると、それだけでアイツは要を得たように立ち上がった。着物を完全に脱ぎ落として裸になったぱん太郎はすずと場所を変わり、今度はアイツが木の幹に寄りかかった。ぱん太郎は帯一本解き放つだけで全裸になれるようにしているらしく、下に褌すら付けていなかった。 力士のようにどこも太い躰だ。外見(そとみ)から感じるほど腹は出っ張っていない。むしろそのガッシリした体格や胸板の厚さに目が行ってしまうぐらいだった。 そして無数の血管が浮き出た猛々しいほどの肉剛刀。余った皮など少しもない。幾人もの女を斬ってきた自信を放射せんとばかりに傍若無人な雰囲気を湛え、有り余る精気にビクビクと疼いている極太淫棒は、下腹の肉に邪魔されながらも天に向かって傲然とそびえ立っていた。恥ずかしいし悔しいけど、ボクのなんて比べることも出来ない……。 視線を離さないままその赤黒い肉茸に誘い込まれるようにしゃがみ込んだすずは、ぱん太郎の股間へ顔を埋(うず)めた。 「うにゃぁん……イイ匂い……♥」 頬ずりするように鼻を擦り付けながら陰茎の匂いを嗅ぎ、惚れ惚れと熱い吐息を吹きかける。彼女の顔よりも長い大刀の先端は真っ赤に膨れ上がり、いつでも発射可能といった漲りに満ちていた。 「チンポのニオイってイイでしょ。女の子の大好きなニオイのん♥」 「うん……♥ 豆大福よりクセになりそう……♥」 すずがそう言ってサワサワと亀頭と陰嚢を撫で回しながら裏筋の根元近くから舌を這い登らせると、ビクン、ビクンと肉根が何度も伸び上がり、「のの、のの♥」と、ぱん太郎も喜悦の声を発した。 「あは……オチンチン弄られてる時のぱん太郎様ってカワイイ……♥」 と、上目遣いに微笑んだすずは、さらに肉棒の至る所へと舌を這わせる。 「の、のの、のの……♥ すずちゃんにペロペロされるのが気持ち好すぎるのん♥」 「嬉しい……じゃあ、もっとしちゃうから……♥」 裏筋だけでなく舌の届く限り肉竿の至るところを丹念に舐め上げ、傘の下もゆっくり一周する。みるみるうちにすずの唾液でコーティングされてゆくぱん太郎の男根は、すずのフェラチオで一段と元気を与えられたようにムクムクと威勢を張るのだった。 「ののの……♥」 「こっちも……♥」 陰嚢にも舌が這う。一度睾丸を口中に含もうとしたが、とても入りきるサイズではなくすずは諦めた。大げさではなくグレープフルーツぐらいはあるのだ。 それから口を大きく開けて先端に吸い付いたかと思うと、ヌルッと亀頭全体を呑み込み、「んっ……んっ……」と、多少苦しそうな声を漏らしながらも、すずは熱心な吸引を始めた。 ズュプ、ズュプ、ズュポ、ズュプ…… 粘ついた水音が聞こえてくる。うっとりと細められたすずの目。そんなにアイツのペニスが美味しいのか………… 上下に動くだけでなく、時には頭で八の字を描くように回したり、モゴモゴと口の中で亀頭を集中的に舐め回しているだろうと明らかに分かる様子を見せたり、そんなすずの口唇奉仕を受けるぱん太郎の満悦げな態度は腹立たしいことこの上なかった。 「ふぇらちおもどんどん上手くなってくのん。ホントにすずちゃんは呑み込みが早いね♥」 「えへっ……♥」 すずは嬉しそうに笑うと、今度は乳房も動員した。すずの胸が大きいのはボクも知っているが、ここまで肉が付いていたかと思うほどタップリと柔らかくぱん太郎の剛棒を包み込み、ひたむきにすら見えるほど熱心に擦り上げ始めた。それと連動するように唾液をまぶした舌を出して鼻先まで迫った亀頭を舐め回す。ぱん太郎の言う通り、夢が回を重ねる度にすずのテクニックが熟達していくように思えた。それにしても……ボクのだったらすずの乳の谷間からやっと頭が覗くぐらいだろうな……きっと……。 「さっきまでキミのカラダの一部だったモノの味はどお?」 すずの頭を撫でながらぱん太郎はそう尋ねた。躰の一部、という言い回しが卑猥過ぎるというか、二人が一つに溶け合うまでになっている事実を突きつけられるようで、悔しさにも似た感情が湧くというか、どうしようもなく黒いものが渦巻く。 「スゴク美味しいよ……♥」 お世辞を言っているようには見えなかった。 「ぱん太郎様のチンポの味も、精液の味も……病みつきになっちゃう…………♥」心を奪われたようにそう言ったすずは太ももを割り開き、片手を滑り込ませて自らの淫部も弄りながら陰茎舐めを続ける。「下のクチでも、上のクチでも……どっちでも美味しすぎて……幸せ過ぎちゃう…………♥」 よく見れば、すずの股の下からまた白濁とした体液がネトネトと滴り落ちていて、地面に小さくない水溜りを作っていた。一回だけでもアイツの精液をどれほど胎内に溜め込むのかと、暗澹とした気持ちになる……。 すずが自分の秘所を弄り出したのを見て、 「そろそろソッチに欲しい?」 と、口端を歪めたアイツが訊ねると、 「うん、欲しい……♥!」 そんなぱん太郎を熱っぽく見上げ返しながらすずは素直に認めた。 ぱん太郎はすずを立たせて精液でドロドロになったパンティを脱がし、上着も半ばまで剥いて乳房を丸出しにさせると、また躰の位置を交換した。何故か九十度ズレてちょうど真横からよく見えるようにもなって、木を背にしたすずの双臀を支えながらひょいっと楽々抱え上げる様がわかった。 駅弁の姿勢ですずの脚がぱん太郎の肘裏に引っ掛かった形になると、ぶら下がっていると言った方がいい今にもずり落ちそうな体勢にも見えた。あまりやりやすそうな体位にも思えなかったが、すずの体重を紙ほどにしか感じていないらしいぱん太郎はあっさりと剛直の位置に入り口を合わせてしまうし、ぱん太郎の首に手を回して落ちないようにしているすずもまったく大変そうには見えない。 またすずとぱん太郎が繋がってしまう── それに、この時のすずの期待に満ち満ちた表情といったら──── 「またボクのチンポをすずちゃんの一部にしちゃうからね。二人で一つになって気持ち好くなろ♥」 「うん……♥──ンニャアアッッ♥!!」 ぱん太郎は苦もなくすずのからだを降ろしてゆき、白濁の残滓がこびりつく秘陰にあっけないほど簡単に剛直が割り込んでいった。 やめろ、やめてくれ…………。 ズズッ、ズズズッ── 「アア……ッ♥! アアア……ッ♥!!」 それだけで悶絶したように喉を晒し、背中を張り詰めてわななくすず……。 「ぬふふ……一発やってるとはいえ、散歩前だからわりと時間経ってるし……ろーしょんも塗らずに挿入(はい)るようになっちゃったのはイイね……♥ すずちゃん痛くない?」 「うん……だいじょうぶぅ…………♥!」 百五十を越える身長のすずでもぱん太郎と比べては幼子であるかのような錯覚が起こってしまう体格差だ。それほどぱん太郎は上背があり、アソコも馬並だった。 その並外れた剛根をろくな前準備もせずに挿れられたという。それでも気持ち好く感じてしまうなんて……どれだけ馴染んでいるんだ…………。 ぱん太郎の腰が滑らかに動き始めると、二人の会話は打ち切られ、後のやり取りは性器と性器の交接に移った。 最初のうちはパンパンと腰を打ち付ける音も耳に届くか届かないほど緩やかな動きだったが、次第に強調されていくのがわかった。すずの嬌声もそれと共に艶味が増し、まだ明るい昼の森には不釣り合いな淫雑な音として樹間へ吸い込まれていく。 これだけ身長が違うとセックスも面倒なんじゃないかとも思えるが、二人にそんな雰囲気はなかった。これまでだってそうだ。すずに限らずほぼ全ての相手が自分より遙かに小柄なので、ぱん太郎も扱いに慣れてしまったものなのだろう。 緑したたる木立が穏やかな時を刻む中で性慾を浅ましく開放した一組の男女──しかもボクが嫌悪する男と家族のように大切に想っている女の子という最悪な組み合わせ──が淫らに喘ぎながらひたすら下半身を、性器を、肉粘膜を擦り合わせる──。 調子が騰がってきたぱん太郎がグッと腰をさらに進め、すずを樹幹に押し付け突き上げるような貪る抽送になると、それを皮切りにすずも声が大きくなり、 「はぁ、はぁ、ああ、ああ、スゴイ、これスゴイ、あぁ、ぱん太郎様、ぱん太郎様ぁぁ……♥!」 と、大人が出すような色香匂う声音で乱れ喘ぎ、蕩けた表情でぱん太郎の首根に回した両腕をこわばらせた。ぱん太郎の男根の長さを考えるとただでさえ奥の奥まで突き刺さってしまいそうな姿勢なのに、そこからさらに深々と突き入れられ、すずの全身は痺れたように震える。 パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン 二人の躰が打ち合う乾いた音が変わらないテンポで樹間に響き森の中へ染み込んでゆく。すずの張りのある乳房が、蒼いリボンが、少女から女へ変わるように霜降りはじめた尻肉が──すずのからだのあちこちが絶え間なく揺れ続ける。 傍目には単調に思える時間の流れ。 だが、当人達にとっては他に何ものも感じられなくなるほどの快楽の溶炉に沈み込んでゆく時間であった。 「ああ、あぁ、奥まで来てる、ズンズン来てるぅ♥!」 しきりに仰け反りながら嬌声を張り上げるすず。ぱん太郎の肉太い男根で突かれまくるのがそれほどに好いらしかった。 パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ ふと見ると二人の股間から白濁の粘糸がダラダラと滴り落ちていた。先に放った精液がぱん太郎の肉棒によって掻き出されているのだろう。すずの内股も一面白泥で汚されたようになって糸まで引いている始末だった。ああやって中が掃除された後で、改めてまた新鮮な精液が注ぎ込まれるのだ……。 「ののの……♥ こんな極上マンコを味わう気も起こさないなんて、イクト君はホント、とんだフニャチン野郎のん」 その時、ぱん太郎がわずかに動きを変えると、 「あっ、あっ、ソコだめ、あッ、ダメッ、あ、アァッ、アーッ……ダ……ダメェ……ンンゥゥッ──ッッ♥!!」 突如、すずがぱん太郎にしがみつくように背を丸めがちにこわばらせたかと思うと、その両脚が宙空を叩くように伸び上がってつま先までプルプル震えた。 ダメと言われても抽送を止めなかったぱん太郎もそこで、「ののぅ……!」と呻き、腰を止める。 もう逝ったのか──と、ボクは震えながらぱん太郎にしがみつきっぱなしのすずを見つめた。キュウッと目を瞑った顔は一見苦しそうであっても陶然としており、からだは小刻みに痙攣している。明らかに恍惚の極点を迎えていた。 「ののの、スゴイうねりのん……吸い千切られて……ボクも出ちゃいそうのんっ……♥」 ぱん太郎も胴を震わせながらそう言う。奴にしかわからないすずの膣内の様子は、きっと経験のないボクなんか想像できないぐらい凄い有り様になっているんだろう──。 ──と、すずの両脚がギュッと奴の躰に絡まった。 「いいの? 出しちゃうよ?」 無言でコクコクとすずが頷くと、 「じゃ、イクト君、これ……すずちゃんへの種付け……何百回目かわからないけどっ……ののゥッ♥!」 (何百回って──) その場にいるはずもないボクを呼ばわりながら、ぱん太郎の腰がググッと突き上がる。 「──ッッ♥♥!!」 すずのからだが再度強くわななき、動きの止まった二人の意識が密着した結合部に集中するのが分かった。 「の、のお、のおおッ……♥!!」 「ンアア……♥! アァアア…………♥♥!!」 ビクビクと震える二人の繋がり合った部分から大量の白濁液が溢れ、陰嚢を伝って落ち葉と雑草の上に降り注いでゆく。 「ののぉ……すずちゃん……最高…………♥!!」 その両掌はしっかりとすずの双臀を掴み、彼女の小さな躰を木の間に押し潰さんとばかりに、ぱん太郎はグンッ、グンッと何度も伸張する。 「ハァッ……アアァンッ……ッ……♥!」 溶けて弾けそうな淫声を上げるすず。 “射精の時間”── ぱん太郎に堕とされた女子が、さらにアイツの女にされてゆく時間──さらに堕ちてゆく時間── すずが──すずがそれを味わっているのだ──── 最初からぱん太郎以外のものは見えていなかったすずは、そこまでアイツのモノにされてもなお、アイツの存在を刻み付ける証を与えられて悦び続ける。受け止め続ける。欲し続ける──。 何度も何度も何度も何度も続くアイツの射精押し込みに、ビクビクとからだを震わせ、官能に満ちた嬌声の華を咲かせながら熱い吐息を漏らし続け、忘我艶悦の世界に入り浸る。 「のおおお……イクト君と付き合う寸前まで行ってたすずちゃんをボクが孕ませられるなんて……ホント……最高のん……♥!!」 ぱん太郎はうわ言のようにふざけた言葉を吐いた。 今ならすぐ傍まで寄って行っても気付かれないのではないかと思えるほどの淫落の泥沼に嵌った二人。そこまでの快感に至れる関係になってしまったのだ──。ぱん太郎はオスの、すずはメスの性の気を全身から発し、その動きは子供を作りたいという動物のような慾求を抑えようともせず──。 「すずちゃん……♥!」 ぱん太郎がすずを呼ばわりながら呻くと、依然として脈動している肉棒が抜けないようにそのからだを降ろし、片脚を持ち上げ後ろ向きになるよう回転させて後背位に移った。そこに至ってもまだ腰の動きは射精中の様体で、 「ああっ……ああッ……ああぁッ…………♥!」 ガクガクと震える脚でやっと立っている状態ですずはその押し込みを受け続け、発情した雌猫のように曲げた背中を伸び縮みさせていた。 地面に垂れ落ちていく粘液の塊の大群は青草より酷い臭いを放ち、二人の開いている脚の先を濡らすまでに広がる始末で、衝撃を通り越して呆れる他ないほどであったが、ここまでの目に遭っているのが他ならぬすずという光景に、ボクは呆気と衝撃の域を引きずり回されるように行き来してしまう。 何遍も繰り返される精液注射の突き入れに、ぱん太郎に支えられなければすずの膝は今にもくずおれそうであった。 「んほおおぉ……ぱん太郎様の射精……すごいよぉ……んあぁ……んあああぁ……♥」 「すずちゃんのオマンコも最高のん……♥! まだ射精が収まってないのに、もう次の射精感が湧いてるのん……♥!」 まさか、と、今度こそボクは大きな呆気に捕らわれた。 「うにゃぁ、来て、来てぇ……♥ もっと、もっと……いくらでもぱん太郎様のこくまろ精液、注ぎ込んでいいからあ……♥」 「ののの……♥!」 ぱん太郎がアホ面を隠そうともせずにピストン運動を速めた。その度にブチュッ、ブチュッと派手な音が立って山盛りの白濁粘液が結合部の隙間から噴きだして来る。 「アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ♥!」 「イクト君にすずちゃんのボテ腹見せるのんッ……♥!」 ズチュッズチュッブチュッズチュッブチュッブチュッ! もはや射精の最中なのか射精に向かっているのか分からなくなる。一つはっきりしているのは、すずとぱん太郎が最高潮に盛り上がっているということだった。 こぼれまくる涎を拭きもせず無軌道な気持ち好さに駆られながらぱん太郎は口走った。 「すずちゃんのこの肉壺、もう一生ボクのモノのん、一生ボクのチンポ、射精、味わわせ続けちゃうのん♥!」 「うんっ、私はもうぱん太郎様のモノだからぁ♥ 遠慮なく使って、一生ぱん太郎様専用の肉壷オマンコにしてぇ……♥!」 凶悪なまでにデカい肉牙でからだの奥深くまで激しく貫かれているというのに、苦しさなど毛の先ほどすらある様子もなく、すずもぱん太郎とまったく同じであった。快感一色に溶け心まで繋がったような言葉を発する二人。 ズチュッブチュッブチュッズチュッズチュッズチュッ! 「すずちゃんもボクの子供産むんだからね、一人じゃ済まないのん、何人でも種付けちゃうのん♥!」 「にゃあんッ、いいよぅ、何人でも産むからあ♥ 私、ぱん太郎様の赤ちゃん何人でも孕みまくるからぁ♥」宣誓するように言い放つすず。「早く、早く私の卵子も奪ってぇ♥ ぱん太郎様の精子で受精させてぇッ♥ オマンコみたいにグチョグチョにして、私の卵子をぱん太郎様の精子でグチョグチョにしてぇ♥」 すずがこんな言葉を……卵子や受精などといった単語を使うなんて──どれだけぱん太郎の“教育”に染められているというのか………… そして、性急な営みは昂奮が衝き上がるままに性急に頂点を迎える。 「イクよすずちゃん、連続発射イクからね、一番奥でドプドプしてあげる、子宮が満杯になるぐらい注ぎ込んであげるからねッ!」 そう言ったぱん太郎はすずの腰をしっかりと掴み動きをさらに加速させた。 グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ! 「アッアッアッアッアッアッアッアッッ♥!」 その忙しない律動の中ですずも一段と高い快感のステージの光に包まれてゆく。昇り詰めてゆく。脱力していても腰周りに力みが宿っている感じは、つまり、ぱん太郎の絶頂をその場所で受け止めるという無言の意思表示── どんな言葉よりも確かな、今自分を愛している男の子種で孕みたいという明確な意思── 「のうんッッ♥♥!!!!」 その瞬間だけ、指だけ残して二人の足の裏が揃って地面から浮き上がった。 「────ッッ♥♥!!!! ────ッッ♥♥!!!!」 深く繋がり合ったまま絶頂の硬直を迎える二人の躰。腰ですずを押し上げたぱん太郎は、射精の緊張ですぼまった尻肉を緩慢に何度も突き上げる。その突き上げ毎にすずの胎内でアイツの肉棒がさらに伸び上がるように膨らみ、凄まじい白濁噴射を巻き起こしているのは明白で、三度目の突き上げで早くも決壊したように大量の白濁液が滴り落ちてきて、それはすぐに白糸の滝と化した。 「のの……のの……すずちゃん……すずちゃあん……♥!!」 「アァ……♥! アア……♥! ニァアァ…………♥♥!!」 すずが痙攣する様はぱん太郎以上であった。汁まみれの顔。たまに開く目は半ば感覚が飛んでおり、眼前の幹の模様を見つめているようでまったく見ておらず、ほぼ全ての意識が胎奥に集中していることは明らかだった。 未経験のボクでも本能で感じ取れる、逆巻く生命の奔流がただ一点に凝縮される世界。それが分かるぐらい二人の息は合っていた。 すずが、すずの卵子が、ぱん太郎と、ぱん太郎の精子と。そういう意味で二重らせんを描くように結ばれる時間。 「すずちゃん、愛してる……愛してるよ…………♥!」 「ぱん太郎様ぁ………………♥!!」 幸せの極致に翔びあがる二人。一部分だけ除き全身の力が抜けたように溶ける中、この上なく気持ち好さそうに、お互い猿みたいに腰だけゆるゆると動かしながら伸び上がる様は、傍目から見れば知性のかけらもない、実に間抜け極まりない様相とも言えた。 だけど、その傍から見るだけ、思うだけのボクは、遠吠えする負け犬とどこが違うのだろうか……。自分の夢なのにほんの少しすら思い通りに動かせないことがこんなに情けなく感じるとは思わなかった。 ぱん太郎は多くの女を虜にしてきた獰猛なまでの種付け射精を、心置きなくすずにも味わわせる。ボクと暮らしている心優しい少女ですら自分の女に、奴専用の子作り肉奴隷に作り変える。肉体だけでなく、ぱん太郎という存在がすずの心の隅々にまで行き届いてしまうぐらいに己が分身を突き刺し、己が子種を蜿蜒(えんえん)と注ぎ込み続けている。 ある意味ここに至るまで以上に濃密な、三度目の幕開け。すずとぱん太郎が肉体の果てまで満たされながら愛慾の深みであらゆる垣根を取っ払って一つとなり、また一つとなった証を共作している中、そんな風にもはや誰の手も届かない所まで行ってしまった雰囲気を醸し出す二人を、ボクはただずっと見つめていることしか出来なかった── 3 草履の鼻緒に無垢な白足袋で覆われた足指を通している姉の後ろ姿を玄関で見つけたのは、富士の背中に山吹色が迫りつつある、そろそろ夕餉の支度でもしようかと思い始めていた時刻であった。 「あらお姉ぇ様、今からどっか出掛けるの? さっき戻ったばかりなのに……」 「ええ」 あやねに声をかけられたまちは背を向けたまま立ち上がると、つま先をトントンと三和土(たたき)に当て、 「今夜は多分帰らないと思うから、私の分のご飯は用意しなくていいわよ」 と振り返り、双眸を細めてフフッと笑った。 その視線を受け止める青袴の巫女は呆れたように軽い溜め息をついた。 「……今夜は、じゃなくて、今夜も、でしょ……」 ぱん太郎を家の中に連れ込むまでになったまちだが、自分の方からも大男の住まいへ足しげく通っており、夜になっても戻らない場合はまず間違いなくそこに入り浸っているのだ。 「通い妻も大変だわあ」 「なーにが通い妻よ。要は男遊びにうつつを抜かしてるだけじゃない。妖怪改の方は問題ないの? 最近おろそかになってるんじゃない?」 「あら、羨ましいのかしら」 一瞬、ぱん太郎にさんざん乱され蕩けまくり種付けされる姉や母、他の女たちの姿が脳裏によぎり、息を呑んだあやねだったが、 「そっ……そんなわけないじゃない」 と、何とか動揺を押し殺して言い返した。 だがまちは妹の心を見透かしたように、 「興味があるのなら、是非あやねもいらっしゃいな。きっとぱん太郎様は熱烈に歓迎してくれるわよ。女に生まれてきて良かったって心底思えるぐらいに、ね……♥」 と、妖しく含み笑う口元を白衣の袂で覆った。 「じょ、冗談じゃないわっ」うろたえた様子を少し見せてしまいながら思わず叫び返すあやね。「私の意中の殿方は行人様だけなんだから! 誰があんなでぶ男と……!」 「でぶ? パッと見は太ってるように思えるけど、そんなことないわよ。あのもちもちお肌の下はすごい筋肉なんだから。アソコはもっと逞しいけどね……♥」 アソコと聞いて一瞬何だろうと考え、ハッと頬を赤らめ顔を背けた初心らしい妹に、まちは楽しそうに目尻を下げながら言葉を続ける。 「人間見た目だけで決めつけてちゃ判断を誤る場合もあるわよ。それにさっき遊びにうつつを抜かしてるとかって言ってたけど、それも大きな間違い。ぱん太郎様と閨を共にするのは大切なお仕事なんだから」 「し、仕事ですって……? あんなのと乳繰り合うのが……?」 「ええ」まちはコロコロと軽やかに喉を鳴らした。「まだこっちの世界がわからないあなたには遊んでるように見えるのかもしれないけど、男女の付き合いに歓楽は付き物なのよ。あやねはそれに惑わされて、私が何をしているのか──いえ、そうね、村全体の総意が読めてないようね」 総意と言われてあやねは怪訝な表情を浮かべた。何のことか分からなかったからだ。 そんな妹を眺め、まちはホッと軽く息をついた。呆れたような溜息だった。 「──やっぱりね」 「な、何なのよ一体……」 「今、村に大きな変化が起きてるのぐらいは分かってるでしょ?」 「馬鹿にしないでよ、それぐらいは察してるわよ」 村に新たな命を授けたぱん太郎が堂々とのし歩くようになってからというものの、特にあやねの世代は劇的に変わった。彼女たちはもう、行人のことをほとんど口にしない。ぱん太郎と赤ちゃんと子作りの三題がお喋りの主客となり、屋敷が出来上がってからは今のまちのように、まるで参拝然として熱心に足を運んでいた。屋敷の中で何をしているかは──先日、あやねも見知ってしまった通りだ。そうして夜も昼も関係なく女たちは彼と交わり、あられもない痴態を晒しながら、享楽のうちにぱん太郎の子種を植え付けられているのだ。 「……あの男のせいで皆んな変わってしまったことぐらい……私だってわかってるわ」 「本当にわかってるのかしらねえ」と、じっとあやねを見つめるまち。「時代は神様仏様海龍様ぱん太郎様、皆んながあの方に夢中なんだから。かく言う私もだけどね……でも、それが大切な仕事でもあるってわけ。──まさか、あなたはオババに言われた事を忘れたわけじゃないでしょうね」 「忘れてはないけど……」 青袴の巫女は数ヶ月前のことを思い出していた。 最長老であり村長でもあるオババの家に急遽、村の全ての女が集められた夜。その席でオババは産気づいていた梅梅他娘たちが無事元気な嬰児を産んだことを満座に報らせた──皆とっくに知っていたが。そして、かくなる上はおぬしたちもぱん太郎から種を授かろうではないかと娘たちに促したのだ。 (有り得ないわね、行人様以外となんて) と、あやねはその時点で論外と断じて涼しい顔でオババの演説ぶった話を馬耳東風していたが、そんな彼女とは裏腹に周りは子供が誕生したことでわっとざわめき、衝撃を受けたような表情で真剣に耳を傾けていた。村の空気が変わったと言うならば、この時点からかもしれない。 用件はその一点のみで短い寄り合いとなったが、散会になっても多くの女はすぐには立たず、親しい者同士で顔を近付け合って興奮気味に喋り合う団塊がそこかしこに出来た。 そんな中、一人その場をそっと抜けて軒先で提灯に火をともす少女の背中を、あやねはポンと軽く叩いた。 「すず、帰るの? 途中まで一緒しましょ」 「あ、うん……!」 長い髪を青いリボンでポニーテールにした少女は救われたような笑顔で元気よく振り返った。夜道は苦手だっだのだ。 二人は肩を並べて夜の道をとぼとぼと辿った。 満天の星々が美しく煌めく晩であったが、集落を離れると途端に周囲の景色は物寂しくなった。昼間は命の息吹もおおらかに枝葉を繁らせ心を落ち着かせてくれる深緑の森林は、灯火があってもなお真っ暗に沈み、その闇の奥に何が潜んでいてもおかしくない静けさと共に、田畑を飛び越えて全周から押し迫ってくるようであった。 いつもなら自然と始まる会話もなく、どちらも俯き加減に提灯の微光が照らす地面に目を落としながら歩いていた。 「ねえ、すずはどうするつもりなの? まさかあんなのに従うつもりじゃないでしょうね」 と、あやねは不意に口を開いた。 「え?」 辺りをやや不安げな目で眺め回していた少女は、澄んだ瞳でキョトンと見返した。あやねが何の話を始めたのか本気で分かっていないようであった。 「え? って……さっきの話に決まってるじゃない」 「あ、あー、あれ……うーん…………?」 すずは答えに詰まったように口を閉ざした。それは言葉を濁しているというより、思い付かない、判断できないといった感じであった。熟考したり、何か考えがあるのを黙秘するのではなく、そもそも何も考えられていない、ということだ。 「一つわからないんだけど……子作りって結婚しなくてもいいのかな?」 「普通はそうみたいだけど、出来婚ってのもあるらしいわね」 「できこん?」 「子供が出来てから結婚することよ。男と女が結ばれる形も一つじゃないってことね」微妙に違うが、本土で生まれた言葉の正しい意味までは知らないあやねだった。「今回の場合は東のぬしが後にしてくれって言ったそうよ。まあ確かに私も結婚式は女にとって人生の一大いべんとだと思うし、焦って急ぐより落ち着いてから日取りとか決めてちゃんとやった方がいいかもね──って、オババはそのことも話してたじゃない」 呆れながらもしっかり教えるところはあやねらしかった。 「え、そうだったっけ? なんか学校の勉強みたいに全然話の内容が入って来なくて……アハハ……」 と、すずは焦った顔で誤魔化すように笑った。 (まあこの子じゃそうよね……) 心中苦笑いするあやね。すずはこの時十四になっていたが、しばらく前にやっと月のものが来てようやく大人の仲間入りをした。が、当人は初潮前と変わらず、“女”になった実感などまるでないようであった。長らく男性不在だった藍蘭島ではむしろ当然とも言える感覚であるが。 娘子がどれだけ興味を募らせても決して得られることがなかった異性の存在。そこへ東方院行人が島に漂着し、俄然色めき立つ娘たちの中、すずだけがその少年と共に暮らす権利を得ても、新しい家族ができたというのが彼女の嬉しがり方であり、やはり色恋にはとんと疎いままであったのだ。 「私は……いきなり赤ちゃんを作れって言われても、ちょっとよくわからないかな……」 「確かにそうよね。話がぶっ飛びすぎてるわよね~。いわゆる婚前交渉ってヤツ? 結婚をすっ飛ばしてまでなんて必死すぎて笑っちゃうわ」 「あれ? でも確か……あやねもやろうとしてたよね。その必死すぎることを」 「へ? ──あ、ああ、そ、そういえばそんな事もあったわね…………」 ばつが悪そうに目を逸らすあやね。彼女は一度だけ行人に婚前交渉を迫ったことがある。具体的な方法に関しては全くの無知だったが、その時に初めて経験した異性と唇を触れ合わせた心地に、思いも寄らぬほどドギマギしてしまった。それだけで脱兎の如く逃げ出してしまって── その後は落ち着きを取り戻して行人と接してはいるが、あの時のことを思い出すと今でも胸の奥がきゅんと熱くなる。まったく悪い気分ではなかった──ただ、実行前は既成事実を、などと目論んでいたが、再度試す勇気は出そうになかった。 あやねは夜空を覆い尽くす無数の光を見上げ、 「……ていうか、どう考えても行人様の方が断然いいじゃない。それをなんであんなのに対してあからさまに乞い拝む必要があるのかしら」 と、ひとりごちるように言った。 「うーん……それだけ村の将来を案じてる……ってことかな……?」 その点に関してはあやねも言下に悪たれ口をつけなかった。村の男衆が一人残らず島外に流されて以来、大人の女たちが子どもに隠れてその悩みに悲しい溜息をついていたのは薄々察していたことである。失ったのは夫や息子だけではない。村の未来までもが奪われたのだ。だからこそぬしとして今ひとつだった評判のぱん太郎であっても掌を返すように着目され始めたのだろう。 確かに自分たちの世代で村が潰(つい)えてしまうのは正直虚しい事だとあやねも思う。その点について村の女たちは皆、行人に期待を寄せていたのだが、もしこんな事態になる以前のままだったら──つまり相変わらず行人だけしか男がいないままだったら──おそらく赤子のあの字はおろか、恋人と呼べる関係の相手すら拝めていなかっただろう。 (まあその時は、遅かれ早かれ私が産んでたでしょうけどね♪) 「やっぱり……私たちも協力しないといけないのかな?」 「はっ、バッカねー」 ためらいがちに言うすずに、あやねは即座に否定するようにひらひらと手を扇(あお)ぎ返した。 「確かに私たちは結婚したり子供を生んだりする年齢になったけど……何を無理して行人様以外の子供を産む必要があるのよ。あんた、あんなヤツに乙女の柔肌を許すの?」 「でも、行人は結婚とかまだ考えてないし、島を出て行くかもしれないし…………」 「あなたってばまーたそんなこと言って……ん~、まあ、確かに普段は結婚はまだ早いとか言ってるけど……行人様は責任感あるお方よ。ちゃんと心を決めれば逃げずに向き合ってくれるはずだわ。 ──すずは──そ、その……いっ、行人様が……その……す……好きじゃないの…………?」 「えっ!? そ、そ、それは……………………」 照れたように紡ぎ出される親友の言葉に、ボッと顔を赤らめて俯いた青リボンの少女は、傾聴しなければ聞き取れないほどの小さな声で、 「す、好き……だよ…………」 とだけ呟いた。 「だったら──」と、続けようとしたあやねだったが、 「でも……懐かしい故郷に帰って家族に再会して欲しいのも本当だよ…………」 と、一転して寂しげに微笑む友人を見て、言いかけていた台詞が萎んでしまった。 (まったく、しょうのない子ね…………一年以上も一緒に暮らしてるっていうのに…………) 再び沈黙の帳が降りた二人は別れ道に来ると、「それじゃあまたね」と、すずは手を振り、西の岬へと続く小径を独り歩いていく。 それでなくとも小さな背中がどことなく頼りなさそうにさらに縮んでいくのを眺めていると、ふと、その躰が何かに寄りかからなければ支えられないような儚さをおぼえ、家までついて行こうか──と、何気なく考えて足を踏み出したあやねだったが、数歩して、 (……大丈夫よね。最近はわりとしっかりしてきたし。今じゃあの子には家で待ってる行人様だっているんだし) と立ち止まった。 「……にしたって、あの子も行人様のことが本気で好きだってこと……いい加減自覚したって不思議じゃない頃なのにねえ……」 好きという言葉を口に出せても、それが異性としてだとは未だはっきりと理解していないのがすずだった。一年も毎日顔を合わせている相手に対してどんな感情を抱いているのかぐらい自覚出来そうなものなのに。あとどのぐらい共に過ごせばあの子も自分の気持ちにハッキリ気付くのかしら──でも、私だって負けないんだからね──などと感傷めいた思いを抱きながら、あやねも杜へと続く径に足を向けた。 だが────── あやねが神社に帰り、他の女性たちもとっくにそれぞれの住まいに戻った時間になっても、真っ先に帰途へ就いたはずの少女は、家で帰りを待っている少年の前にその姿を見せていなかった。 やけに広さを感じるがらんとした部屋の中、彼女を待ちわびる同居人が障子の戸枠にもたれかかり、溺れそうなほどの星の大海をぼんやり見上げている間。 その無数の煌めきが淡く照らす草陰の中では────。 女の弱いところを熟知した男の手によって発情に導かれた青リボンの少女が、垂涎ものの美体をくねり火照らせながら、これまで発したこともない声を上げていたのだ。 “花”を嗅がされ、敏感な部分をいやというほど念入りに責め立てられて初めての経験とは思えないほどの快美感を覚えた少女は、淫らな熱風に全身を焦がし、溢れるほどの瑞々しさが匂い立つ肢体を男の言うがままに開いてしまい、唇、乳房、秘陰──女の大事な箇所に遠慮なくむしゃぶりつかれてさらに声を張り上げた。 閉ざされた蕾にまずは舌、次に指、そして……ついには常人を遥かに凌ぐ大剛茎で貫かれ、生まれて初めて男を迎えると、処女喪失の痛みが遠のくほどの時間をかけて念入りに肉孔をほぐされ。 とうとう抽送の律動を心地好く感じるまでにこなれてしまった秘洞の奥に特濃の白濁粘液をぶちまけられ──言葉にできないほどの甘い感覚に溺れながらその凄まじい噴射を全て受け止めてしまい── その時の少女の表情は、青姦を始める前は戸惑いと不安を浮かべていたのが嘘に思えるぐらいの感じようであった。彼女の器量の良さはここでも発揮されていたのだ。泣き腫らしながらも股を開ききり、足腰からは完全に力が抜け、初めてにも関わらず男を楽に迎えられる姿勢が自然に出来上がっていた。 ついさっきまで固く閉じていた狭い穴だったとは信じられないほど奥までみっちりと開通され、少年ではない男と深々と繋がりながら、少年のものではない子種を滔々と胎奥に注がれて──それに淫美な感覚すら憶えていたのだ。 念入りに数時間かけて到達したと言うべきか、たった数時間体験しただけで行き着いてしまったと言うべきか。 初めての媾合、初めての肉の悦び、初めて迎える男性器。生殖器として目覚め歓び場と化した膣の最奥、子宮と繋がった壁を長大な肉根でグイグイ押し上げられてもその苦痛は甘い疼きに霞み紛れた。子宮口のすぐ近くで収まることなくビュウビュウと噴き猛る怒張の先端は、柔肉が盛んに蠕動する中、時には直に当たって微かに開いた穴への熱烈な口づけとなり、しかも角度が合わさって何噴射にも渡って濃厚な孕まし液がまともに浴びせ掛かり、少女の子宮内へ確実に男の精子が送り込まれていった。 一人きりでの対面はこれが初めての、特別な想いなどこれっぽっちも抱いていない男。──とは思えないほどの牝肉の歓待は、温かな感情から来るものではなく、純粋な肉慾の喚起──むしろその方が性質が悪いと言えるか。 躰の真芯まで響き染みるほど勁(つよ)く脈動する肉棒を、少女は体内で乱れ狂う若い本能と気が変になるほど湧き出てくる情欲に命じられるままに自分からも強く締め付け、その猛々しい肉を、夥しい精子が詰まった体液を、ともに深いところまで迎え入れてしまう──。 今までの交尾の激しさから変転した、極めて動きの緩慢な、だが気が散じたわけでもない射精の時間。普通の男がどんなに長く放出しようともこれには及ばず、かといって事後でもなく、『種付けの時間』とでも括(くく)る他ない時間。 それを経てようやく肉棒が暴れまくっていた胎内は静穏になり、男もやっと虚脱した。逃げる好機だった。 その時立ち上がっていれば、この場から去ることも出来たかもしれない。 ──だが、自分が自分でなくなったかのような──経験したこともない異様な感覚に満たされた少女は、行為がひと段落ついたと捉えられても身を離すという選択を思い付かないほど放心していて、結局は男が回復して行為が再開されてしまうまで、ずうっと、ずっと── ……少女はこの男と深く繋がり合ったままであった…………………………。 未だかつてない体験や痛みに怯えや怖さもあったが、男とまぐわうことの意味もわからず、異性そのものさえよく知らない素朴な島娘は、わずかな戸惑いを経ただけで肉体の快美を受け入れてしまい、“村のため”というオババの言葉もあり、拒むことを躊躇ったのである。そもそも他人を拒むことを知らない──藍蘭島の人間なら誰しも持っている美点であるが──誰にでも親身で優しい性格の持ち主だった。 そうしていよいよ。 誰であろうが孕ませることしか考えていない種馬の抑圧されていた慾望が阻むものなく解放され、この美少女のからだはその捌け口と化した。彼はここ数ヶ月間禁欲を強いられていたのだ。この島の自然に培われた少女の体力も十分で、男に付き合うことを許してしまった。 少女と男の交尾はまだまだ続いた。 ただでさえ底無しの性慾を持つ男の途方もない量の孕まし汁は、何度も何度も、何ものにも邪魔されることなく少女の胎内に注ぎ込まれていった。生娘の清浄性を秘めるように閉ざされていた少女の膣は肉棒の大きさまで拡がり、この上ない濃密さの白濁液で満たされ、少年とこれまで過ごしてきた日々の中で育まれてきた淡くも温かい交流など初めから無かったものにされるような苛烈な淫辱を与えられ、麗しい秘肉は男の慾望をこれでもかというぐらい漬け込まれた快楽の糠床となった。 終わりの見えない肉の交わりの中、少女はあぁあぁと言葉にならない喘ぎ声を出しながら、しまいには肉慾の歓喜に押し流され、心にずっと留まっていた異性をも忘れて頭を真っ白にしながら夢中で腰を動かし、一度始まると滔々と続く射精を最後まで膣内深くで受けきり──。 いつしかそれは性慾を覚えることすら初めてとは思えないほどの淫気を発する性交渉となっていた。 少年の待つ家へはあと少しという距離。 遅い帰りを心配して捜しに出さえすれば程なく鉢合わせするほどの近傍。 そんな道脇の草むらの中、少女は男と何時間も肌を重ねた。本能に従って情熱的に腰を密着させた。濃密な種付けが何度も繰り返された。下に敷かれた男の羽織は二人の体液でぐちゃぐちゃにまみれ、それがお互いの躰のどこもかしこをもドロドロに汚した。 主に大きな影が小さな影に延々と覆い被さっていたが、時に少女が横や上にされると、その白い裸体が──特にたわわに実った乳房が揺れ動きながらてらてらと月光に映え、全身が淫靡にぬめり発情している様が確認できた。しかしそれを眺め愉しむ特権もまた、ここにいる男だけのものであった。少年が見たこともない少女の痴態を男だけが眼福に預かった。 少女は途中から帰ることも忘れて気がどうにかなってしまいそうなほどの気持ち好さの中に心身を蕩かせながら、熱く固い巨根を感じ続けて甘い声をひっきりなしに上げた。唇を求められて舌を入れられると、拙いながらも舌を絡ませた。紅玉のような唇もふっくらと形の佳い乳房も心ゆくまで男に嬲られ、特に秘窟は肉と汁の坩堝と化し、男が満足しきるまで──少女が悶え狂うまで──容赦なく掻き回され、捏ねくり回され、突き回された。そうした末、腰を密着させ子宮の外壁に口づけられての濃濁子作り射精の反復。 それを止める倫理観も知恵も少女にはなく、男にも躊躇はなく。 ただただ快楽の本能に包まれて。 これでもかというほどの生殖行為を。 少女は。 少年とは違う男とやりまくった────。 何度目かの射精の直前、激しく腰を振る男が彼自身の放った精液でぬかるみきった膣内を往来する昂奮に駆られながら、「また出すよ、赤ちゃんができる素をどんどんあげるからねっ♥!」と言い放っても、いやらしい粘着音をひっきりなしに立てる抽送を嬌声と涎を漏らしながら恍惚と受け止めていた少女は、聞いているのかいないのか、コクコクと頷き、男の太い胴を挟む脚にギュッと力を籠めたのだ。 射精が始まってもアソコとともに脚の締め付けを緩めようとしなかった。胎内でドクドクと脈打つ感触を少しも逃したくないかのような表情で口元を快感に蕩かしていた。 その次の射精も、またその次の射精も。 少女の膣壁がギュッ、ギュッと、ぎこちない動きながらも男の雄根を絞り上げ、本能から来る歓迎の意を示す。 男にとってこれはただ女の柔肉を楽しむだけではなく、慾望が昂ぶるままにメスを妊娠させる、種付けするというオスの本性を全く抑える必要がない、桃源郷の仙果にかぶりつく行為であった。 それが例え、星明かりの彼方微かにある家に、恋心を抱く少年(ひと)がいる娘であったとしても──。 いや、むしろ逆であった。想い人がいる娘と承知して尚、男の肉棒はさらに硬度を増し、この美しい少女の子宮めがけてビュルビュル、ビュルビュルと精気尽き果てぬ量の孕まし液を放つのだった。そして少女も少女で、一個の性として逆らい難い甘美な世界を発見してしまい、別次元に飛んでいるかのような表情で淫惑に悶えながら、自分を征服しきろうとする存在を本能の命じるままにしっかりと受け止めてしまうのだった。 村を守る大義として掲げられた子作りという名の快楽に沈められ、オババの言いつけを実践する第一号となってしまった青リボンの少女が男の肉棒と種付けをいやというほど味わい、最後には家のある方角──想い人がいる方を向かせられながら四つん這いで男に突かれまくったが、その頃にはもう遠い灯火の微光など目に映っておらず、巨体の男と激しく肉を交わらせて初めての同時絶頂に達し、射精の度に獰悪な対流を繰り返す火山のマグマ溜まりとなって一体化した生殖器の奥底で、肉慾の極致の中ついには少女の卵子までもが男の精子の雲霞に貪り喰い繋がれてしまっていた。 自分の胎内で生命の悲劇が催されていることなど露知らぬ少女だったが、心のどこかに痼(しこ)りのような疑念はあった。あるにはあったが、目覚めてしまった性衝動、そしてこの瞬間ばかりは強烈なオルガズムスに少女は逆らうことができず、野太い棍棒をねじ込まれたように拡がった膣壁を何度も窄ませながら男の肉根を締め付け、搾り取るように男の子種を子袋の中に嬉々として飲み込んでいってしまっていたのである。 少女が望みもしなかった性交の終盤の光景は、そこだけ画として抜き取れば、子作りセックスを合意した男と女にしか見えていなかった。 胎奥で種付け射精されている時の少女は、快感に呑まれて腰を逃がそうともせず、数時間前に初めて会ったと言っていい男の侵入を許し、その男の精子の注入を許しているようにしか見えなかった────。 最も親しい友人が、最も性交渉から縁遠いと思っていた友人が、密かな純心をともに同じ相手に抱いていた友人が。 事程左様に何も知らない無垢な少女から一気に脱皮させられるような目に遭っていたことなど、あやねは知る由もなかった…………。 4 「……というか、私の側から見れば、あやねの方がおそろかに見えるんだからね」 「へっ!?」 と、あやねは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をまちに見せた。この点で逆襲されるとは思ってもみなかったからだ。 「ど、どういうことよ……?」 「子供を産むのも私たちの大事な仕事でしょ。ゆきのですら頑張ってるっていうのに、あやね、あなたは行人様との関係はどこまで進んでるの?」 「うっ……」 半歩後ずさるあやね。 「……まったく進んでないようね。まあ、接吻ごときで恥ずかしがってちゃねえ……」と、まちは含み笑いした。 「ちゃ、着実に確実に前進してるわよ!」 「へえ。じゃあ、接吻より先へはいったの?」 「………………イ、イッテナイケド…………」 「やっぱりねえ、フフッ……それに比べて最近の私、やけに肌がピチピチしてると思わない?」 そう言ってうきうきと自分の頬を撫でるまちに、あやねは、「まったく見えない」と冷たく突き放そうとしたが、実際に産みたての卵のような肌、綺麗に引き締まった顔が双眸までもキラキラと輝いている姉に、喉まで出かかった言葉が急降下してしまった。我ながら悔し紛れな惨めさを感じてしまったのだ。 「服の中も凄いコトになってるわよ」巫女装束越しに自分の躰に触れるまち。「どんどん女らしさに磨きがかかって。布でほとんど隠れてて見せられないのが残念だわあ」 そうしてまちは玄関でくるっと軽やかに一回転すると、自慢気に鼻を鳴らした。 「ふ、ふんっ……!」 あの子といいこの人といい……と、あやねは腕を組み、内心歯ぎしりしながらそっぽを向いた。(私だってそのうち、もっと女らしくなるんだから!) 「それもこれも男を知り、女を知ったからよ。ぱん太郎様のお陰だけど、私も最初の一歩は自分から勇気を出して近づいたの。その時は怖かったし、初めは痛かったけど、ぱん太郎様は優しくりーどしてくれて……喉元過ぎれば熱さを忘れたわ。そして、別の熱さに身も心も灼かれちゃって……♥」ポッと頬を染めるまち。「わかる? 自分から行動する勇気が肝心なのよ」 「そ……そう…………」 「ぱん太郎様に近づいたのはホントは──あっ──と──」 「ん?」 「いえなんでもないわ……フフッ。とにかく、ぱん太郎様のアレは信じられないぐらい大きいけど、女のココだってアレよりおっきな赤ちゃんが通る道だしね」 そう言ってまちは股に触れながら話を続ける。 「じっくり時間かけてトロトロにほぐされて……迎える準備が整えば、案外平気なのよ♥ ぱん太郎様はちゃんと痛くないよう気遣ってくれるし、慣れるまでとことん続けてくれるし、慣れさえすればかえってあの逞しさが病みつきになっちゃうし……♥ それでいてひとりひとり別け隔てなく気持ち好くしてくれて、とびきり濃い子種を何遍でも注いでくれて……♥ ここまで言えば、皆んながぱん太郎様になびく理由がわかって来ない?」 ごくりと鳴るあやねの喉。姉の長広舌にいつの間にか真剣に耳を傾けている自分に気付いていなかった。 「ゆきのだって入ったんだから、あなたもきっと大丈夫なはずよ。おそろしく頑丈な躰してるんだし」 思わず相づちを打ちそうになって、「あれ?」と、あやねは我に返り、瞬間顔を真っ赤にした。 「だ、だ、誰がそんなコトするって言ったのよっ!!」 と、抗議するように猛然と腕を振り回しながら喚き散らした。 「あら、そう♥」 「ていうかお姉ぇ様、さりげなく私を誘導しようとしてない……?」 「孤立無援の妹を可哀想だと思ってるのよ」 「余計なお世話だって…………別に孤立してないし……」 「そういう意味じゃなくて……それだけじゃないわ。行人様との仲を深めるのに必要なのも、同じ一歩を踏み出す勇気ってことよ。だからね、それをぱん太郎様の御力を借りて養えばいいじゃない、ってこと」 「────は?」 ツインテールの巫女の顔面に意味不明という文字が乱れ飛んだ。 「あなたのことをぱん太郎様に話したの。接吻ぐらいで恥ずかしがって逃げ出しちゃう情けないウブな子だって」 「ちょ、そういう個人じょーほーをホイホイと他人にバラすな!」 「恥は忍ばないと相談にならないでしょ。で、そしたらぱん太郎様が手ほどきしてもいいって言ってくれたのよ。子作り抜きでね。男女の色事に慣れれば女らしくもなるし度胸もつくだろうって」 「はあ……? そ、そんなこと言って、体よく私を騙そうとしてるんじゃないの? そうはいかないんだから!」 自分の躰を守るように抱きながら顔を紅潮させ激しい口調で突っぱねる妹に、 「自意識過剰ねえ。ぱん太郎様はもう女なんてよりどりみどりなのよ。厭なら別にいいわ、あの方も暇じゃないし」 と、まちは呆れたように冷たく言った。 「だ、大体非常識じゃない」今まで覗き見してきた内容を思い出し、あやねの頬がさらに赤らむ。「子作り抜きったって……あいつにカラダをへ、変な風に……弄られて……ア、アレで……アレされるのは……か、変わりないんでしょ……? それって子作りとどう違うの? それが子作りじゃないの?」 「あら、あやねは実際にどうやるか知ってるの? へえ~……なんで?」 意地悪くニヤニヤと訊ね返す姉に、あやねは頬を染めたままエヘンエヘンと誤魔化すように咳払いを繰り返した。 「と、ともかく!」と、話題を切り上げるように言葉を続ける。「アイツとそんなことしたら、どんな顔して行人様と会えばいいのよ……論外よ、論外……!」 「あなたって妙なところでちゃんと貞操観念持ってるのねえ」 「とっ──当然の話でしょっ!?」 憤慨するあやねとは対照的に、「いいえ」と、まちは冷静に首を振った。 「考え方と捉え方の問題よ。確かに常識的に捉えればあやねの言う通りでしょうけど、だからって今までと変わらないやり方で、果たして行人様を攻略できるのかしら?」 「うっ…………それは…………」 返答に詰まるあやね。 「行人様は気さくな方だけど、異性との普通の付き合いに恋愛感情は持ち込まない。恋多き御方ではないのよ。どんなに多くの自分を慕う女と接しようとも、恋愛は別に考えるたいぷ。堅物な上に奥手、そして超が付くほど鈍感な殿方。あなたもそれぐらいは分かってるでしょ? そういう人間には自分の方からどんどん踏み込まなければ、いつまでたっても距離は縮まらないと思うわ。すずが良い例じゃない。行人様と一年以上も同棲してて、いちおう普通の友達以上の仲良しにはなったみたいだけど……男女としては、ね…………」 「………………」 「あの子も──まあ、それは今はいいか……。 ……ともかく、だから女を磨け、ってことなのよ」 「女を……磨く……?」 「房事を通じて男という存在(もの)を学べば、女として成長して、男に対して度胸がつくのは嘘じゃないわ。ぱん太郎様なら絶対に女を教えてくれると思う。経験を積んで確実に前進していくのと、成長せず関係も変わらずつまらない常識なんかに縛られて虚しく足踏みし続けるのと、果たしてどっちがいいのかしらね?」 「そ……そんな……わ、私だって…………」 あやねは肩を狭め、眉根を寄せて俯いた。それは彼女が滅多に見せることのない気弱な表情であった。 「ほら、普段は妙に自信満々なくせに、いざとなるとそうなる……それじゃあダメよ、あやね。また土壇場でこらえ切れずに逃げちゃうのが関の山よ。あぁ……あやねも勇気を出しなさい。行人様を自分のモノにするためと割り切ってぱん太郎様の“指導”を受ければ、あなただってココロもカラダも成長できるに違いないわ♥ そしたら行人様も射程圏内に入れられるんじゃない?」 「だ、だから……余計な……お世話だって……!」 「でも、あなたももう十七よね。私を行き遅れなんて言えない年になってることを自覚しなくちゃいけないんじゃないの?」 「うぐぅ!!」 強弓を射掛けられたようにグラッと後退するツインテールの巫女。 口喧嘩となると常套句のように使われてきた言葉をそっくりそのまま返すことができたのがよほど嬉しいのか、まちはクックックッと楽しそうに声を立てた。 「周りはもうみーんな経験してるコトなのに……経験して成長してるのに……いい年して一人だけ男も知らない生娘のままってのは……格好つかないことこの上ないわねえ? ウフフフ……」 「うぐ! うぐう!」 まちはひとしきり笑うとやや真面目な表情になってヨロヨロしている妹を見つめた。 「あなたは妙に警戒心を持ち過ぎなのよ。分からないでもないけどね。でもぱん太郎様はもう昔のような乱暴者じゃないわ。それどころか私たちのため、村のためにわざわざ身を挺して下さってるんだから。つまりお互い欠かせない共生関係じゃない。確かにあの方は昔が昔だったし、好色には違いないけれど、今の村にはむしろ合ってる存在だと思うし。暇と躰を持て余してた私たちも心躍るひと時が生まれてる。その点、行人様はちっともあぷろーちしてくれないし、暖簾に腕押しだし、正直……男としてはちょっと物足りないところがあるのよね……。ぱん太郎様は私たち全員の面倒を見てくれて、行人様の分の穴を埋めるどころかその上に山を造っちゃうぐらい凄い甲斐性の持ち主よ……♥ あの方と懇ろな関係になって後悔してる女なんて一人もいないんだから」 どこかで聞いたような言葉だと感じたあやねは、すぐに先日のみことの台詞と重なることに気付いた。 女として扱ってくれる方を選ぶ──みことはそう言っていた。 「……や、やけにえらく持ち上げるわね……けど、お姉ぇ様は最近、家のこと全部私に押し付けてろくすっぽ省みなくなったじゃない! 男にかまけて周囲に迷惑かけてちゃ、どんな偉そうな言葉も虚しく聞こえるだけよ!?」 「だからこれも本分だってば……。今が一番楽しい時期なのよ、ちょっとぐらい見逃してくれない? そう長くは続かないと思うから」 「え……?」 まちは帯の結び目のすぐ下をさすりながら嬉しそうな微笑みを見せた。 「私もたぶんそろそろだから……そしたら家のこともやるわ」 「そろそろって、ひょっとして……」 「残念ながらまだハッキリしてないけど、時間の問題よ。あんなにこくまろな子種をたくさん授かってて孕まないほうがおかしいじゃない……♥ きっと梅梅の子のように元気な子供が宿る、そう考えると楽しみで仕方ないわ」 そう言うと、呆気に捕らわれている妹を残し、「いつでもぱん太郎様の元に来なさいな♥」と、まちはごっちらのに乗って屋敷のある方角へと飛び立っていった。 あやねは姉の姿を追ってつっかけで玄関先に出て、山吹に彩られる富嶽を眺め上げた。 子作り──ぱん太郎が村に定着するようになってからまだ三ヶ月ほどだったが、村でこの新たな男と“励んで”いないのは、あやねが知る限りでも親世代を含めてもうわずかしか残っていなかった。そのわずかな人数も耳に入っていないだけかもしれない。皆、ぱん太郎と「関係」を持って次々と孕み、孕むだけでなく彼に夢中になってさえいるのだ。あやねの母であるちづる、海龍様を鎮守するやしろですらそうだった。ちづるは以前からよく友人達と連れ立って温泉へ憩いに行くが、どこからか流れてきた話によれば、最近では月見亭へ向かうその一行の中にぱん太郎が混じっているということだ。昔は一泊もすれば帰って来ていたものが、今では日数が延びてきている理由はそれかと、あやねは嘆息したものだ。別に何日延びようが困ることはないが……。月見亭で男女水入らずにどれだけ羽を伸ばしているのか、少なくとも慾望の限りを尽くした饗宴が繰り広げられているのは間違いなさそうであった。帰ってきた時のちづるは決まってやけに機嫌が良く物腰も軽やかで溌剌としていた。 ぱん太郎はそれに限らず他の女たちともよく月見亭を利用しているようで、誰しもが一度は彼との小旅行を経験しているらしい。 まちと同じくちづるとやしろも身籠ったきざしはまだ来ていないようであったが、やはり時間の問題だろうことは容易に想像できた。 姉も、母も、曾祖母も、そして村のほぼすべての女も。 たった一人の男と肉体関係を結び、皆が皆その男の種をたっぷりと注がれて、その男の子供を産もうとしている。 一人だけ除外していた友人の姿があやねの脳裏に浮かび、(もしかしてあの子まで──)と想像して、犯すべからざる禁忌に触れたような薄ら寒さを覚えて激しく首を振った。 あやねの知らない所で密かに、その青リボンの少女が他の娘と同じく、ぱん太郎と裸同士になって情熱的に肌を重ね合い、逞しい男根でからだの奥の奥まで責め溶かされながら甘美な喘ぎ声を上げ、あの長々と続く膣内射精の洗礼を受けている── 一緒に暮らす男子を差し置いて── (まさか…………) 絶対にありえないとブンブンと何度も首を横に振った。 (そんなこと行人様が許すはずないわ。それにあの子は子作りが理解できないぐらいのねんねなんだし……さすがに飛躍しすぎよね) と考え直す。それよりも自分のことだ。 「私は…………私こそが行人様の花嫁になって、幸せな家庭を築いて……子供も行人様と……作るんだからね…………」 青袴の巫女少女は姉の姿が消えた空を仰ぎながら誰に言うともなしに喋って踵を返し、家の中に戻ろうとしたが、二三歩してわずかに振り向き、 「…………女に…………なれ、る……………………」 俯き気味に口篭るようにそう呟いた。 (第16話に続く) 上に戻る
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ながされて藍蘭島エロパロSS 『寝取られて』 第18話 1 コナラやミズナラ、アカマツ、カシなどの生活用木が生える雑木林をひとつふたつと過ぎていくうちに、地衣類や蔓蔦で覆われた古樹老岩がしばしば現れ、次第に周囲が原生的な風景になってゆく。南の縄張りに近い証拠だった。それでも西の内ならば踏み固められた野道がか細くとも伸びている。樹木もそれほど密集しているうちには入らず、太陽光がよく射し込むため下草の茂りが活発だったが、道筋がはっきりしているのでほぼトレッキングになる他の地域と比べれば遥かに歩き易かった。 行人がこのところ気にしている事柄の一つに靴の状態があった。家出時のスニーカーを一年以上も毎日のように履き続けているが、近ごろは道なき道を歩く頻度が格段に増えたため、目に見えてくたびれてきている。手入れはこまめにしているものの、もし穴でも開いてしまったらどうしよう──と思案していた。 洋靴が広まる以前の日本では草履が主に用いられていたようだが、藍蘭島では草履派と地下足袋派が半々ぐらいなのが面白い点であった。すずも地下足袋派である。最初は革靴だと思っていたが、動物の殺生がないこの島では肝心の獣皮を調達できないじゃないかと、今さら気付いたのは最近になってのことだ。布製の外履きなんて靴底は大丈夫なのかな、とも行人は思ったのだが、驚いたことに地下足袋の靴底にはゴムが使われていた。ゴムノキを栽培している場所があるそうだ。アイランド号に乗った留学生達の渡航先の一つであるイギリス(当時は大英帝国)では既にゴム産業があり、ゴムノキの種子も持ち帰り品の一つだった。手間は掛かるが精製もしているという。それがこの村の女性たちがパンティーを穿いている秘密でもあるわけだ。 それならブラジャーも作ろうとすれば作れるのではないかと、行人はちかげの裁縫技術を思い起こしながら考えたことがある。鉄製の農具や庖丁、釘などがあるのだから、どこかで鉄鉱を採掘加工しているのは間違いないだろうし、工夫次第で針金を作ることも可能なのではないだろうか。 ──何にせよ、まだ履けているうちに予備の靴を用意しておいた方がいいだろう。 (……こうやって段々と島の住人と変わらなくなっていくのかな……) そういった事をつらつら考えながら明るい森の小径を歩いていると、株立ちした幹の一本一本が太い立派なカツラの大樹があり、その中ほどでまだ幼い仔猫が降りられなくなって泣いているところに出くわした。樹高ニ十メートルはあるだろうか。遊び友達の他の仔猫や仔犬たちが周りに集まり、下から声をかけながら心配そうに見上げていた。南からここまで遊びに来たのだろう。 (う……けっこう高いな……) 決して太くない枝にしがみついた仔猫のところまで七、八メートルといったところか。高所は行人の苦手の一つだが、かといって困っている子供たちを見捨てることなどできなかった。 「任せて」と安心させるように周囲に言うと、自分を奮い立たせて登り始める。幸い、何本も幹が伸びている上に枝も豊富に繁っていたので、手足の置き場には困らなかった。これならと勢いづき、震えて固まっている仔猫のところまで何とか到達すると、「さ、おいで」と、片腕の中に飛び込ませてしっかりと胸に抱く。 地上までの距離を計ろうと下を見ようとして躊躇う。ここまでは登ることに集中して意識が上に向いていたから怖さも引っ込んでいた。だが、今度は自分が高さの恐怖に強張って、もし誤ってこの子を落としでもしてしまったら―― (くっ……) その時、 「行人様っ!」 と、聞き覚えのある声が下から飛んで来た。 思わず下を向く。高い。 (うわ──) 血の気が引いて思わず軽いめまいのような視界のぐらつきを覚え、手足に緊張が走ったが、枝の間からこちらを見上げてしきりに両手を振っている人影があるのに気付いた。 艶めく長い黒髪を白いリボンでツインテールにまとめた少女。 「──あやね!?」 「私がその子を受け取るわ、そのまま落として!」 「で、でも――」 「大丈夫、私を信じて!」 行人は頷くと、「目を瞑って力を抜いてて」と仔猫に囁き、落下地点を誤らぬよう気を付けながら腕を開いた。背を丸めながらまっすぐあやねめがけて落ちていった仔猫は、くるりと回って吸い込まれるように少女の両腕の中へ受け止められた。 「ナイスキャッチ!」 と、思わずガッツポーズを作った途端、行人の足がずるっと滑った。 「うわあっ!?」 一瞬の浮揚感の後、バサバサバキバキと枝が折れる音と共に躰のあちこちに痛みが走り、次いでザンッ!と乾いた葉を散らすような音、背中や腰、脚にしたたかな衝撃が襲った。 視界がグルリと回る。息が詰まるほどの激痛。 「ぐうっ!」 揺さぶられる意識。喪われる平衡感覚。 だが、地面であることは辛うじて分かった。 「行人様ッ!?」 今度はさっきと真逆に上から降ってくるあやねの声。しばらくじっと耐えていると、痛みに奪われていた感覚が徐々に戻ってゆき、行人は何とか胴体を転がして四つん這いになり、痛みを我慢しながら上体を起こした。躰じゅうが枯れ葉と土埃まみれだった。カツラにもたれかかって打ったと思われる箇所をさする。どこもズキッと響く部位ばかりだったが、骨に達していると思えるほどの鋭い痛みはなかった。打ち身や擦り傷だけだとしたら幸運だが……。 「行人様っ!?」 目の前に仔猫を胸に抱いたあやねが青ざめた顔でしゃがみ込んでいた。普段の青い巫女装束ではなく、いつだったか見覚えのある洋服姿。裾の短いスカートのため両足の隙間から下着が覗き見えてしまっていたが、今はそれに気を取られて鼻血を出すほどの余裕は行人にはなかった。 「だ……大丈夫……たぶん、問題ないよ」 今度は立ち上がって手や腰を回転させ、駆けるように腕を振り膝を曲げながら脚を交互に踏み鳴らしてみる。次に屈伸や前後屈などその場でひと通り軽い準備体操。打ち身の痛みで顔が歪む。が、やはり動けなくなるほどの深刻な重い痛みが襲って来ないということは、どうやら骨折は回避できたようであった。衣服もどこも破けてはいない。 「ホントに怪我はない!?」 「アハハ、この島に馴染んだおかげで、あやね並に躰が丈夫になったのかな。怪我はしてないみたい」 と、服のあちこちに付いた埃をパンパンと音を立てて払いながら行人は明るくそう答えた。根の部分に落ちなくて運が良かった。朽ちた葉で敷き詰められた地面がクッションになったらしい。カツラ特有のどこか醤油を連想させる甘さのある匂い。まだ落葉の季節でもないのにこうして通年枯葉でいっぱいな手付かずの自然に助けられた。 (ただ……いくら苦手とはいえ、こうも簡単に足を滑らすなんて……) これも悪夢の影響によるだるさが祟ったのだろうか。だがそんなのを失敗の理由にしていては情けない。まだまだ修行不足だ──と、行人は忌々しく思った 「よかった……」心底安堵したあやねの表情が、すぐジトッとした目つきに変わる。「──って、私並ってどういう意味よ……」 「え、だって、あやねって富士の頂上から蹴落しても死なないんでしょ?」 「さすがに死ぬわ! それ死ぬから! 誰よそんなふざけたこと言ったのは!? ……ま、まあいいわ…………それより本当によかった……」あやねはホッと息をついたが、すぐに気まずそうな顔になり、腕に抱いた仔猫に視線を落とした。「ごめんなさい、私が余計なことしちゃったかしら」 「そんなことないよ」 行人は即座に首を振り、心からの感謝の笑顔を輝かせた。 「あやねが来てくれなかったら、途中でやっぱり足を滑らせて、この子もまとめて落ちてたかも。本当に助かったよ。ありがとう。な」と、あやねの胸に抱かれた仔猫の頭を行人が撫でると、「ありがとにゃー」とその子供も嬉しそうに尻尾を振って答えた。あやねが降ろすと友達らとひとしきり喜びにはしゃぎ、動物の子供たちは改めて二人に御礼を言い、何度も手を振りながらきゃいきゃいと森の中に駆け去っていった。 「もう危ないことはするなよー」 「気をつけて遊ぶのよー」 そう声をかけた子供たちの姿が見えなくなると、 「ふふ、子供って可愛いわね……」 と、あやねは無意識に髪を指で梳(す)きながら目を細めて優しげに微笑んだ。──と、そんな自分を横からポーッと眺める行人の視線に気付く。 「? 行人様、私の顔に何かついてる?」 「あ、い、いや、ごめん。何でもないよ」行人は頬を掻いて誤魔化すように視線を逸し、言葉を濁した。今、あやねの横顔が思わず見とれてしまうほどに綺麗だった──などととても言えない。幸い当人はキョトンとしていて、行人の視線の意味に気付いていないようであった。 「……と、ところで、あやねはどうしてここに? またそんな格好して。あ、いや、似合ってるけどさ……」 と、はぐらかすように行人はあやねの服装に目をやった。 黒に近い紺色の袖なしブレザーに同色のフリルを二段重ねにしたミニスカート。シャツの袖の肩が切られているのが特徴的なデザインで、赤いネクタイがよく目立っている。下は純白のオーバーニーソックスを穿いていて、ずり下がり防止のリボンがネクタイと同色のピンポイントであった。 いつもの見慣れた巫女服は躰の線が出ないので、こうして見ると腰の細さといい、脚線美といい、意思の豊かなぱっちりとした瞳といい、可愛く端正な顔つきといい──“黙っていれば美少女”の面目躍如といったところだ。 すずに負けないぐらい短いスカートから伸びる、あまり日焼けしていない白く美しい脚。ニーソックスとの間に生じた太ももの領域が眩しく、締まった腰も相まって年頃の女を感じさせるくびれを生んでいた。本人が美乳と誇りながらも密かに気にしている胸の控えめなボリューム感も、自己主張を殺して全身の造形バランスの完成度を高めている点において、その言どおりの完璧さを誇っていると認めていいかもしれない。 そんなことを行人が考えている一方、あやねは想い人の言葉にどきりとして顔をほころばせていた。 (に、似合ってるって……♥) この一張羅のことを行人が憶えていてくれていたのも嬉しいことだった。ただ、彼を捜し求めに家を飛び出してここへ来た理由──今日こそ好きと告白して行人を落とそうと燃え盛る心は、こうしていざ本人を面前にすると、自分でもビックリするぐらい瞬く間に鎮火してしまっていた。 だから、行人の問いかけに、 『貴方に会うために来たのよ♥』 と即答して媚びを売ろうと思っても、 「……た、単なる気分転換ですわ」 ──と、照れを隠しながらまるで違う台詞をボソッと言うに留まってしまった。 (あああ、私ったら何言ってるのよ~~~!?) 昔だったら間髪入れずそう答えてたはずなのに……。 「ふうん……」 と、少年の目つきがやや疑わしげになった。以前、同じ服を着てきたあやねと一緒に栗拾いをしたことがあるのだが、その時、食事にしびれ薬を盛られて酷い目に遭っている。ただ、その時に思いがけなく(すずの人工呼吸をカウントしなければ)人生初めてのキスをしてしまったのだが……。 「また何か企んでたり……してないよね?」 「ええっ!?」その視線の意味に気付いたあやねは涙目になって必死に手を振った。 「や、や、やあね、もうあんなコトしないったら!」 したくてもできない。自分から行人様にキスするなんてそんな──いや、でも、した方が進展が──ここまで来た意味が──でも―― ──と、勝手に内部崩壊していくあやねの意識。 だが行人は目の前の少女がわたわたと慌てふためく様を見て、彼女の心中がそんな事になっているなど知りもせず、 「どうだかね。ふふっ……」 そう柔和な笑みを浮かべた。 「あ……」 我に返って思わず行人の顔をぽーっと見入ってしまうあやね。 「ん?なに?」 「え?」 「え?」 「あ、いえ、な、何でもないわ!」 「はあ……」 「と、とと、ところで行人様」 「なに?」 「よ、よ、よけ──」 「よけ?」 「よ、よけ、よよよ、よよよしね」 「ヨヨ死ね?」 「違う! そ、そうじゃなくて、よ、よよ、よよろしけ、けれ、ける、ければ、けるとき……」 「な、なに……?」 「えっ」 「えっ」 会話が成り立たなくなり、行人は狐につままれたような顔をする。 「どうしたの? さっきからなんか変だよ」 「えっと、あっと、えっと……つ……つき……つっ……ついてってもいいかしらッ!?」 「へっ? ――ああ、見廻りについて来るってこと?」 「え? あ、そ、そう! そうなの! ちょ、ちょーど暇してたし……!」 「いいよ、別にそれぐらい……」 「ほんと!?」 「え? い、いや、別にそこまで同意を求めるほどのことじゃ……?」 救助に駆け付けてくれたと思ったら突如オドオドとどもり始め、同行を認められたぐらいでまたいきなりパアアッと明るい顔に変わるという、あやねの目まぐるしい態度の変化に、 (なんか相変わらずの平常運転ぶりだなあ……でも、いつもと変わらないあやねだ……うん) と、行人は頭を掻きながら、どこか嬉しそうに頬をゆるめた。 2 躰の調子を確かめながら最初はゆっくりと歩みを進めていた行人だったが、やはり幸運が味方したようであの高さから落ちたにしてはどこからも出血はなく、打った痛みも次第に引いていった。そうとわかると陽気に誘われるようにあやねと他愛もないお喋りをしながら歩調は元に戻ってゆき、何事もなく麗(うら)らかな時が流れ始める。 日もだいぶ高くなって村落から遠ざかり、しのぶの実家の忍者屋敷がある南境の山に入ると急な勾配も増えてきた。 雑草や落葉、土砂などに侵食されて形が喪われつつある径や、砂利道のように小石が多分に混じった荒れ道。どこを通ってきたか見失いそうになる灌木の群生地、川沿いや丘陵で段差を乗り越えるのに苦労するところにも出くわす。こうした二足歩行に適していない地形が本来の自然の姿であった。だがそういった難所を踏破するのも鍛錬と思えば苦にはならなかったし、一歩も踏み入れられないような鬱蒼と繁った密林や峻険な崖地など、初めから人間の侵入不可能な場所など他にいくらでもある。 「ほら、あやね、手を貸して」 エメラルドグリーンの水面がキラキラと光る美しい渓流を眼下に眺めがら急な段状になっている岩場を踏み越えるとき、行人は小奇麗な格好でやや歩きにくそうなあやねに手を差し伸べて登るのを助けた。 「こんな所まで来てますの?」 「道沿いばかり見ていても皆んなに会えないことが多いからね。地域の治安を任された以上は、道のない場所でも足を運ばないと。さすがに森や山の奥深くまでは分け入って行けないけど」 「やっぱり行人様って生真面目よねえ……そこがまたいいんだけど♥」 「あ、何か言った?」 「な……なんでもないわ!」 「そお……?」 行人が聞き返してきたのだからそれを切っ掛けに告白に移ればよいものを、あやねは反射的に首を振ってしまっていた。(あ……)と気付いても後の祭りで、再び前を向いてしまった行人の後をしゅんとしながら付いていく。 (どーしたのよ私……いつもならこんな風じゃないのに…………) 前回はすずが隠れて様子を見ていたが、今、周囲に邪魔な存在などないし、これから出てくる気配もない。完全に二人きりである。行人を独り占めにできている。迫るならまたとない機会じゃない。 そんなあやねの気も知らず、行人は岩場の頂上まで来ると、「んん~」と両腕を晴天に向けてぐーっと伸ばし、開放感に浸った声を出した。二人が立った場所は山の中腹にあり、この近辺では一番見晴らしのいい絶壁の高台であった。渓谷を挟んだ向こう側が低くなって山麓に続いており、濃緑の樹冠層がなだらかに広がっているのがよく眺望できる。その樹海に埋もれるようにして遠くに村の家屋や田畑があったが、海に浮かぶ群島と言うよりも頭を覗かせているだけの小岩が散在しているようであった。それだけ戸数が少ないということであり、自然が人間の営みを圧倒している光景でもある。人類は自然破壊を行って自己生存圏を拡げるが、集団の力と文明の利器が無ければ逆に自然は人間をいともたやすく覆い尽くしてしまう。決して人間が自然を克服しているわけではない──それがよく理解できる風景であった。 「ああ、今日はなんだか楽しいな。久しぶりに誰かと一緒な気がしてさ」 「そういえば……最近はすずと出歩くのも少なくなったの?」 「うん……」と幾分元気なく頷き返す行人。「ボクがすずの仕事を手伝えなくなっちゃったしね……居候させて貰ってる身で心苦しくはあるんだけど。でも、すずも頼りにされてる証拠だって喜んでくれててさ」 「ずっとあの子といるのが当たり前でしたものね。なんかごく自然にいつも一緒だったから、そのうち何とも思わなくなったけど…………ん?」 改めて振り返ってみれば、ほぼ毎日毎時付かず離れず行動していたなんて、それって夫婦以上の仲じゃないの? ──とあやねは気付き、今さらながら軽い戦慄にも似た驚きを覚えた。朝も昼も晩も寝る時も一緒。すずの家に部屋は一つしかないのだから、それこそ寄り添うような生活だったろう。とんかつもいるとはいえ、二人きりの時間も多かったに違いない。それを一年以上も……行人がこの島に流されたその日から何百日も繰り返して来たのだ。 (よくもまあホントに何も起こらなかったわね…………) 驚きを通り越して呆れた感情を抱く。家族同然の絆は深まったらしいが、さりとて恋仲になったわけではない。逆に言えばそれだけ二人が恋愛感情に疎いということで、行人攻略の難易度の高さの証明にもなるのだが、そこは努めて考えないようにする。 (それがこうして別行動が増えた……大きな変化よね、これは) やはり何かが起こる季節。波乱と激動の到来。新時代の幕開け。あやねはそう感じた。動くなら今、今しかない。今なら行人に急接近して落とせる気がする。それでなくとも好敵手(らいばる)たちが一抜け二抜けと身を引いているのだ。最大の難敵であるすずでさえいない。またとないほどの絶好のチャンス! ──の、はずなんだけど── 手を翳しながら見晴らしの良い景色を眺める行人の横で、「行人様、好きなの! 私と付き合って!」と思い切って打ち明けようとしても、 「い、い、い──」 と、普段の彼女らしくない吃(ども)り方で言葉が出て来なかった。 「……ん? あれ、どしたの? 発声練習? あ、わかった、山彦でしょ。ボクもやろうかな。ヤッホー! ……高い山ないから木霊しないね」 (何もかも違うわよ………………) 心の中でさめざめと泣くあやね。 行人はあやねを誘って切り立った崖の突端に腰を下ろし、十メートル以上も落ち込んでいる真下の川に向かって足をブラブラさせながら、「釣り竿持ってくればよかったなー」と軽く惜しむように言ったが、ふと何かを思い出したのか急に顔を上げた。 「そういえば、ここからそんなに離れてないかな、海」 「え?」と、隣に座ったあやねは一瞬きょとんとしたが、この辺の地勢を頭に浮かべ、「そうね、忍者山を南の方に回れば海に行けるわね」と、道筋を思い起こした。 「やっぱり。一ヶ月ぐらい前、そこにあるすごく綺麗な入り江にすずと海水浴に行ったんだ」 「へえ、あそこ……に……すず、と……だけで?」 途端にあやねの目つきが剣呑になる。その入り江は彼女もよく知っていた。門塀のように両端からそびえる崖が外海からの波浪を防いでいるため、一日中穏やかな潮騒が耳を優しく撫でるだけの美しい白浜。その場にいる者だけのために設(しつら)えられたような碧く透き通る浅瀬。刻が経つのを忘れてしまう悠々とした風情があり、親しい人とゆっくり過ごすにはもってこいの隠れた名勝であった。 「ボクは夕方になる前に引き上げたんだけど、すずはしまとらさんに顔を見せに行って、一日遅れで帰って来たんだ」 「初耳ね……まさかすずとのでえとだったんじゃないでしょうね……?」 「えっ、デート!? い、いや、とんかつもいたよ。すずにはいつもお世話になってるのに、最近遊んだりしてないなーって思って……それで誘ったんだ……」 赤くなってしどろもどろに説明する行人に、フンと鼻息を荒らげるあやね。 「なによ、やっぱりでえとのようなものじゃない。私に黙って……!」 奥手は奥手なりに油断ならないわ──と、考えを訂するツインテールの少女だった。 × × × × × × × × × × × 行人とすずだけの海水浴……の、筈だった。 ──実はその時、そこにはもう一人の男が潜んでいて。 行人の目を盗んでは──すずはその男と密やかな情事を繰り返していたなど、行人とあやねには知る由もなかった。 あやねは行人がすずと水入らずの休暇を満喫したのだと立腹したし、行人は行人で師匠のしまとらに顔を見せるため──と、すずの言葉を信じてそう思い込んでいる──彼とは一日ずれて帰宅した少女が驚くぐらい充実した表情や物腰だったので、誘って正解だったと嬉しく思ってすらいた。 (水着になったすず、可愛かったなあ……) などと、堅物の行人であっても妙に色っぽかった少女の肢体を思い起こさずにはいられない。それまでにも水着姿のすずは何度も見たことがあったが、あの日の姿だけはどうにも目を取られずにはいられないほどの愛らしさを発散していて、やけに記憶に強く焼き付いていた。 (……紐水着のせいかな?) 最初、すずはなんとマイクロビキニで登場したのだ。豊かに張り出た胸と尻、照りつく日差しも負けずにはじき返す健康的な艶肌──元から規格外なほどの最高素材がさらに成長を感じさせる、顔もからだも文句の付けようがない眉目好い美少女が、ほとんど紐同然の水着で出て来た時は本当に仰天したものだ。この時のために陰毛も剃ったとあけすけに言うすずをさすがに正視できなかったため、すぐに普通の白ビキニに着替えて貰ったのだが。 オーソドックスなビキニでも肌の露出度が高いことに違いはない。たゆんたゆんと揺れる弾力ある胸、女らしくくびれた腰と丸みを帯びた尻、すらりと長い手足……。少年にとって直視するのが照れくさいほど“目に毒”な女らしさであった。すずが異性の注意を惹かずにはいられないからだつきをしているのは十二分に理解しているつもりだったが、遊んでいる最中に躰が触れ合うのも妙に意識してしまうほどで、どことなく気後れすら感じてしまったものだ。 そんな、少年が眼福で満足していた生唾もののからだを。 誰にも邪魔されず二人きりなのだと面映ゆく見つめていた美しい少女を。 少し離れている時間、もう一人の男が美味しく── 実に美味しく頂いていたのである。 まさかそんなとんでもない淫事が二人きりの筈の浜辺で起きていようなど、少年は夢想だにしなかった。 見えないと言ってもほんのニ、三十メートルしか離れていない浜の隅にある小屋の中で、その淫蕩な密会は行われていたのだ。 艶めかしい肢体に指先を掠めさせるのも躊躇っていた少年とは対照的に、その男は好色を隠そうともせずに少女のからだを味わいまくった。夏の日差しで火照り汗ばんだ肌を撫でまくり、胸を揉みまくり、アソコを舐めまくり……。浜辺を照りつける太陽に負けない灼熱と化した陰棒で少女の股間のふっくらとした肉饅頭を押しのけて柔らかい牝肉の中に分け入り、少女の帰りを待っている少年の声を聞きながら秘洞の奥まで侵入し。熱く濡れるメス肉を激しく擦り上げて──そして、味わった証もしっかりと彼女の胎内に放ってから少年の元へ帰す徹底ぶりであった。 大事に飾られた美々しい宝石を眺めて感嘆するだけの少年。 極上のメス肉に躊躇いなくかぶりつき、一片残らず喰い尽くす男。 少女は──すずはぱん太郎のそんな慾望まみれの求めを拒まないどころか、早い段階から受け入れて悦びに悶える始末であった。 行人は知らない。 手洗いや休憩などと口実を付けてすずが海から上がっていた、長くともせいぜい十数分の間に──蒸し蒸しとする薄暗い密室で、汗だくになって絡み合っている男と女がいたことなど。 彼が何度となく視線を向けていた小屋の中では、すずとぱん太郎が下半身を密着させてセックスしていて、彼女の胎奥にとびきり濃厚な精液が何度も放たれていたことなど。 短くも熱い交わりの後、行人への遠慮など欠片もなくぱん太郎がすずの中で果て、性器を繋げ合ったまま二人でじっと絶頂と膣内射精の余韻に浸っている時間──小屋の壁の向こうから届く少年の声を耳にしながら、少女もまた、陶酔した表情で自分の膣内でドクンドクンと勁(つよ)く脈動する固く熱い肉棒と、からだの奥底に当たる射精の心地好さを感じ続けていたのだ。行人ではない別の男の精子を注ぎ込まれているというのに。 それも、一度だけではない……二度も、三度も。 すずはそれらしい理由を付けては小屋に入ってゆき、行人がちょっと遅いな、何をしているんだろう、様子を見に行ってみようかな、でも静かな屋内で今のすずと二人きりになるのって──などと逡巡しながらくすんだ色の小屋を眺めている頃合いに、汗ばみ朱の差したからだで出て来る少女……。 そうして行人の元に戻ったすずのアソコには、たった今仕込まれたばかりのぱん太郎の子種がなみなみと満たされていたわけである。 すずは肉壷の入り口を強く締め付け、その孕み汁を逃さないようにしていた。機械などに一切頼らない野良仕事や山野で鍛えられた藍蘭島の女性たちの足腰の強さは尋常ではない。こぼさないようにしようと思えばほとんど漏れ出させることなく過ごせるのである。村の女たちのアソコの締りの良さは抜群であった。 行人と過ごしている最中にもすずの性器の中に充満した搾りたての白濁液は膣粘膜を通して彼女の体内に吸収されてゆき、傲岸なほどに元気なぱん太郎の精子は何百、何千、いや何万という単位で次々すずの子宮内に泳ぎ入っていった。 ……日が出ている間、ぱん太郎とすずの逢引は何度も繰り返された。 とうとう朝から夕までほぼ一日、膣内に温かさの失われない新鮮な精液を常に満たしながら、すずはその子種の主ではない少年の傍にいたのである。 そうとも知らない行人は機嫌良くすずに愛想良く笑いかけていた。遊んでいる合間、半ば無意識にちょくちょくと大切に想っている少女の姿をぽーっとした目で追ってしまったりもして。 だが、少年の瞳に映る愛らしい紅唇は、朝から何度も彼の嫌う男とディープキスを交わし、淫らな体液で汚れた肉棒を掃除していた。口内の奥隅に白濁液の残滓が残っていた。白ビキニのトップスからはみ出さんばかりの豊乳は、乳首の勃起がなかなか収まらず、布に隠れた部分に強く揉まれた痕が赤く残るほどであった。 そして、ボトムの奥では──少ない時間の中で中出し同時絶頂すら味わった愛慾の結果が凝集し、愛し合った男女の生殖活動の続きが盛んに行われていたのである。 そう。 少年が見惚れたように眺めていた少女のからだの中では、今や彼がこの世で最も嫌悪していると言ってもいい男の精子が星の数ほど群れ泳ぎ、次から次へと膣壁や子宮壁にこびりつき、粘膜に吸収されて少女の一部となっていた。すずの中でぱん太郎が同化していた。あるいは卵管の終着点すら埋め尽くし、卵巣に繋がる隔壁に黒い雲霞となって取り付き、彼女の分身の登場をせっついたりと──少年の淡い想いなどあざ笑うかのように、少女の生殖器官の内部でやりたい放題だったのだ。 もしこの時に排卵していれば、瞬く間に夥しい精子の大群に囲まれて即座に受精が始まっていたことだろう。少年少女の特別なひと夏の思い出となる時間の中、何百日も仲睦まじく暮らしてきた少年から親しみの笑顔を向けられた中、青リボンの少女は母親になっていたかもしれないのだ。 少年ではない別の男の種で────。 しかし実のところ、この前日もさらにその前日も、もっと言えばそれ以前から、すずはぱん太郎に抱かれまくっていて、種付けの意志を篭められた膣内射精を数え切れないほど受け止め続けてきていた。この浜辺に来た時点ですずの子宮内外には既に相当量のぱん太郎の精子が残留していたし、それでなくとももう何ヶ月も前からすずの生殖器は奥の奥までぱん太郎の存在を刻み込まれて来ていた。行人が表にも触れたことのない秘所は、とっくにぱん太郎の縄張りであり、生殖交尾の甘味をとことん覚え込まされてメス化していたのである。 だからこそ、予告もなく突如現れたぱん太郎に襲われるようにして抱かれても、すずは前戯もそこそこに気持ち好く感じてしまい、行人の声を聞きながらぱん太郎の力強い種付け射精を恍惚と受け止めてしまったのだが……。 行人に見つめられていた時、すずもまた浜小屋に目をやりながら、今日新たに注がれた子種の重みと温かさを感じていた。少年の視線に気付くことなくその男の姿を頭に想い浮かべ、その男から与えられる快楽を想い浮かべ、ほのかに頬を染めてすらいた。少年は少女がそんな風にどこか気怠げなのは夏の暑さのせいだと思っていた。 少女は海に入っていても男の愛撫を思い出してしまい、逞しい巨根でオマンコの奥まで掻き回される感覚が下半身に蘇り──少年と遊んでいる最中も無意識に男とのセックスを反芻し、火照りの鎮まらない秘肉をキュンキュンと切なく疼かせていた。 少年に微笑みを向けていても、また向けられていても、陰奥に残る余韻は絶対に忘れられない。行人の海パンの内側に同じモノがある事実など考え及びもしない。そこに居ない男の股間にそそり立つ極太の肉棒を恋しく感じてしまっていた。いつの間にか浜小屋に戻る理由とタイミングだけを考えていた。 その晩、家に戻った行人は自分で作った夕食を済まし、蒲団を一つ敷いて横になると、あの浜で別れたすずの、「今晩はおししょーさまのところに泊まって来るかも」という言葉を思い出しながら、ぽっかりと空いている横の板床を何度も眺めた。 今までのすずならごく自然に行人やとんかつも連れて行っていただろう。というか、すずが先に帰っていいよと言わなければ、行人は自(おの)ずと付き添っていたはずだ。南のぬしでありすずの武術の師匠でもあるしまとらとは行人も面識があった。 だが、行人からすればすずが一人で知己の元へ行くことを不思議に思うはずもない。家族が知人に会うと言って出掛ける時、いちいち付いて行くだろうか? 家族もプライベートがある一個の人間──それに、行き先は南の森なので出会って欲しくない奴と鉢合わせする心配もない──行人は現地で別れたすずに対して何の疑問も抱いていなかった。 やけに広く感じる隣の空間をぼんやりと見つめながら、昼間の彼女を暗闇の中に思い描く。 毎日見慣れているはずの同居人なのに、今日は自身でも戸惑いを覚えるほど妙に惹きつけられた。何故だかは解らない──夏の日差しとバカンス気分の仕業だろうか。それとも、やはり健康的過ぎる水着姿が目に毒だったのだろうか。何となく胸やお尻のボリュームも増していたような気もするし……。 (うーん、完璧すぎる美少女がこれほど正視に困るものとは……) いつもは顔ばかりを見て話をしているから、日常では意識しないのだろうか。 おばけを怖がるすずが夜を避けて次の日に帰りをずらすだろうことはまず間違いない。それでなくとも電気のない真っ暗な夜道は危ない。 (……すずももう寝てるかな。それともまだ話しに花が咲いてるのかな。みゃあさんもいるのかな……) などと心の中を占める少女のことを考え続けながら、行人は眠りに落ちたのだった。 そうして、少年が南の森で猫たちに囲まれているとばかり思っていた頃── その少女は。 まだあの入り江にいて。 発情しきった淫らなセックスをしていたのである──── 行人と遊んだ時間よりもぱん太郎と性器を繋げ合っていた時間の方が多かったと言えば、すずがどれほど爛れた一夜を過ごしたかわかるであろうか。 行人が去るとすぐに二人は表で堂々と絡み始め、砂浜に茣蓙を敷いて文字通りのセックス漬けとなって数え切れないほど交わった。ぱん太郎に激しく求められ、自分からも積極的に求め、すずは数えきれないほど逝きまくった。逝かされまくった。夜が白むまで中出しされまくった。粘り気も濃さも熱さもまったく失われない白濁液をからだじゅうに浴びせられまくった。塗りたくられまくった。普段は誰も寄り付かない静かな景勝地の空に、その明媚に似つかわしくないケダモノのような二つの淫声が絡ま合いながら吸い込まれていったのだ。 満天の星々の煌きの下で── あるいは、営みの音以外はしんとした小屋の中で── 最初の夜と比べ物にならないほど長い長い時間。 重なった男と女の陰影は、ずっと、一つの黒い花を咲かせていた。 あまりにもハメまくったせいで拡がりきった肉洞からぱん太郎の巨根が引き抜かれると、夥しい白濁粘液にまみれた奥壁と子宮口まで覗ける淫穴がぽっかりと姿を現し、孕まし汁が瀑布になるほど開きっ放しになる有り様であった。決して行人には見せられない、ぱん太郎サイズに拡がった肉洞。揉まれ吸われまくった乳房も真っ赤に腫れ上がり、唾液と淫汁、汗が交じり合った体液で胸全体がぬらぬらと濡れ、特に限界まで膨らみ勃った両の乳首と乳輪などは母乳が垂れているように妖しくぬめるほどであった。連続アクメの痙攣が止まらないすずはからだを閉じられず、腰はビクンビクンと弾みっぱなし、幸せ惚けた顔は涎と涙を垂れ流しっぱなしで、少年が知った瞬時に絶望の奈落に叩き落とされるだろうそんな姿をぱん太郎の前に晒していた。 それからもまだハメまくり、とうとうすずが体力の限界を迎えて昏睡してしまった後も、ぱん太郎はまったく硬度を失わない男根を二人の体液で溶けきった膣内に入れ続け、彼専用のメス穴として目覚めたすずの生殖器の開発具合を堪能していた。反応が喪われてある意味本当の性玩具となったすずの肉壷でさらに数回楽しんでからようやく彼も躰を休めたが、眠ってるうちにも何度も無意識にぱん太郎の腰はカクカクと動き、朝遅く二人が起きると両者の股間は前夜よりも白濁の洪水が広がっている有り様であった。ひとしきり笑い合うとそのままお互いへの愛撫と接吻が始まり、すずとぱん太郎は再び恋人か夫婦のような夢中さでお互いを求め合い出した。それが生殖発情を抑えもしないケダモノの貪り合いに変わるのにそう時間はかからなかった。 日が昇りきって性臭が充満する小屋の中がいよいよ蒸し風呂状態になって我慢できなくなると外に待避し、波打ち際に足を進め裸同士でじゃれ合っては駅弁で交尾、岩場に腰掛けて語らっては座位で交尾、森の木陰で涼んでは幹に手をついて立ちバックで交尾、水と食材を集めて小屋の囲炉裏で火を熾し、腹を満たしたらまた交尾……。 交尾、交尾、交尾…………! 昼を過ぎてもぱん太郎の肉棒はまだすずの体内にあり、二人は半日以上も性器を癒合させていたことになる。 快楽の喘ぎの合間にすずは大好き、ぱん太郎様大好きと幾度も反覆し、熟(こな)れきった媚肉はぱん太郎の巨根を根本まで喰らい尽くさんばかりに奥へ奥へと招き蠢めいた。その無類の心地好さに幾度も力強い吐精が少女の最奥に叩き付けられ、その度にすずの膣襞は歓喜の悲鳴を上げどんなに放出しても微塵も精力を失わない無類の肉棒をメスの本能のままに惚れ惚れと搾り取りまくった。ぱん太郎が行人の名を出すと、簡単に行人なんて知らない、ぱん太郎様がいいのとすずは言い放った。もはや行人の存在が割り込む隙はこれっぽっちもなかった。二人が喉を震わせて一つに融け合う様が何遍も繰り返される光景は、まさに子作りに励む熱愛夫婦のようであった。 日暮れ間近、ようやく村はずれまで戻って来た二人が傍の草むらで最後の情愛を交わしてやっと別れた時は、すずの瞳にはぱん太郎に対する思慕と情慾がはっきりと宿り、一年以上淡い想いを胸奥に抱き続けてきたはずの少年のことなど忘れ果てた顔だったのである──。 × × × × × × × × × × × × 「誤解だよ……」 「どうだか……」と、あやねは拗ねたようにプイと顔を背けたが、ふと何かを思い出した表情になった。「そういえばこないだ、すずがお腹を壊したようだけど……大丈夫だったのかしら?」 「え?」 と、行人は目を丸くした。すずが体調を崩したことなど初めて聞いたからだ。 「あら、行人様知らなかったの? 半月ぐらい前なんだけど……お昼頃に会った時、あの子急にお腹おさえてしゃがみ込んじゃって。慌てて腹下しになる野草を採って戻ったんだけど、居なくなってたのよね。じゃあ……あの後すぐに治ったのかしら?」 その時もあやねが呼ぶ声が届くところですずは仕込まれていたバイブの代わりにぱん太郎の肉棒を胎内に迎えて歓喜に満ちた淫声を漏らし、一体化するぐらいの密着具合で濃厚な種付け射精に悶えていたのだが、その物音は森の樹間に吸収されてあやねの耳まで届かなかったのだった。 「知らないなあ……この頃、すずって機嫌が良くない日が無いぐらいだし……」 「そうなの……何か良いコトでもあったのかしらね」 「さあ、何があったかボクには判らないけど──」急にニコニコと破顔する行人。少年の脳裏には今朝のすずの輝く笑顔があった。「──すずのことだから、その通りだと思うよ。良いコトがあったんだよ、きっと」 「フフ……行人様もからあげ様の代行なんて大変そうだけど、すずはすずで子守りやら仕事の肩代わりやらで大忙しみたいね」 「うん。赤ちゃんの世話は大変らしくて、泊って来るときもあるんだ。本人は相変わらずの村の何でも屋のつもりだけど。……ぱん太郎がこっちに定住してから、そうした忙しさが増えたみたいでさ」 「へえ……」 それにしては以前よりすずの姿を外で見かけなくなったような気もしたが、あくまで気がするだけだったのであやねは特に口に登らせることはなかった。 「でも忙しいのはすずだけじゃないみたい。他の女の子たちとも当たり障りのない話ぐらいはするけど、一緒に遊ぶこととかすっかりなくなっちゃったし」 言われてみればと、あやねも最近の自分の交友状態を振り返る。彼女自身も他の娘たちと遊んだりすることがあまりなくなった気もする。もう子供ではないのだからと言ってしまえばそれまでだが、ただ、ぱん太郎という共通項で繋がっている娘たちは申し合わせて屋敷に連れ立ったり、何処かへ出掛けたりしているようだった。そういう意味でもあやねはそれとない疎外感を覚えている。 (まあ、皆んな変わっていくってことよね……) 朝の姉との会話を思い出す。 自分は取り残されていく――いつまでも独りで―― (…………) 不意にあやねは言いようのない焦りが胸の奥に宿るのを感じた。私だってもう十分大人の年齢だけれど、内実は──他の皆んなは相手を決めて子供もこさえて、私より年下の子たちもうんと大人びてきているのに── そっと行人を盗み見る。いくらこうして隣に寄り添っても、ちっとも女性として意識してくれる様子のない朴念仁。 暗い影が背後から忍び寄って来るような、寒気にも似た言い知れない感覚をあやねはおぼえた。 それを打ち払うようにブンブンとツインテールを揺らして首を振る。 (他人は他人、私は私じゃない!) 「ど、どうしたの?」 隣に座っている少女が突然激しく頭を振り始めたので行人がギョッとする。 「えっ!? い、いえ、何でもないですわ、オホホホホ……」 「まあいいか。──だから、さ」 「?」 「だから……今日、こうしてあやねと一緒にいるのが、けっこう嬉しかったりするんだよね」 「……行人様…………」 二人が見つめ合っていることに気付いたのはしばらくしてからであった。 「「──あっ!」」 と、どちらも頬を紅潮させてほぼ同時に顔を背ける。 「ご、ごめん、変なこと言って……!」何故か謝る行人。 「わ、私こそ…………そ、それより、行人様……」 「ん、なに?」 あやねは赤らめた顔を伏せ気味に行人の手に流し目を送る。手を、手をつなぎたい。一緒にいるのが嬉しいと言われて、それだけでもう充分に報われた気分になったが、それでは駄目だということは解っている。接吻までした仲なんだから、手を握るぐらいおかしくはないはず――。 「て、て、て、ててて」 行人の表情が、また始まった、とでも言いたげな微妙さになった。「……て?」と、見つめられている手を持ち上げる。 手をつないでもいい──? ――たったそれだけの言葉が、やはり口に出せなかった。 「て――手が汚れてるわっ!」 そう叫んだあやねはシュバッと電光石火の素早さでハンカチを差し出した。 「え!? あ、ああ、ありがとう。さっき木に登った時だね」 と、行人は感謝しながら受け取り、手を拭いた。「……ん? どしたの?」 あやねが今にも下の川へ落ちそうなほどがっくりとうなだれていたのだ。 「……な、なんでもないわ…………」 ごまかすように埃を払って立ち上がるあやね。 その時、急にぐるるる、という音がした。 「……あっ…………!」 あやねの腹からであった。少女の顔面がまたカーッと赤くなる。 「あはは、お腹空いた?」 「え、ええ…………」 消え入りそうな声で恥ずかしそうに俯くあやね。姉に焚き付けられたように飛び出してきたので朝食も摂ってなければ弁当も持参してなかった。私としたことが行人様の前で何て恥ずかしい真似を、と、内心自分をポコポコ殴るあやねだったが、鳴ってしまったものはどうしようもない。 その様子を見た行人は真上を仰ぎ、ほぼ天頂に太陽が掛かっているのを確認すると、 「ちょうどお昼だね。座りなよ」 あやねに再び腰掛けるよう促し、ウェストポーチから笹折とペットボトルを取り出した。二枚重ねの笹折の麻紐を解くと、中から両手サイズの黒々とした大きなおむすびがでんと二つ並んで飛び出してきた。 「わっ、でか! 爆弾むすびだ、重いはずだよ……はい、あやねの分」 と、行人は隣に座り直した少女に一つ手渡した。 「ありがとう、行人様」 どちらともなく微笑み合う。 早速かぶりついたあやねは、むぐむぐと咀嚼しながら、どこか違和感を覚えて歯型のついたを眺め、小首を傾げた。 「……これ、あの子が作ったの?」 「そうだよ。どうかした?」 「いえ──」ちょっと考えて、あやねはその違和感の正体に気付いた。「残り物っぽい具を適当に詰め込んでるだけじゃない、これ。なんかぞんざいねえ……。私ならもっとちゃんとした物を作りますのに」 「そう? 確かに昨夜の残り物とかだけど……用意してくれるだけで有り難いよ。すずだって働いてるんだから」 確かに昼食などは軽く済ませるのが普通だから、これはひと手間加えている方だろう。毎日凝った弁当を作るのは大変なのも確かだ。 (でも私なら、愛する人のために毎日一生懸命作るけどね♥) あやねはまだどこか違和感が拭い切れなかったが、悩んでいても仕方ないので再びかぶりつく。 濃密な磯の薫りを漂わせる海苔と精製されていない分ミネラルの豊富な塩の風味が効いたむすびは美味しく、白米の中に詰まった色々な具材は目を楽しませる。文句を付けたあやねであったが、まあたまにはこういうのも悪くはないわねと思い直した。 「言っていただけたら私が毎朝でも届けますわよ」 「あはは、ありがと。でもわざわざ悪いでしょ」 「そ、そんな……」 そんな、行人様のためなら喜んで。だって、私、行人様が好きなんだから。 「――ん、どうしたの?」 俯きながら顔を赤くして何かブツブツ呟いているあやねに、行人は不思議そうに声をかけた。 「い、いえ、何でも!」 「そお……?」 小首を傾げつつもすぐに隣の少女から注意を離し、キラキラと太陽の光を照り返す翡翠色の川面や対岸の森などを見渡しながら食事を進める行人。そんな少年の態度にあやねはわずかに恨めしげな横目を送り、食べかけの爆弾むすびに視線を戻すと心の中でモヤモヤとした溜め息をついた。 (ああもうっ、私ったら!) と、自分自身にいきり立つ。行人に対する妙な羞恥心は和らいだと思っていたのに。肝心要なところになると途端に緊張する癖はまだ直っていないらしかった。 3 昼休憩を終えると何事もなかったかのように二人は歩き始めたが、その後もあやねは上手く切り出すことができず、その都度行人を戸惑わせ、首を傾げられる始末であった。 (ああああああああああああああもう!!!!) 出遭った動物たちに挨拶したり、異常はないかと行人が周囲に気を払っている隙に、その背後で髪を掻き毟るあやね。 (行人様も行人様よ、少しぐらい察してくれてもいいじゃない!) この時ばかりは折り紙つきのニブさが苦々しく思える。 もし、行人様の方から迫ってくれれば……喜んでこの身を捧げますのに。 (それとも……やっぱり、私の存在なんて気にならないってことなのかしら…………) と、いつもの自信に満ちた彼女らしくもなく、あやねは一抹の不安を抱いた。そして、そうかもしれないと寂しい気持ちになった。行人の堅物ぶりは叩けば響く鐘のようだ。良く言えば人一倍義理堅く、責任感がある頼もしい性格。それでいて人当たりが良くて協調性もある。社交上手でなくともその好青年ぶりは女子たちにとても好ましく映っていた。 だが同時に身持ちも堅かった。藍蘭島の少女たちから見れば信じられないほどに。どれだけ親しくなったと思ってもなかなか近づいた気になれない――どこか他人行儀なのだ。悪く言えば余所余所しい。島に来て一年ちょっとの部外者なのだから当然なのかもしれないが──ぱん太郎が現れる前の娘たちは、自分たちにあまり興味を示してくれない行人の素っ気なさを大いに嘆いたものだ。 今日にしても、せっかくのおめかしも行人の目を引いたのは最初だけで、それもあやねにとって悄然となる材料であった。新しい服を縫うべきだったかもしれない。 (……ぱん太郎、ね…………) 今や村じゅうの注目を一身に集めているもう一人の男があやねの頭の中に浮かぶ。 東のぬしとして北の住人に負けず劣らずの荒くれ者──だった。 昔──ほんの一年ぐらい前までのことだ──は、東の森で余所者を見つけると、それが女であっても腕力に物を言わせて攻撃してきてどこまでも追い掛けて来るため、あやねたちもその凶暴ぶりを恐れていたものだ。 それが今ではどうだろうか。 彼に抱かれた女たちは評価を翻し、男らしい、逞しい、意外と優しいなどとベタ誉めなのである。血の気の多さはどこへ行ったのか、話によると労りの言葉をよくかけてくれたり、気を遣ってくれたり、おしゃれに目を留めて褒めてくれたりするのだそうだ。確か妖怪化しておらず、したがって妖術も使えないはずだったが、人化の術を誰かにかけて貰いでもしたのだろうか。 ぱん太郎との関係が良好とは言い難いはずのからあげまでもが彼に手を貸して東の森の面倒を代わりに見ているのは、“烈火の白刃”がぱん太郎を認めたのかと驚きをもって皆に噂された。だが、西の治安はこうして行人が請け負っており、ぱん太郎がやっていることと言えば女を抱くことだけだ。 (まあ……こっちが頼んだ事なんだけど…………) ぱん太郎の子種は“命中度”が極めて高いと評判で、もう何人もの女が身籠り、ひと足先に生まれた赤子たちは元気にすくすくと育っている。他も絶賛種付け中で、この分だと産める女は一人余さずぱん太郎の子を宿すだろうとまで言われていた。オババは笑いが止まらないらしい。ぱん太郎がどれだけ節操なく次々と女に手を出してもお構いなしの放免状態なのはそのせいもあった。 屋敷がまだ建築中の頃、集落で真昼間から堂々と盛っていた話も聞いたことがある。というかその手の話題は枚挙に暇がなく、あやねも話どころか実際に何度も“目撃”している。 住まいが定まるまでは野外行為も多く、田圃のすぐ傍の茂みの陰で盛っていたり、食事などに招かれるとそのままその女の家に泊まり込むのが常で、縁側にぎょっとするぐらい大きな草履がある家の中を覗くと、そこの娘と母が交互にハメられながら善がり声を上げていた、などというのがお決まりであったのだ。 とある日のこと、障子の張り替えのため開け放たれた家屋の中、結合部も露わに淫液をしぶかせながら腰を打ち付け合い、女の嬌声が垣根の外まで筒抜けになりながら交わっているところへオババが通りがかった。当然、中の様子に気付いたが、交合現場を見てもわずかに眉間にしわを寄せてほどほどになと小言を与えただけで、オババは何事も無かったかのようにすぐ立ち去ったらしい。村長の黙認を得た二人の交わりはその後も小一時間続き、見物人が軒先まで入って来る中で、ぱん太郎の相手になっていた娘はとても声を抑えられずに感じまくり、乱れまくり、何度も大きな絶頂を迎えたという。 娘の胎内から巨根がやっと引き抜かれると、種付けされまくった娘はぱん太郎の股間に顔を埋(うず)め、注がれた孕まし汁が粘っこく滴る尻をふりふり掲げ、淫水まみれの肉棒を愛おしげに丹念にしゃぶり清めたり、胸に挟んでの本格的な口唇奉仕に移り、勢いの衰えない顔面射精を受けて陶然としたり……。 果ては大股開きにされながら抜き差しされる様を集まった女たちに間近から嫌というほどじろじろ観賞されたり、柱に寄りかかって立ちバックで腰を打ち付けられながら、あるいは種付けプレスされている最中に、 『このコもこの通り完全に行人クンからボクに鞍替えしたから』 『はっきりとボクを選んだから、前とは比べ物にならないほど遠慮なくハメまくってあげてるの』 『だからこのコもボクの赤ちゃん孕んだら祝福してあげてね♥』 『あ、行人クンには告げなくてもいいよ。聞かせるのも可哀想でしょ? それでなくても彼はこの島に身寄りがない寂しい身上なんだから』 などと、オーガズムに飛んでいる娘に大量の濃濁精液を滾々と流し込みながら、そうぱん太郎が宣(のたま)ったそうだ。 その相手が誰だったかまではあやねの耳に伝わっていない。その家の子であるはねとつばさが海女漁に出た代わりに張り替えの手伝いに来ていた娘らしい。それは何でも屋のすずも候補に入ることを示唆していた──というより、仕事柄、筆頭に置いてもおかしくない──が、あやねは思い浮かべた時点で即座に候補欄から振るい落としていた。その娘とぱん太郎のセックスは愛し合う夫婦のようで、何度膣内射精されても嬉々として受け止めていたという。すずがぱん太郎とそんな関係のはずもない。 (あの子が行人様を差し置いてぱん太郎なんかと婚前交渉するなんてあり得ないしね) まだ性知識のかけらもなく興味もない初(うぶ)なお子様なんだから。だからこそ一年以上異性と暮らしていても何も起きないのだし、それが実はもうぱん太郎に抱かれまくっていて、他の娘たちと同じく種付けを拒まないほどの虜になり、大人顔負けのいやらしいセックスをしている──などと。 作り話にしてももっと信憑性を持たせなければならないだろう。 姉や母を始めとした肉慾に溶けた女たちの浅ましい姿……。 (すずまでもがあんな風になってるですって? 私や行人様が知らないところであの男に抱かれてる? しかも夫婦みたいに見えるほどの熱々ぶりで? 他の子たち同様あの男にぞっこんに? あの子までもがぱん太郎の赤ちゃんを産むですって? 行人様と暮らしてるのに? 行人様が好きなのに? あの男と子作りを? すずがあの男と爛れた行為を? あの男に犯されて悦んでる? 行人様への想いを無くして? あの──あのアソコが裂けそうなほど大きなアレをズポズポされて……あの一発で孕みそうなドロドロの子種を……?) まさか! あやねは自身の妄想に頬を染めながら、やれやれと首を振った。 (馬鹿も休み休みね……あの子が殿方との交わりを私より先に済ませて……私さえまだ知らない女の悦びまで覚えてるだなんて…………) 大方、既にぱん太郎の虜にされている中の一人だろう、とあやねは思った。すずより当てはまる娘は何人もいるのだから。ぱん太郎のモノになっているのだと改めて周知されたのだ。姉、ちかげ、しのぶ──あやねもよく知っている間柄である可能性も十分にある、というか、ぱん太郎が殊更に行人を引き合いに出して言うのだからほぼ間違いないだろう。他の娘たちより積極的に行人に接近していたグループ。 だが、そこであやねは気付いてしまった。 (……でも……あの中に……海女の家の手伝いに行くようなのがいたかしら?) そこが気にかかる点だった。姉が障子の張り替えなんて仕事をするはずもないし、ちかげとみちるも同様、というか忘れがちだがみちるは既に子供を産んでいる。りんも孕んでいるし、梅梅が今さら鞍替え宣言するのはおかしい。 こうして消去法で考えると、しのぶかゆきのしか残らなくなる。この二人ならまだ可能性があるだろう。 だが……やはり、最も不自然でないのは…………。 (…………) まさか、ね………………。 自問自答に耽りすぎて前を歩く行人の背がだいぶ離れているのに気付き、あやねは慌てて歩調を速めて足早に追いかけた。 その脳裏で、すずが蕩けた顔でぱん太郎と抱き合っている姿──四つん這いになってあの巨根をねじ込まれている姿──柱にしがみつきながら後ろから突きまくられ、その気持ち好さに泣き腫らしている姿──などの妄想が去来する。 ぱん太郎の子を宿すために大股を開いて精液注射を迎え入れているすずの姿──快感にまみれて幸せそうに悶え尽くした顔── (ありえ……ないわ…………) 現実味のない飛躍したとんでもなく迷妄。 しかし……例えこれまでは無事であったとしても、村のめぼしい女すべてにちょっかいをかけて、そのほぼすべてを成功させているあの男にかかれば、今後どうなるかはわからないかもしれない。 (冗談じゃあないわよ、私は絶対ご免蒙るんだからね! 絶対に!) 種馬ならぬ種パンダ。もっとも今の姿からはパンダを連想することが出来ないが……。 実はあやねも何度か話しかけられたことがあった。この間の夢の原本がこれかという自然さで、「やあ、いい天気のん。子作りする?」と、まるでお茶にでも誘うかのように言葉をかけてくるものだから、最初は条件反射的にほんの少し考えてしまい、すぐに慌てて拒否した。案外こんな手に引っ掛かってよく考えもせずにあれよあれよという間に関係してしまった娘も多いのではないか。村の娘たちなら有り得そうだ。 出くわす都度その誘いは必ずあったが、あやねがけんもほろろに断わると、「気が変わったらいつでも言ってのん」と、それ以上は言い寄らずあっさりと離れていった。 とは言え、ぱん太郎の印象も昔とはだいぶ違っているのは認めざるを得ない。正式に招かれてからは面倒な騒動を起こしたこともないし、それどころかぱん太郎を誉めそやす賛辞が増えるばかりだ。道端で女たちに囲まれて談笑しているところを見かけると、すっかり角の取れた福々しい顔を和やかに崩していて、その振る舞いも人間ぶりが板に付いて来ていた。東の森のぬしとはまったくの別人なのではないかと疑う時もあるぐらいだ。 何にせよ、あれだけ好んでいた喧嘩を封印して、慕われるぐらいの事はやっているのね――と、あやねはいくらか見直す気持ちにはなったものの、だからといって自分から近づくことは決してなかったが。 それでも姉たちと交歓してる時の、腹は出ているが力こぶの目立つ躰を思い出すと、胸がどきっとしてしまう。汗でてかる肌、筋骨の太い肉体。太いのは股間から伸びるアレも──。 脚は短いし太鼓腹だし、行人より見栄えのいい男とはとても思えない。肉体的な均整の美醜は比べるべくもない。だが、よく注視すればぱん太郎の躰はだらしなく弛(たる)んでいるわけではなく、腕も足も筋肉が盛り上がった雄くさい躰だった。胸板もとても厚く、腹の出っ張り具合よりそちらに目が向いてしまうぐらいだ。その辺は腐ってもぬしの風格なのだろう。ぱん太郎の肉体を基準に考えてしまえば、行人の躰が細く小さく映ってしまう。 前を進む行人の背を追いかけながら手すら繋げられない自分を考え、気付いてくれない少年との距離を考え、ぱん太郎の太い腕に抱かれて満ち足りたように悦ぶ姉たちの幸せそうな姿を思い浮かべ、そうやって悶々としていると、視界の上部にある空模様が暗く沈んでいることにあやねは気付いた。 いつの間にかどんよりとした雲が頭上を低く覆っていた。 4 「あ……ひと雨来そうね」 「ホントだ。オババの言った通りだ……参ったなあ、もうすぐ日暮れなのに」 と、雨宿りでも考えたのか辺りをキョロキョロする行人。周囲に生えている木はすべてブナであった。水気の多いブナは木材としてはあまり用いられないものの、薪やお椀にしたり、毒素のない木の実は森の動物たちの良い食べ物になる。十分な樹冠を広げているので適当な木陰に入れば雨を避けることは出来そうだが、ブナは雨を集めて幹から流し落とす木なので身を寄せるにはあまり適していなかった。 「もうここまで来てたんだ」 今日のコースはこの林を抜ければ村落までそう遠くはないな、と判断する行人。 「ってことは、近くにあの家があるな……」 「あの家?」 「樵小屋みたいな所があるんだ、知らない?」 「ああ……あそこね……」 思い出したようにあやねは頷いた。其処なら彼女も知っていた。 昔はこのブナ林に妻を失った老木地師が独りで住んでいて、他の職人では真似できない趣きや精巧さのある見事な漆塗りの木細工を作ったり、良質な薪の配達をしたりしていたそうだが、御多分に洩れず大津波によって代が途絶えてしまった。それからは木製品もりんの一家が全て引き受けるようになり、後は老木地師が暮らしていた家屋が残されるのみとなった。このように無人となった建物がぽつんぽつんと点在するのも、西の人里の特徴である。放っておくのも忍びなく、休息所として手頃なので村人が掃除や修繕をしながら時折使っているようで、行人もたまに利用させて貰っていた。 「あそこで雨宿りさせて貰おうか」 二人は小走りに急いだが、目的地に辿り着く前にザアーッと大量の雨粒が落ちて来た。空の開けた林道では避けようがない。 「うひゃあ、本格的に降ってきた」 「急ぎましょ!」 径に積もる枯れ葉を踏みしだきながら途中でさらに細く輪郭の薄れた小径へ曲がって入ると、しばらくして急に空間が開けた。雑草が生え放題の土庭を囲むようにして建物が三つあった。母屋、作業場、そして材木置場。どれも齢に負けた老体のように悄然とした面持ちの風情があり、庭の隅には薪を割るための切り株が草深く埋もれていた。長い間葺き替えられていない屋根は荒れていて、朽ちた板壁は雨に濡れて不気味さすら感じる黒ずみようであったが、二人はそれらを眺めるどころではなく、急いで母屋の戸口を開けて中に飛び込んだ。 「うわー、すっかり濡れ鼠だよ」 「せっかくの一張羅が……火を熾せるかしら──あら?」 全身から水を滴らせながら居間に上がろうとしたあやねは、そこで囲炉裏に薪がくべられ火が付いているのに気付いた。天井から吊り下げられた錆浮く鉄瓶からはシューシューと湯気が吹いている。急須と茶飲み茶碗が三つ置いてあり、飲み残しの形跡があった。 「あれ……ここって空き家……だよね? 先客がいるのかな」 「そう考えるのが自然ですわね。誰かしら」 「すみませーん」 行人は居間の奥にある閉め切られた二枚戸の向こうに届くよう声を出した。以前来た時の記憶では畳敷きの寝間になっているはずだ。 しばらく待っても返事はなく、二人は首を傾げたが、 「とにかく上がらせて貰おう。このままじゃ風邪を引いちゃうよ」 「そうね」 と、框の前に履き物を並べて座布団に腰を下ろし、火に当たり始めた。 「いやあ暖まるね──って何してんのッ!?」 「え?」 行人がギョッと声を上げたのも無理はない。あやねがノースリーブジャケットのボタンを外し、ネクタイを抜き取り、ブラウスも脱ぎ落とし──行人の目の前でさっさと上半身裸になってしまったのだ。起伏のなだらかな双つの丘陵が綺麗なピンク色の乳首までばっちりと見えてしまう。 「濡れたままは嫌だから服を乾かそうと思ったんだけど。行人様も早く脱いだ方がいいわよ、この方が服も躰もすぐ乾くわ」 あやねはそう言って立ち上がり、行人の視線を気にすることなく下も脱ぎ始めてしまう。ニーソックスを脱ぎ、ホックを外したスカートがストンと落ちて現れる純白のパンティー。 「ちょ、ちょ! そっ、そっ、そうだけどさっ!」 とうとう秘部を覆う白布にも平然と手をかけたあやねを見て、行人は座布団に座ったまま躰をギュルッと百八十度急反転させた。それでもあやねの秘部を少し視界に捉えてしまい、あ、陰毛けっこう薄いな……などと思ってしまったが。 藍蘭島の娘特有の異性に対する羞恥心や警戒心の欠如というか、本土ならば花も恥じらう女子高生の年齢であるこの少女も、やはり異性に局所を晒してもまったく臆するところがない。この島で育った娘で裸を見られて恥ずかしがるのはりんぐらいなものだ。かと言って、何に対しても羞恥心が無いというわけでもないらしく、たまに恥ずかしそうな態度を取ったりする。基準がズレていてよく解らないというか、行人は彼女たちが価値観のまったく異なる未開の部族のように思えてしまう時がたまにある。今世紀に入っても他所者の踏み込めない僻地などに文明と接触しない極めて閉鎖的な部族社会が未だにあると聞くが、実際、状況的には違いがないのかも知れない。 それにしても、自分の口から堂々と島一番の美少女と言って憚らない自信家のあやねだが、すずに劣らない眉目秀麗な顔立ちといい、整ったスタイルといい、肌のきめ細やかさといい、言うだけのことは十分にある美しさなのは間違いなかった。 すっぽんぽんになったあやねは台所から手頃な大きさの桶を持って来ると、服を絞って水をそこに溜め、パンと小気味よい音を立てて広げる。そうして一枚一枚焚き火の熱気にかざした。 「ホラ、行人様の服も頂戴。乾かしてあげる」 「え、あ、う、うん…………」 黒い半袖シャツを脱いで上半身裸になった行人が、背を向けたまま後ろ手に渡そうとすると、「──あ……」と、何故かあやねは頬を染めて行人の上半身から目を逸しながら受け取った。 ただ、同じく目を逸らしていた行人には見えていなかったが。 その時だった。 寝間に通じている板襖の向こう側から何やら物音がすると共に、微かに人声のようなものが聞こえて来たのだ。 「……やっぱり」 「誰かいるようね……」 ツインテールの少女と顔を見合わせ、即座に相手が全裸なのを思い出してグキッと首が鳴るほど瞬時に視線を外す行人。首の痛みを努めて無視しながら木刀を掴んで立ち上がり、板襖の引手に指をかけて一気に開いた。その後ろにつくあやね。 「誰かいる────の…………」 中の様子が明らかになった途端、行人の発する言葉から勢いが霧消する。 行燈が灯された薄暗い畳間には蒲団が敷かれ、小山のような生白い物体が中央にそびえ立っているように見えたが、すぐにそれがごつい体格の人体だとわかった。 ここまでの巨体は村に一人しかいない。 「「……!」」 行人とあやねの顔面が驚愕に固まる。 ──全裸のぱん太郎が蒲団の上にいた。 行人とあやねから見て横向きになった寝床に、正しくは膝立ちになったぱん太郎と、後背位で繋がっている女性らしき下半身──らしき、と言うのは、見えているのは腰から下だけで、上体は掛け蒲団が被さって隠れていたからだ。 くびれた腰からドキリとしてしまうほど魅惑的な丸みを形作っている桃尻が、ぱん太郎の広い両手に掴まれていた。頭がすっぽり隠されているので女性の正体は判らなかったが、二人がお楽しみの真っ最中であったのは間違いない。ぱん太郎の股間から生えた大淫棒がぬらぬらとした体液にまみれながら女の秘裂に出入りしていたのだ。 あやねはわざとらしいほど緩やかに抜き差しされているぱん太郎の肉根に目が吸い寄せられてしまう。行人が傍にいるのも忘れて。 (やっぱり……すごく大きい…………) 男性器の平均寸法など知らないが直感で並ではないと判断できる。それに、行人の“モノ”とは比べものにならないと他の娘たちが話しているのも聞いたことがあった。鼻は室内に篭った匂いを嗅ぎ取る──性交している男女が発散する体臭と、秘液の性臭が入り混じった卑猥な淫気。その甘ったるい匂いをあやねは無意識のうちに、嫌忌することなく味わうように吸い込んでしまっていた。 「のの、行人クンにあやねちゃんじゃないの」 その呑気な物言いに、お前、昼前は違う場所にいただろ──と言いかけて慌てて飲み込む行人。 「な……何してんだよ、こんなところで……! てか、ソレ隠せよ……!」 出くわしてしまった手前無視はできず、行人は嫌そうに顔を顰(しか)めながらそう言葉を投げかけた。みちる……だろうか。あれから場所を移してここに連れ込んだのだろうか。そう思うと、みちるらしいむっちりした太ももにも見えてくる……。 「何って、仕事してるのん。大事な仕事のん♥」 ぱん太郎はそう言って挿入したまま、いやらしさを感じさせる手つきで女の尻を撫で回した。蒲団の中から、「んっ……ふぅんンッ……♥」と、微かな媚声が聞こえるが、くぐもっていて誰の声か判然としない。 子作りするのがぱん太郎の仕事──身も蓋もなく言ってしまえば間違いはない。それが今この村では公然と罷り通っているのも……と、行人は苦々しく思った。 「盛り上がってきたところだったのに……ほら、見て♥」 と、ぱん太郎は女の片脚をグイッと持ち上げて肩に載せ、行人たちの方に開帳して見せた。 「「…………!!」」 思わず息を呑む行人とあやね。 ぱん太郎の逞しい巨根が謎の女の陰唇をぱっくりと割り広げ、秘肉の中に埋(うず)まっているのがこれでもかというほどに確認できたのだ。どちらの性器もつるつるに剃られているため、ぱん太郎が腰を前後する度にぶ厚い肉根が出たり、入ったりをなめらかに繰り返すのが嫌でも詳しく観察できてしまう。行燈の光に照らされて二人の陰部が洪水の跡のようにぬめっているのも鮮明に写し出されていた。 「妊娠してない子はまだまだいるからね。このコもそう。もう何ヶ月もヤッてるっていうか、子作り公認になってから一番長いんだけどね……。ま、お陰でこんなに美味しいカラダをずっと味わえてるからイイんだけど♥」 ぱん太郎は横目でニヤニヤと行人を見ながら女の脚を降ろし、本格的なピストン運動を始めた。パンパンと腰を打ち付ける音が立ち、またも掛け蒲団の中からくぐもった嬌声が漏れ聞こえる。 「のっ、のっ、締まる、締まる♥ もうすっかりボク専用のオマンコのん♥」 と、ぱん太郎は涎を垂らしながら喉を晒し、気持ち好さそうな惚け声を上げた。 「や、や、止めろよ……! ボクたちがいるんだぞ……!」 行人は気を呑まれ、声が顫えないようそれだけの言葉を絞り出すのがやっとであった。我ながら滑稽で情けないとは思ったが、しかし、この異常な場を即座に収められる妙案がないのも事実だった。 「後から来た奴に言われても困るなー」と、ぱん太郎は綽々と返した。「このところ家でばっかりだったから、たまには外で気分転換したいと思ってね。これでも他人(ひと)の邪魔にならない場所を選んだんだよ」 そう言われると行人は抗弁の威勢を失いそうになったが、いや、そんなことはない、と思い直した。コイツはそんな殊勝なタマじゃない筈だし、誰か来たらこんな破廉恥行為は止めるのが常識だろう……と。 だが、この男にそんな常識が通用するともまた思えなかった。 「二人とも濡れてるのん、遠慮せずに火にでも当たってくつろぐといいのん」 ぱん太郎がそう言いつつ真裸のあやねのからだをジロジロと眺めた。どきっとしてたじろぐあやねだったが、それでも局部を隠そうともしないのがこの島の娘らしかった。だが、行人が眦(まなじり)を裂き横に躰を滑らせてツインテールの少女の前に立ち塞がり、その無遠慮な視線を遮った。 「おいっ! あやねをそんな目で見るなよ……!」 「行人様……♥」 「あ、あと、そんなサカッてるすぐ近くで……くつろげるわけないだろ。せめて……ボクたちが出て行くまでは止めてろよ……!」 「そう言われてもな~。お楽しみを邪魔したのはそっちだしね」腰を小気味よく振り続けながらわざとらしく嘆息するぱん太郎。「あ、ちなみにこのコ、キミもよぉ~く知ってる女のコだよ♥」 「なっ……!? えっ……はああッ…………!?」 「誰だかわかるかな? のふふふ……」 ぱん太郎は満面にいやらしい笑みを張り付けたかと思うと、それが急に弛緩して腰の動きが止まった。 「のっ、おっ、おぅ、おうぅっ…………。──おぅふぅっ……。今、すっごい締まったのん……おもわず出ちゃいそうだった♥」 大仰な息を付くと、悪戯っぽい笑みを浮かべて貫いている女を掛け蒲団越しに見下ろし、その悦に入った目を行人にも向ける。「キミに正体を知られそうになって、このコもコーフンしたみたい♥ まだキュウキュウ締め付けて来るのん♥」 そう言うと、再び抽送を始める。すると後背位で繋がった女の脚が今までよりもビクビクと強く痙攣し、ぱん太郎のピストンに合わせて腰が妖艶に揺れ動いた。蒲団の中から漏れ出る嬌声も勢いを増す。顔は見えなくとも、女の方も惑乱するほど感じているのがよく解った。 「のの、のの♥ とってもスケベで気持ちいいエロエロマンコのん♥ 行人クンに見られてコーフンしてる変態マンコ♥ ボクがここまでスケベに育てたんだけどね♥」 ぱん太郎がチラと横目を使うと、彼の言葉に耐え切れなくなった行人が怒りに紅潮した顔をそっぽに背けたところであった。その後ろから顔を出して覗き見しているあやねも頬を赤らめていたが、こちらは明らかに違う面持ちで交淫箇所に目を奪われている。 「このマンコのナカで何回出したっけかな~……百回以上は確かだけど♥」 「ひゃ……って……!?」 思わず驚きに声が裏返りそうになる行人。 「のふふ……そう、このマンコはもう何百回もボクの子種を注がれてるんだ♥ もちろん、子宮の中もボクの精子でイッパイだろうね♥ まだ孕んでないのが信じられないぐらい♥」 「くっ……ううぅ……!」 ぱん太郎は優越に満ちた笑みを深めるとまた悠々としたリズムに戻り、ゆっくりと見せつけるように長いストロークで、だが精力的に女の媚肉へ肉竿を突き入れ続ける。ぬるぬるの蜜壺と化した膣洞はどこまでも彼の巨根を迎え入れる。締まり具合も先程までと段違いであった。 (ちくしょう……!) 行人は激しい感情に握り拳を震わせていた。ぱん太郎はわざと挑発している。下半身を虜にした女たちに認められてすっかり支配者気取りになり、ボクを見下して嘲笑しているんだ──。 「行人クン、キミは実にイケナイ男のん」 「──はあ?」 行人が顔を戻し、刺突するような鋭い眼差しを向けて来たのも意にも介さず、ぱん太郎は腰をゆるゆると前後させたまま、謎の女の脇腹から太ももにかけて愛おしむように撫で回す。 「見るのん、このスベスベでプリプリの肌。綺麗でエロいカラダ。若さではちきれそうなメス肉……まさに今がせっくすするお年頃のん。男を知らなきゃ損するお年頃のん。毎日だってヤりたい盛りの年頃のん。そんな女の子たちを、君は」ぱん太郎の視線がまた行人に移る。優越感と蔑みを同時に湛えた双眸。「男の義務を果たさずに、このコたちの若く貴重な時間を無駄に過ごさせた。のらりくらりと逃げるばかりで、このコたちに何の一つも、本当に何の一つのイイ経験も思い出も与えなかった。それとも与えられる自信がなかったのかな?」 喋りつつも下半身の運動を乱さず女を気持ち好くさせているぱん太郎は巧みなものであったが、行人とあやねにそこまで気付くゆとりはない。 「くっ……うぐ……!」 行人は猛烈に言い返したかったし、反論の言葉はいくらでもあったが、ギリリと奥歯を噛みながら唇を真一文字に結んだままであった。朝のオババとの会話を思い出していた。そんな行人を傍らのあやねが心配そうに見つめる。 「のの? 何か言いたそうだねえ、行人クン。でもボクは何か間違ったこと言ってるかな? 女の子たちとセックスして子供を作るのは村の希望でもあるんだよ」 愉快そうに喋り、一旦腰を引く。女陰からぬっちゃりとした淫液の架け橋を垂らしながら全貌を現す、ぬらぬらと黒く光る凶器のような大肉柱。そして、その自慢の逸品をあやねが見入っているのを視野の隅に確認しながら、ぱん太郎は女の正体がばれないよう掛け蒲団でくるんだまま躰の位置を入れ替えた。下半身は相変わらず剥き出しのままで、今度は彼が下になっての騎乗位。 掛け蒲団から女の腕が出て来て股下に伸び、手慣れた作業でぱん太郎の肉棹を掴みながら己が入り口に当てて腰を沈めると、 「んふうぅー……♥!」と、気持ち好さそうな呻き声が漏れ聞こえた。 「このコは今、幸せの真っ只中のん。ボクのおかげでこんなに素敵な経験ができて」 相変わらず下半分以外は隠したままの女性は見物人が間近にいるのも意に介さず、ぱん太郎に跨がりながら腰を振り始めた。パンパン、グチャグチャという猥雑な音が行人とあやねのところまで届き、童貞処女の二人は眼前で行われる生々しい交尾に完全に主導権を握られ、狼狽えるばかりであった。なまじ顔が隠れているせいで結合部が殊更に強調されてしまっているのだ。 「ね、キミもそう思うでしょ? ボクともっとオマンコしたいって。こんな風にボクの逞しいチンポをもっともっとハメハメして貰いたいって。思うならぴーすしてみて♥」 女だけを動かさせながら、腕枕をして寝そべったままのぱん太郎が掛け蒲団の中に向かって言うと、すぐにピースサインが突き出て来て、さらに行人とあやねをたじろかせることとなった。 「だってさ、のふふ……♥ いやあ、このコも行人クンのことが大好きみたいだったけど、この通り、今ではすっかりボクのチンポ漬けになっちゃってさあ。中出しした回数は梅梅ちゃんより上なんだよね。ボクのチンポはデカくて固くて熱くて気持ち好くて、もう病みつきだってさ……あ、さっきも言った通り、行人クンがよく知ってるコだからね」ぱん太郎はまたも繋がっている女に声をかける。「ホラ、行人クンがすぐそこで見てるけど、キミの卵子にボクの精子ひっかけてるのバレちゃったけど、それでもボクとせっくすしたい? せっくすするの気持ち好い?」 もう片方の腕が追加されてダブルピースになり、さらに賛意を加えるように揺らされる。 「な…………くっ…………」 よろめくように後ずさり、あやねに当たりそうになる行人。 「いったい誰だろうね? のふふ……。いやもう、このコのオマンコが絶品でさー。名器ってヤツ? 今も出そうなのをすっごい我慢してるんだから。でも、行人クン、キミがイケナイんだよ。キミがそんなんだから、このコもボクに奪(と)られちゃったの。ま、たとえキミが行動を起こしたとしても、結果は同じだったかもしれないけどね♥」 誰だというのか──行人は怒りと混乱でまとまらない脳内を必死に統制しながら思考を働かせた。むっちりとしていながらもよく引き締まった下半身は、当人のスタイルが相当良いことを伝えている。木小屋で見たみちるのなまめかしい肢体が真っ先に思い浮かぶ。だが既に一児の母である彼女は先程の妊娠していないという発言にそぐわない。それに贅肉が付くような生活をしていない村娘たちは、大半がこんなくびれた腰つきをしていると言ってよかった。母親たちだって美人ばかりだ。豊かな島で健康的に育まれた美女、美少女揃いの女人村。その妙齢の女人たちほぼ全てを手中に収めている男・ぱん太郎──。 体格はどうだろう。まちやゆきのではなさそうだが……りん? しのぶ? いや、条件が既知の間柄だけなら、母親の誰かという線もある。ぱん太郎からすれば母親たちだって若い娘扱いできる年齢差かもしれない。だがそうなると絞りきれない。行人はそっと後ろを見たが、あやねも誰だか判別のついていない表情をしていた。 躰の半分が見えているといっても、普段見慣れているわけでもない裸体の鑑別など簡単に出来るわけがない。ましてやこんな異様な状況下で足腰だけなど。結局のところヒントなど無いも同然であった。 行人は勢いを作るように腕を大きく横に薙いでから拳を固めたが、 「そんな……そんなこと……村の人達とは、もうほとんど顔見知りで……誰だか判るわけないだろ! それに、大体……公序を蔑ろにする事ばかりして……村の風紀を乱すのも大概にしろ!」 と、そう言い返すのが精一杯だった。 「のの、判んないんだ」わざとらしくがっかりしたようなため息をつくぱん太郎。「だってさ。行人クン、キミのこと判んないって。半分も見えてるのに」 しゅんと元気がなくなってぱん太郎の胸板に置かれた手に、ぱん太郎の手が伸びてきてしかと掴んだ。 「大丈夫、ボクがついてるからね。ボクは彼みたいな臆病者じゃないのん。キミを寂しがらせはしないから。たっぷり愛してあげる。女の悦びを教えてあげる。可愛い赤ちゃんも授けてあげるの。女の幸せを与えてあげるよ♥」 厚ぼったく広い手にしなやかな指がギュッと絡まり、二人の間にある絆を見せつけるように強く握り合う。 「…………くっ……うっ………………!!」 最近の悪夢ではすずとぱん太郎が手を合わせたり指を絡めたりしながら愛し合っている場面が多く、すぐにそれを思い出した行人は、思わず頭が真っ白になってよろめいてしまった。 あれは夢だ。これはすずじゃない。すずであるわけがない。頭の中でそう必死に否定しても、心の中を荒れ狂う戦慄(おのの)きは抑えきれなかった。 すずのからだつき──否定は──あの掛け蒲団を捲ったらすずが現れる可能性は── あるはずないだろう!!!! 心の中で絶叫する行人。己にそう強く言い聞かせる。それでも最悪の気分が持ち返すことはなかった。 ──だから、行人は。 自分が動揺している間に、ぱん太郎がまたもやツインテールの少女に顔を向けたのにも気付いていなかった。 ぱん太郎と目を合わせてしまったあやねは、 「…………!!」 獣性を隠そうともしない目つきに、まるで頸(くび)に猛獣の牙を突き立てられて逃げるのを諦めた草食動物のように動けなくなり、ぱん太郎と何秒間も──あやねにとっては永い永い縛鎖の時間──見つめ合ってしまう。 ──ゾクリ──── 異様な震えがあやねの背骨を走る。心の奥底を見透かされているような双眸。 しかも行人がよろめき、彼女自身も覗き見するために横にずれ、さらにはぱん太郎も位置を変えていたために、あやねの全身はまたもやぱん太郎の視界に曝け出されてしまっていたのだ。 しばらくしてやっと、あやねの目からぱん太郎の目が離れると、今度は下へとゆっくりと降りてゆく。美しい輪郭を描く妙年の肢体を味わい舐(ねぶ)るように……。 瞳、唇、鎖骨、乳房、乳首、腹部、腰……。 そして── その下は逆三角の空隙で行き止まりとなっている、淡い草の萌える土手。そこでぱん太郎の視線は止まった。 (…………ッ!) 羞恥──も、多少は含まれていたかもしれないが──それよりも言いようのない不安を感じ、あやねは半ば無意識に手を動かして陰部を隠そうとした。だが、途端にぱん太郎が隠すなとでも言うように眼を上に戻して合図を送ると、即効性の麻痺毒を流されたかのように彼女の腕は力なく停止してしまった。なぜ止めてしまったのか、自分自身でも分からなかった。 「…………!」 寝そべったぱん太郎からよく見えてしまうアソコを──洞穴が空いているわけでもないのに奥の奥まで丸々覗き込まれている気分に襲われ、あやねはまるで金縛りにでもかかったような感覚とともに、ゾクゾクとからだの芯が震え上がるのを抑えられなかった。 野獣のような眼光。犯したいという欲望にまみれた目。 だが──女という女を快感にまみれさせている男の目。 彼に蕩かされた女たちの艶姿、そして自慰と淫夢の記憶があやねの脳裏に喚び起こされる。数々の淫逸な場面。同時絶頂の快感に鳴き合うぱん太郎と女たち。好きな少年の皮を被った男に犯される妄想で絶頂を迎えてしまった自慰。この男に抱かれて気持ち好くなってしまった夢──。 アソコが、アソコが熱い────。 色事師の視線が注がれている下腹に──その奥にズクズクとした疼きをあやねは覚え始めていた。それだけで子供を孕んでしまいそうなほどの錯覚すら感じる情念の篭った目つき。両脚が震え、全身から力が抜けて立っていられなくなってしまいそうになる。ドキドキと心臓が高鳴って息が乱れ、下腹部の熱さが益々実感できるようになり、首と言わず脇と言わずじんわりと汗が浮かんできてしまう。 それでも隠せなかった。脚を閉じられなかった。 ぱん太郎に秘部を見つめられ続けるあやね。 (い──行人様────) 助けを求めようと行人に目を移した彼女だったが、少年はまだ正体不明の女の下半身や握り合っているを思い詰めたように凝視し続けていた。あやねがぱん太郎に視姦されていることなど気付いてもしない。 その間もぱん太郎の魔的な眼力があやねのアソコをこそぐり続ける。 チロチロと赤い舌を覗かせながら、撫で回すように……舐め回すように……内部を突き回すように……。 ぱん太郎に股間を弄られて善がる女たちの姿──。 (あ……あ……あぁ…………!) アソコの疼きが、脚の震えが。からだの火照りが、 おかしな気分が──抑えようもなく増してゆくばかりであった。 『一方は全然手ぇ出さへんし。どっちにするかてゆうたら、女として扱ってくれる方を選ぶのは自然やないか?』 『ぱん太郎様って……ホント素敵よ♥ どんな女でも極楽浄土へ案内してくれるんだから』 姉やみことの言葉を思い出しながら、再びぱん太郎の目に吸い込まれてしまう。誰とも──行人とさえもこんなに長い時間、目を離さずにいたことはない──と、感じてしまうほどの時間……。 それは一種の真摯さすら感じる意志と情熱を煮え立たせた眼差しであった。ぱん太郎の慾望に滾った目は、女からするとそうとも映る。確かに滾りすぎて澱んでしまっているかもしれない、だが──心から欲しているものに対して正直な気持ちを隠さず、堂々と見通している──ある意味純粋極まりない目の光であった。 ぱん太郎のそんな眼力の強さに奪い取られるかのように、見習い巫女の目から意志の光が薄くなってゆく……。 「キミもたっぷり愛してあげる。女の悦びを教えてあげる」 「可愛い赤ちゃんも授けてあげるの。女の幸せを与えてあげるよ」 蒲団を被っている女性に対して発せられた言葉──行人はそうとばかり思っていたが、そうではなかった。 先ほどの台詞の後半は、あやねに視線が移って口にされたものであった。 ぱん太郎に幸せを与えられたことを証明するかのような、姉を始めとした歓喜に満たされた女たちの官能の嬌態があやねの脳裏にまたも現れ、明滅するように次々と通り過ぎてゆく──。 ツインテールの少女はハァハァと浅く早い呼吸になりながら、ぱん太郎の視線から目を剥がせなかった。絡み取られてしまったかのように。突き離して身を遠ざけることが出来なかった。情慾の眼差しが注がれ続けるアソコの熱い疼き。おかしな気持ち。それらに囚われたように動けなかった。 そして── 理性と入れ替わるように情念めいた切なさがあやねの瞳に段々と宿り始め、次第に表情が熱に浮かされたように変わっていったかと思うと……── 信じられないことに──── あやねは、ぱん太郎の視線が注がれている股を。 徐々に開き始めた……………… 後から考えても、なぜ、この時、こんな事をしてしまったのか……彼女自身でもよくわからない。 無言の要求に屈してしまったかのように、妖術で操られてしまったかのように。 あるいは──この好色魔に見られたいかのように。 心の奥のさらに奥に眠る、ドロドロとした底意が、得体の知れない衝動によって圧し上げられ、とうとう表に噴き出して来てしまったかのように。 脚を拡げ、腰を突き出すことによって、初々しい恥裂を形作るあやねの秘陰の表面が──ほんのわずかな幅しか開かれていないワレメが、ぱん太郎の目にしっかりと捉えられてしまう。 女である部分を、あやねはぱん太郎に晒してしまったのだ。 (ああ……ああぁ…………♥!!) 行人の前で全裸を晒したことは何度もある──先ほどもそうだ。しかし、それで特別意識したことも恥ずかしいと思ったこともない。 だが、“男”に見られているとはっきり認識したり、ソコが子供を作る器官であるとわかっていながらこのような行為に及んだことなどは、当然ながらなかった。 それを──好きな人以外の男に……してしまった……! 自分で自分が理解できないまま、体内で昂っていくばかりのおかしな感情があやねの背すじをゾクゾクと駆け上がり、頭を沸騰させ、アソコの疼きがさらに切なさを増す。 気が付くと、ぱん太郎があやねの陰部に目を注いだまま、ゆっくりと抽送を再開していた。 (あ…………あ…………あぁ…………!) 大男の腰が上に乗った少女をグッ、グッと力強く突き上げる毎に、あやねのアソコも一瞬の高熱を帯び、その度に彼女の腰もビク、ビクと小さく跳ねる。 いつの間にかアソコだけでなく、あやねは全身を茹だるほどに火照らせていた。胸が張り詰め、乳首が固くなる。白リボンの少女はわずかに開いた唇から千千に乱れた吐息を漏らし、熱さが特に目立つ下腹部に手をあてた──本当に熱いのはそのさらに下だったが。今度は隠そうと考えたわけではなく、半ば無意識的にであった。 それを見たぱん太郎が片頬を歪めると、わずかに顎をしゃくり、燃えるような目であやねを睨めつける。 もっと見せろと。 (ああっ……ああぁ…………♥) ドクン!──と、ひときわ激しい鼓動を打つあやねの心臓。 普段の勝ち気さ、自立心の旺盛さはどこへやら……弱々しく、だが、目ばゆい昂奮に潤んだ瞳。 内から湧いてくるわけのわからないおかしな情動に操られるがままに、ぱん太郎の目に指図されるままに──あやねはさらに両脚を拡げ、ゆっくりと上体を後ろに逸してもっと股間を突き出すと──まだあまり濃くない陰毛が生え揃う肉園の扉に手をかけ── (あぁ……だめ…………だめよ………………♥) これまで拒み続け、これからも拒もうと思っていたはずの男に。 この人と──と想っているはずの少年が、横顔が窺えるほどすぐ近くにいるのに。 ──その恋しい男子にも見せたことのない鮮やかな薄紅色の女肉を。 もはやソコがどんな役割を果たすか知ってしまっているのに。 子供を作る大事なその器官に己が生殖棒を突っ込み、掻き回し、本能のままに孕まし汁を注ぐ事しか考えていない男に。 指を震わせながら、観音開きに見せてしまったのだ……! 今年で十七になる乙女の柔肉は極めて健康的な血色で、色素沈殿の一切ない可憐で美しい花園であった。どこが膣口でどこが尿道口か遠目では判らないほどに閉ざされていたが、よく見れば蜜液が滲み、小陰唇までぬめっていた。 (はあぁ──あぁぁぁぁ…………♥♥!!!!) あやねは今にも意識が遠のき倒れそうだったが、その一方で異様な昂奮に支えられて立っていた。気分はますますおかしくなり、からだの火照りも尋常ではなく募るばかり。 (ココにアレを突っ込まれたら……あのドロドロの白い汁を中で注がれたら……妊娠しちゃう……子供ができるのよ……!?) (行人様が嫌っている男なのに……その言いなりになるように……!) (この男(ひと)が入って来たら……間違いなく……このナカで……あの濃厚な子種を……もの凄い勢いで出されちゃう…………!) (あぁ……私も……この男(ひと)の赤ちゃんを……孕まされちゃう…………!) あやねの秘陰から滲み出る蜜のこぼれ具合をニヤニヤと眺めながら、ぱん太郎は舌なめずりをして、スローペースでグッ、グッと腰を溜めた抽送を続ける。あやねが広げて見せている秘肉の入り口にこうして己が肉棒をぶち込みたい、という意思がありありと出た表情と仕草。 あやねのアソコを視姦していた。目に見えない淫棒をあやねの秘肉に捩じ込ませていた。 (あっ……あっ……あっ、ああっ…………♥!) 何もかもが行人とは違う。行人を理想の好男子像とするならば、こちらは俗物の極北。慾棒が滾るままに女のカラダを欲して熄(や)まず、快楽と生殖のみを底なしに追求する生物。この男の慾求が満たされるまで抱かれた女は、自身も肉慾を満たされまくり、もはや彼と同じ生物になってしまう。孕むまで終わらない無限生殖地獄に堕とされ、果てなき淫虐快楽から逃れられなくなってしまうのだ。あやねが見てきた女たちの姿が、今目の前で姿を隠しながら腰を振っている女がその証明であった。 それなのに── (あ……あ……はあぁ……あああぁ…………♥) あやねはとうとう夢遊しているようなとろんとした目つきになり、湿り気を帯びた内肉が覗く秘裂を指で拡げたまま、ぱん太郎の動きに合わせて腰をゆるやかに揺らし出してしまう。野獣の慾望に応えるように。先ほどよりも開いた唇から舌先を覗かせ、なま暖かい息を漏らしながら……。 (だめ…………だめ…………こんなコト、しちゃ…………♥) だが、考えていることと、やっていることが、まったく別であった。 からだの──そしてアソコの火照りは、今や爆ぜそうなほど燃え盛って抑えられない。 もし何も知らない第三者がこの場を見たならば、もっとお似合いの少年が傍にいるというのに、このツインテールの少女はそんなに大男の方に犯されたがっているのか──と、そんな感想以外は持たなかったであろう。格好の良い少年よりも、あのいかにも女泣かせの巨根が欲しくてたまらない淫乱娘か……と、結論付けたことだろう。 今、この瞬間、あやねは行人のすぐ後ろでぱん太郎と交わっていた。 ぱん太郎の肉棒を胎内に迎え入れ、交淫する悦びに疼いていた。 あやね自身の指で割り開かれた肉扉から、ぱん太郎の視線に乗って煮え滾った慾望が彼女の秘陰に入り込み、律動し、奥を叩き、膨らみ、征服しようと犯していたのである。 行人は──行人は気付く様子がない。振り返りもしない。背中に目があるわけでもなく、後ろにいるあやねがまさかそんなとんでもない真似をしているなど、夢想だにしていないのだろう。ただ、憎い男の面を一目見れば、またあやねをいやらしい目で見ていることにすぐ気付いた筈だ。それすらもしないほど少年は長い間、繋がり合った下半身や指の一本一本まで絡み合った手に気を取られ、(誰だ……誰だ……)と考え続けていた。 そして、それは唐突に起こったのだった。 「あふん」 と、いきなり行人の険しい顔が弛緩して間の抜けたような声を漏らしたかと思うと、病人のような覚束ない千鳥足でふらふらし、次の瞬間、糸の切れた人形のように膝からガックリと崩折れてしまったのだ。 5 「い──行人様!?」 吃驚して夢から醒めたように正気を取り戻したあやねは、慌ててしゃがみ込み行人を介抱しようとして、すぐに彼の首根に風受けの付いた細い針が刺さっているのに気付いた。 「これは……吹き矢……!?」 「眠って貰っただけだから安心なさいな」 居間から聞き慣れた声──さらに驚いたあやねが振り返ると、いつの間にか吹き筒を握ったまちが炉端に立っていた。 「お姉ぇ様……!? な、なんで……!?」 「貴女の答えが出たみたいだからよ」 「……?」 意味を飲み込めない風の妹に、まちは口元を袂で覆ってクスクスと笑った。 「行人様のすぐ傍であんな真似をするなんて……貴女も相当溜まってたのねえ。気付かなくて御免なさいね」 「なっ……な……!? あ、あ、あれは、あ、あ、あの、その──」ようやく姉が何を言っているのか気付いたあやねは、カーッと顔を赤らめ弁解しようとしたが、しどろもどろで言葉にならなかった。 「本当は私の出番はなかったんだけど、あそこまでしちゃう以上、もう判断の余地もないと思ってね」 行為を中断し、蒲団の上にあぐらを掻いたぱん太郎が、「あやねちゃんがこっからさらにどうなっちゃうか楽しみだったのに」と言うと、 「あら、余計な事しちゃったかしら……申し訳ないわ」 と、まちはあまり悪びれた様子もなく謝罪し、ぱん太郎も鷹揚に頷き返した。 「いいよ、どうせ時間の問題だったしね。……さ、キミももう出ておいで」 「……どうしたの……?」 ぱん太郎に促されて掛け蒲団をめくり上げて出て来たのは── 「な……な…………」 今度こそあやねは驚愕のあまり顔が固まり、開いた口が塞がらなくなった。 すず──────! 腰まで届く栗色の長髪を団子状にまとめた少女の肩を、「驚いた?」と、得意げな顔で抱き寄せるぱん太郎。「でもさっきも言った通り、すずちゃんとは随分と前から子作りする仲のん。ね?」 すずはぱん太郎にもたれかかり、はにかみながらもコクリと頷いた。 「な…………な…………な……………………!?」 「黙っててゴメンね、あやね。でも、なんとなく言いづらくて……。言う機会もなかったし」 「い、い、い、い────行人様は…………行人様はどうしたのよ!? あなたは──あなたは行人様を────」 好きじゃなかったの……? 「行人は……」すずは悲しげに目を落とした。「行人は、ちっとも私に興味持ってくれないから…………」 ぱん太郎がすずのからだを包む腕に力を篭め、支えるように強く抱き締めた。俺の女だという無言の主張。安堵したようにすずはぱん太郎へからだを預け、厚い胸板に頬ずりする。すっかり互いに気心が知れた風であった。 「すずちゃんは悪くないよ。悪いのはすずちゃんをずっと放ったらかしにしてきた行人クンのほう」そう言いながらぱん太郎は昏倒している行人を残念そうな目で見下げる。「ボクに奪(と)られないための時間は十分過ぎるほどあったのに」 すずの豊かな肉付きの乳房をぱん太郎がむにむにと揉み、「途中で止めちゃってゴメンね」「いいの♥」「今から続きしちゃおっか」「えっ、でも……」「ホラ、跨って。行人クンやあやねちゃんの方向いてね♥」「あぁ、いやぁ……♥」と、二人の会話が恋人のように交わされ、すずは寝ている少年を気にしながらもぱん太郎の言うがままに、あぐらを掻いている巨体の膝上に蟹股になって跨がった。股の下にそそり立つ大勃起の肉茎を掴みながら、先ほどのように亀頭を女陰の入り口へと誘い込む。慣れた手つきであった。また、その時の表情の淫媚さと言ったら……。 秘肉の中に埋(うず)まった剛棒がヌプヌプと滑らかに入り込んでいくと、 「うにゃっ……うにゃあぁ……うにゃああッ♥!」 と、すずは頭の天辺を抜けるような欣喜に満ちた淫声を発し、ぱん太郎の巨根はみるみるうちに根元まで埋まっていってしまった。 「うにゃ──あぁ…………♥!」 行人以外が見守る前で心底気持ち好さそうに安堵めいた吐息を漏らし、しばらく震えながらじっとしていたすずだったが、やがて豊満な胸をぶるんぶるんと揺らしながら腰を上下左右に動かし始めた。 「あっ、あっ、あっ、あっ♥! ぱん太郎様、ぱん太郎様ぁ♥!」 何往復かしたところで早くもその瞳からは焦点が喪われ、ぱん太郎の精悍な肉棒が与える快感しか知らない表情になる。蒲団の中でもこんな風だったのだろう。あやねが見たこともない──そして、見覚えのありすぎる享楽の風貌であった。 「あっ、あっ、うにゃっ、ああっ♥ すごい、すごいの、ああっ、うにゃああっ、ぱん太郎様のチンポすごい、とまらない、とまらないのぉ♥!」 すずが──あのすずが── 行人ではない男と──── 到底信じられない光景だった。意識を失っているとはいえ行人本人が目の前にいるというのに、ぱん太郎の言うなりになってその猛々しい男性器を自らの女性器に迎え入れ、嘘偽りなく気持ち好さそうに腰を振って──。 「そ…………んな……………………」 「普通だよ、あやねちゃん。別に驚くことじゃない。これが男と女の正しい関係なの」 と、盛んに揺れるすずの乳房を掴んで揉みしだきながら、ぱん太郎はニヤニヤとあやねに笑いかけた。 「ずっと一緒にいる女の子に──いや、こんな女だらけの環境で、しかも望まれてすらいるのに、何もしない方がおかしいでしょ? こうしてボクの求愛を受け入れたすずちゃんの方が正しいのん」 「うにゃぁあ……ごめんね、あやね……私、私、もう……ぱん太郎様のモノだから……私、私も、ぱん太郎様の赤ちゃん、種付けられちゃうの……行人にはナイショで……♥」そう言いながらすずは腰の動きを止めることはなかった。「ああっ……もう……だめぇ、もう……イッちゃうよおッ……♥!」 「えっ、もう?」 笑みを残しつつも少し驚いた風にぱん太郎が目を丸くする。 「だってぇ……さっきも、イきかけてたし……こんな……こんな、行人の前で…………♥」 「なるほど、じゃあイッちゃおうか♥」 そう言うとぱん太郎はすずの腰を掴み、少女の動きに合わせて自らも下から突き始めた。 パンパンパンパン! 「あっ、あっ、あっ、あっ♥! いいっ、いいのおっ♥! おかしくなっちゃう、おかしくなっちゃうぅ♥♥!!」 発情しまくって真っ赤になった顔。嬉悦の涙を零す目を瞑り、緩んだ口からはだらしなく舌を覗かせ、ぱん太郎と共に激しく腰を振りながら、ただただ快楽を貪って性悦の頂点へと向かうすず。 あやねはまだ信じられなかったが、そこには彼女の知る純粋無垢なお子様少女の姿はひとかけらもなかった。他の女同様、男を十分に学んだ艶かしい態度でぱん太郎の男根に支配され、オスとの交わりが生み出す快感に堕ちた、立派な一匹のメス犬──いやメス猫であった。 絶頂に向かう交尾の激しい揺れで団子になっていたすずの髪がほどけ、美しく艶めく栗色の長髪が流れ落ちたが、性器に意識を集中させた二人は気にも止めずにひたすら腰を振り続ける。 「行人クンの前で……ボクの子を種付けちゃうからねっ!」 「うにゃああッ、イクイクイクゥッッ♥!!」 すずが逝く数瞬前、ぱん太郎は彼女の頭を掴んで後ろに引き寄せ、唇を重ねた。 「「ウウゥ──ッッ♥♥!!!!」」 パン──パン! と、最後の肉の音が打ち鳴り終わると、停止した二人のからだがぶるぶると震える。 キスしながらの同時絶頂──── 「の ぉ……ぉ ……♥!」 「あ……あ……あ……♥!」 息継ぎのために離れる唇の隙間からが漏れ出る切羽詰まった二つの声。眠るように細まりながらも意識し合う互いの眼。死にそうなほど荒い息遣い。全身に走る緊張と弛緩の繰り返し──。 二人が絶頂という甘美な桃源郷に誘われていることを如実に示していた。 そして── (ああ……そんな…………) 結合部からゴプゴプと溢れ返って来る大量の白濁汁。 すずが──すずまでもがぱん太郎に種付けられているという逃れられなき事実。 あやねは大木槌で後頭部をぶん殴られたように、言いようのない衝撃でクラクラとする意識の中、ぱん太郎の肉棒が深々と刺し込まれたすずの股からとめどなく溢れ落ちてゆく粘液の白滝を見つめ続けた。 射精の一噴きごとにぱん太郎の腰が浮き揚がるように伸び、すずの尻を押し上げ、また戻る。その一連の二人の動作が合わさった様がたまらなく官能的で、本能的で、ありのまま過ぎて……一種の神性すら感じる肉体の営みであった。 すずがぱん太郎に種付けられている──行人以外の男と子作りしている──その揺るぎない光景が、あやねの網膜に焼き付けられる。 「のおお……いつもより締め付けが……すごくて……最高のん……のぉぉ……♥!」 そう呻きながらぱん太郎は繋がったままあぐらを組んでいた脚を解き、後ろに倒れて寝そべると、すずもその上に重なるように後ろ手にからだを支えながら背中を反らし、二人は撞木反りの姿勢になった。 股間が開けたことによりこれまでの背面座位よりも結合部分が見えやすくなり、すっかり熱心な観客となった巫女姉妹に見せつけるよう、射精抽送の突き上げが続く。とろろのように濃厚で粘り気のある白濁汁がひっきりなしに結合部から溢れて来る。普通のピストン運動と違うのは、射精するタイミングでぱん太郎の尻が引き締まると共に痺れたように動きを止めるという点であった。 「行人クンや……あやねちゃんたちの前で……ボクの子を……バッチリ妊娠のん♥!」 「ああッ♥! あぁ……ああ……うにゃあ……ああぁ……♥!!」 昏睡中とはいえ恋していたはずの少年がすぐそこにいるというのに、少年が起きれば違う男と繋がって種付けされている部分をありありと見られてしまうというのに、すずはぱん太郎に膣内射精されながら陶然とした表情を崩さず、大男の巨根を根元まで突き刺された体勢を決して変えなかった。開脚しきった蟹股で突き上げられるままにからだを震わせながら、際限のない放精をうっとりと感じ続けるだけであった。その目に宿る意識は普段とはあまりにかけ離れ、己が胎内で猛り狂っている生殖器と生殖放水の力勁さが今のすずを支配する全てであった。 完全に堕ちていた。 どこからどう見ても他の娘同様──いや、それ以上にぱん太郎のモノとなっていた。 「行人ぉ、私、孕んじゃうぅ……♥ 行人じゃなくて……ぱん太郎様の赤ちゃん、孕まされちゃうんだよぉ…………♥♥!!」 幾百の日月を共に過ごし、淡色であっても一糸一糸しっかりと編まれた、太く強固な関係を行人と築いてきたはずのすずが──行人とのその絆の縒り糸を、情慾の淫鬼から与えられる快楽と官能がズタズタに引き裂いていて、代わりに生々しくもグロテスクな色合いにぬめる淫情の肉鎖がすずとぱん太郎を結び付けていたのだ。 それも行人のとは比べものにならない分厚さと強度で……。 (すず……………………!) あやねの瞳には、ぱん太郎の逞しい肉棒と注入される精液の事しか頭にない、からだの芯まで性の甘美に満たされた少女の浅ましい姿しか──後悔も負い目もなく、初恋の少年ではない男と深い深い契りを結ぶ親友の姿しか映っていなかった。 ようやく種付け射精が終わると、その間にも何度も逝きまくっていたすずは満足気な表情でくったりと伸びた。ぱん太郎は掛蒲団を裏返して隣に広げ、白濁の源泉掛け流しとなった股を閉じられずに痙攣している少女をそこに寝かせた。 「さて」 ぱん太郎がくるりと躰を返し、白濁まみれの大剛直を隠しもせず、あやねに対して正面を向く。 「ひっ……」 「貴女の番よ、あやね……」 それまであやねと共に静かに控えていたまちがそう言って妹を立ち上がらせ、ぱん太郎の方へ背中を押しやった。足が震えて力が入らないあやねはつんのめりながら大男の足元に倒れてしまい、慌てて顔を上げると、人を殺せそうなほどの威容を発する剛堅な肉魁が眼前に迫り、 「ひいいっ……」 と、思わず息を呑んだ。つい先程まですずの胎内にあったソレは男女混合の淫汁で生々しくぬめり、誇らしげに反り返りながら隆々と勃起脈動している。先端の亀頭はあやねが今まで見たどんな松茸よりも立派な大傘を広げて真っ赤に腫れ上がり、青筋張った陰茎の中心は鉄の柱が埋め込まれているようで、その下には彼女の胸ほどもあろうかという巨大な玉袋が双つずっしりと実っていた。 (私…………私も…………これで………………!?) 明らかにこの性器が発生源の異常な匂い……噎せるほどの濃厚な性臭……息が詰まり思考が澱むようなオス臭さ……! 「や……あ…………!」 間近で見ると本当に鬼の金棒かと見紛うばかりのゴツゴツとした肉質で、ぱん太郎の荒くれた性格は全てこの剛根に吸い上げられてしまったのかと思えるほどだ。 だが──最初こそ反射的に怯えてしまったが、肉根から滴る粘液が鼻頭にかかるほどの近さで巨大陰茎の貫禄を眺め、嗅覚が狂いそうなほどの淫臭を嗅いでいると、あやねの胸は再びドキドキと早鐘を打ち始め、霞がかってくる頭から恐れが薄らいでゆくのを感じた。顔も目もひとときも離せず、吐き出す息にも生ぬるさが戻って来る。 (あ…………あ………………) そんなあやねの様子を面白そうに見下ろしていたぱん太郎が口を開いた。 「さっきのあやねちゃん、とっても可愛かったよ」 「あッ……!」 本当になんてコトをしてしまったのか──これまでに覚えたことのないほどの猛烈な動揺に襲われて真っ赤になるあやねだったが、脅し文句を浴びせられたように気弱くなった双眼はぱん太郎の顔と淫棒を往復するだけで、ぱん太郎を拒むべくこの場から逃れるという選択肢は持っていないようであった。 「もう我慢しなくていいのん」 ぱん太郎がずいと腰を突き出すと、あやねの顔と同じぐらいの長さがある雄壮な剛魁が鼻先あと数ミリのところまで推し迫る。ポタポタと落ちてくる淫液が鼻を、唇を濡らす。 何よりも熱くて、何よりも新鮮で、何よりも強烈なニオイ──! 「…………!!」 「あやねちゃんもボクのチンポに興味津々だったんだね。でも全然おかしくないよ、てか普通だよ普通。皆んな行人クンよりボクのチンポの方が気になっちゃうのん。皆んなおんなじ♥ そしてそれは正しい。女のカンってやつなのかね? なに、行人クンにはバレやしないからダイジョブのん。すずちゃんがボクの肉便器になってる事さえ気付いてない超ニブチンなんだからさ……ホラ、呑気に眠っちゃって」 そう言ってぱん太郎が畳に頬を付けて微動だにしない行人の姿を顎で示すと、その後ろではまちが部屋から下がってそっと板襖を閉めるところであった。 二人の視線に気付いたまちは、 「数日は起きて来ないようにしたから安心して♥」 「だ、大丈夫なのそれ!?」 「ええ。貴方で試したことがあるのよ、あやね」 「えっ!?」 「じゃ、ごゆっくり♥」 と、隙間からそう言い残して手をヒラヒラ振りながら完全に閉め切った。 気が利くのん、後でまた善がり狂うほどいっぱい可愛がってあげなくちゃ──と思いつつ、ぱん太郎はあやねに顔を向け直す。 「だってさ。良かったね、行人クンは気にしなくていいって♥」 「……で……でも…………」 「それとも……行人クンがこんなコトしてくれるかな? あやねちゃんを女として見てくれるかな? 女として求めてくれるかな? 女の幸せを与えてくれるかな?」 「そ──それは────」 「彼に遠慮して、若くてぴちぴちした今の時間を無駄にしちゃう? 二度と取り戻せないよ……皆んなは今のうちに男を知って、素敵な悦びを知って、一生ものの思い出を作ってるのに。あやねちゃんも男に愛されるのがどんなコトなのか知りたかったら、これしかないよ」 と、ぱん太郎は股間の逸物を尊大に指し示し、愉悦げに目を細める。 「………………」 「彼といくら時間を過ごしたって無駄なことは、すずちゃんを見てわかるでしょ? 行人クンと一年……十年……いやそれ以上? どれだけ一緒に居たって実現しなさそうなコトを、ボクはたった一日で体験させてあげることも出来るよ♥ 一年後なんて、世界がまったく違ってるかもね。 ほら、触ってごらん……舐めてごらん。これが本物のオトコってやつのん……こんなフニャチン短小野郎とは違う、本物の雄のチンポのん。キミに本物の気持ち好さを教えてくれる、唯一無二のお宝のん♥」 長広舌が終わってぱん太郎が口を閉ざした後、ツインテールの少女が天を衝く逞しい肉塊を凝視していた時間は、十秒にも満たなかったであろうか。 あやねは頬を染めたまま、すがるような目でぱん太郎を見上げた。 「……──ひ──ひとつだけ…………約束を………………」 「なに?」 「そ、その…………」恥ずかしそうに俯きながら、たどたどしく言葉を紡ぐあやね。「わ、私……あ……あの…………あ、あ、赤ちゃんを作るの……だけは…………どうしても…………」 「のの? それって……中出ししないでってこと?」 「え、ええ…………」 「ふーむ……」 ぱん太郎は神妙な顔つきになった。だが、その心中では、なるほど姉妹のん──と、密かに北叟笑んでいた。先ほどまで居た姉を初めて抱いた時も、同じような言葉を聞いた憶えがあったのだ。そして、そのたった数時間後には、精液まみれになって膣内射精を何度も浴び、中出しされる心地好さに快感を得まくっているまちの姿があった。 あの時は怒ったように立ち去る演技をしてまちに決断させたが……。 「それって、行人クンをまだ諦めてないってことだよね?」 「あ、当たり前よ……ええ……そう、そうよ、わ、私は……私は、な、何を言われようが……行人様だけ……なんだから……!」声を震わせて自分を叱咤するように喋るあやね。「こ、これは……行人様を振り返らすためよ……。そう……きょ、興味があるのは……そのためなのよ…………!」 そう言う割りには、喋っている間じゅう、あやねの目はぱん太郎の肉棒に釘付けであり、幾度もスンスンと肉棒の匂いを嗅ぎながら息を熱く弾ませ、すぐ後ろにいる行人の存在を忘れたように潤んだ表情をしていた。 「ふむふむ。まずボクで女を磨いて、それから彼をモノにしようってケーカクだね」 「そ、そうよ…………貴方とするのは……そのため……なんだから……。だ、だから……こ、ここ、子作りまでは…………ダメ…………ダメよ……! 絶対にダメ……。私は……子供は……子供は、行人様と…………」 (ふうん……子作りじゃなきゃ……ボクとしてもいいんだ。行人クンを差し置いてボクに処女捧げて、彼には抱かれたコトもないのにボクのチンポをハメハメされちゃってもいいんだ♥) そう思いつつもおくびにも出さず、ぱん太郎はニコニコしながらあっさりと頷いた。 「いいよ。ぬしの名に誓って約束してあげる。勝手に中出ししないって」 「……ほ……ホントに…………?」 「女を磨きたいなら、中出しも味わった方が絶対いいんだけどね~。でもボクはぬしのん、一度した約束は必ず守るよ。それに行人クンが可哀想ってのもあるしね。彼は独り身なんだし、一人ぐらい傍に居させてもいいかなって考えてるよ。あやねちゃんがそうなりたいなら、協力してあげてもいいよ。女を磨いたあやねちゃんがあたっくしたら……行人クン、振り返ってくれるかもね♥」 「そ、そうね…………そうよ…………だから……だからなのよ………………」 行人を気にかけた言葉とぬしの名を賭けて誓ったことで安堵したのか、誘惑の危険な痺れが頭の奥まで染み通ったように、とろんとあやねの目尻が下がった。物欲しそうに緩んだ唇。ぱん太郎の妖眼に呑まれた先ほどと同じように──。 あの時と違うのは、あやねとぱん太郎の間には、もはや邪魔するものは何も存在しないという点であった。 「ナカで出しちゃ……ダメ……なんだからね…………」 「うんうん♥ じゃあ、まずは……コレを弄ってみるところから始めよっか」 「……え、ええ…………」 「がんばって男を勉強しようね♥」 「……ええ……♥」 ほっとしたような笑みをこぼしながら、これから起こる事への期待を隠せない眼で、はちきれんばかりに漲る剛根にあやねは指を絡めさせる。 …………。 しばらくして──今度は舌が触れて…………。 …………。 結局、行人を振り返らせるためにと言ったツインテールの少女は、一度も少年を振り返ることなく、彼が嫌う男の肉棒への奉仕を始めたのであった。 (第19話に続く) 上に戻る
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ながされて藍蘭島エロパロ 寝取られて25話 1 あと一、二時間もすれば水平線の彼方へと沈んで消える夕陽で黄金色に染まった大海原は、遠目には穏やかそうに見えてその実絶えずうねる波間に光の綾となったサンロードが燦然と輝き、藍蘭島の手つかずの大自然と相まって急ぐ用事でも無ければ足を止め、心奪われる美しい時間にいつまでも浸らずにはいられない六曲一双の壮大な屏風絵のようであった。財貨や社会発展に代え難い風致な夕景を眺望できる西の海岸の高台。 だけれども、そんな光彩陸離に圧倒される間もなく、砂浜を見下ろすその集合場所へ到着したボクは、既に集まっていたすず達の姿をひと目見た途端、 ブウーーーーーッッ!! と、鼻から盛大な血飛沫を噴き出しながら卒倒寸前にずっこけたのだった。 「な、な、な…………!」 久しぶりに大量の鮮血を流す鼻を必死に抑えながら、すぐには言葉が出て来ない。 去年も製作途中の祭り衣装を纏ったちかげさんの姿を見た時、その際どさに池田屋よろしく階段から滑り落ちてしまったものだが、だが──今回のデザインはあれにも増してさらに酷かった。 増しているのは当然だ。なぜならば、袖を肩口まで捻(ねじ)って肩はおろか脇までも出している濃藍色の半被を白帯で結わえているのは、去年のあの試作品をベースにしたものだったからだ。上は白鉢巻、下は前垂れのない白褌に右近下駄。太ももまであったニーソックスはふくらはぎまで短くなって生足の露出範囲がもっと広がり、手甲と共に半被と同色に染められていて──覆われた箇所はそれだけだった (※単行本第二十巻カラー扉絵の太鼓を叩くすず参照、但しあれより布面積が少ない)。 そう、それだけだったのだ! 去年のちかげさんの試着でも一応は晒しを付けていたはずだが、今ここにいる女子たちの胸には何も巻かれていなかった。誰一人として。素肌に半被──と呼んでいいのかも迷うほど布面積が申し訳程度しかない──を羽織っているだけなのだ。誰も彼もの乙女の谷間が覗いているどころか、乳首や乳輪まで見えそうなほどガバッと挑戦的に胸元が開いていて、危ない水着よろしく乳肉が完全にはみ出ていて……! 下半身も上に負けないほど大変なことになっていた。何しろ、十代の少女たちが褌を締めているのだ──すべすべのぷりっとしたおしりや鼠径部が丸出しになるほど細い紐のようなものを。もうこの時点でヤバい。せめて上着が掛かって多少でも誤魔化してくれればまだマシだったが、半被の裾は臍にすら届いていないぐらい短くて頼りにもならず、前回は何とか視覚的に助かる近さまであったすずのオーバーニーソックスぐらいの長さのあるストッキング(?)の援軍がまだ何とかあった筈だが、今年はそれも膝下まで後退し、要するに褌を誤魔化すものなど全くなかったのだ。腰回りだけ写真に撮って切り取れば褌一丁と言われても信じられるぐらいだ。 去年より明らかに布幅が細くなった褌は女性の大事な部分がハミ出てしまうんじゃないかと思うぐらいで、鼠径部のラインまでもが容易に視認できてしまうほどだった。お尻なんて縦廻し(クロッチ部分)が早々に尻肉の隙間へ沈み込んで消え、割れ目以外──つまり桃のように柔らかそうな双臀がすべて露わになっているような状態なのだ。もしカメラでおしりをアップにすれば一面に尻の肌色が映るばかりとなり、何も付けていないと誤解すること間違いなし。 ボクからすれば際どいというレベルではなかった。こんなものは上は半裸状態、腰から下は何も付けていないのも同義であった。 この島を象徴する藍色の布地より素肌の方が多く占めているこれほどの格好を一人残らず──そう、すずとあやねですらこんな破廉恥極まりない格好をしていたのだ。 「あ、行人ー。やっと来た。私たちより遅かったんだね」 何とかヨロヨロと立ち上がったボクに、皆んなと輪になって談笑していたすずが最初に気付いて振り向き、朗らかな笑顔で近寄って来る。 「これが今年のお祭り衣装だって。どうかな♪」 と言って、ボクの目の前でくるっと一回転する。 (ちょッ……! 股布がずれてアソコが見えそう……! お尻も全部出ちゃってるじゃん……!) 陰部の凹凸すら判別できてしまいそうで、再びカッと熱くなる鼻を強く抑えるボク。 それだけでは済まず、身体を回した拍子にゆさゆさと揺れ動いたすずの豊かな乳房が両方とも半被を押し退けて飛び出そうになる。丸みを帯びたお尻も同様だ。ただでさえ以前よりボリュームアップしているというのに、そのあまりにも柔らかな弾み方をした上下どちらも瑞々しい肉の双丘を見た途端──! ブブウーーーーーッッ!!!! ボクの鼻孔は呆気なく再決壊していた。 「ぼはあっ!!」 先程に勝る大量の鼻血が夕闇と夕陽が交わる森の中に咲き誇る。 「い、行人っ!?」 驚いて思わず身を引いたすずに構わず、ボクは鼻からボトボト血を流しながら、 「ちぃ~かぁ~げぇ~さん~~~!!??」 と、数歩遅れて来ていた少女たちの一人に詰め寄った。 「あら、露出嫌いの行人さんは、やっぱりお気に召さなかったみたいですの。ウフフ♥」 「去年も言いましたがあ……!!」 「ええ……でも、ゴメンナサイですの。今年のこすちゅーむはぱん太郎様が選んだもので……」 「アイツが……!?」 あの地球史上最悪最低超越ドスケベ破廉恥野郎が! と、心の中で忌々しく悪態をつく。 そんなボクの気も知らずに、 「行人様、駄目かしら? 涼しくてなかなかいいわよ。この時期は夜も暑いから」 と言いながら、すずの隣に立ったあやねが胸を張って澄ましたポーズを決めた。確かに近頃は日暮れになっても熱気が残るぐらい気温が上がってきていて、今も暑さで自然に汗が出てくるぐらいだけれども……。 最近は彼女の胸も育ってきているようで、半被に明瞭な膨らみが形作られていた。腰からお尻を経て太ももに至るS字カーブも見事なくびれようで──慌てて視線を上に戻したが、元より彼女のスタイルが女性として他の子に見劣りするものではないことぐらいボクもとっくに承知している。一部の肉が乏しい程度でしかないのだ。 暑いと言ったあやねは挑発的にからだをくねらせながら胸の谷間の汗を拭う仕草をした。そこは谷間と言うよりは盆地と言った方が正確なのかもしれないが、どちらにせよ入り日の光が当たる彼女の肌には汗による照りが生み出されていたのは確かで、胸だけではなく顔や首、腕や腿なども妙な艶めきが感じられ、変にドキドキしてしまう。 他の皆んなを見回しても、まるでセミヌードのような魔改造衣装を気にしている表情の子などいなかった。恥じらいを持っていた筈の梅梅やりんなどもだ──りんは妊婦だからか厚めの法被と広い帯をしていたが、それでも豊かな胸を十分過ぎるぐらいはだけていたし、下はやはり褌を締めていた。 それに、あやね同様汗がきらめくせいなのか、やはり彼女たちのからだはどこか艶めいた印象を抱いてしまう。どこがこうだからと上手く言語化できないのだけれど、実年齢より二つも三つも成熟しているかのような、大人のような、それでいて年を喰っているように見えるわけではなく、むしろ溌剌とした活気を感じるというか……。それとも、ボクの意識しすぎなのか……。 「りん……褌ってお腹苦しくならないの?」 ボクはなるべく彼女の顔から下を意識しないようにしながら訊ねた。去年も大半の子が褌姿だった中、数少ないズボン派としてりんもボクと同じ半股引を履いていた覚えがある。 「ん? 逆に締め付けられなくて楽だぜ。この帯も妊婦帯になってて腹を支えてくれるから、思ったより動き易いんだ」 多少照れくさそうにしつつもりんはそう言い、妊娠中期に入ったという丸く突き出た腹部をポンと軽く叩いたので、 「そ、そうなんだ……」 としか返せなかった。彼女も昔は梅梅と共に恥ずかしがり屋の双璧だった筈だけれど、大分克服したらしい。 「それよりさ、今年はそっちに行けなくてゴメンな。先約が入っちまってさ……」 りんは髪を掻き掻き申し訳なさそうに謝ってきた。ぱん太郎さえいなければ皆このように昔と変わらず接してくれるのは、ボクの胸中に感動にも似た安堵感をじんわりと与えてくれる。 (本当……皆んな根は善良で……良い子ばかりなんだよな……まだボクを気にかけてくれてて…………) 皆こちらを向いていたので彼女たちの顔を見渡してみると、誰もが以前と変わらない温和で落ち着いた可愛らしい微笑みでニコニコとボクを見つめていた。 ボクもフッと自然にこぼれ出た笑みを浮かべながらりんに視線を戻し、軽く首を振った。 「気にしないで。ただでさえりんは家業の重労働に慣れてるんだから、いつもの調子で働いたらお腹に障るでしょ」 祭りの準備中もりんやみことといった妊婦組は気を遣われていたらしく、重い資材の運搬や単独での力仕事などはやっていなかったようだ。そう言えば、櫓の木材をぱん太郎が一人で軽々と肩に載せては広場に移し置いていたような……。 「その代わりってわけじゃないけど、あやねが手伝ってくれるんだ。だから大丈夫、心配しないで」 「ああ、そう聞いてるぜ。でも、手が空いた時に様子を見に行くぐらいはいいだろ?」 「──!」安堵の入り混じった嬉しさがいよいよじんわりと胸に広がる。「……勿論大歓迎さ」 「フッ……私の手に掛かれば、綿アメの売り上げを倍以上にしてあげるわよ。りんの出番なんか無いぐらいにね」 そう言って謎の自信に満ち溢れた得意げな表情で胸を張るあやね。 「あはは、この島に金銭のやり取りはないだろ……でも、ありがとう、あやね。期待してるよ」 「……行人様…………」 ボクの言葉に反応するようにあやねがじっと見つめてきたのだけれど、何故かその瞳がこれまでとは異なるような光を湛えていた気がしたので、 「……?」 と、ボクは微かな戸惑いを覚えなかったと言えば嘘になる。 ──その時、 「そんなコトより……どうなんや行人? ボテ腹娘二人並んだ感想は?」 ニンマリとした笑みを浮かべたみことがそう言いながら、何故か帯をはだけて膨らんだ下腹部を剥き出しにしたかと思うと、素早い手つきでりんの帯も取ってしまい、二人揃って露わになった臍辺りをくっつけてボクに見せつけた。 「わっ、何すんだ!?」と驚くりん。 「まあまあ。うちが一ヶ月遅れやってな、横から見比べるとりん姉ぇ様の方がちょっと大きいやろ」 目を見開くボクに悪戯っぽい笑みを向けながら、みことは皮が張ってつるつるしているお腹同士を擦り合うようにして緩やかに上下させる。 「な──な──!?」 いやらしさすら感じるそのゆっくりとした動きに動揺を隠せすたじろぐボク。 「ぼ、ボテ腹って──知らないよ!」 と、躰ごと顔を背けてしまった。その先には梅梅がいて、不意打ちのようにボクと一対一で目が合うと反射的に気恥ずかしそうに睫毛を伏せ、もじもじ身じろぎしたが、パニックになって飛び退ろうとはしなかった。以前だったら──ぱん太郎の手に掛かる前の梅梅だったら、恥ずかしさのあまり瞬時に隠れていたかもしれない。 「梅梅……子供は大丈夫なの?」 「え? ええ、託児所が作られてましテ……赤ちゃんは皆んなそこで預かって貰ってるんですヨ」 「おばあちゃん世代や手の空いた人が持ち回りで面倒見てくれますから、私たちが付いてるより安心なんです」 と、梅梅の横からみちるさんが顔を出して説明を追加してくれた。 「あ、みちるさんも今年は初日なんですね」 「ふふーん、ぱん太郎様が口を利いてくれたお陰です♥」 「そ、そう……」 「あ……ごめんなさい。気にしないで下さいね、行人さん」 みちるさんはばつが悪い顔をして申し訳無さそうに謝ってきたので、 「……気にしてないよ、ハハ…………」 彼女たちの前ではいつもするようにボクは何でもない風を装う。 「確かに赤ちゃんからしたらおばあちゃんだけど……私の母親なんかが聞いたら激怒しそうね……一応まだ二十代だし」 ゆきのが苦笑いしながらそう言う。 それにしても、久々にこうして間近で皆んなを見てみると、なんか肉付きと言うか……特に胸が育っていないか──と、ボクはどうしても視界に入ってしまう彼女たちのからだつきにそんな感想を抱かずにはいられなかった。梅梅やみちるさんの胸もデカさを感じると言うか──他の部分もどことなくボリュームが増したというか……。それでいて体型が崩れたわけでは決してなく──などという余計な感想が次々と頭の片隅に過ぎる。 いや、梅梅だけではない。ここにいる全員がやけに女らしくなったように感じずにはいられなかった。 からだの輪郭が水着のように全て出ている煽情的な格好をしているからなのは明白であったが── ちかげさん、りん、みこと、ゆきの、しのぶ、みちるさん。 すずとあやねも負けないぐらい大人びて見えてしまっていた。 裸同然の彼女たちに囲まれていると、なんだか女性フェロモンが匂い立っているような錯覚まで起きてきて、彼女らの何気ない振る舞いにすらそこはかとない色香を感じてしまう。それでなくても全員が十代真っ只中の少女であり、日々の労働と健康的な生活で魅力的に引き締まっている皆んなのからだつきを見てしまうと、ボクの動悸はなかなかに収まってくれなかった。 (でも……気のせいじゃなく……皆んな……ぱん太郎に……女にされてて…………) ぱん太郎とセックスしている時のいやらしく乱れた彼女たちときたら、平素とはまるで違う人間のようなのである。言葉を慎まずに言ってしまえば、淫乱という二文字が相応しいほどに──。 全てはアイツが悪いのだが……。 今のように照りが生まれるほどの汗が浮かんでいる肌をアイツの手で撫で回され、少女特有の細い腰を掴まれながらあの巨根をズポズポとハメられて、でもそれが彼女たちには気持ち好くて堪らず、誰の愛らしい唇からもたまらない嬌声が発せられるのを……ボクは何度も見て来てしまっている────。 ちかげさんが、梅梅が、りんが、ゆきのが、しのぶが、みちるさんが、みことが、ここにはいないまちも…………この全員が性的快楽に支配された顔でぱん太郎と下半身を繋げ合いながら子宮まで届いているだろうアイツのペニスで精液を注ぎ込まれているところを……………………。 またもやそんな考えを抱いてしまうボクだったが、すずとあやね以外は──と、辛うじて最後に付け加えるのを忘れなかった。全員などと付けたら、すずとあやねすら入ってしまうではないか。 ……でも、すずとあやねも、悪夢の中では同じように──容赦なくアイツの逞しいペニスを生ハメされて腰を打ち付けられるままに気持ち好さそうに喘ぎ悶える淫乱女になっていて、完全にアイツの女になっていて、今より遥かに汗だくになりながら夢中で交わり、最後はすずのヴァギナ、あやねのヴァギナ、どちらにもぱん太郎の極太肉棒が根元まで深々と突き入れられ、二人の子宮に直接浴びせかけるような膣奥射精でフィニッシュすると、長く続く射精の間に彼女たちも女の悦びを全開にしながら逝きまくり、すずも、あやねも、幸せの極地にいるような嬌声を上げながら子宮めがけて大量に注がれるアイツの子種を嬉しそうに受け取っていて────。 ──けれども、そんな事をいちいち意識していたら、とてもじゃないがまともに顔を見て話せない。何より二人に失礼じゃないか……ボクは内心必死で邪念を頭から追い払いつつ、何とか血は止まったがまだ熱の引かない鼻を抑えながら、 「あの、替えの服とかないんですか!?」 そうちかげさんに食い下がる。 しかし、彼女は困ったような笑みを浮かべ、 「あいにく今年のは特に自信作で、ぱん太郎様にもかなり気に入って貰えましたので……別衣装は用意しませんでしたの。去年のも回収して処分してしまいましたし、あるのは予備の同じものしか……それに」 と、浜辺に顔を向けた。 「もしあっても、取って帰って来る時間はもうありそうにないですの」 その視線を追うと、壇上のオババが砂浜に集まった祭り客達の前で滔々と式辞を述べているところであった。去年より動物の数がかなり増えた気がする。ボクがすず達の格好に気を取られている間に開会式は恙無く進行していたのだ。その一団の背後に見渡せる沖合は早くも茜色の空に変わり、落陽が水平線に着くまで後何個分かになっている。日が沈み切るまで残り一時間あるかどうか。祭りの開幕はもう間もなくであった。 「行人、私はこれで構わないよ。せっかくちかげちゃんが丹精込めて作ってくれたお祭り衣装だし♥」 「私もよ、行人様」 「すず、あやね……」 そうじゃなくて、ボクが目の毒なんだよ!──と、声を大にして叫びたいところであったが、去年と違って替えが効かないなら是非もなく、別の角度から動揺を抑える試みに移る。 (落ち着けボク、こうなったら致し方なし。これは今年の祭りにおけるフォーマルウェアと思うんだ。コスチュームはいわば制服、制服ならしょうがない、そう思えば耐えられる。その代わり、来年は絶対阻止しよう) ただ、それよりもっと問題なのは、こんなあられもない姿の二人をぱん太郎に見られやしないかということだ。アイツは店番などもしないようだが、あれだけ準備を手伝っておいて祭りに参加しない筈はない。となれば客側として楽しむ可能性が高く、そうなればボクたちの店の前を通り掛かることだってあるだろう。その時、二人のこの姿がぱん太郎の目に入ってしまったら──。 そうなればこのあいだと同じことが起こってもおかしくはない。 猟色家のようにぱん太郎にすずとあやねを視姦されてしまうのではないか。 半被からまろび出そうなすずの胸を。 あやねの魅力的なお尻を。 薄い細布一枚以外覆うもののない二人のアソコにだって、ケダモノめいた視線を落とすかもしれない…………! (そんなの……我慢できないぞ!!) でも、替えもない上に当人たちがこう言っているのであれば、ボクもこれ以上は強弁できない……。 (くそっ……アイツが来た時は一時的に引っ込んでもらうか……) 店裏はそれなりにスペースがあるし、さらにそのすぐ後ろには森も広がっている。祭りは森の中で行われると言っても過言ではない。夜祭りの最中、広場や路上こそ無数の提灯で明るく照らし出されるが、その外に一歩足を踏み入れれば、そこはもう暗闇に沈む草木の密集地なのだ。 (隠れてもらう場所には困らないか……アイツが通り過ぎるか店に寄ってる間だけでいいんだし……) と、ボクは何とか論理的に導き出された解決法によって安堵感を覚え、胸中の不安を掻き出すように息を吐いた。そう、その時の感情に支配されて怒りや焦りに囚われるのは容易い、こういう時ほど落ち着きを失わず冷静に思考を巡らせなければ。爺さんが良く言ってたことだ。 「なあ、もう行かないか。オババの話しもそろそろ終わりそうだぜ」 りんが大櫓聳える中央広場を指し示して促した。 「屋台や祭り囃子が出迎えないとお祭りにならないでござるからな」と、しのぶが頷く。 「今年も──楽しみましょう♥」 ちかげさんがボクらを見回しながらそう言うと、 「「「おーーー!!」」」 全員で一斉に腕を上げながら声を出した。もちろんボクもだ。去年を思い出しながら皆んなとの連帯感を久々に噛み締めると、やっと彼女たちの際どい格好に対する動揺が和らぎ、本番に臨む高揚がようやく訪れた気がした。 「お店に着いたら綿アメの作り方教えるね、あやね♥」 ボクたちの店へ向かう道すがら、すずが楽しげにそう喋りかけると、「ええ」と、あやねもにこやかに応じる。こういう見逃しそうな何気ない素振りの時、彼女の美少女ぶりが垣間見て取れる。可愛らしさではすずも、そして周りの皆んなも負けていないけれども。 「お願いするわ。難しくはないのかしら? まあ私なら楽に覚えられるでしょうけど」 「うん、あやねだってすぐに覚えられるぐらいカンタンだよ♪」 「な、何か妙にトゲがあるような言い方ね……まあいいけど……」 「それにしても、やっと始まるね。ここまですっごく長かったように感じるのは気のせいかな? もう楽しみで仕方ないよ♥」 「ええ、そうね♥」 と、白リボンの少女も青リボンの少女の弾けるような笑顔に、何ら張り合う気のない柔らかい笑顔で返した。 (……やっぱり…………) 二人や他の皆の格好をなるべく目に入れないため俯き加減に時おり目だけをちらちら動かしながら真横を歩いていたボクだったが、彼女たちのそんな弾んだ会話を耳にして祭りとは別の嬉しさを胸に味わっていた。すずとあやねが以前より打ち解けているように見えるのは錯覚じゃない。月見亭への小旅行の時よりさらに棘が取れている気がする。お互いに対抗心を持たなくなったと言うか。 あの旅行では、夕食を取ってすぐ眠気に襲われて寝てしまったのがつくづく残念だった。二人は疲れが出たのだと思ってそのまま寝かせてくれたらしい。そして、残りのご馳走に舌鼓を打ったり、さくやさんも交えておしゃべりしたり、夜の露天風呂を楽しんだりしたのだと言う。 《 ※無論、これらは全て嘘であり、月見亭旅行の際、夕餉に盛られた薬が効いて行人が眠ってしまうと、すぐに姿を現したぱん太郎の雄々しく反り返った極太肉棒と剛悍な種付け射精と言う一度箸を付けたら止まらなくなるご馳走をすずとあやねは味わいまくっていたのだ──行人もいる部屋の中で。セックスの合間に休んでいる時は談笑もしたが、後から参加したさくやと交えてしたのは主に4Pであり。 すず、あやね、さくやの三人で夜の温泉の縁に並べた尻を振ってぱん太郎にチンポのおかわりをねだり、快く応じた大男にさんざんに発情マンコを突かれまくり、止めとばかりに子宮直付け射精されまくると、行人が眠りこけている部屋までも届く嬉声合唱を綺麗な星空に響かせ、三人ともあまりに気持ち好くアクメを迎え過ぎてビクビク震えながら逝ったまま動けなくなってしまった。アソコから夜陰に映える真っ白な孕ませ汁が溢れまくる三連白滝を温泉に浸かってご機嫌でくつろぎ始めたぱん太郎に酒を呑みながら眺められたものだ。それが夜の露天風呂でのお楽しみの正体であった。こうして、一生忘れられないような旅の思い出をすずとあやねはぱん太郎と作ったのだ。 ついでに言えば、翌日の帰路で前を歩くすずとあやねの後ろ姿を見ながら少年が脳裏に描いてしまった、自分が寝ていて知らない間に、もし、ぱん太郎がやって来ていて夜通し二人を──という現実と一致していた妄想劇。不安に誘引されるように想像してしまった通り、すずとあやねはぱん太郎と気持ち好くセックスしたし、ぱん太郎の精液を膣内(なか)出しされまくった。それどころか、行人が眠っている前で彼女たちの方からも、ナカで出して、ぱん太郎様の種で孕ませて、などと何度も求めさえしていたのだ……。 つい目が行ってしまった歩く度に揺れ動く二人の臀部──その内側にある膣の中も本当にぱん太郎の精液が充満していた。そして、どちらの子宮内もぱん太郎の精子で埋め尽くされんばかりだったのである。注がれまくったぱん太郎の子種ですずとあやねが孕んでしまう、とまで妄想を進めてしまった行人だが、実際にその時の二人の少女の胎奥──すずとあやねの子宮のさらに深まったところでは、排卵していたすずの卵子、あやねの卵子に、ぱん太郎の精子が潜り込んで受精していたのだ。ただ、妊娠に至らなかっただけで。これらは第22話で語られた通りである。》 ──ともかくこれは吉兆の証だった。元より言葉にしなくとも親友として本当はお互いを思い合っている二人だが、これまでは表面上すぐに意地の張り合いを始める事が多かった。昼間に温泉に浸かっていた時にも思ったが、それが何時の間にか融和したような仲睦まじさになっているのは、今置かれている境遇──この二人だけ他の子たちとは違う立場にいるからという証左だ。つまり、村の中ですずとあやねだけがアイツと関係していない女子という別グループを形成しているのだ。 その絆が徐々に表に顕れ始めている。ぱん太郎という存在に掻き乱されてボクとの関係性が変わってゆく村の中で、今までと変わらずにこちら側にいてくれている二人の結び付きが──。 (フフ……) 「どうしたの行人様、こっちを見てニヤついたりして」 「えっ!? い、いや、何でもないよ!」 不意にこちらに振り向いたあやねが不思議そうに訊ねてきたので、慌てて大仰に首をブンブン振るボクだったが、その時にそれに気が付いた。 「あれ……?」 二人の首元。確か去年は熨斗のような紙製の首巻きをしていた気がするが、今のすず達の首には帯状のチョーカーらしきものが巻き付けられていた。白地に黒斑が点在する牛柄のような斑模様で、鎖などの金属製ではなく、革──は有り得ないので布か樹皮製あたりだろう。小さな鈴が喉元にちょこんと付きその下からDカンみたいなものが顔を出していて、何だかペット用の首輪みたいに感じられなくもなかった。歩いているため鈴が盛んに揺れ動いているが、音は聞こえて来ないので中は空洞のようだ。 ボクの視線に気付いたすずは物柔らかな笑みを浮かべて自分のチョーカーをそっと触り、 「これ?……新作の装飾品だって。ね、あやね」 「ええ、そうね」 「私、けっこう気に入ってるんだ、これ♥」 「私もよ、フフ……♥」 と、あやねもすずと同じような微笑みを湛えて頷き、二人はチョーカーを大事そうに撫でさすった。周囲を歩く他の子たちにも目をやると、さすがに機械生産ではないので斑の位置や大きさはまちまちであったが、確かに誰の首にも同じ柄と作りの首輪が付いていた。服飾の一部なのだから不思議はないが。 「似合う……かな?」 「えっ……」 顔を戻すとはにかんだようなすずの表情が飛び込んで来て、ボクは思わず頬をボッと燃やしてしまい、一瞬狼狽えてしまった。それほど可愛く魅力的に思えてしまったからだ。 (すず、前より美人になってないか…………?) そう考えずにはいられないほどに。 それに、こうして対面するとどうしても視界に入って来てしまうすずの肢体。大胆な水着のようにからだの輪郭を全てさらけ出してしまっている今年の祭り衣装を纏ったそのからだは、以前より胸やお尻などの部分の肉付きが増したと感じるのは、太ったと評価しているのではなく、より女らしく成長していると強く印象付けられているからなのだ。 「あら、私の方が似合ってるわよ。ほら、行人様♥」 あやねがそう言ったかと思うと抱きつかんばかりにずいっと寄ってきて、顎を上げて白黒チョーカーを見せつけた。ほのかに甘く匂う体臭まで嗅ぎ取れるほど近くに迫ったため、ボクは先程と同じくどきまぎとまた動揺してしまう。 「そんなことないもんね、行人!?」 「わっ!」 負けじとばかりにあやねをどかさん勢いで割り込んで来て、女子特有の甘やかな体臭がさらに加わりながら、ボクにゴムボールより柔らかい胸を押し付けて首すじを露わにするすず。 前言撤回、まだ二人とも無駄に張り合おうとしている……! フルヌードに限りなく近い半裸姿であるすずのからだ、あやねのからだ──ボクは妙に意識してしまって仕方なかった。周囲が大分暗くなってきた中でも間近で見ると彼女たちの肌のきめ細やかさやピチピチとした艶めき、肉付き具合などがよく判ってしまい、この格好のせいで本人達にその自覚がなくとも年齢以上の色香すら感じるというか、それがボクの狼狽を加速させている。首のチョーカーから下にちょっと目を落とすだけで二人の柔らかそうな乳肉と谷間さえ見ることが出来てしまう、そのさらにちょっと下にはぽつんと窪んだ可愛い臍や細い腰、丸みを帯びたお尻、女らしく肉付いている太ももなども──! 「わ、わかったから、ふ、二人とも離れて!」 叫ぶようにそう言いながら、ボクは自分の方から飛び退いてしまっていた。 「行人……?」 「行人様……?」 「あ、い、いや、ごめん」 二人が眉を落として寂しげな表情になるものだから、つい反射的に謝罪の言葉が出てしまった。「あの、その……どっちもよく似合ってるからって……言いたかったんだ、ハハ…………」 すずとあやねは顔を見合わせると、何やら目と目で会話して頷き合ってボクに向き直り、 「……ありがとう、行人」 「嬉しいですわ、行人様」 と、落ち着きを取り戻したような佇まいでニコリと笑って言ってくれた。 内心ホッと胸を撫で下ろすボクだったが、二重の意味を持つその安堵感は決して小さくないものだった。 そう、これもぱん太郎と無縁の証拠の一つじゃないか、と自分自身に心強い武器を授けるように考えるボク。アイツをパートナーに選んだ女性が他の男にこんな真似をしてくるわけがないだろう。ましてやすずとあやねはこの素朴で大らかな島で育った女の子として、男を騙すようなことなど出来る筈がない。すずは嘘をつくのが下手だし、あやねだって性根は優しく義理堅いところがある。もし、ぱん太郎がこの二人も他の子のようにセックス漬けにするぐらい籠絡していたら、やはり他の子たちのようにアイツに首ったけになってボクなど見向きもしなくなっているだろう。 ──だから、同時に自分を情けなく感じてもいた。不安に駆られるあまりアイツの影がちらついていないかと探るようにすずとあやねの様子を気にしている自分を。 この二人だけは大丈夫なのに、彼女たちが積極的にスキンシップしてきてくれるのは良い兆候で歓迎すべきことなのに……。それが嬉しくない筈がない。ボクからも仲を深めようとも決めたじゃないか。 そんなことを考えているうちに綿アメ屋に到着すると、 「あれ?」 と、ボクは小首を傾げた。昨日までは無かった筈の横板が屋台の前面下部に張ってあったのだ。上部の看板と同じ字体でわたあめと大書されている。この板によって店中と道の区切りが生まれていた。 「あ、これ? こうすればもっと綿アメ屋らしくなるかなって、りんちゃんに頼んでおいたの。ごめんね、言い忘れちゃってた。余計だったかな?」 「へえ、すずが考えたの? なかなかいいんじゃない」 彼女の発案だと判ればそれ以上追及する気は起きなかった。すずの言う通り、この方がより綿アメの屋台に見えるとも思ったからだ。腰ほどまでの高さなので品物の受け渡しにも支障はないし、出入りは脇からすればいい。待ちに待った祭りの出店なのだから、この程度ぐらい主張が加わったっていいだろう。 横から店の中に入り、ザラメや芯棒、綿アメ袋など材料が揃っているかの確認と製造容器がちゃんと動くか軽い点検を行う。 綿アメを入れる袋は去年、準備している時にどうしようかと悩んだ物の一つだった。日本なら容易に入手可能であろう、綿アメを包むためのビニール袋。作ったその場で手渡しすれば不要かも知れないが、袋があれば作り置きが可能になって店前に飾ることも出来るし、綿アメを袋から取り出す時のワクワク感を演出できるとも思ったのだ。オババに雲のように軽く柔らかいものを潰さずに包める袋がないか相談してみたところ、齢百二十を超える老婆はそんなものあるわけないじゃろと呆れたように即答した後、何か思い出したように少し考える顔つきになり、包みになるか解らないがと前置した上で、薄葉紙という極薄和紙を作れる紙漉き職人──動物であったが──がいると紹介してくれた。 極薄の紙ではどうかと言われた当初、紙袋ですら綿菓子を入れるには重く固いのではないか──という不安があったのだが、他に選択肢はなかった。この島ではプラスチックが作れない以上、ビニール製という現代社会ではどこにでもある便利過ぎる袋は手に入らないと気付かされたのはこの時だ。ボクはただ漠然と綿アメを入れるあの袋が欲しいとだけ考えていたのだが、想像より遥かに贅沢な品を求めていたのだ。 だが、村から少し離れた清流のほとりに構えられた和紙工場(こうば)に出向き事情を説明して頭を下げてお願いしたところ、昔、より薄さを追求して試行錯誤した結果、使い途もない失敗作を山程抱えてしまったことがあり、こんなのでいいならと奥から何束分も持って来て全部くれたのだ。一番上の一枚をひょいと摘み取ってみると、手指が透けるほどの薄さに驚いた思い出がある。天具帖(てんぐじょう)とも言うそうだ。何枚かを糊で繋ぎ合わせて袋状にしても信じられないほど軽かった。こうして綿アメ用の袋も確保出来るようになったのだが、正直、この袋を百枚以上も製作するのが一番苦労した。出来ればイラストも添えたかったがそこまでは無理な注文だろう。つくづくたった百年程度で生活用品すら一変した人類の文明発展というのは凄いんだな──と、思わずにはいられなかった。 各所の点検を終えて何も異常がないことが判ると、早速古い漉き紙を使って木炭に火を付ける。先ほどのすずとあやねの会話を覚えていたボクは二人に場所を譲ると後ろに下がって見守り、すずが手本を見せた直後に一発で見事な綿アメを完成させたあやねに、ボクは未だに覚束ないのに──と内心動揺しつつも、コミュニケーションを深めるべく、 「や、やっぱりあやねも料理上手なだけあるね」 と、褒めるのを忘れなかった。 「そうかしら? 棒を回すコツがいるけど、料理とも言えないぐらい簡単じゃない」 「……」 あやねの手際の良さもあって次々と出来上がる綿アメをすずと共に袋に入れて口を糸で結び、屋台横の陳列台に吊るしていると、 ワーーー………… という喚声が正面門の方で上がると共に、それを合図にしたのか背後の大広場からも祭り囃子の音が聴こえて来た。客達の入場が始まったのだろう。 祭りならではの音に挟み込まれ、いよいよという実感が否が応でも湧き上がる。 「ねえ、すず……去年、もっと楽しいお祭りにしようねって言ったの覚えてる?」 手を止めたボクからそう尋ねられると、 「え……? あっ…………」 すずは不意を打たれたようにきょとんとした後、やっと思い出したのか開いた口を手で塞ぐ。 「ハハ、忘れちゃってた? ボクは忘れてなかったよ。今年もうんと楽しい祭りにしよう」 これももっと仲を深める一環。こうした心を籠めた言葉で気持ちを伝え、絆を強めていくんだ。 「……そうだね。頑張ろ、行人♥」 「私も協力させて貰うわ」 すずとあやねと顔を見合わせて微笑みを交わす。心が通ったように彼女たちと目と目が合ったのが嬉しかった。 二人にはそのまま作る方に入って貰い、最初はボクが売り子をすることとなった。 ──真正面から見つめ合った結果、改めて確認できる二人の美少女ぶりに内心動揺しまくりだったのは内緒だ。 多種多様な祭り客──と言ってもほとんどが二足歩行する動物たちだ──が道いっぱいに広がり、ひと塊の大群のようになって早足でこちらへまっすぐ押し寄せて来るという、普通に考えれば異様過ぎる筈の光景に微苦笑しながら、「よし!」と両頬を平手でパシパシ叩きながら気合を入れる。ボクにとって二度目の海龍祭りであり──すずとあやねとの絆を深める絶好の機会となる重要なイベントがついに始まったのだ。 2 控え目な表現でも戦争が勃発したと言ってよかった。 浜辺に集まっていた群衆を見た時も思ったけれど、明らかに前回より数が増えていた。去年は確か数十ほどだったと思うが、それがざっと見積もっても百は下っていなかったのだ。開場前の客だけで、である。出だしからしてこれなのだから、後からやって来る参加者が合流するにしたがって混雑具合はさらに酷くなってゆくだろう。実際、そんなことを考えている間にも目の前の大通りはみるみるうちにごった返すようになった。 ゆっくり観察している暇もすぐに無くなった。開幕の喚声──と言うよりほとんど喊声だ──から大して時間も経たずにどこも人だかりならぬ動物だかりが生まれ、それはボク達の屋台も例外ではなく、数分とかからずにフル回転の忙しさに襲われることとなったのだ。 最初の客となった明らかに北の住民であろうガタイのごつい動物達がせっかくのすず考案の板を押し倒さんばかりに肩を並べてひしめき合って、「綿アメくれ!」「いや、こっちが先だ!」「何を! 俺が一番だったぞ!」などと鼻息荒く言い争いながら店内のすずとあやねに腕を伸ばしてクレクレと要求するものだから、 「落ち着けよ、作ったのがここにあるよ……」 と、横にいたボクが陳列台に吊るしてある袋入りの綿アメを指しながら呆れ気味に言うと、 「あ、そう?」 北の荒くれ者達は打って変わって行儀よく順番に並んでボクの手から受け取ると、苦労して作った袋を情緒もへったくれもなく破り散らし、いかつい躰でむしゃぶりつくように綿アメに口を突っ込むと、「これだ! 美味いい!」「この雲を食べてるようなフワフワ感がたまらん……!」「一年ぶりだな……待ちわびたぞ、この決闘(とき)を……!」などと各々感動し、満足そうに舌鼓を打ちながら通りの雑踏に紛れていった。 「おいおい、散らかして行くんじゃないよ、まったく……」 あーあ、と思いながら道に散乱した紙屑を拾おうとすると、後ろに控えていた次の客が待ち切れないとばかりに頂戴頂戴と求めて来て、とても掃除どころではなくなった。すぐに次の客、その次の客──と、作ったばかりの綿アメは飛ぶように捌け、陳列台が空になり順番待ちの行列が生まれるのにそう時間はかからなかった。 額に浮かんだ汗を拭いつつ、ちょっと待っててねと言いながら他の屋台に目をやると、あまりの忙しさに客側にいた母親を援軍に引っ張り込む子もちらほら見かけられた。 時間のかかる調理系は特に大変そうであった。焼きそばやお好み焼き、たこ焼き、イカ焼きなどといった鉄板系、りんご飴やチョコバナナ、団子、大判焼き、かき氷などのスイーツ系、他にもじゃがバターや焼き網を使った串餅や焼き魚、鳥肉の代わりに多彩な野菜を刺した焼串などといったのもあり、飲食物だけでも目移りして決められなくなりそうなほど幾つも種類があるが、どこも出来上がった先から客の手に渡っており、店番の子たちはひーひー言いながら絶え間なく手を動かし続けていた。こうなるとヨーヨー釣りや金魚すくい、型抜き、ゆきののお面屋などといった本番では比較的楽が出来る形式の店が羨ましくなる。その分前準備が大変ではあるのだけれど。 そう言えば、鉄板や焼き網──当たり前のようにある鉄製品だが、漂流物を手直しして使っているものもあるものの、これも苦労して生産しているようだった。鉱床を掘るほどの人手や道具はないが、磁石を用い浜辺などで集めた砂鉄をたたら炉で玉鋼に変え、そこから金物を作り出しているたたら師兼鍛冶屋がどこかにいるらしい。包丁や農具工具などが素人では手の施しようがないほど破損してしまった時は、その人の所まで行って研ぎ直しや新品の要望をするとのことだった。鉄器の需要は非常に高いため年中忙しくしているらしく、あまり村には顔を出さないとのことで、ボクは会ったことがないのだけれど。 広場の方に目をやると櫓の上に並んだ奏者の皆んなが笛太鼓を鳴らしている姿が見えた。暑い夜、喧騒に負けることなく頭上から降り注ぐ祭り囃子を聴いていると、南国にいるのを一時忘れ、まさに日本の夏祭りに参加している感覚すら湧いてくる。櫓の周りに盆踊りの輪が生まれているのも動物混みの切れ目切れ目から垣間見えた。すっかり残光が退散して銀河が彩り始めた夜空に軽妙なお囃子が調子良く登ってゆき、そのお礼とばかりに数多の星々が照明に加勢せんと煌めきを放ち始めていた。もしあの星々にも意識があるのなら、あちらから見ても珍しくこの場所が明るく光っているなどと思うのではないか。 そんな詩情的な思いを抱きながらお祭りの空気を存分に吸い、顔を地上に戻すと、 (げ…………!) 気持ち良い気分は瞬時にどこかへ吹き飛び、ボクはたちまちに眉をひそめて渋い顔になった。 先ほどの北の住民達のように人間よりも体躯が大きい動物は多いが、その中でも一際目立つ巨体が正面門の方からこちらに向かって来ていたからだ。 ──ぱん太郎。 久しぶりに見た元の姿の周りには奥さんや子供たちがいて、どうやら今日は家族と一緒のようであった。 (今まで放っておいたくせに…………) そう苦々しく思いつつも、このままでは店の前を通り過ぎるという焦りが湧く──が、幸いなことに、すずとあやねは屋台の中に引っ込んでいるし、綿アメを求める動物だかりの壁が丁度よく二人の姿を隠している。後はボクがこのまま表で目を光らせていればいいだけだ。 だが、アイツは睨み付けるボクなど眼中にないように──実際、騒がしく混み合う中で気付かなかったのかも知れない──こちらには目もくれずに通り過ぎ、そのまま家族と共にまっすぐ大広場の方へと向かっていったのだった。 「ふう…………」 肩透かしを食った気分もなくはないけれども、ともかくボクは安堵の溜め息をついた。家族がいるならば女へ手を出せない筈だ。まさか奥さんや子供たちの前でおかしな真似も出来ないだろう。 (ひとまず……今日は大丈夫、ってところかな…………) もちろん油断は禁物だが、少なくとも祭りの間は常にすずとあやねの近くにいられるだろうし、むしろ普段よりも安心とさえ考えられるかも知れない。西の見廻りの代役を任された現在、日中はすずとも一緒にいられないことの方が当たり前になっているし……。無論、彼女のことは信じている。それに、今は女の方からぱん太郎の屋敷へ赴くようになったためにアイツ自身はあまり出歩かなくなったらしく、必然、外ですずとぱん太郎が鉢合わせするという偶然も極めて起こりにくくなったということで、以前よりは不安も軽減されたが。それに何より、帰宅すればいつも変わらずにボクを待ってくれているのだ、すずは──梅梅などの赤ちゃんの面倒を見るための泊りがけが多くなったり、仕事が長引いて遅くなったりする時もあるけれど、それ以外の日はちゃんと家にいる。変わった様子もなく明るく楽しそうにボクに笑いかけてきてくれるすず。 ようやく行列が途切れると、手を休める暇もなく綿アメ作りに掛かりっきりだった二人は、 「疲れたよ~!」 「初めたてでいきなりあの数は、さすがにキツかったわ……」 と、どちらも衿を摘んでパタパタさせながら汗の溜まった胸から熱気を逃がす。綿アメを作る手元を明るくするために屋台内にも提灯が吊るされているのだが、ただでさえ半裸以上に露わになっている柔肌が大量の汗によって照り返り、丸みとくびれが美事な調和を生み出している女体の輪郭、胸元も少し隙間が生まれるだけで乳首が見えそうで、いかな自制心を強く振るっているボクでも二人のからだを意識せずにはいられなかった。会場入りする直前に密着された時も思ったが、すずとあやねのからだは以前よりだいぶ育ってきていて、女の色香すらボクは感じ取るようになってしまっているのかも知れない。 そんないやらしい目で見るなんて、ボクもぱん太郎のことをとやかく言えないじゃないか──という心中の動揺を何とかひた隠しにして彼女たちの肢体をなるべく視野に入れないように努め、 多少どもりながら、 「お、お疲れ様、そろそろ交代しようか」 「そうだね♥」 「売り子がてら、少し休ませて貰うわね」 店の内外を入れ替わると、ボクは深呼吸を繰り返して平静を取り戻し、製造容器の前に立つ。とんかつが手助けしてくれるようで、ザラメを熱する缶を吊るす梁の上でぷーぷーと跳ねる。先ほどもハンドルに乗って器用に回していたものだ。 「お、とんかつありがと、助かるよ」 今日のアイツが家族連れでありこちらに気を回しもしなかったこと、すずとあやねの傍に居続けられることがボクを元気付けたのかも知れない。久々に気構えに大きな張りを感じた。 (余計な事を考え過ぎないようにしないとな。二人を少し休ませないとだし、ボク一人でやるなら尚更だ。初めてだったあやねよりも上手く作れるようにならないと、格好がつかないぞ……) と、腕まくりをして芯棒を摘み、「よーし、やるぞ!」と、とんかつにハンドルを回して貰いながら早速綿アメ作りに取り掛かった。 一年ぶりの一本目は今にも消え入りそうな萎(しな)びた霊魂としか言い表せないような見るも無惨な代物になってしまったが、自分自身が入道雲オバケになった去年よりは遥かにマシだと思い直し、店先に立って楽しそうにおしゃべりをする二人の背中を時折微笑ましく目を向けながら、もう一本、また一本と、芯棒をくるくると回し、早く客に出して恥ずかしくない形のものを作らねばと徐々に余念を無くして手先の作業に集中してゆく。 だが、それこそが油断であった。 時々すずとあやねが隣まで来て励ましてくれたり助力してくれた甲斐もあってか、何とか十に七、八は整っていると言えるほどの完成度になり、自分が作った綿アメが客に渡って美味しそうに食べるのを見ると嬉しさと楽しさが加わり、容器内で大きくなってゆく綿雲に目を落とし続け、いよいよボクは作業に熱中し始めていた。 そんな時だった。 「「いらっしゃいませ~~~!!」」 店の外ですずとあやねが突然ひときわ大きな歓待の声を張り上げたので、思わずびっくりして頭を持ち上げると、 「ああっ…………!」 ボクは我を忘れて狼狽え仰け反ってしまい、(しまった……!)と、心の中で自分の迂闊さを呪った。 綿アメを綺麗な形に仕上げようと悪戦苦闘しているうちについ没頭してしまって、周囲に目を光らせるのを忘れていた。 いつの間にか──ぱん太郎が店前に立っていたのだ。 先ほどコイツが通り過ぎてからどれぐらいの時間が経っただろうか。三十分? 一時間? 一度姿が見えなくなったからと言ってまた戻って来ない保証はなかったのに……。 (くそっ……) すずとあやねは店先にいて、まさに今、アイツの眼前で半裸同然のあられもない格好を──ぱん太郎にだけは見せたくない姿を晒しているところであった。 ただ、ぱん太郎はパンダの姿に戻ったままであり、奥さんと子供たちも勢揃いしていた。 焦燥感が生まれなかったわけではなかったけれど、家族の前で変な真似は出来ない筈──と、僅かながらの救いに一片の安堵を覚えずにはいられなかった。 「あら、元の姿に戻ったんですのね」 「なんか新鮮かも♥」 と、ぱん太郎を見上げながらお愛想を言うあやねとすず──気にし過ぎかも知れないけれど、やけに親しげで機嫌良すぎるようにも思えた。こんな奴に対してそんな屈託ない笑顔を向けるのは止めてくれ──そう思わずにはいられなかったが、口にはしなかった。そこまで指図するのもおかしいという自省心が働いたからだ。 「綿アメだー!」「食べたい食べたい!」「ちょうだーい!」 八匹もいる子パンダたちは屋台を取り囲むように製造容器の中を覗き込んで来たが、「こっちにあるわよー」と、横の陳列台からあやねが声を掛けると彼らはそちらへすっ飛んで行き、上下に何列も吊るされた袋入りの綿アメにわいわいと群がり、すずとあやねは優しい笑顔で子供たちの対応に当たった。 すると、ぱん太郎が仕切り板のすぐ前まで来て、ボクを見下ろしたのである。 「今日は久々に家族さーびすの日のん。タンシンフニン? ってやつで普段会えてないからさ」 「……」 ボクは顔を向けずに無視して相手にせず、新しい芯棒を製造機の中に突っ込んでハンドルを回し、手元を見ながら作業を再開する。とんかつは休憩していた。 (何を気安く話しかけてきてるんだコイツ……単身赴任だと? 調子に乗りやがって…………) 「これ、子供たちが今年もあるって知ったら喜んでた、早く食べたいって楽しみにしてたよ」 「……あっそ…………」 「ん~?」首を傾げるような仕草をするぱん太郎。つぶらな瞳のパンダの姿でやられると愛嬌を感じてしまうほどだ。 「つれないねえ、行人クン。島にたった二人しかいないニンゲンの男同士、仲良くしようよ♥」 「お前は違うだろ…………」 ボクは一旦手を止めてぱん太郎を睨み上げると、皮肉たっぷりに言い返した。 「今だって元に戻ってるじゃないか。人間とは言えないよな」 「ははは。でもまあ、そういうことなら」 そう言ってぱん太郎は店の横を通って裏手に広がっている夜の森の闇の中へ足を踏み入れたかと思うと、すぐに引き返して来た──いつもの相撲取りのような羽織と袴を着た大男の姿で。パンダの時より一回りも二回りも縮んだとは言え、人間としては十分過ぎるほどの巨体。 「この方が話しやすいかな? ほら、村に来てからまともに会話したことないじゃん。取っ掛かりと言うかさ」 と、再び店の前に立ちながらまたボクを見下ろすぱん太郎。つぶらな瞳と丸々とした愛嬌顔が元の姿を彷彿とさせるが、ボクにとっては憎たらしくてたまらない面構えであった。世界で一番目の前に居て欲しくない男。こうして間近で観察することが出来ても美男子とは程遠い容貌と体躯としか思えず、村じゅうの女を虜にする要素が何処にあるのか皆目見当が付かない。 また、ぱん太郎の口調はやけに馴れ馴れしく軽薄で、どこか癇に障る物言いに感じられてならなかった。それに昔はのんのんと語尾に付ける独特の言葉遣いをしていたが、今聞くとなんだか普通に喋っているような……。 意識して避けているため顔を合わせること自体ほとんど無かったから、こうしてコイツと言葉を交わすのは数ヶ月ぶりだろうか。直近はあやねとデートした日であった。雨宿りに入った廃屋で行為中だったぱん太郎に出くわしてしまった事があるのだ。相手の女性の上体に掛け蒲団を被せ誰だか分からないようにして、そのくせ繋がった下半身は丸見えにしてがばりと開き、アイツの巨根を根元まで咥え込んでぬるぬると滑らかに出入りする、アイツとその女性が一つになった結合部を見せつけて来て。その場にはあやねもいたというのに。首から上が隠れていてもその女性がアイツのペニスで明らかに感じまくっているのは、快感に奮えるからだの反応でボクでも判るぐらいだった……。ボクも知っている人だったらしいが、ほんの一年足らずで村の住人とはほぼ全員顔見知りになった狭い社会なのだから何のヒントにもなっていなかった。その女性もアイツとのセックスに病みつきになっていて、あまりにも気持ち好いから梅梅よりも中出ししているぐらいなどとぱん太郎は宣(のたま)って──コイツはそうやってボクの反応を楽しんでいたのだ。実に不快な態度であった。 (そういえば、あの時も途中から意識が無くなったんだよな…………) 感情を激しく乱されたあまりボクは卒倒してしまったらしく、気付けばその廃屋で朝を迎えたのだ。我ながら情けない話だった。ぱん太郎と謎の女性はボクが倒れたのに驚いてすぐ立ち去り、後はあやねが介抱してくれたとのことで感謝の言葉もなかった。 「一人が二人に増えても圧倒的に少ないわけじゃん。女はこんなに大勢いるにさ……」 と、ぱん太郎は周囲を見回して、すずとあやねだけでなく他の屋台で働いている子たちや客として楽しんでいる子、母親たちなども見やった。ぱん太郎の視線に気付いた女性たちは嬉しそうに手を振り返したりしたが、近くにいる奥さんを憚っているのか近寄っては来なかった。 「ボクらの仕事は大変だよ。たった二人しかいないニンゲンの男同士で喧嘩してる場合じゃないって思うけどねえ。キミとは是非とも解り合いたいなあ♥」 (ボクらの仕事だって? ふざけるな────) まさか子作りが──女と乳繰り合うことが仕事だと正気で言っているのか……お前の慾望のままの振る舞いに勝手にこちらを巻き込むんじゃないと内心憤慨し、ボクはその感情を隠すことなくさらに眉間に皺を寄せた。 「生憎とこっちは分かり合いたいとはちっとも思ってないからな!」 と、吐き捨てるように言う。 「なんで?」 「なんでって──」 ボクは綿アメから袋を取って嬉しそうにパクつく子供たちとその様子を見守っている奥さんに目をやった。「堂々と浮気しまくってるくせに家族サービスとはいいご身分ってことだよ!」──ニヤけている顔面を殴りつけるようにそんな言葉をぶち当ててやりたかった。実際、喉元まで出かかった。誰が何と言おうが、奥さんにとってはこれは浮気だ。 だが、その家族がいる所で、罪のない子供たちが楽しそうにしている所で、せっかくのお祭りの空気を台無しにするような発言はしたくなかった。ボクとしては喧嘩に発展してもいい──むしろそうしたいぐらいだったが、代理とは言え取り締まる側のボクが問題を起こしてどうする、という冷静な判断もまだ失ってはいなかった。 なんでボクがコイツのためにそこまで配慮しなくちゃならないんだ、という忌々しい気持ちを反面抱きながら──。 その時、 「あら、人間の姿になったんですね」 「ぱン──何を話してるの行人?」 と、子供達と奥さんに綿アメを渡し終えたすずとあやねが戻って来た。 「男同士の会話ってやつかしら」 「なにそれ?」 駄目だこっちに来るんじゃない、でも近くに家族がいるから大丈夫か──などという心中の葛藤もあらばこそ、二人がごく自然な動きでぱん太郎の左右手前にそれぞれすっと立ったので、 「…………」 ボクは口を半開きにしたまま言葉を忘れ、その構図をまじまじと見つめてしまった。 製造器と板張りを挟んで店の内側に独りいるボク。外ではくっつくほど躰を寄り添わせたすず、あやね、ぱん太郎……。その近さと大小はまるで主人と侍っている側女のような印象を抱せるのに十分で、すずとあやねは祭りの熱気に当てられたかのように頬を紅潮させ、まったく気にしていないと言うか気付いてすらいない様子でニコニコと機嫌良い笑顔をボクに向けている──。 一瞬、まるですずとあやねとぱん太郎の三人が目に見えない緊密な糸で結ばれているような錯覚に陥り、慌ててブンブンと頭を強く振ってその幻想を追い払う。 (だから二人とも、男に対しての警戒心が無さ過ぎなんだよ!) ぱん太郎でなくとも誰にだってこのように屈託なく振る舞うのがこの島の女の子たちだ。例え異性の前で全裸になっても平気なんだから──コイツが特別ってわけじゃないんだ。 「東のぬし様、今日は家族さーびすですって」 「さっき聞いたよ……」 「偉いと思わない、行人?」 「偉い…………? 本当に偉い父親は、普段から子供を放ったらかしにしないよ。自分の都合の良い時だけ相手するとか、全然偉くなんてないさ」 ボクは頭の片隅に自分の父親の姿を思い描きながらぱん太郎の顔をジト目で見上げ、相変わらず何を考えているのか分からない澄ました表情に舌打ちをしながら、陳列台の前で母親と一緒に美味しそうに綿アメに口を付けている子供パンダたちに横目を送った。 その視線を追うように家族の方へ顔を向けたぱん太郎は、 「こーらお前たち、そうやって大勢で道で固まって食べてると他の客の邪魔だぞ」 「あ、とーちゃんまたヒトになってる」 「いいから、座れる場所があっちにあるから」 いかにも父親ぶった台詞を吐き、道を挟んだ向かい側の少し離れた場所にある縁台の並べられた休憩スペースを指し示し、それに従って動物混みの中を掻い潜って行く家族を見送ると、 「……で、何だっけ?」と、ボクに顔を戻す。 「何だも何もないよ。こっちにはお前と仲良くする気なんて更々ないってことだ。家族サービスの最中なんだろ? お前もあっち行けよ」 「とは言っても、ボクもまだ当分この村から離れることは出来ないしねえ……今後もこうやって顔を合わせる機会もあるかも知れないし、キミとの間に蟠(わだかま)りがあるなら解消したいと思ってるんだよ。少なくとも、普通にこうして会話できるぐらいにはさ。問題になっても困るしね♥」 ボクはジットリとした半眼でぱん太郎を睨み上げた。 「……ホント……色々変わったな、お前…………昔とはまったく違うぞ………………」 「よく言われる♥ 沢山の女と接する生活になったからかな? それとも、人間になってる方が長くなった影響かな? 人間の姿でヤるコトが多すぎて、全然戻ってなかったしねえ♥」 「…………」 巫山戯るなと思いつつも、その瞬間、ボクは迷った。『本人に直接聞いてしまおうか──』『探ってるのがバレたら逆に警戒されて──』『絶対に真相は喋らんだろうな──』からあげさん達の言葉が脳裏に蘇る。 すずとあやねに目をやる。依然ぱん太郎の傍にいて微笑みを湛えながら静かに会話を聞いていた二人は、ボクと目を合わせるとさらに笑みを深めた。 ぱん太郎より二人の方が顔が近いため、真昼の明るさに劣らないぐらい会場を照らし出している祭り提灯の光りを反射して彼女たちの瞳がキラキラと輝き、美少女ぶりを遺憾なく発揮する様がはっきりと確認でき、ボクはドキッとして思わず紅い唇や汗の光る胸の膨らみなどに吸い寄せられるように目が行ってしまった。 (何だろう……すごく綺麗に感じる────) すぐにハッとし、狼狽え気味に視線を外してしまったけれども。 この二人までコイツのおぞましいほどの性慾の捌け口にしてはいけないんだ──こんな奴とあんな理性を喪ったようなセックスをする仲に──ゴムも付けずに性器を繋ぎ合わせ、あんな大量の濃厚ザーメンが、この二人の……すずとあやねの膣内(なか)にも出されまくる仲に──と、またもや二人が──この祭り衣装を着たすずとあやねがぱん太郎のあの巨根に突かれまくり、快楽に堕ちた表情でドロドロに絡み合いながら濃厚な子作りセックスをする妄想を脳裏に浮かべそうになって慌てて思考を戻し、今、この時がチャンスだと決断すると、思い切って直球を投げ掛けてみることにした。 「……確か、まだ妖怪になれる年齢じゃないって聞いたけど。どうやって人間に変化できるようになったんだ?」 「ん~?」 少し間が空いた後、思考や感情の読み辛い呑気な表情でボクを見返していたぱん太郎は、それまで動かしていなかった腕を上げ、人差し指で口を塞ぐ仕草をした。 「それは────ヒ・ミ・ツ♥」 と、その腕はすぐに降ろされ、すずの背後に隠れた。 「ふーん……ま、いいけどさ」 やっぱりか、と内心落胆したが、でも──ボクは一筋の光明を覗けた気がした。秘密にするからにはばれたら困る事情があるわけだ。つまり、他者がコイツの変化の力をどうにか出来る余地があるかも知れない……という事だ。ぱん太郎はその恐れを抱いているから明かしたくない、そういう心理──。無論、ただの天邪鬼の可能性も否定できない。けれども、心の動きとしては前者の方が強いのではないだろうか。 「ともかく、家族の前で父親面したいなら、もっと父親らしく振る舞えよ。他の女にうつつを抜かしてる男が奥さんや子供に顔向けできるのかよ」 「手厳しいね♥ けど、それはお子様の言い分かな。父親は父親で大変だし、それに事情が事情だからねえ」 「はっ! よく言うぜ……」 「うーん……。キミって真面目そうに見えるけど、全然大人じゃないね」 「なんだと……!?」 ボクはギリッ歯を噛み締めながらぱん太郎への視線をさらにきつく細めた。 「ゴメンゴメン、言い過ぎたなら謝るよ。けど、キミもやけに突っ掛かって来るしお相子でしょ。まあでも、ボクのこともちょっとは認めてくれてもいいんじゃないかな~って……思うんだよねえ。これでも毎日頑張っておシゴトしてるし。偏見を捨てて欲しいんだよなあ」 「だからっ……! お前の言う仕事は仕事じゃないって……!」 「そうかなあ。世の中色んな仕事があると思うけどねえ」 確かに社会を見渡せばこんな職業もあるのか──と驚いてしまうような特殊な分野もあるだろう。けれども、子作りは自然の営みの一つであって仕事とは呼べないだろう。少なくとも生業とは言えない筈だ。 「それにこれは、そもそも村側から頼まれたコトだし。ボクは村人たちの期待に応え、彼らはそんなボクの働きぶりを認めてる。認めてないのはキミぐらいじゃないかな? キミだけが異論を唱えても、逆に肩身の狭い思いをしない? ボクは行人クンが孤立しちゃわないかが心配なんだよ」 「はあぁ? そりゃどうも。でも、もしボクの立場が悪くなったとしても、お前にとっちゃ好都合だろ?」 「そんなことないよ。さっきも言ったけど、ボクはキミとも仲良くしたいんだから♪」 「こっちも再度言うぜ、ちっとも仲良くしたかないよ。お前みたいな問題だらけの奴なんかとさ」 「問題? ボクに何か問題があるのかな?」 「女遊び三昧で公序良俗を蔑ろにしてるだろ。十分に問題過ぎる」 「コージョリョージョク? 皇女凌辱?」 「公、序、良、俗! 風紀を著しく乱してるってことだよ!」 「フーキ?」 「ああもう……!」ボクは頭を掻いた。ペースを乱されまくりだ。「何と言い繕おうが毎日女を集めて遊んでるだけだろ、要するに今のお前は! そんなのはとても仕事とは呼べない。女の人たちだってちゃんと他に仕事を持ってるだろ」 「とは言っても、こっちはたった一人、あっちは沢山いるからねえ……現実的に働く時間が取れないんだけど。そこが問題なんだよ。だから背に腹は代えられないってことで、臨時で西のぬしに東の森を任せてもいるし。キミの言ってることは村の事情を考えない的外れな意見にしか聞こえないなあ」 「いや、至極まともな意見さ。まともに生きてこそ社会は正しく健全に成り立つんだ。お前のやってることはまともじゃない。いずれ…………」 いずれ皆んなや皆んなの暮らしに悪影響が出る、と言いかけて、その兆候が今のところまったく見られていない事実を思い出し、言葉尻が窄(すぼ)み消えてしまった。 「そうかなあ? まともな状態じゃなかったこの村をまともに戻すべくボクにお呼びが掛かったんだと思うけどなあ。他に良い方法があるなら教えて欲しいぐらいだよ」 「くっ……ああ言えばこう言う…………!」苛ついて歯ぎしりをギリギリ強めてしまうボク。喧嘩に血気を回さなくなった分、舌が回るようになりでもしたのかコイツは。「じゃあ、関係を持った女性たち全員の責任を取れるのか? 新しく生まれた子供たちの面倒は? 父親としての務めは? お前には元からの家族だっているのに。ボクの言ってることはそんなにおかしいことか?」 「うーん」 と、ぱん太郎は一旦口を閉ざし、顎を引いた顔をしかめて黙り込んでしまった。困ったような表情にも見える。 「なんだよ。図星を指されて困ったか」 「いや、そうじゃなくてね……。キミの主張って……一見まともそうだけど、なーんかズレてるって言うかさ……」 「はああ? どこがだよ!?」 「それはねえ……自分を当事者と思ってないところかな」 「……へ?」 「まるで自分は村とは関係ない赤の他人です、みたいな、遠いところにいるような話し方するじゃん?」 「……な、なんだと…………?」 ボクは虚を突かれたような動揺を覚えずにはいられなかった。 「だってさ、キミももう村の一員なんでしょ? まだお客人ってわけじゃないよね? さんざん世話になってるよね? この村の問題は我が事のように考えるのが当然なのに……なのに、コージョだのリョージョクだの、父親がどうだの、気にしてるトコロが皆んなと違うよね。ズレてるなあって。無関係な部外者って綺麗事が言えるけど、まさにそんな感じ。 いやあ、余所から来た行人クンにとって、この村の存亡なんて所詮は他人事なんだねえ。 その点、ボクも余所者だったけど、キミと違って真摯に取り組んでるよ♥」 「そッ…………!!」 パンダ時のぱん太郎の重い拳の一撃をまともに喰らって吹っ飛ばされたような衝撃的な感覚に襲われ、返す言葉が出なかった。今度はボクが黙り込む番であった。 「問題がないわけじゃないのはボクも承知してる。けど、問題を解決しようとして別の問題が持ち上がるってのはよくあることでしょ。現実にある問題は綺麗な物を綺麗に並べて理想通り鮮やかに問題なく解決なんて出来やしない。そんなのはそもそも問題にならないよね。本当に問題にすべきなのは、自分に出来る事をしながら起こる問題を乗り越えていって目的が果たせるかってトコロじゃないの」 「…………」 「キミと仲良くしたい理由、少しは解ってきてくれたかな。ボクはこの村を立て直したいのさ。まともに、正常に戻したいんだよ。皆んなと協力してこの村の問題を解決したいだけ♥ だから、行人クンの協力も欲しいな~って思ってるんだ♥」 (くそっ……コイツ………………!!) 悔しくもボクは目を伏せてしまい、止まっている容器の中で所在なさげに佇んでいる作りかけの綿アメを見つめながら、反論のための言葉を頭の中で探し回った。だが、上手い切り返しが見当たらない。どう言おうがこれ以上話すと明確な綻びが出て来てしまいそうだった。 (こんなに口が使える奴だったか…………?) ぱん太郎の言っていることは、上辺では非理はないように思えてしまう。だけれど、ボクの主張も間違ってはいない筈だし、こんなニヤつきながら口にしている言葉に真実の重みが含まれているだろうか。舌先三寸ではないか。コイツの言ってることこそ綺麗事のように聞こえてならない。 でも──打ち込めない。これ以上足が進められない。踏み込めない。奴の理論武装を突き崩せる感じがしない。 「あれ、今度はそっちが黙っちゃったね。まあいいや、ひとまず置いといてぇ…………」 言葉尻の口調が変わったので顔を上げると、ずっとぱん太郎に寄り添い続けたままボクたちの会話に耳を傾けていたすずとあやねをアイツは見下ろすところであった。ボクらの口論を聞いていたのかいないのか、終始黙っていた二人はニコニコとした機嫌良さそうな微笑みを崩さずに大男を見上げ返す。 目を合わすすずとぱん太郎、あやねとぱん太郎。何だか二人の目は潤んでいるようにも見えて── 「……このコたち可愛いね。紹介してくれない?」 「ッッ!!!!」 ぎょっとするあまりボクは化石になったように硬化してしまう。 数瞬の後、やっと口を開くことが出来た。 「…………絶ッ対に駄目だ」自分でも初めて聞くほど低い声だった。怒りが頂点を越えて頭がひんやりと冷たくなるのを感じながら、真剣の切っ先のように鋭利に削られた氷柱のごとき視線で刺し殺さんばかりにぱん太郎を睨めつける。これが殺意というものだろうか。「さっきから何度も言ってるだろうが。お前の女遊びは度を越しているのは間違いない。これ以上無節操に手を広げるようなら…………」 「おーこわいこわい。なかなか歩み寄れないねえ」 「何とでも言え、いいか、この二人にまで手を出したら……絶対に許さないからな」 「それってキミが決めること?」 「────ッ!?」 「ま、いっか♥」 ぱん太郎はボクの怒気を受け流すようにあっさり引き下がると、すずとあやねを交互に見下ろした。 「さて、ボクも綿アメ貰おうかな♥」 「……はい……私が選んで差し上げますわ」 「ん……ずるいあやね、私が選ぼうと思ってたのに……」 「えぇ……この程度でずるいって……あんたねえ」 「ハハ、それじゃ2つ貰うよ」 「構わないかしら行人様?」 「いいよね行人?」 「え……? あ……う、うん…………」 静かに怒り狂っているボクが滑稽なピエロに思えるほどの陽気さで陳列台の前に移動した三人は、食べ終えたのかちょうど戻って来た子供たちに後ろを囲まれて一緒にキャイキャイと騒ぎながら、やはりカラダとカラダが触れ合うぐらいの近さで楽しそうに喋り、ボクは半ば唖然とした面持ちでその光景を眺めた。年に一度の特別な祭りなのだから、すずとあやねが浮かれる程上機嫌なのはまだ理解できる。でも、いつもあれだけぱん太郎は要注意人物だから気を許さないでと口を酸っぱくして言っているのに、目の前で舌鋒を戦わせていたというのに、これは…………。 (こんなに……すずとあやねの態度も変わるほど……ぱん太郎の評価は上がってる……ってことなのか…………?) 動物たちを除けば人口たった数十名の村という極々狭い世界の評判で、しかもそんな小さな社会の世論形成の核となっているのはアイツに籠絡された女性たちだろう。彼女たちはすずとあやねの知人友人であり、毎日のように直接話す相手ばかりだ。異口同音にアイツを肯定する言葉を何度も耳にしていれば、いくらボクが注意喚起しても警戒のハードルが下がってしまうのかも知れない。 それに、育った環境があまりにも違う故のどうしようもない意識の差異。すずから見たからあげさんやしまとらさんはともかくとして、基本的に村の人間にとって各森のぬしというのは敬うべき存在というのが認識の根底にある。この島のしきたりの中に村人達もいる。東と北のぬしに対してもおっかない、怖いと言ったイメージはあるにしろ、それでもすずもあやねも以前から一定の敬意は持っていた様子だった。 けれども、ぬしである前に一個の男──しかも異常性欲の持ち主、何十人もの女に見境なく手を付けて、異性を性慾の対象としか見ていない男の風上にも置けない奴……というのがどうして理解出来ないのだろう。女として男をそういう尺度で計れないのか……。 (計れる……わけないか…………) それもまたこの島故の特殊な環境だった。ボクが来るまでは男性絶無の状況が十年以上も続き、娘世代は異性に対する警戒や免疫など一切存在しなかった世界だったのだから。男が当たり前にいる本土の女性とはまるで考え方が違うのだ。 (じゃあ……どうすればいいんだ…………) 会話をしながらぱん太郎の視線が遠慮なくすずとあやねの半裸同然の祭り衣装姿に注がれている。あんな腕や脚はおろか胸もお腹もお尻もほぼ全露出していると言っていい二人のからだを……! 周りには子供たちがいるし、さらにその後ろには奥さんが控えている。アイツが変な気を起こしたくても起こせない状況だから、ボクはまだ何とか辛うじて怒りを爆発させずに既(すんで)の所で我慢していられるのだ。 紹介してと言うぐらいなのだから先日楽しそうに喋っていた二人を覚えていなかったらしいが、こうして触れ合う機会が増えれば増えるほど、アイツがすずとあやねを認知する可能性は高まるだろう。これぐらい気兼ねなく談笑するほどなのだから、もう顔は覚えていたっておかしくはない……。 煩慮(はんりょ)は募るばかりであった。どうすればあの股間で物を言わす男からすずとあやねの身を守れるのか──そう考えると気が滅入ってくる。 結局のところ、この思考が辿り着くのは…………。 その時。 (……!!??) ほんの一瞬の出来事だった。 ぱん太郎の手があやねのお尻に伸びていて、丸出しの尻肉を撫で回すような仕草をしているのを目にした気がしたのだ。 屋台の中からなので視界が狭められていて、三人の後ろを半円状に囲んでいるぱん太郎の子供たちの躰の動きも重なってすぐ隠れてしまった上に他の祭り客の往来も激しく、また数多くの提灯が作り出す明るさも濃い陰影を生んでいて──とにかく邪魔な要素が多すぎてはっきり見た確信は持てなかった。ボク自身も考え事に気を取られていた。奥さんに目を向けてみたが、子供たちの後ろに控えている彼女の位置からは死角になっているようだった。子供たちの身長はボクらより少し低い程度だったが横幅があり数も多く、すずとあやねは首から上しか出ていない。でも、ぱん太郎と楽しげに喋っているその表情にさっきからおかしな変化はなく、それどころか益々笑みが増しているような気すらしたが──。 (錯覚……だったのか……?) が── 「ッ!!」 また子供たちが動いて隙間が生まれたかと思うと、今度はすずがやはり同じように尻を触られているようにぱん太郎の腕が重なって見えたのだ。それもやはり半秒すら経たずに子供やお祭り客の躰が重なり隠れてしまって確実な判別は出来なかったが。 ボクはもう堪らず屋台を飛び出し、「すず! あやね!」と声をかけながら子供たちの間を半ば掻き分けるように割って入っていった。 「どうしたの行人?」 「行人様?」 キョトンとして何事も無かったかのように振り向くすずとあやね。 ぱん太郎の腕はぶらんとまっすぐ垂れ下がっていた──いや、元の位置に戻したのかどうかすら分からない。 「え……いや、今……何か……変なことされてなかった……?」 「変なこと……?」 「何かされた、すず?」 「ううん」 二人は不思議そうに小首を傾げる。その様子におかしなところは見受けられなかった。たとえ男に触られる抵抗感がなくとも、ぱん太郎に悪戯された事実があったなら二人とも教えてくれる筈だ。 (見間違い…………?) 「それより、男同士の長話してる間に子供たちや奥さんが綿アメ全部食べちゃったみたいなの。もう一つ欲しいみたいだから、あげてもいいかしら?」 「え、あ、ああ、ザラメはまだ沢山あるから構わないけど……」 「「「「やったーーー!」」」」 子供パンダたちは大喜びし、すずとあやねの手から二つ目の綿アメを貰って小躍りした。 ボクはエヘンエヘンと誤魔化すように咳払いすると、 「あー、ほ、ほら、ボクも長話してたけど、すず達もけっこう長く話してたし……お客さんは他にも来るだろうから、そろそろ……」 「あ、うん……」「そうね……」 顔を見合わせたすずとあやねは、次いでアイツを見上げた。 そのぱん太郎はボクに視線を送りながら、 「まー行人クンの言うコトにも一理あるね、ぼちぼち退散するかな」 と肩を竦めると、二人に向いて明らかに口調を変え、 「ありがとね、すずちゃん、あやねちゃん♥」 そう言うと、見上げ返しているために晒されている二人の喉元に何気ない調子で手を近づけ、あやね、次にすずのチョーカーや木鈴を指先で触れるようにつうーっと撫でたのだ。 (────ッッ!!) 「どっちも似合ってるよ♥」 「有難うございます♥」 「またいつでもどうぞ♥」 二人の名前を知っていたという驚きも加わり、ボクは頭が白蝋化してしまった──衝撃を受けたように身を固くしたボクの気など知らず、すずとあやねは上機嫌でぱん太郎に弾んだ返事をする。 だから、そんな天使のように可愛い笑顔をコイツに向けないでくれ……! すずとあやねがそれぞれ選んだ綿アメを両手に持って歩き出したぱん太郎は、人間姿のまま家族と一緒に美味しそうに食べながら和気藹々と立ち去ってゆき、特に二人を後顧することもなくその巨躯は雑踏の向こうに消えた。 「……二人とも、アイツと仲良く喋り過ぎだよ…………」 脅威が遠ざかった安堵感に胸を撫で下ろしながらもボクは苦言を呈するようにそう告げたが、 「そうかしら? お客様として普通に対応したつもりだけど」 「行人、ちょっと気にしすぎじゃない?」 と、二人はアイツに触られた鈴を弄り弄り呑気そうに返して来たものであった。 「いやいやいや何度も言ってるけどさ、油断大敵だよ。アイツは──」 「もう、行人ったらそればっかり」困ったように微笑むすず。「せっかくのお祭りなんだから……もっと楽しもうよ」 「その通りよ。さっきから行人様はつまらなさそうな顔をしてるわ。こんなに」 と、あやねは周囲を見回した。道は人よりも遥かに多い動物でごったがえし、どの店の前にも多くの客が立ち並び、行列が途絶えていないところも何箇所もあった。そんな喧々たる往来の賑やかさに負けない祭り囃子が聴こえて来る大広場では、やはり沢山の動物や人が幾重もの輪を作って盆踊りを楽しんでおり、夜空には花火が時折り打ち上がってボクらの頭上を彩る。祭り会場は日中のような明るさと活気であったがとっくに夜半を迎えており、普段ならそろそろ布団を敷いてもおかしくない時刻に入っているだろうが、皆、見てるこちらも楽しくなって来るような晴れやかな笑顔や浮き浮きとした様子であり、海龍祭もたけなわと言ったところであった。 「大盛況で皆んな楽しんでくれてるのに。今年は例年以上の大入りね」 「頑張って準備した甲斐があったね」 「う、うん……」 ……確かに二人の言い分は正しかった。 ボクはすずとあやねがぱん太郎の毒牙に掛からないかばかり気を揉んでいて、それしか頭にないことに今更ながら気付いた。今は年に一度の特別な祭事の真っ最中であることが頭から抜け落ちているのではないか。すず達はこの日を心待ちにしていたのだ。お祭り気分という言葉があるが、今こそその心境に浸る時であって、陰々滅々とネガティブなことばかり考えてまるで楽しもうとしていないボクは傍から見ればどう映っているか。どころか、すずとあやねの気分にも水を差そうとしてはいないか。 始まりの時、ボクからすずに言った言葉じゃないか。うんと楽しもうと──。 (とは言っても……この気持ちは簡単には切り替えられそうにないけど…………) ──ともかく、ぱん太郎はもう行ってしまった。2つも食べれば十分な筈、綿アメ目的でまた戻って来ることはないだろう。家族と一緒なのだから下手なちょっかいを掛けてくることもない、二人の傍にもずっといられる。それらの事実を忘れないようにしなければ。釘も刺しといた。少なくとも今日一日は大丈夫、そう判断したじゃないか。 そんなことを考えていると、あやねが突然、ボクの腕を搦め捕るようにしてからだをくっつけ、胸をギュウッと押し付けて来たのだ。 「わあっ!?」 「ぬし様にはそれなりの敬意を払わないといけないだけよ。そんなに心配しないで、行人様。言い付けはちゃんと覚えてるから♥」 そう言って益々大胆に密着してくるあやね。もはや貧乳とは言えないサイズに育ちつつあるあやねの乳肉にボクの二の腕が柔らかく沈み込み、半被越しに肌の滑らかさや汗のぬめり具合、心臓の鼓動、乳首の感触などまで伝わって来て…………! ププッと鼻血が小さく飛び散ってしまったところへ、さらに追い打ちをかけるようにすずが逆側の腕を捕らえた。 「行人の言う通り、ちゃんと注意するから。今はお祭りを楽しも? ね♥?」 まったく同じように押し付けられたすずの乳房のボリュームはあやねの比ではなく、ボクの腕はその深くも柔らかく汗で濡れている谷間へしっかり挟み込まれてしまう。やはりあやねと同じく、すずの肌のぬくもりや乳房の突起などが感じられ、ボクは隙を生じぬ二段構えの勢いを増した鼻血をブブッと噴き出してしまった。直に接触してみて始めて分かったが、彼女たちが纏っている祭り衣装はボクが着ている去年の物よりかなり薄手であった──だから、布越しでもすずとあやねのからだの感触がほぼダイレクトに伝わって来て! 二人の半開きになった唇は切ない吐息をつくようで、瞳は潤んでいるようにも見えて──! 「わわっ! わ、わ、分かった、分かったから!」 再び何も考えられなくなるほど頭が真っ白になってしまったボクは、鼻を押さえながら物凄い勢いで飛び退って二人から離れ、あたふたと屋台の中に逃げ帰った。 「もうブツクサ言わないからさ、仕事しよ!? ほら、綿アメの作り置きもだいぶ少なくなっちゃったし!」 すずとあやねは顔を見合わせると、 「……ええ♥」 「……うん♥」 と、美少女ぶりを遺憾なく発揮して目を細め微笑みながら頷いてくれた。 その時、丁度良く新しい客がやって来て二人の応対が始まり、ボクはまた綿アメ作りに集中して入ることが出来た。 それを皮切りに客は次々と増え、瞬く間に忙しさが戻って来た。ぱん太郎がいた時は何故か他に寄り付く客がいなかったのは、名目上はまだぬしであるアイツを皆が敬遠していたからかも知れない。すず達の態度といい、この藍蘭島ではぬしという存在が特別視されていることを改めて思い知らされ、やはり島独特の風習や考え方にどこか馴染めずにいる自分は住民の輪の中に入りきれていない異邦者なのか──と、意識せずにはいられなかった。 だが、南国の島の初夏の暑い夜、邪魔者も居なくなり綿アメ作りと売り子を交代しながら汗を流して働いているうちにボクも祭りの実感に再び浸り出し、次第に楽しさとやる気を取り戻していった。 考えてみれば、二人と一緒にこんなに長い時間いるのは久しぶり──月見亭への旅行はもう二、三ヶ月も前になる。あの時も楽しかったし、帰り道のすずとあやねはとても満足したみたいに上機嫌であった。 その二人と顔を合わせるたびに笑みを交わし、と同時に否応なく目に入ってくる彼女たちの際どい格好に何度もドキリとさせられながらも、いつしかボクは疎外感もぱん太郎のことも考えなくなっていた。この特別な時間をこの二人と共に過ごせる嬉しさと喜び。その幸せを噛み締めるとさらに気分が高揚してゆき、これまで味わったことがない程の充実した気持ちに包まれたのだった。 × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × ────なお。 先ほど少年が目撃した場面は見間違いなどではなく。 陳列台の前で三人が談笑していた時、ぱん太郎は羽織の広い袖で腕の動きを隠しながらさり気なくすずとあやねのプリプリとして弾けんばかりに艷めいた美尻を撫で揉み、それどころかそのまま後ろから股下に手を入れて二人の会陰から割れ目までをなぞったり、褌越しに指の腹を割れ目に押し入れたりすらしていたのだ。子供達の囲みはぱん子からも死角を作っていたし、その子供たちも綿アメや会話に注意が行っていた。そもそも人間の性的悪戯など知らないので人化した父親の手の動きや三人の表情の微妙な変化など気付きもしていなかった。 すずもあやねも尻を触られたりアソコを弄られると、「ん……♥」と微かな媚声を漏らし、うっすらと頬を染めて嬉しげに目を細め、物欲しそうな切ない表情をわずかに浮かべたが、行人に気付かれないよう大きくは崩さず、だが、より目をキラキラさせ声を弾ませて楽しそうにぱん太郎と会話を続けたのだ。 その代わり、ぱん太郎の目線が胸に来ると屈み気味になったり、行人からは見えないよう背を向けながら半被の衿を摘み引っ張って胸に涼しい空気を入れる仕草をした。そうするとただでさえ面積の少ない半被の隙間から容易に中身が覗け、ぱん太郎はすずとあやねの乳首や乳輪、柔らかそうな乳房をはっきりと観賞できたのだ。行人には見ることが出来なかったすずとあやねの鮮やかな桜色の突端を、ぱん太郎の眼(まなこ)は明確に捉えた。もう十分に見慣れている筈だったが、祭りの夜に妻や恋敵の少年が間近にいる中で愛人となった女の衣服に隠された局所を覗いたり触ったりするのは、セックスしている時とはまた違う昂奮と楽しみを堪能できた。 また、ぱん太郎の袖に隠れているのをいいことに、二人は話しを続けながら何気ない風を装って腿の付け根に両手を添わせながら不自然に見えない程度に腰を突き出し、細く薄い股布が通っているだけの陰阜や秘裂の肉を盛り上げてアソコを目立たせ、ぱん太郎に意味深な笑みを送ったり、腕を降ろしたまま手首から先だけを前後に動かし肉棒を擦るような手つきをしてみせ、察したぱん太郎と視線が交わされるとわずかに開いた唇から亀頭や陰茎を舐めるようにチロチロと蠢く舌を見せていたずらっぽく微笑み合ったりと、行人が飛び込んで来るまですずとあやねは合間合間にそんなセックスアピールをしていたのだ。 こういった行為をぱん太郎は喜ぶ──二人はそこまで理解して実行するようになっていた。 また、それだけではなかった。 その直前にぱん太郎の左右にすずとあやねが侍るように立っていた時も、仕切り板によって死角となっていた二人の下半身にぱん太郎の手が伸びており、行人がすぐ真正面にいるというのに両者の前面から股布越しに指を前後に動かしながらすずとあやねの淫裂を弄ったり、女らしい肉付きになってきた太ももを撫でさすったり、柔らかな尻肉に手を回して揉みしだいたり、後ろの穴やその周囲をなぞるように触れて肛門調教を意識させたり、尻の下から手を入れて後ろから秘陰を弄ったりと色々と悪戯していたのだ。同時に口論もしていたのだから器用なものであった。 板張りを手配したのは確かにすずだったが、その彼女に指示したのはぱん太郎である。この悪ふざけがしたかったためであった。 準備期間中の何日目だったか、その時には組み上がっていた綿アメ屋の前を通りがかった時に彼の頭にふと思い浮かんだのだ。すぐに実行に移すべく、黙々と孤独に働いている行人の背中に薄ら笑いを浮かべながら憐れみの一瞥を残すと広場を後にして、前日可愛がっていた時にこの日の予定も聞いていた青リボンの少女に逢いに行った。集落で準備の手伝いをしていた姿を発見するのに十分も経っていなかった。声をかけて呼び寄せたすずを人が出払って空いている隣家に連れ込み、玄関の戸を閉めるや否や抱き締めて前戯を始めると、その愛撫やキスに青リボンの少女も息を弾ませながら夢中で応え、すずのアソコはすぐにぐっしょりとなった。畳の上に押し倒して繋がると、あっという間に青リボンの少女は悦びに身悶えて声を上げながら乱れたものだ。そうして前日までに放った精子がまだ十分残っている胎内に──すず自身も望んだ──種付け中出しをしたのだ。行人など初めから存在していないかのように、すずとぱん太郎はお互いに熱烈に求め合って二人同時絶頂に至り、生殖交尾の快美を存分に味わった。その後に板の件を伝えたのである。 快諾した青リボンの少女にご褒美と称してさらに何発も膣奥種付けを味わわせ、二人で息を合わせて何度も登り詰め、一時間以上もすずと甘い時を過ごし、彼女を幸せの極地に誘(いざな)ったのは言うまでもない。 ……。 ──ぱん太郎が行人の真ん前ですずの陰部をまさぐっている最中、あやねの手の中に折り畳んだ紙切れを握らせ、白リボンの少女はそれを裾裏のポケットにそっと忍ばせるという一場面もあった。 行人とぱん太郎が舌戦じみた言葉の応酬をしている間、すずとあやねは少年と対面しながら自分たちは発言を控え男二人の会話に耳を澄ませているように振る舞っていたが、その実、ほとんど聞いておらず、喋りながら蠢いていたぱん太郎の指の動きを心地好く堪能していたのだ──たまに少年と目が合った時も。 本格的な愛撫ではなく悪戯程度の軽い動きだったが、気を取られ過ぎない加減具合としては十分であった。 これまでのように昏睡していたり完全に遮る物があったりなどではなく、正常な意識を保っている行人が間近にいて目が合ってしまう状況。彼が少し身を乗り出せば死角はなくなり、ぱん太郎の手が下半身を弄っている様が見えてしまうだろう。 ──であるのに、すずもあやねも内心緊張し心臓が高鳴ってはいたが、ぱん太郎との愛慾の日々ですっかり淫乱さを植え付けられ、祭りが始まる直前まで性行為の楽しさにどっぷり浸かっていた心は、この状況に昂奮を覚えるまでになっていたのである。 まだ数ヶ月と言えども関係が始まって以来絶えることなく濃密に続いてきたすずとあやねの女体開発、七日に渡る準備期間毎日続いた子作りセックスの快楽逢瀬、そして今日も午前中から参加し本祭が始まるまで続いていた淫猥極まりない艶宴でさんざん味わった逞しい極太肉棒と子宮に浴びせられる獰猛極まりない至近砲撃──子宮直付け射精の圧倒的な快感、その中で意識させられる気がおかしくなりそうなほどの受精想像の幸福感。 つい半年ほど前までは男や性のことなどまったく知らない無垢な乙女だったとは信じられないほど、すずの心身もあやねの心身もこの上ないほど淫らに変容していた。それだけの性交快楽経験がぱん太郎によって与えられたのであり、この数ヶ月ずうっと与えられ続けたのであり、男の良さを──ぱん太郎という男の良さをからだの芯まで教え込まれ、彼の女にされる悦びを骨の髄まで刻み込まれたのであり、それを東方院行人は一秒たりとも一ミリたりとも防ぐことはなかった。 この数ヶ月の間、すずのこころとからだ、あやねのこころとからだにしっかりと根付いていったぱん太郎とのセックスに対する肯定感や期待、喜びなども。すずの腟内、あやねの腟内で注がれるぱん太郎の精液の一滴も。すずの子宮の内、あやねの子宮の内に入り込むぱん太郎の精子の一匹も。少年は何も遮(さえぎ)れはしなかった。 何者にも邪魔されなかったすずとぱん太郎が一つに蕩けるまで愛し合った結果。 二人が一つに融けて誕まれたすずとぱん太郎の受精卵も。 何者にも邪魔されなかったあやねとぱん太郎が一つに蕩けるまで愛し合った結果。 二人が一つに融けて誕まれたあやねとぱん太郎の受精卵も。 着床に失敗しているだけで、どちらも健康極まりない万全の体調の下で毎月必ず受精まで至っているのを、少年はそもそも知る由もなかったのだから…………。 以前は無意識下で本当に恋していた少年がすぐ目の前にいる状況だというのに、すずもあやねも自分から脚を開き腰の位置を動かしてぱん太郎が触り易いようにし、半被に辛うじて隠れた乳首や薄い細布に膨らみを形作るほど陰核を尖らせて、甘みを帯びてきた吐息を行人に気付かれないようゆるゆる呼吸しながら、濃密なセックスが繰り広げられた日中の乱宴の記憶が二人の脳裏一杯に広がっていた。 行人の視線が遮られている死角でぱん太郎が優しくなぞったり疑似男根になった指がクックッと軽く押し入るように触れられる二つの割れ目。つい数時間前までその入り口を本物の逞しい極太肉棒が貫き最奥で熱い子種を注ぎまくられていたことを反芻しながら、最後は行人と再会するほんの十分ほど前に注がれた体液がアソコの中にまだ充満していて温かさを保っているのを感じながら、すずとあやねは極上の温泉で半身浴しているような心地になっていたのだ。 また、彼女たちからも自然と手が伸び、ぱん太郎の股間を熱心にまさぐっていた。行人が目の前にいるというのにぱん太郎を慾する二人の意思が如実に伝わって来て、彼の内心を喜ばせたものだ。 最後の砦までもが奪われないかという不安を常に胸中に燻せている行人(もう既にその男の好き放題に膣内射精されまくる肉便器と化している二人だったが)だが、さすがにまさかこんな眼前で──愛らしい微笑を湛えながら対面しているすずとあやねがぱん太郎と下半身を弄り合っていたなどとは夢想だにも出来ていなかった。出来る筈もなかった。 それにある意味、行人からすれば。 ある日から突如としてヒトとしての二人目の男性という存在をアピールするようになったぱん太郎を彼が強く意識するようになってから半年近く経つが、顔を合わせたくないのもあり、直に会うことはこれまでほぼなかった。だから、このように長々と対峙して言葉を交わし続けるなどこれが初めてであった。 その大男に張り付くような近さで両隣に立ったすずとあやねに、驚き焦りはしたが、それだけで疑念など抱かなかった──いや、抱けなかった。少年は少年なりの推理で導き出した結論で彼女たちの潔白を信じていたのだから。 ──だが、現実は、彼の知らないうちにどうしようもなく残酷に変わり果てていて。 この時の少年は、この世で最も悪しく思うようになった男とただ面向かっていただけではなかったのだ。 東方院行人の世界では、眼前の男は左右に侍るようにして立つ二人の少女とはまったくの無関係──少年からすれば悪夢のように様変わりした村と文字通りの悪夢の見過ぎで弱った心が起こりもしていない迷妄を招き寄せ、あやねとすずまでもがぱん太郎と肉体関係にあるという悪魔じみた悲観を抱かせるだけで、実際にはぱん太郎とすず、ぱん太郎とあやねの間には何の関係も生じてはいない。ぬしという立場に対する島民ならではの敬意があるだけ。少年にとって、この二人の少女だけはぱん太郎に手を付けられておらず、まだ性愛など何も知らない純粋無垢で屈託のない昔のままの藍蘭乙女だった。 手を出されないかが最大の心配事であり、その観点で一喜一憂しているのであり。 だから、まさか。 少年は知らない。 今、目の前にいるこの二人までもが。 本当の、本当に────。 ……少年が固く信じているこの二人の少女──すずとあやねも、他の娘たちと何ら変わらず、純朴な島娘のイメージとは程遠い爛れきった生ハメ中出しセックスをこの隣の男と夢中でする仲にまでなっているとは。 しかも、大男ご自慢の巨根が奥まで苦もなく出入りするほどまでに二人のヴァギナは拡張開発されており、他の女たち同様に逞しい極太肉棒と精力的なセックス、そして生殖本能の歓喜を呼び起こされずにはいられない〝種付けの時間〟に蕩け狂いまくっており、すずも、あやねも、そうして完全にぱん太郎の女にされており、その果てに容赦なく子宮直付け中出し射精されまくっている────。 抑制しきれなくなった無意識によって少年の頭の中に走ってしまう妄想そのままの光景で、すずはぱん太郎とのセックスを楽しみながら愛し合い、ぱん太郎の膣内射精を幸せな気持ちすら感じるようになりながら迎え入れ、ぱん太郎の精子とすずの卵子の結合にまで至り。あやねもぱん太郎とのセックスを楽しみながら愛し合い、ぱん太郎の膣内射精を幸せな気持ちすら感じるようになりながら迎え入れ、ぱん太郎の精子とあやねの卵子の結合にまで至っている────。 今、少年の目の前にいる男は。 紛れもなく両隣にいる少女二人──すずとあやねの子宮に己が子種を送り込んでいる男。 そんな男と少年は対峙しているのだ。 二人の少女は今や自らの意思でその男の精を胎(はら)に満たし、新しい命を宿そうとしている。 ────という現実が広がっている……………………! 二人の方も──すずとあやねもぱん太郎とのセックスを今やまったく嫌がっておらず、それどころか子宮に当たりまくるぱん太郎の勁悍な射精をこの上なく感じるまでになっていて、彼女たちも子作りを意識しながらぱん太郎の子種を胎内に歓び迎え入れてアクメしまくり、つまり完全な合意が出来上がっていて、傍から見ても愛し合う男女のセックスとなっている──── ────そんな恐ろしい可能性は、少年としてはこの世で最も認められない、また有り得なさすぎる虚構として、心の一番深い奥底のさらにその下の地中に地獄を封印するが如く分厚い鋼鉄の蓋で固く閉ざしているのであり。 そのような即死級の猛毒食材を、行人は考慮の俎上に載せられよう筈もなかった。 しかしながら、本当の、真の、現実の世界は……少年が思い描くような世界では全くなく。 突飛な妄想と断罪して意識下に閉じ込めている想像の方こそ、どうしようもなく正しかったのだ。 そう。 少年が認知出来ていないだけの、目の前にある確かな現実。 この男は、まち、りん、ゆきの、ちかげ、梅梅、しのぶ、みちる──特に仲の良かった娘たちを次々と奪っただけではなく。 言い合いしながら悠然とニヤついている男は、少年にとってこの世で最も尊い存在となった二人の少女を──今、左右で大人しくしているすずとあやねのからだとオマンコまでも、さんざんに美味しく堪能している男だったのだ。 今や少年にとって何より大切な存在となっている少女二人は、他の七人同様ぱん太郎とのセックスの快楽に溺れる女になり果てていて、少年の頼みや願いなど砂城より脆く虚しく、中身が変わってしまうほど濃密極まりない肉体関係にまでなっていたのだ。 少年の憂心など知るものかとばかりに男はこの二人もたっぷりと可愛がっており、すずのオマンコもあやねのオマンコも隅々まで賞翫済であり、何ヶ月にも渡って累計何百回も膣内射精しており──そう、ぱん太郎はすずの子宮とあやねの子宮にももう何百回と精子を送り込んでおり。 少年を嘲笑うかのように、いや実際嘲笑いながらどちらも完全に自分の女にしてしまっている男であった。 二人の清いからだを──数ヶ月前までは清かったからだを好き放題に犯している男であった。 妊娠させたいという気持ちを少しも抑えない腟内射精を、少年が想いを寄せている二人の少女のオマンコの奥で子宮直付けして好き放題に放ちまくっている男。 そして、その獰猛極まりない豪放な種付け射精を今やこの二人にもすっかり受け入れさせ、すずとぱん太郎、あやねとぱん太郎、どちらの組み合わせの時も射精中お互いに生殖本能を解き放ちながら何もかも忘れるほど一つに溶け合い、本人たちの許しの許にすずの子宮もあやねの子宮も彼の子種による孕み袋にしている男。 少年が睨み上げているのは、そんな男だったのだ。 ぱん太郎に種付けされている時の二人の満ち足りた惚け顔──雌の情慾と幸福に満ち、何の嫌悪も後悔もなくただただ悦びに包まれてぱん太郎の精子を受け入れているイキ顔を少年が見たら、底のないほど深い絶望の奈落に突き落とされるのは間違いないだろう。 少年から見れば普段の様子も外見も以前と何ら変わっておらず、どころかより美しくなりつつすらあるこの二人の少女を、彼の前に立っている男は心身共に我が物にしていたのだ。行人が注視しないよう努めている、下手な水着よりも布の少ない半被からはみ出そうな豊かな乳房と控えめな乳房も揉まれ放題、性的昂奮で勃つようになった乳首は弄られ放題、どちらの可愛らしい唇も奪われていてディープキスも手慣れたものとなり、その舌は男の唾液や肌、そして肉棒と精液の味をすっかり覚え込んでいたのだ。死角に隠れている細い褌が通っているだけの秘裂も、今まさにぱん太郎の指が弄(もてあそ)んでいて…………。 まだ全ては奪われていない──と、少年は男を見ながら思っていた。 この二人だけは必ず守る──と、少年は少女たちを見ながら思っていた。 ──が、遅すぎるという言葉で表す段階すらとうに過ぎているほど、もはや憐れみしか浮かばないほど、もうとっくの昔に。 少年にとっては僅かに残された最後の希望である二人の少女は、今、並んで立っている男と。 すずも、あやねも、少年が憎んでいる男の存在が十分過ぎるほど──それこそ子宮の奥まで浸透していた。 それだけではない。それだけでは済んでいない。 全ては胎内の出来事で彼女たちにその自覚はなかったが、すずの子宮内でも、あやねの子宮内でも、もう幾度もぱん太郎の精子と結ばれた受精卵が生み出され、彼女たちのからだは懐胎寸前まで経験していたのだ。 ここ数ヶ月は排卵する度に、すずの卵子も、あやねの卵子も、ぱん太郎の精子と結ばれていたのだ。 後は着床さえ成功していれば、すずの胎(はら)にも、あやねの胎(はら)にも、ぱん太郎の子が宿っていても不思議はなかったのである。 彼女らは店内に独り居る少年の許ではなく、愛しさすら覚えるようになった大男の横を選び。 少年がこれほど間近にいて目を向けてくる時もあるというのに、死角になっているのをいいことに男と局部を弄り合うことを止めず、愛しまくってくれる男の子種で孕みたいという気持ちすら胸中で喜びに包み抱いていて。 少年に対する関心はまったくと言っていいほど薄らいでいて、男のすぐ傍にいることに安心感や満足感を覚えながら、排卵期に入っている生殖器に男の精子を無数に泳がせながら、すずとあやねは行人と目を合わせていたのだ。 三人がひとかたまりになったようにひっついた時に感じた少年の錯覚は錯覚ではなかった。 糸どころではない──ぱん太郎、すず、あやねの三人は、とっくに色濃い愛慾の太い鎖で何重にもぐるぐると繋がれていたのだから。 下半身を弄られ続けている間にすずとあやねの脳裏とオマンコにはぱん太郎の逞しい巨根に突き回される快感や深刺し種付け射精される悦楽が鮮明に蘇って来て、気持ち好いセックスを重ねる中で芽生え育まれてきた愛情が二人の胸中に満ち、布越しに軽く触られているだけだというのに褌の股布はじっとりと濡れ、気を緩めてしまえばあっという間に性交時の感覚に全身を支配され、腰から力が抜けて腟内に溜めたぱん太郎の孕まし汁を一気に垂れ溢(こぼ)してしまいそうであった。それでも、まだまだぱん太郎とセックスしたい、愛されたいという淫慾は抑えられず、どちらのからだにも甘い痺れが駆け巡り、二人は自身が受精期間に入っていることを把握しているにも関わらず、行人と何度も目が合う間── すずも、あやねも、一メートルもない距離で行人と見つめ合っていても、少年の目の奥など覗うことなく、少年の気持ちなど考えることもなく、ぱん太郎の心地好い指遣いで軽いアクメを覚えながら、どうしようもなく楽しくなり、心は浮かれ、またぱん太郎の極太肉棒をハメられたい、また膣奥で熱い種付け射精を味わいたいと密かに恋い焦がれていたのだ。 行人が顔を伏せた時など、ぱん太郎の手の動きが早まって力も籠もり、その拍子に太い中指が第一関節まで股布ごと秘貝の中にグチュリと入って陰核も強めに圧され、その瞬間はすずもあやねも思わずからだをビクリとさせ、二人の美少女の双眸は実物を挿入されたかのように淫靡に蕩けた。紅唇を切なく開いて嬌声が喉奥から漏れそうなほど気持ち好いアクメに達した表情を露見させてしまい、危うくセックス時の心境に切り替わってしまうところであった。二人のオマンコの入り口の肉がぱん太郎の指先にキュウウッと吸い付き、本物の男根を熱望して蜜壺の秘肉が物欲しそうに蠢いた。この時の二人の様子を見ていれば、さすがの行人も異常に気付けたかも知れない。しかし、項垂れた少年の目は容器に落ち、すぐ前にいる少女たちの様子に気を配っていなかった。彼が再び顔を上げた時には、二人の少女の表情は瞳が潤んでいる程度に収まっていたのだ。 だが、すずも、あやねも。 これまでしつこいほど繰り返し意識させられてきた精子と卵子の結合。実際に注がれまくったぱん太郎の精液が胎(はら)の中に満ちていてまだ温かい重みがある事実に二人とも本能的な雌の喜びを感じ、子宮内に入り込みまくっているであろうぱん太郎の精子が自分の卵子と結び付くことすら行人と目を合わせながら想像しており、願いすらしており、傍立ちながらも心の中ではぱん太郎という巨(おお)きくて安らげる支柱に完全に身を預けていて、己のアソコをぱん太郎の指が弄っている感触に、ぱん太郎が己を求めているという現実に、幸せで満ちたりた気分に浸っていた────。 × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × 3 ぱん太郎一家が立ち去ってから数十分ほど経った頃だろうか。 アイツを境目にした第二波の千客万来がようやく和らいで一息つけるぐらいに落ち着くと、 「ちょっとお花摘みに行ってくるわね」 と、ボクに言い残したあやねが、屋台の裏手に広がる闇夜の森へとそそくさと消えていった。 それから数十分ぐらい経ったので、(あれ、まだ帰って来ない? ちょっと遅いな……)と、心配になり始めていると、 「暗いから森の中で迷っちゃったわ、ごめんなさい。かなり歩き回っちゃった」 微笑みを浮かべた顔やからだを上気させ、肌にしっとりとした汗を浮かべつつも、そう謝りながらあやねが姿を現したので安堵に胸を撫で下ろすボク。 すると今度は、 「もうっ遅いよ。私も行きたかったんだからね」 すずがそう言いながら同じ所用で入れ替わるように、(そんなに我慢してたんだ……)と思ってしまうぐらいの早足で森の中に入っていったのだ。気を付けてと声をかけるタイミングもなかった程に。 ──そして、同じぐらいの時が過ぎて。 「ごめんね、私もちょっと迷っちゃった♥」 と、やはりからだじゅうを紅潮させ細やかな汗で肌を濡らした姿でにこにこしながら現れたのだ。 オバケが大の苦手なすずは夜道や暗闇などを怖がっていた筈だけれど、いつの間に克服したんだろう、いや、生理的欲求には逆らえないか──などという考えが頭の片隅を過ぎったが、それどころではなかった。 どちらもからだを火照らせて戻って来たあやねとすず。あやねの時も実はそうだったが、二人の可愛らしい顔や健康的な肌に浮かぶ汗による照り返しがまたもや艶めかしく映ってしまい、ボクも全身の血がカッと熱くなるような感覚を覚えずにはいられなかったのだ。 こんな目で彼女たちを見たらぱん太郎と同類だ、そういう風に見ちゃいけないと思っている筈なのに、どうしようもなくいやらしさのようなものを感じてしまって……。 ボクもそういうのに敏感な年頃だし、生のセックス現場を何度も目撃して性的なものに対して触発されてしまっている上、この下手な水着より肌を露出させている扇情的な祭り衣装がいけないんだ──と、ちかげさんを恨まずにはいられなくなったが、思い出してみれば彼女はぱん太郎が選んだと言っていた。 (くそ、巡り巡れば、やっぱりアイツが元凶じゃないか…………) 初夏の夜はまだ本格的でなくとも十分に暑いのもあるし、来た道を探して森の中をよほど彷徨ったのか、帰った直後の二人はどちらも汗まみれで疲れたように目がとろんとしていて、表情もからだも脱力したようにどこか上の空なのだが、でもその顔つきや所作にはどこか活力が感じられて。無事に戻って来られて安心したんだろう──と、ボクは判断を下した。 何はともあれ不注意なのは確かだったので、すずとあやねを性的に意識してしまったことにゴホンゴホンと誤魔化すように咳をしながらも、二人への気遣いの心持ちを取り戻し、 「ふ、二人とも怪我してない? 大丈夫? いくら勝手知ったる地元だからって夜の森を舐めてかかっちゃ駄目だよ。明かりが届かなくなればもう真っ暗闇なんだから……次からは手提げ行灯持ってった方がいいよ」 と注意すると、すずとあやねの顔に嬉しそうな微笑みが広がり、 「行人様って……やっぱり優しいわね♥」 「心配してくれてありがとう、行人♥」 感謝の言葉を述べながらボクの左右にぴっとり張り付くようにして、眩しいぐらいの笑顔と機嫌の良さで綿アメ作りを見守り始めたので、二人の美少女の柔らかいからだに挟まれて綿アメ以上かも知れない甘ったるい体臭を嗅いでしまったボクは、首から上を真っ赤にして大いに周章狼狽した。鼻の粘膜は即時決壊しなかったが、その代わり下に血が集まっていく熱い感覚があり、膨らまないよう精神力だけで抑え込むのに必死であった。 すずもあやねもそんなからだをやけに寄せて胸や腰をぐいぐいと押し付けて来る。道に迷ってよほど焦って動き回ったのだろう、まだ完全に引いていない汗でしっとりと濡れた彼女たちの肌はやけに体温が高かったし、吐息も熱が籠もり、女というのを意識してしまうような体臭も色濃く嗅ぎ取ってしまう。髪の毛も佳い香りがした。女の子って何でこんなに良い匂いがするんだろう……。けれども、余計に暑苦しくなっても、手を動かし辛くなっても、二人からの親密なスキンシップにボクはまったく悪い気はせず、絆が深まっている安堵感や幸福感すら覚えたのである。 (この二人だけはアイツなんかになびいたりしない……いや、なびかせない、だろ? 東方院行人…………) 我ながらどこか得意げにそう思いながら。 × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × ──などと、良い気分に浸る少年があまりにも滑稽なピエロになる話であったが。 彼の傍から離れていた合間に、あやねも、すずも、森の中で用を足していたわけでも、ましてや迷っていたわけでもなかった。 大きく崩れることはなくなったもののまだ形が歪だと納得せずにより高い完成度を求めて綿アメ作りに熱中する行人に背を向け、ぱん太郎から渡された紙切れをこっそり開いて中を覗き込んだあやねとすずが、「裏の森の中へ来るように」と書かれてあった一文を確認したのは、理由を作って森へ入る直前のことであった。 そうして密かに胸躍らせながら順番に大男の許へ赴いた二人は、つい数分前まで少年と仲良く語らい気持ちが通じ合っているかのように見交わして微笑み合っていたとは思えないほど簡単に股を開き、ぱん太郎と一つになって互いに求め合った野外セックスに興じていたのだ。 短い時間ながらも祭りの熱気に負けないほど情慾的に繋がり、声を気にしつつも昂奮にまみれてサカり合い、あやねも、すずも、ぱん太郎の極太肉棒で発情したオマンコを突かれまくる悦びに喘ぎ悶えて。 そして、祭りも最高潮を迎える中、賑やかで明るい会場とは対照的な漆黒と静寂の中で。 まずはあやねの生殖器の奥にぱん太郎の精子が。 その数十分後に、すずの生殖器の奥にぱん太郎の精子が。 二人の子宮の入り口まで届いたぱん太郎の長く太い孕まし棒はまったく引き抜かれないまま、すずもあやねも肉慾の快感に何度も幸福絶頂しながら膣壁が痙攣するようにうねって愛しい肉根に吸い付き絞り続け、歩けばすぐの所にいる行人に何ら遠慮することのない野放図な種付け射精が彼女たちの最奥でぶちまけられたのだ。 すずの子宮口も、あやねの子宮口も、まだ少女であり未経産どころかセックスを経験するようになってから半年ほどしか経っていないというのに、とてもそうとは思えないほど拡がってパクパクと開き、海峡に吸い込まれる水流のようにぱん太郎の精液が招き入れられていった。 そうして、今日だけで十発目以上となるぱん太郎の子種がすずとあやねの子宮内に滾々と注ぎ込まれていったのだ────。 ぱん太郎が考えた祭りを楽しむ計画の一環であった。指示通りにまずはあやねが行くと、屋台からさほど遠ざからないうちに、会場の光明と陽気な祭り囃子がまだ僅かに届いている木陰で人間姿のぱん太郎が待っていたのだ。 家族は大丈夫なのと訊きながら腕の中に飛び込んで来た白リボンの少女に、「家族サービスは済んだよ、それに親の目がない方が子供たちも祭りを楽しめるってもんさ」と告げたぱん太郎は、「それより新しい家族作りに精を出さないとね……こんなに楽しい祭りがある村をなくさないためにも♥」と、あやねの細いからだを抱き締め、「そうですわ、本当に……ぱん太郎様の言う通りだわ……♥」と同意して頷く彼女の半裸同然の祭り衣装の上から優しく撫で回す。 「祭りの真っ最中にさ、こんなにいやらしい格好したあやねちゃんに思い切り悪戯しまくりたいと思ってたんだ♥ 特にキミご自慢の可愛いお尻を♥」 準備期間中にちかげの洋館で試着したすずを犯して楽しんでいるし、今日の夕方も前夜祭が解散し他の者達が先に屋敷を出たため三人だけとなった時に本番直前の最後の種付けと洒落込んでこの衣装を着たすずとあやねを四つん這いに並べて後背位で犯し、その後に少年と合流する二人の肉壺の奥で子宮直付け射精を堪能した。すぐに行人と顔を合わせるというのに、すずもあやねも再びだらしない顔になって性の歓喜に包まれながら、しっかりと尻を突き出しぱん太郎の子種注入を受け止めていたものだ。 だが、祭りをしている最中に鑑賞するのはやはり格別な味わいが得られるなと、彼好みの布地が少ない祭り衣装に身を包んだあやねのからだを撫でながらぱん太郎はつくづく実感した。 お囃子と祭りの喧騒の合間にドーンと空に響く花火の音は、枝葉の覆いのわずかな隙間を縫って来た閃光と共に真っ暗な森の中で抱き合う二人の所にも届いた。身長差がありすぎるため親に子供がしがみついているような構図であったが、それでもあやねの顔つきは行人を想う時に浮かべたこともある恋する乙女の表情であった──その瞳の奥には肉慾の燠火が煌めいていたが。 「あぁ……♥ 嬉しい……♥ どこでも……いくらでも……私のからだ、ぱん太郎様の好きに悪戯していいですわ…………♥」 褌をしていてもすべて露わになっているあやねの白い尻肉がぱん太郎の大きな手でむにむに、もにもにといやらしく揉みしだかれる。行人には決して真似出来ない行為。白リボンの少女の均整の取れた細い体形に似つかわしい程よい大きさの丸みは、それでもぱん太郎の太い指が埋(うず)まるほど柔らかく、成熟した女への階段を確実に登っている肉量であった。まだ薄いと言えば否定はできないが、初めて触った数ヶ月前の処女喪失の時より肉付きが増しているのをぱん太郎の指先は把握している。わずかな差であっても、それが女体の魅力を引き上げているのだ。 「あっ……♥ あっ……♥」 「さっきはバレないようさり気なくしか触れなかったけど、行人クンと話してる間にキミとすずちゃんのお尻やオマンコに悪戯するのは……サイコーだったよ♥」 「口を動かしながら器用に指も動かすんですもの……気持ち好かったわ…………」うっとりと目を細めながら微笑むあやね。「すぐ目の前に行人様がいるのに……バレるかも知れないのに……軽くイッちゃった♥」 「指から伝わってくるキミたちのカラダの反応で分かってた、喜んでくれてるって♥ でも、想ってくれてる男子と顔を向け合いながら、他の男に悪戯されてイッちゃうなんて、イケナイ子だなあ♥」 「あぁん……そんなこと、言わないで…………♥」 「フフ、ぷれいの一環だよ♥ ホントにそうとは思っちゃいないさ♥」 「ええ……わかってるけどぉ…………♥」 「行人クンにはキミ達の想いに応えなかった罪があるけど、まあ、コーセーネンには違いないからね。キミ達がカレを悪く思えないのもわかるよ♥」 大男はその場にしゃがみ込むと白リボンの少女の顎に指を掛けてくいと上げ、じいっとあやねの瞳の中を覗く。顔立ちの佳い女が多い村の中では特段には目立たないかも知れないが、あやねも文句など出ないほど愛らしい容貌であった。大人になれば今よりもっと美人になるだろう。それに対してぱん太郎はつぶらな瞳と愛嬌めいた丸い面貌をしているが、悪く言えばむくんだような顔であるし、決して美男とは言えなかった。容姿の良し悪しだけで比べれば行人にはとても太刀打ちできないだろう。それでもそんな彼から真剣な眼差しで見つめられると、あやねは双眸だけでなく美少女と言っていい顔全体がみるみると緩み潤む。 「でも、今はボクを見て…………♥」 「ぱん太郎様…………♥」 大男がゆっくりと顔を近付けると、可愛らしい唇も迎え入れるように小さく開き、二人はしばらくの間唇を重ねて甘いキスの時間を楽しんだ。 「ん……♥ ん……♥」 うっとりとしながらぱん太郎と何度も唇を触れ合わせるあやね。ぱん太郎の影響か、次第に慾望に駆られて貪るようなディープキスになっても夢心地の表情は変わらず、ますます昂奮の色が差し込むだけであった。 ぱん太郎も美少女の唇や舌、唾液などいつまでも味わっていたくなる。本来ならば、あやねがこうして恍惚としながら口づけを交わす相手は行人だったことだろう──求愛を拒み権利をみすみす手放すなんて本当に馬鹿な男だ──その未来はもう永遠に訪れないのだ。 (あやねちゃんとすずちゃんの唇を堪能する権利も全てボクのもの♪) 「綿アメの味がするわ……♥」 「フフ……♥」 可笑しそうに笑みを交わす二人。 「ぱん太郎様と祭りを回りたかった……♥」 「うん……本当はボクもそうしたかったけど、さすがに全員とは無理だからねえ……。キミ達もボクもやることはいっぱいあるし……だから前夜祭を開いたってのもあるよ」 「そうだったのね……さすがぱん太郎様だわ…………♥」 「でも、あやねちゃんとすずちゃんだけは、トクベツにこうやって会いたくてね♥」 「嬉しい…………♥!」 ぱん太郎とあやねは再び唇を重ね、鼻と鼻を擦り、舌を絡ませ合い、時には目と目の光を溶かし合い、昂奮の吐息と涎にまみれた求め合うような口づけに耽溺する。唾液の吊り橋を掛けながらようやく口を離した頃には、ぱん太郎を見つめるあやねの双眸に宿る情慾はさらに深まっていた。 「あぁ……ぱん太郎様…………♥」 「あやねちゃん…………♥」 そう互いの名を愛しげに呼び交わす姿は、誰から見ても恋仲の男と女であろう。 「……そう言えば、お母様が言ってたわ……。祭礼の夜は特別な時、男女の歓びの場でもあるって……。昔から人々はこうやって宵闇に紛れて睦み事をしてたって。子孫繁栄、五穀豊穣を願う人々の古来からの切なる願いが秘められてるって……」 「『儀式』でもやしろちゃんがそんなコト言ってたね」 「あぁ…………♥ あの『儀式』も…………スゴかったわ………………♥」 水となって滴りそうなほどの淫気を湛える目を細めて妖艶な微笑が出来るようになったあやねに、 「ね♥」と同意の頷きを返しながら彼女の首輪を人差し指で撫でるぱん太郎。 「じゃあ、ますます遠慮することなく楽しんで……しっかり子作りしないとね♥ 繁栄のために♥」 「えぇ……♥!」 一連のキスだけで軽くイッたような表情のあやねと見つめ合いながら、ぱん太郎は彼女の祭り衣装の衿を肩から左右に降ろし、なだらかだが形の佳い両乳房を露わにする。膨らんだ乳輪の頂きにある綺麗な桜色の乳首は不釣り合いなほど小柱のように伸びていた。 「あやねちゃんの乳首、ピンピンに勃ってる♥」 「あぁ……恥ずかしいわ…………♥」 「フフ、羞恥心も順調に育ってるね♥ 恥ずかしがってくれた方がこっちも昂奮するよ♥」 あやねの細い腰を両手で掴み上げるようにして胸を上向かせ、ぱん太郎は隆起した乳輪ごと乳首に吸い付くように舐め回す。うら若い乙女の発情したからだに浮き出る汗はたまらない味の甘露であった。 「アッ……♥ アッ♥ アッ……♥ ぱん太郎様の舌……ザラザラしてて……気持ち好い……♥!」 「さすがに腰から上は悪戯できなかったから、あやねちゃんの口や綺麗なおっぱいを遠慮なく楽めて嬉しいよ♥ 本当は行人クンが見てる前でもしたいものだけど♥」 「ぱん太郎様ったら、もう……♥ それをしたら、後の楽しみがなくなるんじゃなくて…………♥?」 「フフ、そうだね。あやねちゃんも言うようになってきたな♥」 行人に寄り添っていた気持ちはどこへ行ったのやら、心の方も順調にこちら側に染まりつつある──そう思いながら言葉を返すと、また白リボンの少女の微乳を舐め回して楽しむ。お世辞ではなく、我の強さと対象的な控え目さがあるこのなだらかな膨らみを気に入っているぱん太郎であった。あやねの余分な肉の付いていない痩躯に釣り合った大きさ。すずやりん、しのぶやみちるなどのような凹凸豊かなからだも当然好いものだが、あやねのようなほっそりとしたからだつきの女を犯すのも征服感や加虐感が強く湧き上がって来て最高の気分になる。調子に乗って乱暴さが出ないよう注意しなければならないぐらいだ。昂奮すると伸び勃つ正直な乳首も可愛らしかった。 その勃起した乳首を口の中に含み続けながらあやねのからだを降ろし、片方は尻を撫でながらももう片方の手で前からあやねの秘裂をなぞるように布上から指を前後させると、あやねはさらにビクビクとからだを悦びに奮わせた。 「アッ……♥! アアッ……♥! 行人様も最近……前より私を気に掛けてくれるのって……女として成長できてるからかしら……♥?」 「その通りだよ」 口を離したぱん太郎はニンマリと笑った。女らしくなっているのは確かだが、それよりも……行人としては、もう、彼女とすずの二人しか居ないのだ。影響としてはそちらの方が大きいかも知れない──だが、そんな野暮なことは口にしない。女らしく肉付き始めているあやねのからだと、このからだを楽しむことが出来ない哀れな少年の無駄な行動を楽しむべきだ。 「経験を与えてくれる男がいてこそ、女も成長できるってもんさ。前にも言ったでしょ? ボクがキミを大人の女にしてあげるって」 「感謝してますわ……あぁン♥」 白リボンの少女のアソコは指先が溶けそうなほど十分に熱く柔らかくほぐれていた。ひと足先に大人となった部分。夕方まで淫宴でやりまくっていたのと先ほどの悪戯の効果もあるだろう。前戯はもういらないなと判断して立ち上がると、あやねを反転させて待っている時に彼が寄りかかっていた樹の幹に手をつかせ、立ちバックの姿勢を取らせながらぱん太郎は喋り続けた。 「ボクが村に来て良かったでしょ?」 「ええ、本当に……♥」後ろに向けた首から上を嬉しそうに縦に振るあやね。「貴方のお陰で……大人の女になれたし……私だけじゃなく、村全体が生まれ変わったみたいだわ…………♥」 「良い方向にね♥ 行人クンはコージョとかリョージョクとか何とか言ってボクを悪者にしたいみたいだけど、男として負けたのが悔しいだけでしょ、あれ」小馬鹿にしたように片方の口角を上げながら含み笑うぱん太郎。「本来はカレの役目だったんだから。残念ながらまだコドモでドーテイの行人クンには荷が重すぎる仕事だったみたいだけど♥」 そう言いながら木陰の横を抜けた向こうへ目をやる。そうしてぱん太郎が顎をしゃくるのであやねもその視線を追いかけると、重なる樹幹や枝葉を縁取りのようにして屋台で綿アメを客に渡している行人の後ろ姿が見えた。何も知らずに笑っている。遠いとは言えない距離。 「あっ……」 「こっちは暗くて、あっちはうるさい。見えも聞こえもしないさ」 「……そうね…………♥」 安心したように目を細めて行人の背中を見つめるあやねに、ぱん太郎は益々口端を吊り上げる。内心でも愉悦が抑えられない。少年の姿を直に見て自然に発露したあやねの感情は、裏切っている後ろめたさや罪悪感ではなく、バレないという安堵感だったのだ。ぱん太郎側に立って物を考えている証拠だった。 「フフ、気になってる女の子が今から大嫌いな男とオマンコしちゃって……種付けられもしちゃうのに……ノンキなものだねえ♥」 ぱん太郎があやねの背中をポンポンと軽く叩くと、微笑む少女は言わずとも心得たように両脚を開いて腰を掲げた。すっかり気心の知れた男女の動き。機嫌良く頷いたぱん太郎は、袴を脱いだ途端に突き出した極太肉厚長物のイチモツで可愛らしい曲線を描く尻をペチペチと叩く。 「あん……♥ 行人様は……鈍感すぎるわ…………♥ さっきもあんなに近くで向かい合ってたのに……私とすずがぱん太郎様に悪戯されてるの、全然気付かないんですもの…………♥」 「ハァ、ホント期待できないよねえ。女の一人も喜ばせられない、子供の一人も作れない筈だよ」 呆れたような溜め息をつきながら大げさに首を振るぱん太郎だったが、すぐに真下の少女に目を落としながら傲慢げな笑みを浮かべて言った。 「ボクはカレとは違う。ぬしの役目を果たすのと同じく、キミたちから頼まれた仕事をしっかり果たすから。子供を産める女は全員、ボクが責任持って孕ませてあげる。貴重な貴重な子種を授けてあげる。村に繁栄をもたらしてあげる。大人の男としてね。あやねちゃんにもまだまだ女の悦びを教えてあげるよ♥」 ぱん太郎がそう喋っている間に自分の手で褌を解いていたあやねだったが、続いてアソコから抜き取った体液まみれの詰め綿を投げ捨てた途端にゴポゴポと白濁粘液が溢れ出て来た秘裂を拡げ、背後の大男に物欲しそうな表情を隠さず秋波を送った。 「行人様の小さなチンポとは全然違う……ぱん太郎様の立派なオチンポで…………♥ もっと、もっと……♥ 私を大人にしてくださいませ…………♥」 「ああ……セックスを楽しみながら、ボクとあやねちゃんの子供を作りながら、ね……♥」 「はい……ぱん太郎様ぁ…………♥」 「行人クンには黙ってボクとセックス……カレにはナイショにしとかないとね♥」 「えぇ……ぱん太郎様の言う通りにするわ…………♥」 あやね自身の指で拡げられた淫穴の入り口は薄暗さと溢れ返る白濁でまったく見えなかったが、位置や角度などとうに把握しているぱん太郎には視認する必要などなかった。 慣れた手付きで己が分身の先端を白濁の淵の中へ潜らせ入り口を探り当ると、 「ほら、行人クンにも何か言うコトない?」 「あ……あぁ……ごめんなさい、行人様……」何も気付いていない少年の背中に顔を向け、目元口元を淫熱で緩めながら謝るあやね。「内緒にしてごめんなさい…………♥ 貴方の嫌ってるぱん太郎様に……私、今から……種付けされちゃうの…………♥ でも、子作りは大事な仕事だから……許して…………♥」 「そう、シゴトだよ、シゴト。立派なおシゴト♥」 行人を出汁にして寝取っている演出をさせるのはこの上ない愉悦を覚えるが、一方で裏切る言い訳や抜け道を用意するのも大切なことであった。性の快楽に負けてぱん太郎とのセックスにのめり込むようになり、もう何十回と逢瀬を繰り返し、一度でも味わったら一生忘れられないのではないかと思うほどの濃厚かつ強靭極まりない膣内射精を数百回も経験して、他の女同様にすっかりぱん太郎に種付けされるのが快美感と直結してしまったすずとあやね──であっても、根は純朴で優しい二人が行人に対してごめんなさいと謝るということは、だいぶ希薄になってはいるだろうが、まだ心のどこかに罪悪感や悔恨といったものが残っているのかも知れない。こうした正当な理由を与えることによって心の負担を軽くさせれば、その分だけぱん太郎の存在もさらに浸透するだろう。二人の天秤はもう既にぱん太郎の方に傾ききっているのだから、あまり追い詰めないのは彼にとっても得策なのだ。それに、女も気兼ねなく男を迎えられれば、それだけ深い満足が得られるというもの──そうして安心して迎える準備を整えた女を抱く男の方も。 (ま、ボクとのセックスが楽しくなればなるだけ、さらに行人クンから心が離れていくだろうけどね♥) わずかでも心残りがあるのならば、厳密にはまだ完全に我が物になっていないとも言えるが、むしろそんな状態こそが至高であり完璧なのだ。理解した上で男の趣向に付き合い、ぱん太郎と深い関係になっているのを伏せて表向きは今まで通り行人の傍に居続け、少年との縁を切らずに意図せずとも彼の気を惹き付けるすずとあやね。 昔と変わらないように行人と仲睦まじくしながら、ひとたびその少年の前から姿を消せば──こうしてぱん太郎と愛慾の泥海に喜んで沈み落ち、性の悦びを知った女の姿となり、子作りを意識しながら熱烈な子種の受け渡しまでするようになったすずとあやね…………。 ぱん太郎はゆっくりと腰を進めてあやねの中へいきり立った極太肉棒を突き入れてゆく。一日じゅう射精しても衰えも鈍麻も知らず枯渇することすらない究極の魔羅神と化した、本当に我ながら神性すら感じる己が生殖器。 通和散を用いない挿入だったが、胎内に残っていたまだ粘り気のある精液と愛液が混ざり合って潤滑剤の代わりとなり、節榑棍棒のような大魔羅がぶちゅぶちゅと音を鳴らして白濁汁を押し出しながら滑らかに入ってゆくと、そのあまりの気持ち好さに、「ンアアアアッッ♥♥!!!!」と、思わずあやねは全身を震わせながら大きな悦びの声を張り上げてしまった。あやねの細い腰は目を疑うほど簡単にぱん太郎の巨根を根本まで呑み込んでしまったのである。 だが、祭りの喧騒は外部からの多少の物音など掻き消してしまう。そのため、二人はこれまでしてきた行人の近くに隠れての密通の時と違い、気兼ねなく交淫に耽ることが出来た。 多少音を出しても大丈夫だと気付くと、オマンコの内側から全身食べられてしまいそうなぱん太郎の精気漲る抽送が生み出す堪らない快感にあやねは我慢が効かず、あっという間に夢中になり、甘い喘ぎ声が出るのを抑えられなくなってしまい、気分が盛り上がるままに、 「アハッ♥ アッ♥ アアッ♥ アハァッッ♥ イイッ♥ イイのッ♥! ぱん太郎様ぁ♥! もっと♥ もっとぉ♥ もっと激しく突いてぇ♥! 奥まで掻き回してぇ♥!」 真っ赤に腫らした顔でツインテールを振り乱しながら淫らにそう乞い願うと、ぱん太郎はその希望通りに、 パンパンパンパンパンパンパンパン!! 打ち付ける音が周囲に鳴り響くほど──無論、より賑やかな音の只中にある祭り場まで届こうはずもない──腰の動きを早め、白リボンの少女をさらに悦ばせた。 あやねのオマンコの歓待ぶりもぱん太郎を悦ばせるに十分であった。これは大抵の女に言えることなのだが、ぱん太郎と比べて遥かに小柄なからだで重い巨体をぶつけられるのに、発情した雌孔をエラ張った亀頭、傘裏にびっしり生えたツブツブ、逞しく反り返った極太肉棒でオマンコの隅々まで抉られる快感が遥かに上回り、その激しさが気にならなくなるというのだ。 日中に膣内で出されまくった子種汁を多量に溜め込んでぬめりにぬめっていたあやねの肉壺は、ひとたび挿入されると太いカリ首によってあっという間に大半が掻き出された。が、それでも残る分が愛液の潤滑さを手伝うように摩擦を和らげてしまう。しかし、そんなことは関係ないとばかりにあやねの熱く柔らかい肉襞は熱烈に蠢き、ぱん太郎の大剛根を懸命かつ美味しそうに締め付けてくる。 男を知るようになってからまだ二、三ヶ月と言うべきか、それともたったそれだけの時間でここまでオマンコが柔らかくほぐれて大量の愛液が溢れ返るようになり、中逝きまでするようになったと言うべきか──どちらにしろ、快感にまみれた濃密なセックスの積み重ねでぱん太郎の極太肉棒の巨(おお)きさと形をすっかり覚え込んだあやねの膣は、根本まで突き込まれてもまったく痛みなど感じなくなり、ただひたすらに両者に快美の悦びを与えるだけであった。 それにぱん太郎にとっては、あやね程の美少女を行人から寝取り、膣内射精し放題に抱ける昂奮の前では、多少の締まりの良し悪しなど些細な問題だった。 「アァッ♥ アァッ♥ アァッ♥ アァッ♥」 涎が垂れても気にしないあやねの惚け顔。 「ほら見てあやねちゃん、行人クンが横顔向けてる♥」 二人がサカっている木陰からは祭りの様子が──出来上がった綿アメを隣の青リボンの少女に渡しながら朗らかに話しかけている少年の何も知らない笑顔が見える。笑い返しているすずの姿も。遠目でもぱん太郎にはそのからだつきの女らしさがよく判った。実年齢より遥かに育っているように見える理想的な体型──だが、舐め回すように注視すればまだ少女らしい稚(おさな)さが残っているからだ。 (フフ……行人クン、残念だねえ……そのコもすぐに……こうなるから♥) 大男は青リボンの少女の美味しそうなからだを眺めながら舌なめずりした。同時にすずのオマンコの名器ぶりも頭に浮かび、あの極上マンコにもこの後すぐぶち込めると思うと、あやねの蜜壺の壁を押し広げている肉塊がさらに膨張する。気付いていない白リボンの少女はより一層惑乱し、ぱん太郎の雄大な剛根による抽送をただただ感じまくることになった。 「アアッ、すごい♥! もっとおっきくなってぇ♥! 行人様、ごめんなさい♥ でも、でも、これ、気持ち好くて仕方ないのぉ♥ ぱん太郎様のオチンポ♥ ぱん太郎様の最高のオチンポで子作りセックスするの──気持ち好くて止められないのぉッ♥!」 「謝る必要なんてないさ、キミを袖にしてきたカレが悪いんだから♥」 「アアッ♥ アアッ♥ そ、そうねッ♥ その通りだわ……♥!」 「祭りの最中だからか、ボクもすっごく昂奮してて♥ あやねちゃんのオマンコもめっちゃ気持ち好いし、もう出ちゃいそうだよ♥」 「アァ♥ アァ♥ いいわ、きて♥ きて♥ いつでもきてぇ♥!」 「今度こそ食べちゃいたい。あやねちゃんの卵子をボクの精子で食べ尽くして、あやねちゃんのお腹にボクの赤ちゃんをツクりたい♥」 「アアァ……♥ ぱん太郎様のとびきり濃い御種で……♥ 私の卵……食べに来てぇ…………♥!」 「行人クンはもういいよね?」 「え……? えぇ、行人様なんかもう考えられないわ♥ アァ……♥ 私のお腹の中にデキるのは、ぱん太郎様の赤ちゃん…………♥!」 あやねのオマンコの入り口がギュウギュウと搾るように強く締め付けて来て、逆に空間が生まれるように奥が広くなる。ちかげが外界の本から得た知識によれば、アクメ寸前に起こる精液を溜めるための現象──女が本気で感じている証拠の一つなのだそうだ。自分とセックスする女はもれなく全員こうなるので、ぱん太郎は女人なら必ず起こる特徴だと思っていたが。 かつて違う男に一途だった娘をここまで堕とし、自分の精子が欲しい、赤ちゃんが欲しいとはっきり口にさせ、互いに肉慾にまみれて求め合って、精子を迎え入れる準備を整えたからだの中で子作り射精を迎える──なんと無上に心地好い瞬間か! いつものように我慢して長引かせることはせず、白リボンの少女の子宮口に鈴口でディープキスしながら早々に射精欲を解き放った。 「の♥! の♥! でる、でるっ♥! 行人クンごめんねえ♥! あやねちゃんもボクの子供孕んじゃうから♥!」 「アアッ♥ 行人様、ごめんなさい、私もイグッ……イッちゃうっ──♥!!」 ビュグビュグビュグビュグビュグビュグッッッッ!!!!!!!!! ビュルウーーー!!!! ビュルウーーー!!!! ビュルルルルーーー!!!! ビュルビュルビュルビュルーーーーー!!!! 日中の量と回数も尋常か否かなどという尺度を遥かに超えていたが、あれほど出したのにも関わらず微塵も衰弱を感じさせない凄まじい放精が始まったのであった。 膣全体を押し広げて支配する灼熱の極太肉棒が力勁く脈動し、真っ赤に腫れ上がった亀頭があやねの子宮の真前で激憤したかのように何度も何度も濃厚な種汁を大量発射する。すぐに結合部から河川氾濫のように溢れ出て来た夥しい量の白濁がボトボトと真下に落ちてゆく。 「アアッ♥! アアア ア ッ♥! イグッ♥! イ グゥゥッ♥♥!!」 普段の澄ました面影が消え去るほどの声と言葉で惚け感じまくるあやね。その声音は歓喜と幸せに満ち、その表情は淫悦と堕落に満ちていた。この白リボンの少女も二十から引いていった方が早い年齢になるまで異性という存在すら知らなかったのに、女たちの中ではぱん太郎と関係するのが最も遅かったというのに、すずと同じく、他の娘たちと同じく、完全にメスに堕ちた顔になっていた。あやねはこの瞬間を味わいたいがために、祭りの本番真っ只中にも関わらず行人を差し置いてぱん太郎の許へ来たのだ。日中も十分過ぎるほど堪能したというのに──その余熱が引いてなかったからこそ、居ても立っても居られなかったのかも知れないが。 肉壺全体が痙攣するかのように細かく収縮し、彼女も強いアクメを迎えて気持ち好く逝っていることを如実に報せる。先ほどの行人や周りの目を盗みながらの性的悪戯は予想以上の昂奮を覚えさせたようであった。淫らの限りを尽くした昼間の性宴と祭りの高揚の影響が多分にあるのも確かだろう。 いずれにしろ、あやねも半年前の彼女とは同一人物と思えないほどの変貌ぶりで、ぱん太郎を厭っていた態度はどこへやら、乙女の恋する想いは完全に行人から剥離してぱん太郎に移(うつ)ろい、心もからだもぱん太郎とより深く繋がろうとしているのは間違いなかった。 密着した二人の下半身はいつまで経っても離れず、噴射の度に少女の細い腰を大男の厚い腰が押し突き、祭り衣装を着崩したあやねの秘陰の最奥で何度も何度も濃密極まりない子種が子宮に浴びせかけられまくる。行人の姿を視界に捉えているというのに、何ら遠慮することのないあやねとぱん太郎の幸せに満ちた生殖結合。 「アアアアァァァァ………………♥♥」 挿入から射精までだいぶ早かったというのに、満たされまくった忘我の表情で絶頂の世界に浸りまくるあやね。数分間に渡って続く子作りを強く意識させられる種付け時間の中、あやねはぱん太郎から与えられる異常なまでの生殖昂奮に、異常なまでの多幸感に包まれながら、快感にまみれた子作りセックスという深い海に溺れ沈むがままに流されていた────。 白リボンの少女の乳首はビンビンに伸び膨らんでからだを押される度に何遍も樹幹を擦り、その双眸は焦点を喪っていた。ぱん太郎とあやねはただひたすらに性の本能にまみれながら子種の受け渡しに没頭するオスとメスになっていたのである。 あやねは、紛れもなく〝女〟になっていた──── 「アアアァ…………♥!! アアアアア…………♥♥!!」 「あやねちゃん……♥! あやねちゃん……♥!」 「ぱん太郎様……ぱん太郎様ぁ…………♥♥!!」 二人の足元に白濁の海を生み出し、ようやく射精が収まった時には、ぱん太郎の内には早くも次の慾望が首をもたげており、肉棒もまったく獰猛さを失っておらず、 「ハァ、ハァ……♥ あやねちゃんにまたタップリ種付け出来たけど……あやねちゃんのナカ気持ち好すぎて……まだ収まらないよ……もっと動いてもいい……?」 と、全身汗まみれになって荒い呼吸をしながら陶然としている白リボンの少女の耳元で囁くと、白リボンの少女は嬉しそうにすぐさまコクンと頷き返した。 ゆっくりとぱん太郎が腰を前後に揺らし出し、「ん……♥ ん……♥」と始めは緩やかな声を漏らしていたあやねだったが、再びパンパンと大きな音を立てながら肉慾を解き放ったような激しい交わりに戻るのに長くはかからなかった。 「のお、気持ち好いよ、あやねちゃん♥! 行人クンには悪いけど、キミのオマンコも、子宮も、ボクの精液で満杯にしたくて堪らなくなるよ……♥!」 「してえ……♥! 私のオマンコも、子宮も……♥ ぱん太郎様の精液でイッパイにしてえ……♥! 行人様なんて、忘れさせてぇ…………♥!」 行人は聞いたこともない、聞けばそれだけで童貞の少年は昂奮を衝き乱されて射精すらしてしまうかも知れない、性の快楽を覚えてまだ半年にも満たないとはとても信じられないほどの、普段とはまるで別人のようなあやねの甘ったるい艶声。 この調子で計三発、最後は駅弁になってキスしながら種付ける意識を存分に籠めた己が子種をあやねの膣奥でどぷどぷ放ったぱん太郎は、少女の両脚が彼の太い胴体を懸命に挟み込んでおり、種付け射精されている最中のあやねの愛慾の坩堝と化した眼窩の奥にぱん太郎の子を受精しても構わないという気持ちの光が定着しているのを確認し、孕ませたい、孕みたいと目と目で交わし合いながら、「ぱん太郎様……好き……好き……♥ 孕ませてぇ…………♥」と、耳が溶け落ちそうな小声で実際に口にする白リボンの少女のおねだりを聞きながら、ボクも大好きだよ、元気な子を産んでねと抜かりなく囁き返し、ここまでの関係になっているのを気取ってもいない少年が一方的に想いを強めている少女と一つに融け合いながら、その最奥でこれでもかというぐらいの量の孕まし汁を双方の望みの上で注ぎ込むという、最高に気持ち好い夢のような時間を心ゆくまで楽しんだのだった────。 すずの時も同様であった。 固さも熱気もまるで失っていない大肉茎の筋から少しも萎(しな)びていない陰嚢の裏まで愛おしそうに丁寧に舐め清めたあやねが、いつものように自分の股間もしっかり掃除して新しい綿を入れ手際良く支度し直すと、 「また後で……♥」 「うん♥ オマンコの中にボクの精子溜めながら、受精してって願いながら……行人クンの傍にいてね♥」 「ええ……最近は必ずそうしてるわ…………♥」 もう一戦始めるのかと思うほどの淫靡さでぱん太郎とねっとりとしたキスをしつつそう言い交わし、白リボンの少女が惜しむように彼の許を去ってから──数分も経たずに現れた青リボンの少女。 袴を穿き直すのは面倒だなと考え逆に上も脱いで全裸で待っていたぱん太郎に瞠目したすずだったが、すぐにその口元が緩んで嬉しそうに微笑み、「……来たよ♥」と可愛い声で媚びるように呟いて、あやねと同じく大男の太腹に飛び込んだのだった。 あやねといいすずといい、都合の良い肉便器女をヤリたい時に呼び付けているような感覚を憶えるぱん太郎──実際その通りだろう、と可笑しくも愉快に思う。 孕ませたいという気持ちも嘘ではないし、取り込むために女が喜ぶようなセックスもするが、すっかりこちらを嫌い抜いている生意気な小僧にまだ味方だと信じ込まれているこの二人の少女を──すずとあやねのオマンコを、常に吐き出さずにはいられないほど毎日毎時無尽蔵に生産される精液を自己本位で処理するためのコキ穴として扱っている時があるのもまた事実であった。だが、二人の方も今や顔を合わせたばかりの時ですら嬉々としてそれに従うのだ。オマンコを奥まで穿(ほじ)くり返す巨根が好き放題に暴れた末にぱん太郎の射精欲、種付け欲のままに腟内放精されるのを彼女たち自身が悦ぶのだから、この島で東方院行人ほど憐れで滑稽な存在もいないだろう。ぱん太郎はすずの頭を撫でながら相好が崩れるのを抑えられなかった。股間から愉悦の稲光が全身に走るのを収められる筈もない。 「行人クン放ってすぐ来ちゃった?」 「うん♥ 行人には悪いけど……ぱん太郎様にオマンコしてもらう方が大事だもん♥」 すずは頬を染めながらも媚びた表情を少しも変えずにはっきりとそう言い、ふと下を向く。愉悦で漲りまくって今にも破裂しそうな大怒張が彼女の腹部に当たったのだ。 「あはっ♥ いつ見てもすごい元気……♥」 思わず喜声を漏らした青リボンの少女は膝を折ってぱん太郎の股間に顔の高さを合わせると、ずっしりとした巨嚢を撫でさすりながら顔の半分を覆う幅がある極太肉棒を愛おしそうに擦り上げ、昂奮と慾情を隠さない淫蕩な表情で舌を這わせる。そして、 「ぱん太郎様のおっきくて、熱くて、臭くて……でも、イイニオイの素敵なおちんちん……大好きだよ……♥」 と、媚びるように呟いて顎が外れんばかりに口を開き、エラ張った大亀頭を物怖じもせず頬張ったのだ。 「ん……♥ ん……♥ ん……♥ ん……♥」 多少苦しそうにしながらも、ぱん太郎の顔を見上げながらジュプ、ジュポとたっぷりと唾液を含んだいやらしい水音を立てて美味しそうにフェラチオするすず。先ほどまであやねが舐めしゃぶっていたばかりであり、美少女二人が親しい少年を放って書き付け通りに交互にやって来て立て続けに熱心な口唇奉仕をするという嬉しい状況に、ぱん太郎の気分は上々であった。 「のおっ……♥! すずちゃんののどちんこが……♥!」 気持ち好さそうな息を吐いて胴を奮わせるぱん太郎。すずはえづきもせずに喉まで巨根を呑み込み──それでも根元付近がまだ握れるほどの長さだったが──、頬をすぼめ唾液をたっぷり含め、口内全体を使って肉棒の広範囲に複雑で心地好い刺激を与える。舌触りや喉奥の壁、咽頭に垂れる袋に擦れる感触などがまた溜まらなかった。他の娘たちはおろか母親連でもぱん太郎の巨根をここまで深く咥えながら喉奥まで使える女はそうはいない。まさに大人顔負けの濃厚フェラチオ。 もともと器量抜群なこの少女がまったくの手付かずの状態からここまで性技を上達させるのに、普通なら短すぎると思われる半年という期間は十分なようであった。すずとぱん太郎の交淫がそれほどまでに繰り返されたというのもあるが……ひとたび会えば何時間も、あるいは日を跨いでセックスに没頭した事も数え切れず、男という存在すら知らなかった処女に男女の性行為の気持ち好さと楽しさ、そして、男の良さをぱん太郎はすずに教えた上で、どうすれば男が悦ぶかも学ばせて来たのだ。 「すごく気持ち好いよ……♥!」 ぱん太郎が本音をそう吐露するとすずは嬉しそうに目を細め、さらに熱意を籠めてジュポジュポと水音を立てながら奉仕を続ける。行為中に正直に気持ちを伝えるのは大事なことであった。 女が彼の極太肉棒を舐めしゃぶる様を眺めるのもぱん太郎の大好物の一つだ。支配しているという感覚が著しく刺激される。特にすずがこうして下品なまでに顔面を崩しながら夢中でフェラチオするのを見下ろすのは他の娘たちより遥かに深い愉悦と満足感を覚えるし、すずの子宮に直当てして精子を注いでいる時に劣らないぐらいの昂奮がある。 さしものぱん太郎もあっという間にこみ上げて来る射精衝動に、 (これはヤバイな……♥) 気が変わってしまいそうな危険な兆候を察する。 このまま、すずの口の中で思い切りぶちまけたい。下の口だけでなく、この娘を征服した証を上からもからだの内側に流し込み、食道を穢し、すずの胃の中を己の白濁汁で一杯にしてやりたい。 だが、衝き上げるその慾求を何とか抑え込む。もし精液が飛び散って──いやほぼ確実にそうなるだろうが──、それがすずの衣類や長い髪の毛などにかかったら、さすがに短い逢瀬の間では後始末が大変になる。彼の凄まじい勢い、量、長さの射精を最後まで咥えたまま耐え切れる女などおらず、さしものすずでも噎せ返って酷い有り様になってしまうだろう。祭りのそれにも劣らぬ寝取っている楽しみを明日以降も味わうためには、外見上は何も変わらず行人の許へ戻っていつも通り仲良くして貰わねばならない。 それに、精飲に関しては過去にこういう出来事があった。 すずと時を忘れるほどの肉慾に溺れて過ごした回数は、屋敷の〝愛の巣〟の中に限っただけでももう十指を超えてしまったが、その中でも、ちかげが毎月組むようになった順番にすずも若干ためらいを見せながらも従うようになり、わざわざ念押しせずとも自発的に来るようになってからまだ二、三度目ぐらいの頃だったろうか。 その日も行人に勘繰られることもなく午前も早い時間から屋敷を訪れた青リボンの少女は、前日の伽番だったまちが〝愛の巣〟のシーツの海の中で白濁の潮溜まりに下半身を浸しながらうつ伏せに伸びているのを目の当たりにし、逝きまくった顔で幸せそうに気絶していた退魔巫女を介抱してから召番のゆきのとみちると共にベッドメイキングしていると、終わり間際に突然、後ろからぱん太郎に抱きつかれてからだをまさぐられ始めたのだ。気を利かせたゆきのとみちるが羨望の眼差しを向けながらも汚れたシーツの山を抱えてすぐさま退出し、そこからぱん太郎とすずだけの時間が始まった。 すずは大男から与えられる性の悦楽にまったく抗えず、少年の介入などある筈もなく真新しいシーツの海でいつものようにぱん太郎と二人きり、全裸同士になって昼近くまでじっくりとからだの至るところの性感を開発調教されたり、性技を覚え込まされたりしたのだ。 濃密な前戯ですっかりからだが開き、濡れまくったオマンコにようやく極太肉棒を挿入されれば、すずは歓喜の声を上げてぱん太郎と一つになった。その頃にはもう、すずのからだは──オマンコはビショビショに濡れてぱん太郎を切望していた。挿入後も時間をかけて肉穴の中を押し拡げるように丹念に突き回され、一発目を中出しされるまでにすずは感じまくって何度も気持ち好く絶頂に達し、ひとたび始まったぱん太郎の精悍な種付け射精を味わっている最中も生殖本能の昂奮が湧き上がるままに心地好いアクメを迎えた。夢中になっていた彼女自身は気付いていないようだったが、〝種付け時間〟中の二人の体勢はまさに精子の受け渡しをしているオスとメスであり、その瞬間だけ抜き取ればまだ性的に成熟していない筈の十代半ばという年齢を忘れさせるほどであった──。 二回戦目の途中からは促されるままにすずは上に跨り、快楽の熱に浮かされた顔でぱん太郎と見つめ合いながら正体を喪ったように自分から腰を動かし、二度目の膣内射精が始まると何度も小さくない絶頂に達しながら喜声を上げ続け、ぱん太郎と視線を絡み合わせ続け、何度も唾液まみれの舌を絡ませたキスをし、結局は最後の一噴きまで尻を上げて肉棒を抜こうとはしなかった。どころか、「ボクの種付け射精、もっと感じて……♥」とぱん太郎に囁かれると、「うにゃあぁあぁ…………♥」と嬉悦を発しながら腰が密着するほどぐりぐりと押し付けて体内で射精中の極太肉棒を根元まで咥え込んだものだ。自ら種付けされるためにぱん太郎の生殖器を子宮近くまで招いたのだ。この時期のすずは、はっきりと選び取る意思を持ちながら覚悟を決めてぱん太郎の精子を迎え入れていたわけではない。ぱん太郎との気持ち好いセックスに呑み込まれて、ただただ剥き出しにされてしまった本能と快楽の慾求がそうさせただけなのだ。そうして全身を奮わせながら、すずはさらに深いアクメに導かれ達したのだった…………。 無論、それだけでは済まず、食事や休息もそこそこに、太陽が中天をだいぶ過ぎてもすずの中にぱん太郎は存在した。後で行人に夢見の術をかけるためにと隣の部屋から二人のセックスを眼(まなこ)に収めさせていたまちが我慢できなくなって乱入してきたので3Pしたり、同じく我慢できずにおねだりして来たゆきのとみちるを交えて一時5Pになったり。昼食前に入った風呂場では四人の少女のからだを垢すり代わりにして洗身奉仕させた後、温泉の縁に尻を並べさせてすず・まち・ゆきの・みちるのオマンコの味わい比べをし、彼女たちに行人への謝罪の言葉を言わせながら一度の射精で全員の穴を出入りして四人同時種付けしたり。他の三人には先に上がらせて再びすずと二人きりになると、ゆったり湯に浸かりながらのあまり動かない対面座位で談笑優先の青空温泉セックスに興じ。だが、すずの方はまだ発情が収まっていなかったようで、先ほど行人へ謝っていた意識はどこへやら、やがて湯の中で盛んに腰を動かし出し、豊満な胸をぱん太郎に押し付けながら理性を喪った表情で何度もキスをねだり、絶頂へ至る時には、「うにゃあぁん♥! イク♥ イクイク、イクゥッッ♥♥!!」と、ぱん太郎にしがみつきながら蕩けた声を上げまくり、合わせてぱん太郎も射精を始めると、嬉しそうに腰を密着させて膣奥種付けを感じまくっていた…………。 裸のまま部屋に戻る途中の廊下ではすずに壁へ手を突かせて立ちバックでサカり、ぱん太郎は己の慾望の赴くままに腰を振って一方的に精を吐くというすずの肉穴を自慰玩具同然に扱う行為をしたが、すずの表情はただたた快感にまみれているだけで不平の欠片もなかった。二人の股から垂れ落ちる体液で廊下に白濁の川を作りながら〝愛の巣〟に戻った途端にまたおっ始め、そのようにして暮れ方までたっぷりと何時間も……絹の帳に包まれたベッドの中ですずとぱん太郎は飽くことなく性慾と快楽にまみれた生殖行為を続けたのだ。すずの方からあからさまな言葉で求めることはなかったが、ぱん太郎の求めには抵抗もなくあるいは悦んで従い、ぱん太郎と息を合わせて自分からも腰を動かし、すずのオマンコは歓喜一色に蠕動し、心底気持ち好さそうにぱん太郎の巨根と種付け膣奥射精を感じまくり、青リボンの少女は嬌声を上げまくり、その表情には淫蕩さが刻み込まれるばかり、すずの膣奥でぱん太郎の精液が放たれるばかりであった。すずへの種付け具合に行人に対する忖度など一切なく、一発一発にすずを孕ませる意志が籠められていた。明らかにすずも躊躇いを忘れてセックスを楽しんでおり、膣内射精されて女の本能の悦びを感じており、ぱん太郎にとってこの上なく至福の時間であった。 そうして何時間もかけて快感にまみれたセックスを続ける中で十発以上もすずの子宮に己が精子を注ぎ込んだ後、今のように従順かつ熱心に極太肉棒を口と舌で綺麗に掃除しながらもまだ収まらない若い欲情に蒸れた眼でディープフェラを始める青リボンの少女の姿を眺めながら、この娘ならそろそろ──とぱん太郎は思い、口の中で受け止めるように命じて口腔発射したことがあるのだ。 ──が、すぐに青リボンの少女は堪え切れなくなって口を離すと大逆流して白濁嘔吐するわ噎せ返るわ鼻からも噴き出るわ、濃厚な粘液が喉に絡み付いて窒息しそうになるわでひと騒動であった。甘い交歓どころではなくなって何とか咳き込みが収まるのに小一時間もかかり、この娘でも無理だったかと落胆したぱん太郎は、もうお白けのお開きか、召番の二人と交代させるか他の娘を呼ぶか──などと気持ちが別に向きかけていた。 しかし、落ち着きを取り戻してからは妙に腰重くベッドの端に座ったままもじもじしながら伏し目がちに視線を送って来るすずの表情を見てピンと来たぱん太郎は、予定を変更して明日の伽番と行人の所へまちを使いに飛ばした。そうして、青リボンの少女との逢瀬をもう一日引き伸ばしたのである。 この日もすずは子守をしていることになっていて、母親役はみちるであった。梅梅にしても良かったのだが、ぱん太郎の屋敷へ引っ越した中華少女の名は以前ほど気軽に利用できなくなっていた。 何にしろ急拵えな脆い嘘の綱渡りであった。まちはたまたま立ち寄ったことにして、みちるの体調はそれほど悪くないしオババもいるから心配しないで、と言わせるようにしたが、それでも気になった行人が様子を見に行けば、オババの家にみちるも赤子も──すずの姿も無いことはすぐにバレる筈だ。さすがの行人も明確な疑念を持ち始めるに違いなく、家に帰った青リボンの少女を問い質すだろうことは考えずとも解ることだった。 とは言え、関係が明るみに出たところで──だ。真実を知った行人が怒り狂って襲いに来るかも知れないが、久々の喧嘩が出来るならむしろ願ったりだし、結局は寝取っている楽しみが無くなるだけになるだろう。それはそれで大いに残念なことだが、すずが行人とぱん太郎のどちらを取るか──この時点でも選ばれる自信はあった。 その少女の隣に座ったぱん太郎は、大変な目に遭わせちゃって本当にゴメンね、行人クンは適当に誤魔化すから今夜はここに泊まってゆっくり休んでいきなよと、何度目かの謝罪をしながら腰に腕を回すと、その手つきに気付いたすずは頬を赤らめ、「ううん、いいの、もう大丈夫……」と静かに言いながら大男にもたれかかって来た──。 その時のぱん太郎の顔面は、快心のニヤケで歪みきっていたものだ。 (ごめんねえ、行人クン♥) と、心の中で敵にも値しない情けない少年を優越の眼差しで見下す。何年も生活を共にしてきて、キミさえ一歩踏み出していれば簡単に恋人にでも肉体関係にでもなれただろうとびきり可愛い女の子は、キミの許に帰るよりボクに抱かれることを選んだんだよ──と。 青リボンの少女をベッドに優しく押し倒し、しばらく見つめ合ってからキスをしても、舌を触れ合わせながらスカートの中に手を入れて太ももや尻を優しく撫で回しても、一度締めた帯を解いてまた服を脱がし始めても。すずは何の抵抗も見せずに接吻や愛撫に夢中になり、瞳の奥には愛慾への尽きぬ期待を宿し、一時間前まで見せていた表情に戻りつつあった……。 ぱん太郎は詫びの意味も籠めて、まずはゆったりとだが女を喜ばせるセックスに徹した。 行人の名は出さず、多めのキスと耳元で語りかけながらの優しくもじらすような愛撫が続くと、すずは何の不安もないように気持ち好さそうにぱん太郎に身を任せ、太い腕の中で細やかな汗を掻きながら何度も声を上げて逝きまくり、陽が落ちて垂れ絹の外にある行灯の仄かな明かりだけになった薄暗い天蓋内で言われるがままにからだを開き、さらに続く甘美な愛撫に身悶えた。まだ十分に理性が残っている時の表情にももはや少しの逡巡の色もなく、ぱん太郎へ向ける目には思慕の気配すらあった。ぱん太郎は青リボンの少女に挿入してもあまり動かさなかったが、すずは頻繁にからだを捩らせ奮わせ、膣内(なか)は細かく収縮し、むしろいつもより感じている反応を示すほどだった。 「すずちゃん……すずちゃん……♥」 「ぱん太郎……様ぁ…………♥!」 ぱん太郎の底なしの精力に引き摺り回されるように淫気を盛んに発散させながらのいつもの交わりとは異なり、声も潜め内に籠もるような静かなセックスであったが、却ってそれが深い快感を呼ぶかのように、すずもぱん太郎もこれまでにない気色の昂奮を覚えながらお互いを感じ合う。 男は初めての娘ばかりの上、並ではない巨(おお)きさの肉根に慣れさせるため、すずに限らず動かずにいることはこれでにもよくあることだった。だが、止まっていても女は自分の中に異物が入っていることを十分に感じ取る。男は射精のため動かしたくなる生き物だが。 ゆっくり動きながらすずの目の奥を覗き込んだぱん太郎は、この少女との心の距離がさらに縮まった光を確かに掴み、一旦完全に止まって口づけに移った。上も下もそれこそ本当に色慾の海の中でドロドロになり一つに溶け合ったかのような得も言えぬ感覚。すずの昂奮も最高潮に達したようで、二つの口を塞いだまま全身ビクビクと小刻みに奮え、オマンコの中もこれほどの巨根を食べ尽くさんとばかりに全体がきつく締まってギュウウッと窄(すぼ)まり、ザラザラウネウネと何重もの刺激を全方位から休みなく与えて来るものだから、さすがのぱん太郎も暴発を抑えるだけで精一杯であった。あの何も知らない童貞小僧には絶対に渡したくない絶品マンコ。 そして、最終的に彼女からの求めに応じてぱん太郎は一晩で五回──決してがっつかずに──すずのオマンコを極太肉棒で長い時間虐め続け、悦ばせ続け、濡れ火照った肉と肉が擦れ合う心地の素晴らしさを教え続けて喘ぎ悶えまくらせた末、少女の希望を訊いてからその望み通りの場所で精を放ったのだ。 それは、五発ともすずの子宮に直付けての奥出し発射となったのである。 直前にどこに出して欲しいか訊かれたすずは、「うにゃぁ……♥ このまま……中でぇ…………♥!」「それって……キミの子宮に、ボクの精子を送り込んでいいってことかな……?」「……うん…………♥」「フフ……じゃあ、いつもみたいに……一番奥で出してもいい?」「うん……♥!」「……すずちゃんを孕ませるつもりで……子宮めがけて出すよ……♥」「うにゃあん……♥……いいよぉ……来てぇ……♥ ぱん太郎様の熱くて、重くて、キモチイイせいえき……♥ 私のナカに出してぇ…………♥!」と、すずはもはや気後れもなく発情しきった甘ったるい声で鳴くように答えたものだ。 繋がっている最中は何度か体位を変えたりはしたが、ほとんど正常位が軸を占め、五発中四発も見つめ合い、キスをしながらの子種の受け渡しだった。「出すよ……」と言われてぱん太郎の熱く重く濃い体液を流し込まれている間、すずは伸ばせるだけ手足を伸ばしてぱん太郎の躰に精一杯しがみつき、抱き合った二人は団子のようになった。残りの一発は寝バックで、射精時はすずの下半身を押し潰すほどの密着具合で精液注入されたが、その重みは分厚い羊毛ベッドがすべて受け止め、これも膣の締め付け具合の熱烈さは感じまくっている他になく、少女は真っ赤に蕩けた顔を枕に埋(うず)めて甘い声を漏らし続けながら幸せそうに逝きまくり、そのからだとオマンコはぱん太郎の子種の送り込みに全身で応えていた。ぱん太郎は気付いていたが、その姿は前日の朝まで抱いていたまちとまったく同じであった。 共に暮らしている少年と一日中べったりが当たり前だったこのとびきり美しい少女を、こうして時間を気にせず夜通し或いは朝から日が暮れるまで犯し抜くのはもう何回目だったか──最初は秘密場のような狭い砂浜で一度、後はこの時のように子守や女子会のお泊りと偽って何度か──。その度に他の娘では味わえないほどの寝取る愉悦と喜びをぱん太郎は堪能し、すずの方にもセックスに夢中になってしまうほどの快感を与え、何も考えられなくなるほどの気持ち好さに騙されて精液を受け入れる準備を整えてしまった肉壺の最奥で濃さも粘度も段違いの白濁汁を思う存分に放ったものだ。最初の頃は乗り気ではなかった様子のすずが、回数を経る度にからだの奥底まで染み込んでゆく性の快楽に屈してゆき、いつしかセックスの気持ち好さに嵌まり込んで、ぱん太郎への態度が徐々に変わってゆき、孕ます勢いを隠しもしない膣奥射精を夢中で感じるようになっていくのを見届ける楽しみもあり……。 屋敷が騒がしくなる気配もこの部屋に乱入して来そうな足音も一向になかった。東方院行人は今回も泊まりの嘘を信じてしまったのだろう。気にならないわけはないだろうが、この少女を信じ、家を出ることなく眠りに就いたに違いない。 その場合、まちには〝あの術〟を掛けるよう指示してあるから、夢の中でとは言え、その日実際にあったすずとぱん太郎の情熱的なセックスを行人は見ることになるのだ…………。 (フフフフ……行人クン悪いねえ。キミが呑気に寝てる間、すずちゃんは夢でも、現実でも、ボクに取られちゃってるわけだよ♥) 今頃、行人の夢の世界では、まちに術をかけられて為す術もなく見ているしかない少年の前で、すずはこのようにぱん太郎と愛し合っているわけだ。ぱん太郎に絶頂までイかされて気持ち好さそうに喘ぎ悶え、ぱん太郎の妊娠させる気満々の膣内射精を悦んで受け止めるすずの姿を術中の行人は見続けるしかない。ひょっとしたら夢と現実の光景が重なるように同じ体位でヤッている瞬間もあるかも知れない。 深夜の屋敷はしんと静まり返り、行人ではない男と二人きりの〝愛の巣〟で──青リボンの少女はぱん太郎にどこまでも気持ち好くされ、その末に子宮直付け種付け射精されて今までの自我が吹き散ってしまいそうなほどの気持ち好さを体験し、淫堕愛慾の底なし沼に沈みきっていた。 だが、それはすず自身の選択でもあって──。 ぱん太郎との肉慾にまみれたセックスが、ぱん太郎の逞しく強靭な極太肉棒と射精が──一時的とは言え少年のことが頭から完全に消え去ってしまうほど気持ち好くて仕方ないようであった。抜け出るなど到底不可能なほど深い大沼。めくるめく快楽に彩られたセックスを知ってしまい性の慾求に目覚めた若い心とからだはどこまでもぱん太郎の慾望を吸収し、さらに淫さを学んでゆく。ディープキスの快感に繰り返し酔い痴れ、ぱん太郎と肌を重ね合わせるのがたまらなく気持ち好いようであった。オマンコの奥で出してと自らの意思ではっきりと言葉にして種付けを許容し、行人のではない精子を何度も何度も子宮に注ぎ込まれ、嬉しそうに同時絶頂する青リボンの美少女。 悪夢の中で行人が目の当たりにするだろう、恋人や夫婦のようにぱん太郎と気持ち好くセックスするすず。傍から見ればぱん太郎の精子注入をすずからも望んで受け入れているようにしか映らない〝種付け時間〟。ぱん太郎に跨りながらの腟内射精をやはり自ら望むように腰を密着させて気持ち好く感じまくっている青リボンの少女──。 そんな夢の中の姿と寸分違わぬ様子で至福の〝種付け時間〟を何度も味わい続けたすずは、彼女自身も気付かないうちに中出し許容のその先──今までは半ば意識的に思わないようにしていたぱん太郎の子を受胎する想念が無意識の殻を破って育ち始め、それが気持ちを一段と乱す要因となってさらに快感が増してしまい、ぱん太郎からは何も言葉で要求して来ない中、妊娠に対する心の凝(しこ)りなど忘れ去ってしまったかのように頭の中は肉慾快楽一色となって自ら望むような迎え具合となり、ぱん太郎の妊娠させるぞという意志表示の肉棒突き入れと膣奥射精の勢いに応えるように、ぱん太郎の子供を望むような体勢を意識しながら維持するようにまでなってしまっていた────。 睡眠を挟んだ翌朝。裸のまま抱き合うように寝ていたぱん太郎とすずは、瞼を開いて互いに起きたことを確認すると、微睡んだ顔で笑みをこぼしてそのままキスに移り、おはようの挨拶もせずに互いのからだをまさぐり合いながら行為に入った。昨日もあれだけ出したというのにぱん太郎の男根はすずの指が触れただけで瞬時にカチカチとなり、驚き顔の少女を苦笑いさせたものだ。昨晩とは打って変わって、四つん這いになっての激しく貪り合うような動物的な交尾からの朝一番の濃厚な白濁粘液が大量にすずの胎内で放たれると、まだ覚醒しきっていない二人はそれこそオスとメスのケダモノになったような声を上げながら、生殖本能に従う生物の姿勢で起き抜けの気持ち好すぎる性的絶頂に耽溺した。 その〝お目覚めセックス〟の気持ち好さと言ったら──! 射精しながらの突き入れで孕ましたいという原初の意志を躰じゅうから発散して吠えるオス、嬌声を上げながら無上の悦びに包まれたように歓喜してそれを迎え入れるメス────。 ぱん太郎とすずは、理性の抜け落ちた顔を紅潮させ頭をカラッポにして、そのように生殖する雌雄となっていたのである。 体力も完全復調したすずは昨日の失敗など忘れたかのように、起きぬけから彼女のナカにたっぷり子種を注いだ大怒張を愛おしそうに舐めしゃぶったり、パイズリ放精からの天蓋直撃の白濁雨に陶酔したりした。 目覚めたてで元気が漲り過ぎているほどの種付け剛根が四、五発もすずの子宮直近で爆発した後は、青リボンをほどいていた少女は朝起きてすぐの愛慾まみれのセックスで再び昏睡するのではないかと思うほど深い満足を得た惚け顔になっていたが、絶頂の高原を下ると快活さを取り戻し、ベッドを抜け出て召番の用意した朝食を摂った後、別室や風呂場、中庭の東屋など場所を変えても延々とぱん太郎の肉棒を受け入れ続けた。 食事などの時を除いてぱん太郎とすずは昼を過ぎても下半身を繋げ合わせており、頭を真っ白にしてケダモノじみたセックスに没入していたと思えば、普段の青い服と白いスカートを着させてヤッたり、ちかげが一室を占拠するほど持ち込んだ様々な衣装の中からぱん太郎好みの種類──学生服やナース服、大胆な水着などの姿になったすずとヤッたり、ぱん太郎が完全にマグロの状態になって青リボンの少女主導で腰を振らせ、彼女の意思で膣内(なか)出しを選ばせるなど、さらに十発も二十発もすずの子宮直付けの種付け射精が繰り返されたのだ。 昨日に引き続きセックス三昧に溺れた長い時間の中で、すずの顔つきは完全に淫奔な女のそれに変わっていた。セックスの気持ち好さしか考えられなくなった顔つき。すっかりぱん太郎の誘導に嵌っていて、言われるがままに行人に詫びながらぱん太郎に対して股を拡げ、挿れられる前に自分から指でオマンコを拡げ、行人のではない肉棒を挿れられて淫らな嬌悦に奮え、行人のではない子種が注がれる度に嬉々として子宮に受け止め、その都度ぱん太郎と息を合わせてお互い肉慾を貪ることしか考えていない生殖絶頂に浸ったものだ。完全にぱん太郎の掌(たなごころ)の上であった。 何も言われなければ行人のことすら完全に忘れて喘ぎ悶えまくり、「ぱん太郎様♥ ぱん太郎様♥」と、子種を送り込んで来る男の名前を愛しげに呼び、「ボクのチンポ気持ち好い? ボクの精液注がれるの気持ち好い?」と問われると、「うん♥ ぱん太郎様のおチンチン気持ち好い♥ ナカで精液出されるの気持ち好いのお♥」と、喜びに満ちた声で何度も正直に答えながら、理性を喪った惚け顔でぱん太郎と一つに融け合った生殖セックスの快感に没入する姿を惜しげもなく見せた。緩急を付けほとんど動かない静かなセックスも挟むとすずも大歓迎し、お互いの性器の脈動や熱気を心地好く味わいながらキスと愛の言葉を交わし、少女の理性が幾分か戻っている中、 「そろそろ出すよ、すずちゃん……。また、キミの子宮の中にボクの精子を届けるから…………ボクの赤ちゃんを孕むって思いながら……全部受け止めるんだよ…………♥」 膣内射精する度にその意志を籠めているくせにわざわざ耳元でぱん太郎がそう囁くと、すずはとろんと目を蕩けさせ嬉しそうに微笑んで男を見上げ返し、 「うん…………♥!」 と、はっきりと頷いたのだった。 「すずちゃんも本当に欲しくなってきた? ボクの赤ちゃん♥」 「……まだ……よくわかんない…………けど…………♥」 「けど?」 「ナカで出されるの……もう、嫌じゃないのは……ホントだよ…………♥」 ぱん太郎の極太肉棒を深々と咥えて膨らんでいる下腹部を見下ろしながら微笑むすず。 「……そっか♥」 「それに、皆んな村の将来のために……頑張ってるんだし…………♥」今度は顔を上げ、ぱん太郎に上目遣いで媚びを送る青リボンの少女。「だから……私も………………♥」 「フフ……そうだよ。これは村のためなんだから。すずちゃんがボクと赤ちゃん作ったって、何もおかしくないんだよ♥」すずの言葉を肯定するようににんまり笑って相槌を打つぱん太郎。 「ちなみに一番頑張ってるのはボクね♥」とぱん太郎が付け加えると、クスッと笑うすず。そんな何気ない仕草もこの上なく愛らしい美少女であった。 「すずちゃんも心を決めれば、皆んなだって喜ぶさ」 「そう……かな?」 「そうだよ♥ 皆んなで一緒に新しい命を作る。皆んなで村のための仕事をするんだ♥ すずちゃんは独りじゃない。それって楽しいことじゃない? 誰だって大歓迎さ♥」 「うん……♥」 「村は大きな家族じゃないか。村全体で子供を産んで、村全体で子供を育てて……。女だらけってところの強みが出るよね。力を合わせるってイイコトだよ。すずちゃん達にしか出来ない仕事♥」 「……うん…………♥!」嬉しそうに頷く青リボンの少女。 「じゃあ、こういう時はなんて言えばいいか……わかるかな……?」 「うにゃっ……にゃぁっ……♥」 ぱん太郎がのろのろとした動きで往復を始め、生殖棒の先端で奥を──子宮を目指すという意思表示をするように軽く小突き出したので、堕楽に緩んだすずの口元が嬉しそうに動く。腟内は巨根の太いカリ首で奥まった場所以外の精液は掻き出されて愛液の方が多分になっており、少し抽送するだけでグチュリ、グチュリと湿った水音が立ち、薄まった白濁粘汁が二人の結合部から溢れて垂れ落ちてゆく。 緩やかな動きでも痺れるような気持ち好さを感じ、すずは抑えられない昂奮の吐息をつきながら、 「ぱん太郎様の赤ちゃんがデキちゃう白い汁……♥ ぱん太郎様の赤ちゃんの種……私のオマンコの中で……いっぱい出してぇ…………♥」 と、一つに繋がっている男を見上げながら甘くねだるように言った。 「大変良く出来ました♥ ボクとすずちゃんの赤ちゃん……気持ち好く作ろうね……♥!」 「うにゃぁん……♥!」 「よおし……出すぞ…………!!」 低く唸りながら、すずの胎内に深く挿入したままで腰を震わせるぱん太郎。 「うにゃあッ……♥ にゃあぁッ……♥ うにゃ、あッ、あッ…………♥!!」 「のおおッ……!!」 ビュグーーーーッッ!!!! ビュルビュルビュルビュルッッ!!!! ビューーーッ!! ビュグビュグビュグッッッ!!!!!! 「うにゃあッ♥!! うにゃあぁぁ……♥!! これぇ……♥! すごいよぉ……♥! お腹の奥で……ドクドクいって…………♥! おナカが……熱くて……破けちゃいそう……♥! うにゃッ……♥! アアッ……♥♥!!」 腟内射精中に何度もビクビクと痙攣するすずのからだを、ぱん太郎はしっかりと掴まえて逃さないようにする。 「にゃッ……♥ 奥で……せいえき……当たってるのぉ……♥! ぱん太郎様の……♥!」 「すずちゃんが可愛いから……孕ましたいって……すっごい出る……のおッ♥!」 「うにゃあ……♥! うにゃぁあぁん……ッ♥!」 「ボクの精子で……感じて……♥!」 「にゃあッ……♥! うにゃあッ……♥!!」 こうして──何度も繰り返されてきた受精を意識しながらの〝射精の時間〟が。気持ち好く溶け合う肉体が心も引き寄せ合う時間が、この時もまた一つ回数を重ねたのであった。 女性にとって腟内は陰核ほど快感を得やすい部位ではない筈だが、初体験以降もこうしてぱん太郎に濃密なセックスをこれでもかと言うぐらい味わわされ続けた結果、すずの膣もすっかりぱん太郎の巨根に慣れきってしまい、オマンコの中を擦られまくった末に膣内(なか)出しされる気持ち好さや快美感を十二分に覚え込んでしまったようであった。 理性が完全に溶けていない状態でもお互いの合意の上でぱん太郎の精子がすずの子宮へこれでもかというぐらい招き入れられた夕方、青リボンの少女は心底満足しきってどこか吹っ切れたような晴れやかな顔つきで行人の待つ家へ戻って行ったのだ。たったの一泊だけだったのにも関わらず、合計で何十発もの射精がすずの胎内と体外で放たれたのだった。 この日以降、すずの顔の翳りは一段と消えて以前の明るさが幾ばくか戻って来た。また、より積極的にぱん太郎の許へ通うようになり、今にまで続く行人との靄靄(あいあい)とした生活の裏では、ぱん太郎との享楽と肉悦に満ちた中出し子作りセックスが繰り返されて来たのである。 行人が何も知らず呑気に仕事をしている間、ぱん太郎の屋敷という〝愛の巣〟に何遍も籠もりに行ったすずは、その巣に入る度に十回も二十回も中出し経験回数が増えてゆき、絶頂回数を重ねてゆき、セックスの気持ち好さや幸福感が抜け取れなくなるぐらい心身の奥深くまで染み込んでゆき、少年の目がない所で着実に女の生殖本能に目覚めてゆき、肉体の悦びに満ちた中でぱん太郎の巨根を迎え入れながらぱん太郎の子種で孕む意識を育くむようになっていったのである。 …………。 ……………………。 ──口内射精を楽しめないのは残念だが、色々と台無しになる前に収めた方が賢明なのだ。 「もういいよ、ありがとうすずちゃん♥ 今はあんまりゆっくりできないし♥」 「うん……そうだね♥」 フェラチオを途中で終わらせると、起立を促し先ほどのあやねのように樹幹に手を付けさせてその背後を覆い、立ちバックの体勢になる。 元の美貌に戻った顔を後ろに向けたすずもまた、淫らな期待に満ちた視線を彼女の唾液で濡れた大剛直に注ぐ。あの頃よりさらにはっきりとした艶色を──性の悦びを帯びた表情。元気な赤子を沢山産めそうな肉付き佳い美尻をひと撫でしたぱん太郎がその手を滑らせて褌を解くと、すずはすかさず指を己が割れ目に突っ込んで白濁の塊と化した詰め綿をぬっぽりと抜き取り、あやねと同様に両手を使って秘裂を晒すように陰唇の肉を割り拡げた。詰め物ときつい締め付けが無くなった蜜孔から大量の白濁汁がごぽごぽ溢れ出し、数珠繋ぎのような団塊となって垂れ落ちてゆく様までまったく同じであった。こうして中に残った精液を漏らすことなく肉壺内に溜め込んでおける女は多く、それだけ膣圧が強い証拠であった。日頃の労働で足腰を使っているため、性器周りの筋肉も見た目以上に鍛えられているのだ。どの女もオマンコの締め付け具合が気持ち好いわけである。 「ぱん太郎様のオマンコだから……♥ 好きに……使って…………♥」 と、妖艶さすら帯びる流し目と甘ったるい媚び声でおねだりするすずにぱん太郎はニンマリとした笑みを返しながら、前方に小さく見える行人に視線を飛ばす。ちょうどこちらに躰を向け、足元の麻袋からザラメを掬い取っているところであった。ぱん太郎からすれば何も知らない実に間抜けな顔にしか映らなかった。 「ほら、あそこ」 「あ……行人…………♥」 「あっちからは見えないけどね。残念だなあ、もう何年も一緒に暮らしてる大の仲良しの女の子が、ボクにチンポをハメられて喜ぶところ、行人クンに見せられなくて♥」 あやねの時のような台詞を言いつつ、わざと局所を外してすずの美体を撫で回すぱん太郎だったが、 「ん……もう……ぱん太郎様ってば…………うにゃぁ…………♥」 自分を持ち出されて行人を貶められてもすずは媚笑を浮かべるだけで、それよりも焦らすようにからだを愛撫される気持ち好さに意識の多くが奪われているようであった。 梅梅を始めとした何人かの娘とまだ密かに通じていた一年ほど前、ぱん太郎が遠くから観察した限りでは何年どころか何十年も寄り添ったような繋がりすら感じられるほど仲睦まじい様子の行人とすずであった。さすがに毎日寝食を共にする間柄なのだから、〝九人の美少女〟の中で最も気持ちが通じ合っている仲だったのは間違いない。 それがたった半年でここまで塗り替えられてしまった──そのたったの半年の間にぱん太郎はすずと何十回も性交する機会を作り、百時間以上も性交に費やし、何百回も膣内射精に至り、すず自身にぱん太郎の子を産む気持ちが芽生えるほどまで躰を重ね、セックス快楽漬けにし、そうして邪魔されない時間を長く過ごして身も心も通わせて来たのだから、別人のように変わってしまっても不思議ではないかも知れないが。 「……最近のカレ、キミとあやねちゃんをすっごく意識してるみたいだね」 「そう……かな? んっ……♥」 「キミたちをボクに取られないかって、ずっとイライラしてるよ♥ もうとっくに取られてるのに♥」 「ふふっ──♥」 と艶やかな微笑を浮かべるすずの魅力的な横顔に、極上の可愛さと共に男を誘う色気の萌芽を感じずにはいられないぱん太郎。 返す返すもこの美しい娘も好き放題に扱える肉便器にできて良かった──と、つくづく思う。 「これから、行人クンにナイショでボクの精子注がれるけど……どう♥?」 すずの下腹部を撫でさすりながらぱん太郎がそう尋ねると、 「またあ……♥ どうって言われてもお……♥」と、青リボンの少女は早くも発情した顔つきで双眸を潤み煌めかせる。「ぱん太郎様がオマンコしてくれるのに……嫌なわけないよ……♥」 「フフ……さっきのイタズラ、けっこう効いた?」 「うん……♥ ちゃんと起きてる行人が目の前にいたから怖かったけど……ぱん太郎様にオマンコやお尻触れられるの……とっても気持ち好かった…………♥ あっ……♥!」 言葉の最後に嬌声を上げてからだをびくんとさせるすず。先ほどのようにぱん太郎の指が白濁まみれのアソコに突っ込まれ、簡単に割れ目を探り出してクニクニと敏感な部分の周りをなぞり始めたのだ。 「こんな風に?」 「あっ……♥ うん♥ そう、そこ……♥ うにゃああ……♥」 ザラついた指先が陰核付近まで来ると、クックッと軽く押し上げるようにわずかに力を籠めるだけで、 「うにゃあんッ……♥! ああっ……♥!」 すずは気持ち好さそうに切ない声を発し、からだを奮わせ、熱い吐息をつく。 「お願い…………ぱん太郎様ぁ…………♥」 「ん?」 「もう……挿れてぇ…………♥」 見てるだけでぶち込みたくなる引き締まった腰と肉付きの佳い尻を揺らめかせながら、慾望に忠実になった目つきで秋波を送る青リボンの少女。 「行人のなんか比べものにならない……おっきくて立派なおチンポ…………♥」 「フフ……どこに?」 ぱん太郎はすずのアソコから指を引き抜くと、焦(じ)らすように両手で尻を撫でさする。 「うにゃぁ……♥ 私の……ぱん太郎様のおチンポのためだけにある、このオマンコに……♥ はぁ、はぁ……♥ どうか……挿れてください…………♥」昂奮で乱れてゆくばかりのすずの表情と呼吸。 「行人クンなんか放って……ボクの好きにチンポをしごいて精子を吐き出す穴として……使っていいんだね?」 今度はすずの豊かに実った乳房を鷲掴んでこねくり回すように揉みしだきながらぱん太郎は尋ねる。衣装越しでも乳首が固くなっているのが分かる。すずのオマンコは既にその通りのぱん太郎専用精液処理肉便器と化している事実は強いて言わない。 「うん……♥!」 「いつでも、どこでも?」 「うん、いいよぉ……♥! だからぁ……♥!」 「フフフ……もし……行人クンに見つかっても?」 「──うん……♥」 ほんの一瞬だけ間があったが、伏せ気味の睫毛の奥に妖しい煌めきを湛えたすずはぱん太郎に対する媚笑を浮かべてはっきりと頷き返した。もう完全にぱん太郎に取り込まれている淫堕の目つきであった。 「わかったよ♥」 亀頭の付け根を握りながら先端を絶え間なく滴るほどの白濁で覆われた入り口に当てると、グチュグチュと音を立てながらゆるやかにすずの胎内に侵入してゆく極太極厚の長大肉棒。もはや何百回と繰り返したため、先端の圧覚だけで滑らかに挿れることができる。 「はあっ……うにゃっ……うにゃああぁぁ……ッッ♥♥!!」 青リボンの少女は悦びのあまり全身を奮わせて歓喜の嬌声を甲高く張り上げてしまったが、林木の枝葉に吸い込まれて小さくなった音は祭り囃子と雑踏のざわめきによって完全に掻き消され、行人の耳まで届くこともなかった。 「のおッ……♥」 短い歓声を漏らすぱん太郎。中に残っていた精液が潤滑剤の役割を果たし、すずの膣奥まですんなりと入っていってしまったのだ。だが、締まりが悪いわけではない。むしろ逆で、奥まで沼のようにヌルヌルとしているのに、その滑らかさなど問題にならないぐらいに媚肉が全方位からきつく絞り包んで来るのだ。ぱん太郎の巨根の圧に負けじとばかりにうねる肉襞。体液のぬめりのすぐ下にあるそのプリプリと弾けるような肉質と高い体温は、まだ成長期の若いからだを強く感じさせるものであった。 長く太い肉竿が根元まで呑み込まれ、すずはそれだけで逝ってしまったようで、「うにゃッ……アアァ……♥!!」と嬉しそうに嬌声を漏らし続け、木の幹に手を当てて必死に支えながら青いリボンやからだを小刻みに震わせた。 「残ってた精液でヌルヌル♥ でも、キツキツで最高に気持ち好いすずちゃんのオマンコ♥」 「ぱん太郎様の……おっきなおチンチン……お腹の……奥まで……届いてぇ…………♥!」 お互いに快感で奮える二人のからだ。すずの悦びを表すように肉ヒダは熱意をもって蠢き、吸い付き、ザラつき擦って来る。 「のおお……!」 ぱん太郎は腰を動かさずにはいられなかった。 グチュ! グチュ! パン! パン! すずの腟内に残っていた体液を掻き出しながら小さくない音を立てて腰を打ち付けたが、よほど激しくして声ももっと上げまくらなければ祭りの喧騒を突き抜けて行人に察しを与えるほどの音が届くことはないだろう。 その少年の背中をニヤニヤ眺めながら、すずの腟内を存分に往来するぱん太郎。 (のおお♥ すずちゃんのナカ、嘘偽りなくボクのチンポを大歓迎してて……本人もこの通りで……もう最ッ高だよ、行人クン♥) これほどの美少女を遠慮なく犯せる悦び、絶品の名器具合を心ゆくまで堪能できる悦び、相思相愛になってもおかしくなかった少年を眺めながらその少女と合意の許セックスする悦び……何遍やっても飽きることがない。 そう。こうなるのが嫌だったのなら、防げなかった──いや、防がなかった行人が悪いのだ。 恋愛経験のないまだ童貞の子供が競争相手なのだから多少気の毒に思わないでもないが、少女たちとの関係性では勝負にすらならないほど優位を取っていたのはあちらの方だ。行人がこの島に現れたのはほんの数年前らしいが、たった一人の人間の男として恋敵もいない状況で何十人もの女に囲まれた選り取り見取りな生活を何百日も送ってきたのは間違いない。しかも、性格は実直で努力家、顔立ちも悪くなく頭も良く、おまけに武術の腕も持っているという、女子にとってこの上なく好ましい少年。案の定、以前は少女たちの好意や恋愛感情を一身に集めていたようで、彼女らはもし行人に迫られたとしても喜びこそすれ断ることなどしなかったに違いない。ぱん太郎が村で大手を振るようになってからも、いきなり全員がいきなり新しく出現した男をいきなり選んだわけではない。女たちがぱん太郎から目を離せなくなったのは、言葉を着飾らずに言えば常人離れしたセックスの魔力であるが、それでも行人にも十分過ぎるほどの時間があったのだ──。 ぱん太郎は子作り認可と男旱(ひでり)の環境を最大の武器として活用し、異性絶無だった村で育った女子ならではの普通より高い男への関心を巧みに掴んで手繰り寄せ、ひとたび肉体交渉の合意が得られた途端、底なしの精力や〝花〟を駆使して娘たちが経験したこともないだろうめくるめく性的快感を与え、男、いや、ぱん太郎という存在と繋がり合うことがどれほど気持ち好いか忘れられないほどの体験を与え、性行為は子作りのためだけにあるのではなくこの世で最高の娯楽でもあると悟らせ、彼女たちの性的欲求を肥大化させながら一人またひとりと堕として来たのだ。 この二人も肉体関係が生じてすぐにこうなったわけではない、迷っている時期は確かにあった──とは言え、ぱん太郎とのセックスの気持ち好さはすずもあやねも初回から感じていたみたいだし、膣内(なか)出しされながら快感絶頂を迎えるのを覚えたのも早く、二人とも誘いを頑なに拒絶したこともなかったが。 しかし、すずとあやねの態度が特に顕著に変わったのはここ最近のことだ。次第にぱん太郎に傾いていったのは確かだろうが、それでもまだしばらく猶予はあったのだ──その間に告白でも何でもして確かな関係を築いて絆をいれば、もしかしたら二人も何とか留まって少年に向き直っていたかも知れない。 大方、東方院行人は男にとって夢のような極楽環境に慣れきってしまったのだろう。好意を寄せる娘が多すぎて誰を選べば良いか分からなかったのかも知れないし、恋愛に対する疎さや奥手なことも影響したのかも知れない。何にしろ、態度をはっきりさせないでいるうちに悠長に構えるのが身に染み付いてしまったのだろう。 そうであっても、せめて誰か一人でも意中を決めておけば良かったのに、ぬるま湯のような世界に甘んじてきた結果、たった一人にたった一歩踏み出す勇気も持ち合わせられなくなって。 (ま、おかげでこんな可愛くてエロい子を好き放題できるんだけど♥ 寝取ってる楽しみ付きで♥) すっかりぱん太郎との生ハメセックスの虜になったすずとあやねは、ぱん太郎に子宮直付け種付け射精されても歓喜一色に染まるようになり、自分からぱん太郎の子の受精妊娠を望むまでになった今、もはや寝取りは完遂されているのかも知れない。だが、表面上の少年少女の関係はまだ良好に続いているし、それどころかすずとあやねに対する行人の態度は明らかに異性としての意識が昂じて来ている。彼は二人をまだ信じている。すずもあやねも自分を支持してくれており、男など知らない──もう一人の男に食べられてなどいない清らかな身のままだと。 自分の傍に居続けてくれている数少ない少女すら、そのもう一人の男にそのからだを美味しくいただかれて善がりまくり、完全にセックスの魔力に囚われ、アソコの穴はその男の巨根が激しく出入りしても快感しか生まれないほど拡張開発され、すずもあやねも逝かされまくりの中出しされまくりで腟内も子宮もその男の精子まみれ、いつ孕んでもおかしくない状態であり、尻穴も調教中、しかも本人たちはそれで満たされまくっており、心も完全屈服している──少年の目の届かない所で想像も出来ないほどの嬌態を晒してサカりまくって益々もう一人の男に嵌っている──などとは思っていないのだ。まさかそれほどまでになっていようとは思い至りも出来ないのだろうし、思いたくないだけかも知れないが。 比較的緩やかな抽送は最初だけであった。すっかり出来上がっていたすずの肉壺は極厚男根の往来を歓喜に満ち溢れながら歓待して淫壁がうねりにうねり、精子を熱望して盛んに肉棒を絞り上げに来るのだ。これほどの巨根に奥の奥までみっちり占められても平気なのだ。そこまですずのオマンコは開発されていた。ぱん太郎はいつになく昂ぶり、衝き上がる慾望のままに激しく腰を振ってすずを責め立てた。 グチュッ! グチュッ! パン! パン! グチュッ! グチュッ! パン! パン! 「のおっ♥! のおお、止まらないよすずちゃん! すずちゃんのオマンコ気持ち好すぎて……♥!」 「にゃあッ♥! うにゃあッ♥! ぱん太郎様♥! ぱん太郎様ぁ♥!」 青リボンの少女の表情に苦痛などまったく無く、むしろ快楽で首元まで真っ赤に染まり、凶悪なほど長く太い巨根で膣が滅茶苦茶になりそうなほど激しく突かれているというのに、痛みなく感じまくっているのがありありとわかる蕩けぶりであった。 また、いくら奥を小突かれても快感しか湧かないようで、すずは惑乱するほどの女の悦びに浸る。 「私のオマンコ♥ ぱん太郎様の♥ チンポの形に♥ 変えられちゃってる♥!」 すずの柔らかな下腹部に触れると、皮膚越しにぱん太郎の固く太く長い肉棒が入っているのがはっきりと判る。明るい場所なら肉棒の形に膨らんでいるのも見られるのだ。 「すずちゃんのオマンコは、ボクのチンポを収めるための鞘になったから♥」 「うん♥ ぱん太郎様のチンポのためのオマンコ♥ 私のオマンコは、ぱん太郎様のモノ♥」 「行人クンの子供を産む未来もあっただろうけど♥ すずちゃんのオマンコは、もう、ボクの子供を産むオマンコだね♥」 「……うんッ♥! ぱん太郎様の赤ちゃんの素♥ もっと、もっと、注いでぇ♥!」すずは上体を後ろに捻ってぱん太郎の顔を見上げて言った。「全部忘れるぐらい、いっぱい、いっぱい…………♥!」祭りの光明が僅かに蓄えられていた瞳が森の闇に溶け沈むように昏くなる。「私が欲しいのは……行人のじゃなくて……ぱん太郎様の赤ちゃんだからぁ♥」 いつもならもっと時間をかけてすずを十分に楽しみ、十分に楽しませるが、ぱん太郎は込み上げてくる射精欲に蓋をしなかった。 「わかった♥ イクよ、すずちゃん! 全部キミのナカで吐き出すからねッ♥!!!!」 その瞬間、すずの尻肉を押し潰すほど密着したぱん太郎の腰がピタッと止まった。 ただでさえ太い剛茎がドクンドクンと何遍も膨らんで脈動し、すずの子宮口に焦点を当てた亀頭の先端からぱん太郎の精液がぶちまけられ始めたのだ。 ビュルビュルビュルビュルーーーーーーッッッッ!!!!!!!! ビュウーーーーッッッッ!!!!!!!! ビュウーーーーッッッッ!!!!!!!! ビュグビュグッッ!!!!!! ビュグビュグビュグビュグッッッ!!!!!!!! 「うにゃあッ♥! すごいッ♥! イッパイ……出てるッ♥! ああッ♥! うにゃあぁああ~~~~ッッ♥♥!!!!」 さすがにこれは行人の耳にまで届いてしまうのではないかと思うほどの声量で喘ぎまくるすず。全身を歓喜に奮わせながらぱん太郎の凄まじい勢いの膣奥射精を感じまくる。女性器全体を支配するように奥までみっちり詰まった極太肉棒が焼け爛れそうなほどの熱塊と化してからだじゅうに行き渡る衝撃を放ち、精子が満ち満ちた白濁液の弾丸をお腹の底に──すずの子宮にぶち当てているのだ。女たちが口を揃えて言う筆舌に尽くし難い心地好さと幸福感に包まれる青リボンの少女。 少女はたった数十メートル先に姿が見えている少年のことなどいともたやすく頭の中から消え去り、従って視界に入ろうとも認識も出来ず、ただただぱん太郎の子種の放出を感じまくる幸せの絶頂に浸り切っていた。 「うにゃぁ……♥♥!!!! うにゃああぁぁぁ…………♥♥!!!!」 「のおお……♥! すずちゃん……♥! すずちゃん……♥!!」 この時間、まったく衰えることのない、(孕め!!!! 孕ます!!!!)という本能の哮(たけ)りがぱん太郎の全身全霊を支配する。煮え滾った慾望が体内で暴れ回るような衝動。昼間にあれだけ出したというのに、この少女に子種を注ぐことができると思うと、孕ませられると思うと、このあと一晩中でも射精を続けられそうだった。それほどの気持ち好さ。〝あの時〟以来、性欲が一切減退しないし、精液も無尽蔵に湧き出てくるのだ。 それに、これは一方的な排泄行為ではない。どれほどまでその意識が育っているかは分からないが、ぱん太郎に種付けられる性悦の幸福感に負けたすずは、もう本心からぱん太郎の種で妊娠することを嘘偽りなく許容しているのだ。 「ぱん太郎様、ぱん太郎様ぁ…………♥!!」 精液をしっかり注入するためにからだを固定されるように腰を掴まれながら最奥まで突き入れられ、全身に射精の脈動が伝播するほどの子宮直付け種付けをされても、妊娠に対する怯えなど一切なくされるがままに悦びを表すだけの青リボンの少女。 「お祭りの夜に愛し合えるなんて、村のために子作りできるなんて、ボクたち幸せ者だね……♥!」 「……うにゃあぁ…………ホントだよぉぉ………………♥♥!」 ──その後もあやねと同じく計三発。ぱん太郎は好き、愛してる、とすずと言い交わしながら歓待の坩堝と化したオマンコと溶け合うような中出しに至り、孕め、孕めと念じながらぱん太郎を完全に受け入れて待ち望んでいる青リボンの少女の胎奥で種付け射精を繰り返した。 その一方で、行動に移さないからこうなるんだよと、ぱん太郎の子種注入を受け続いている間何度も気持ち好さそうに逝っているすずの汗まみれで痙攣している背中、そうしてすずに種付けている最中ずっと見えていた行人の背中を交互に眺め。 だらしないほど蕩け惚けたすずの横顔と、やはり先ほど同じ表情をしながらぱん太郎の子種を胎(はら)に仕込まれていたあやねの横顔。そうしてぱん太郎の精子をオマンコと子宮に充満させた白リボンの少女と談笑している行人の横顔。同じくぱん太郎の精子をオマンコと子宮に充満させている真っ最中のすずが戻った時も、彼は同じ笑顔をこの少女に向けることだろう。 三人はまた一緒になる。あの狭い屋台の中でからだをくっつき合わせることもある筈だ。かつてはこのハーレムじみた村の中心に存在していた少年。すずとあやねが気持ち好く性交して来たばかりなどとは夢にも思わないだろう──だが、すぐ傍にいる二人のオマンコの中は直前に出されたばかりの別の男の新鮮な精子で満ち溢れていて、妊娠しやすい期間に入っているすずとあやねの胎内でぱん太郎の子種による受精活動が始まっていてもおかしくない状態であり。 また、そうやってぱん太郎の種を胎(はら)に溜め込みながら行人と接するのを、すずも、あやねも、もはや気後れなく容認するようになっており、さらにはぱん太郎の子を妊娠しても良いとすら思うようになっており。二人の開発調教も大成功も大成功である。 行人は彼にとってたった二人残された少女の心の中からも弾かれてしまったのだ。 女子の大半をもう一人の男に奪われ少年のすずとあやねに対する片想いの念は以前より強くなっているのは間違いない。その二人の少女と祭りを一緒に過ごすことが出来て嬉しくて仕方ない様子は遠目でもよく判る。 だが、そうして彼が信頼と親愛の目を向ける二人の少女も……行人に対する想いを塗り潰すようにぱん太郎への想いが上書きされ、すっかり堕ち切っているというあまりに無慈悲な現実。たった半年前までは、行人とすずの間、行人とあやねの間には、恋に発展してもおかしくないほどの親密な絆があった筈なのに。 すずとあやねの心も、からだも、そして子宮も。 少年にとって掛け替えのない存在になった少女たちの実体は、もう一人の男の存在で完全に染まり切っていて──もしかしたら、一緒に働いている時に本当に子宮内でぱん太郎の精子がそれぞれの卵子と繋がり合って新しい命が宿るかも知れず、今やそうなることを望みすらしているすずとあやねに挟まれてご満悦になるだろう東方院行人。 ぱん太郎は心底、果てしのない優越の快感と憐れみの念を禁じ得なかった。 そんな観念を抱きながら、少年がこの世で最も愛おしんでいるだろう少女とぱん太郎は性器を一つに融け合わせ、共に肉慾の絶頂を楽しみ合い、心もからだも許し合った男女の歓喜がもたらす幸福感に包まれて。 そうして、ぱん太郎専用の孕み袋と化したすずの子宮へ、彼女自身が慾して止まなくなった精子を送り込むというオスとしての究極の快楽を味わい続けるのであった────。 × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × (つづく?)
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HP one strike 内容等 みんな自分に好意を抱いていたはずが、いつの間にかレズの母親に寝取られていくNTR物語! 同じ家に住んでいるだけに、目の前で寝取られレズセックスを見せつけられていく! あいつらみんな俺が好きだったはずなのに、どうしてこうなった! 主人公も寝取られマゾに変えられていく、絶望の鬱勃起レズNTR物語!!(公式より) 備考 名前 コメント すべてのコメントを見る
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304 :『ハンゾウッ、タイマンだZE!!』その1 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/04/21(火) 21 22 49 ID byGE+nEo 1 太陽は高く雲無く輝く。正午前、四時間目の授業。クラスの一番廊下側、一番後ろの席で、オレは全員の視線を一身に集める。 奇声を発して机を叩き、席を立って後ろ戸をスライド。 「腹痛いんで、トイレに行って来ます……」 止める奴なんて居ない。 静まり返った空気の中で、声を掛けれる鈍感な奴なんて居ないんだ。 「もっ、早過ぎるだろっ!? 昨日の今日だぞ?」 廊下を走り、駆け抜け、長い階段を上へ、上へ。 五階まで来て、使われてない準備室の隣に在るトイレまで来て、何の躊躇も無く、女子トイレの中へ、奥へ。 すると聞こえるのは、 「んっ、んにゅ……んんっ、ふぁあぁっ」 小さな、小さな、喘ぎ声。 奥の個室、扉一枚向こう側。鍵なんて掛かって無いドアノブをひねれば、 「おそ、いっ……わよぉっ、拌羅(ステラ)、おねえちゃん♪」 洋式の便座に腰掛け、ミニスカートを捲くり、白いパンツの上から指を擦り当て、気持ち良さそうにオナニーをする双子の妹。 妹の浮音(シフォン)が、学校のトイレで、オレの目の前で、オナニーしてた。 「オレを、姉と呼ぶなっ!! 早くヤメなさい!!」 信じられない。どうしてこんな事になったの? どうしてこんな場所で、こんなものを見なくちゃいけない? 「ほらっ、お姉ちゃん……いつもみたいに、貝合わせしよっ? ぬっちょぬっちょ吸い付かせてさ、エッチなオユでくっつかせようよ? クリも擦り合わせて、ベロチューして、悶え合って、むさぼり合おうよ? お姉ちゃんの、おっきくて、熱くて、カチカチのクリトリス……膣内に欲しいな?」 オレと同じ顔の妹が、同じ顔の兄を誘う。シルクの生地にシミを作り、ネバ付く糸と湯気を立てて。 丸く大きな瞳は潤み、肌は髪の色と同じに紅く染まる。本当に、興奮してるんだ。 双子の兄貴なのに。戸籍はどうあれ、シフォンの兄で居ようと決めたのに…… いつ、どこで、どこが、誰が、間違った? 「はっ」 そんなの決まってる。オレ達双子の兄妹は、産まれた時から、瞬間から、運命の唄の命ずるままに。 この関係だって、オレが姉、妹が弟になる可能性は多分に有った。 けど、きっと、必ず、それでも、二人は今と同じ間違いを侵していただろう。 同じ髪に、同じ瞳に、同じ唇に、同じ体格なのに。胸の大きさも、お尻の丸みも、腰のくびれだって同じ。声だって殆ど一緒。 ただ一つ……足の付け根に存在する性器が、男か女かってだけ。 オレとシフォンは同じ日、同じ時間に産まれ、同じ性器を持って育った。男と女、その両方。つまりは両性具有(アンドロギヌス)。 そして四歳を迎え、性別を決める段階で、オレは女の、シフォンは男の性器を捨てた。何の問題も無く、兄と妹として、成長して行く筈だったんだ。 だけど、そんな儚い夢さえ叶わない。オレの身体は妹とうりふたつ。どこまでも、いつまでも、女らしく、女らしく。 それだけじゃない。オレとシフォンは繋がってるんだ。シフォンの受ける痛みや、苦しみや、快楽は、全部ダイレクトに伝達される。 でもその逆は違う。オレからシフォンに繋がるのは快楽だけ。それ以外は一方通行。 だから、だから。だから……だからオレはっ!! 女の顔してっ、女の身体してっ、授業中にスカート持ち上げてっ、チンポおったてる変態になったんだっ!! シフォンが所構わずオナニーなんてするからっ。存在しない女性器が疼いて、熱くなって、イキたくて、たまらないよ。 たくさん近親相姦して、いっぱい中出しエッチして、シフォンの絶頂はオレに伝わり、オレのと合わさって更にシフォンへと戻る。 そこからまたプラスされて、いつまでも加算されて、二人の中を駆け巡って、気を失うまでイキっぱなし。 学校でも、ファミレスでも、デパートでも、満員電車の中だって……女同士のフリして、仲の良い姉妹のフリして、くっついて、イチャついてっ!! 公共の場で、チンポをハメてる。 305 :『ハンゾウッ、タイマンだZE!!』その1 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/04/21(火) 21 24 41 ID byGE+nEo 2 もう、そんなのはイヤだっ!! 普通の兄妹に戻りたいよ。 でも、そんなの既に…… 「んんっ、どーしたのステラお姉ちゃん? ふぅっ、早く脱がないとシフォン、イッちゃうよ? パンツの中で射精しちゃうよ?」 どうしようもないよ。 とにかく今は、下着を脱ぐ事だけを考えれば良い。 シフォンは濡れて張り付いたパンツの上から、クリトリスを右手の爪先でカリカリと引っ掻き、 そして空いた左手の人差し指と中指は、アヌスの入り口をなぞり弄りながらほぐしてる。 「まって!! まだイクなシフォン!! すぐにパンツ下げるからぁっ!!!」 身体が震えた。何をしようとしてるか一瞬で理解する。 オトコの子だぞっ!? ダメっ、そんなの絶対ダメぇっ!! お尻に挿れられてイキたくない!! 二本なんて、はいら、ないよぉっ。 「んむっ……」 スカートを捲くり上げ、口で咥えて急いでストッキングに手を掛ける。 できるだけチンポを目立たなくする為に、パンツの上にキツい黒ストッキングを穿いて締め付けて来た。 「ふっ、むぐぅっ……」 でも、それすらも裏目。パンツとストッキングを一緒に下ろそうとするけど、勃起するチンポに引っ掛かって中々はかどらない。 イク寸前の敏感な部分を、余計に刺激して射精を促すだけ。 「ぁあぁっ!! おねっ、ちゃん……シフォン、イクねっ? んにゅ、シフォンの指……感じてね? ふんんっ、イクっ! イクよぉっ!! おねっ、ふあぁぁああぁぁぁぁぁぁっ♪♪♪」 硬くなったクリトリスをキュッと抓(つね)り、長い愛撫ですっかり弛筋したアナルの中へ、熱い愛液でふやけた二本の指を思いっ切り差し挿れた。 狭い腸内を分け入り、前立腺も、腸壁のヒダヒダも、指を折り曲げてゴリゴリと抉り、容赦無くこそぎ落とそうとしてる。 オレにも同じ。まるでお尻にペニスを挿れられ、激しくピストンされてるかのよう。 そんな事されたら、次々と精子を作り出して、次々と管を通して、尿道へと噴き上げるしか無い。もっ、だめっ。 「ヤメろシフォン!! ヤメっ、ふぎいぃっ!!? っああぁぁっ……とまんない、よぉっ」 ビュクビュクといつまでも終わらない音を響かせて、ストッキングの中に、パンツの中に、大量の精液を漏らした。 力が抜けて膝が崩れ、トイレの床にアヒル座りの格好でお尻を着く。 精液はパンツを濡らし、黒いストッキングにも滲んで白濁に汚していた。 さいあく、サイアクだよ。幾らシフォンの感触だって、お尻を犯されて気持ち良くなるなんて最悪過ぎる。 オレは、ワタシは、妹から離れられないの? 「大好きだよ、お姉ちゃん……ねっ、シフォンに種付けして?」 便座に腰掛けたまま、パンツを横にズラしてアソコを両手で拡げる、たった一人の妹から。 私と同じ髪を肌に張り付かせ、同じ瞳を蕩けさせ、同じ胸を弾ませて、違う性器をヒクつかせてる。 そんな妹に私は…… 306 :『ハンゾウッ、タイマンだZE!!』その1 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/04/21(火) 21 25 42 ID byGE+nEo 3 はっ、ばっかじゃねーの? 実の兄妹でセックスとかさ、気持ちわりぃよ。 一応ブックマーク登録してページを閉じ、携帯を畳んでブレザーの内ポケットへ。 暇潰しに流行りの携帯小説を読んで見たが、俺にはさっぱり理解できん。昔、ケンシンねぇが買ってた少女漫画には、兄妹恋愛の話しとか在ったし、面白かったけど。 天使禁猟区ってタイトルも未だに覚えてる。実写映画化した、僕は妹に恋をするってのはツマランかったがな。 まぁ、だから兄妹の恋愛を書く奴なんてみんな女さ。認められない禁断の愛に、悲劇のヒロインを気取りたいだけだ。 禁断の愛をテーマに掲げる、実際には存在しない有りがちなフィクション。 「くだらん……」 俺だってそう。ケンシンねぇが実姉だったら、中学の時に三回も告白なんかしない。全部フラれて、もう諦めちまったけど。 本気、だったなー…… 椅子の背もたれに体重を預けたまま、天井の蛍光灯を眺めて溜め息を吐く。広い学食の隅、二人掛けのテーブルで、ラーメンを啜る友人を目の前にして。 「溜め息をするな。メシが不味くなるだろ……何か、あったのか?」 昼休み、雑音と生徒が溢れ返る場所で、それでもコイツは箸を置いて俺の心配をする。 こんな五月蝿いのに、さっさと昼飯を食っちまえば良いのに、メシを食おうとしない俺を文句を言いつつも当たり前に気遣う。 勉強も出来て、運動も出来て、社交的で、誰にでも優しい。軽い口調なのに人が心から傷付く事は決して言わないし、ファッション雑誌に乗っててもおかしくない顔と体型。 同じ男の俺でも、コイツだけは特別だと思う。そんな奴だから、学食の隅でボーっと携帯を弄ってる俺が気になり、他の友人達を断って前の席に腰を下ろしたのだ。 コイツは、加藤 綱(かとう つな)は、俺がこの学校で悩みを打ち明けられる、唯一の親友。 「いや、さ……知り合いの授業参観へ、俺が父親代わりで出席する事になってな」 昼休みが終わった後、学校を早退し、家で着替え、ミツヒデの通う小学校に向かう。 それが憂鬱で、食欲も湧かずに携帯小説を読んでいたのだ。 「はっ? 授業参観ってよ、家族以外が行っても良いもんなのか?」 綱はテーブルに左肘を着き、その手の上にアゴを乗せる。 一見だらしないポーズも、コイツだとサマになるから不思議だ。それでも失恋した事が有るってんだから更に不思議。加藤以上の男なんて、そうそう居ないと思うんだがな? 「あー、隣人が父親代わりに出席するのを担任が許可したんだと。実際は兄代わりらしい。まっ、どっちにしても……行くのがめんどい」 去年まではケンシンねぇが出てたらしいが、今年は外せない用事とやらで行けない。 それで一昨日の夜にピンチヒッターを頼まれ、昨晩はミツヒデが学校で許可を貰ったと嬉しそうに報告して来た。 なら、拒否なんて無理な話し。二人の期待に応えるだけさ。 深く息を吸い、大きく吐き出し、三度も繰り返し、手付かずの食器を持って席を立つ。 「諦めて行ってこい、頑張れよ××××。恥を掻かない様にな」 そんな何気無いセリフを聞いて、微笑して手を振る加藤を見て、唐突に…… 「ぐうっ!?」 本当に突然に、グラリと足元が揺らいだ。 一歩下がる間に下半身へと神経を集中させ、足場を固定し直してバランスを取る。 食器は震えただけ、中身は僅かも零れてない。だけどどうしてだ? 「おい、大丈夫か××××?」 加藤も席を立ち、心配そうに俺の肩を両手で掴む。 「××××?」 何故だ? 加藤に名字を呼ばれただけだぞ? とにかく、返事をしないと。 「はっ、心配すんな加藤。だから……」 だから加藤、お願いだから……俺を、名字で呼ぶな。
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ながされて藍蘭島エロパロSS 『寝取られて』 第20話 1 神社へ足を運ぶ度に白リボンの少女がまぐわいを盗み見ていたことは、ぱん太郎も端から気が付いていた。最後の生娘でなければ何の躊躇いもなく障子をぐわりと開けて淫逸な営みの中へ引きずり込んでいたかもしれない。また、覗くのを止めていれば、もっとあからさまな手──夜這いやまちに呼び出させるなど──に変えて、強引にも我が物にしようとしていたかもしれない。 だが──あやねは性の観察を一度たりとも欠かすことはなかった。 普段は行人一途でこちらなどには興味ない態度を見せてはいても、他の娘たち同様、性行為が気になって仕方ないんだな──と、ぱん太郎はその心の内を看破してほくそ笑んだものだ。セックス中に見物人が湧くのは日常茶飯事なので、感づいていない風を装うのは慣れたものだった。いくらでも見学すればいいと、屋敷が竣工した後も幾度となく巫女一家の住まいへ出向いたのである。 しんと静まり返った夜半、まちとちづるが悶え狂うまで責め抜いて白リボンの少女の私室へ尽きることのない嬌声を届けさせる。すると、ほどなくして室外に気配が現れる。本人は息を潜めているつもりだろうが、覗かせるためにわずかに開かれた障子の隙間から人影がちらちらと見えていた。 時にぱん太郎が抱く巫女の数が三人に増えることもあった。まちの双子としか思えない容貌のやしろという白髪女。ぱん太郎には彼女を抱いた覚えはなかったが、やしろが初めて彼の前に姿を現した時、既にその瞳にはすまし顔では抑えきれぬ情慾の色彩が浮かんでおり、まちに似て表情が読み辛くともその眼差しを覗き込んだだけで我慢しきれずにやって来たのが彼にはすぐ解った。抱かれた時の心地が忘れられず、股が濡れるままにからだが疼くままにぱん太郎の元を訪れる女などもう数えきれないほど接して来ている。「ボクに抱かれたかったら、自分から脱ぐのん」と余裕ぶった口調で命じると、果たしてやしろはやや屈辱めいた表情に羞恥の色を浮かべながらも巫女衣装をするするとその場に脱ぎ落とした。まち同様に美しいからだであった。ぱん太郎が拡げた腕(かいな)の檻に夜蛾のように吸い込まれると、やはり触れる前からアソコはしっとりと濡れており、愛撫が始まればたちまちにまちやちづるに負けない甘い吐息で喘ぎ、細いからだを切なく震わせて啼いたのである。本番になると初めこそぱん太郎の肉棒の巨(おお)きさに苦しそうであったが、小柄であっても豊満なからだは数十分も経たないうちに打ち付けるような深い抽送も滑らかに迎え入れられるようになり、そこからは演技のない喘ぎ声と悶え方の連続となった。狭い肉洞も明らかに処女ではない肉のこなれ方、蠢き方であったので、それならばと激しく責め上げて繰り返し膣奥を小突くと、銀髪の巫女はビクビクとからだを震わせながら望むものを得たように声を張り上げ、何度も嬉悦の頂点に達した。まちとは違い明らかに男を知っていた。里を不在にしていたり、外に住んでいたりする女がまだ幾人かいることを耳にしていたぱん太郎は、それならば遠慮はないとまちとちづるにも手伝わせてやしろをさんざんに喘ぎ悶えさせ、「ボクに抱かれるからにはキミも孕むんだからね♥」とラストスパートをかけながら言うと、「えっ、ええ、ええッ──これ、これえ──今度は──本ものぉ……ッッ♥♥!!!!」とやしろ自身も腰の動きを合わせながら淫らに喘ぎ、痺れたように震えながら暴力的なまでの膣内射精を受け止め、理性が爆ぜた惚け顔で感じまくっていた。以降、やしろは月に数度の割合で顔を出している。 ……巫女たちの艶声が妖しく乱れ咲く享楽、肉慾、生殖の刻を過ごしていると、毎回必ず部屋の外に感じるあやねの気配。いっそこのまま仲間に加えて一家全員仲良くしてしまおうかと思ったことも多々ある。この残るたった一人の生娘も犯したい。男を知らない最後の女洞に己が肉棒を突っ込み、さんざんに掻き回して我が物にしたい。それでお終いにしてもいいじゃないか、と。が、そこは最終最大のお楽しみを早々に潰してしまうということでグッと堪えていた。 あやねの方もいつもはぱん太郎を忌避している風であったが──覗き見を重ねるということは、年頃の娘として、適齢期の女として、異性絶無の特異な環境下で育った世代の一人として、男女の営みに興味がないわけがなかったのだ。皆が皆夢中になっているのであれば尚更に。 行人とあやねの眼前ですずの正体を隠しながら犯すなどという企みを設けたのには、すずまでもがぱん太郎の肉奴隷と化しているのがバレるかもしれないというスリルを楽しみたかった側面もあるが、あやねが行為中の自分と直に向き合った時、果たしてどういう態度を取るのか興味があったからでもある。これまでも濃密なセックスをたっぷりと見せつけてきた。彼女は気付かれているのも知らず熱心に魅入ってきた。自慢の逞しい大肉根とずっしり重い陰嚢、女悦の大海に誘(いざな)う濃密なセックス、淫蕩な責めに喘ぎ悶える女たちの姿、心底気持ち好さそうに中出し種付けさていれる姿などなど──あやねはその眼(まなこ)にいやというほど収めてきた筈である。 男という存在に金銀財宝以上の価値がある環境を利用し、彼に隷属するようになった女たちを利用し、最後の処女に性的好奇心の糸を少しずつ絡めて手繰り寄せる。あやねの心がけ一つで簡単にプツンと切られてしまう可能性も大いにある迂遠な試みだったが、別段失敗に終わっても構わなかった。既にあやね以外の全ての肉壷を好き放題に使えるようになっているのだから、ぱん太郎に焦る気持ちはない。毎日女にも食べ物にも困らない酒池肉林の生活。先ほども胸から上を布団で隠していたためバレなかったとはいえ、すずですら行人の目の前で淫汁がしとどに溢れる極上の蜜壷と化したマンコをぱん太郎に深く突かれまくり、たまらずに大きな艶声を張り上げる寸前の有り様であった。すずとぱん太郎、交尾中の二人の下半身は生殖関係にあるつがいの親密さを躊躇いなく行人に見せつけていた。そして──行人が意識を失った後ではあるが──彼の前でぱん太郎の種付け中出しを、ドクンドクンと際限なく脈動し続ける肉棒の射精を、すずは歓喜と官能に包まれながら膣奥で受け止め、射ち終わるまで行人を見やらず、ただただぱん太郎の子種を膣奥へ、子宮へと吸い取り続けたのだ……。 現状でも充分過ぎるほど上手く行っている、とぱん太郎は自若に考える。堕とした女は一人残らず自分との中出しセックスの虜となり、あやねへ回す時間を作るのも難しいぐらいだ。それに彼女への企てが不調に終わったとしても、だからといって行人との仲が急速に深まることもないだろうと見越していた。 村娘たちと親密な距離にいるくせに、まったく脅威にならないもう一人の男。だが、彼を慕っていた少女たちの恋心を肉慾にまみれたセックスで溶かし落とし、代わりに淫乱の泥を塗りに塗り込めて生まれ変わらせ、引き返せないほどの色狂いに堕としてゆく行程は類を見ないほどの愉悦に満たされる。それが許されている極楽のような環境。今では喧嘩より楽しいほどだ。あやねを陥落させるまでは彼女たちを開発し続けてより従順で淫らな雌奴隷に仕立て上げていればいい。あやねへの工作が上手くいかなくとも、どうせ彼女もこの島からは逃げられないのだ。ゆっくりと囲いを縮めながら追い詰めていけばいいと思っていた。 ただ、そうではあっても、覗きを止めないあやねの心を吸い寄せ続ける自信は十ニ分にあった。 ──しかし。 まさか少し見つめられただけで気をおかしくして股を開き、己の性器を開いて見せ──好きな男の前で好きでもない男の肉棒を舐め、大量の精液を全身に浴びせられて肌に塗り込められて興奮を覚え、そのからだの隅々まで愛撫されることを許し、クンニまで拒まずに何度も逝ってしまうとは──さすがのぱん太郎も予想していなかった。 どうやら彼が考えていた以上にあやねへの“追い込み”は成功していたらしい。今まで性の世界をまったく知らなかった村娘たちにとっては、ぱん太郎とのセックスは既存の価値観を打ち壊してしまうほどの劇物らしいので、それを観察し続けたあやねもご多分に漏れず無意識にかなりの影響を受けてしまっていたのだろう。彼女に限らず色事に入ると淫らに変貌する娘たちを見れば納得もいく。そんな好色ぶりを植え付けているのは他でもないぱん太郎本人であるが……。 梅梅は他の娘たちと違って初めから性知識を持っていたが、男を知る前は恥ずかしがり屋で赤面しまくりの愛らしい娘であった。それが今では大人顔負けの色香とアソコの具合を持ち、セックスもかなり上手くなった。ぱん太郎に媚を含んだ流し目を送り、恥ずかしげもなく裸体や局部を晒し、細い肢体に信じられないほどの妖艶さをまといながら、時にぱん太郎が受け身になるほどのリードをするのである。 行人は梅梅がそれほどに変わり果てているのを知っているだろうか。共に暮らしているすずがもう百回以上も中出しを──男を知っている大人の女たちに言わせれば一発で十人並み以上の量と濃さがあるらしい──味わい、今では行人の傍らにいる時は決まってぱん太郎の精子を胎内に溜め込んでいる状態なのを知らないのは確かなようだが。 この村に男が一人でも残ってさえいればこんな事にはならなかったかもしれない──と、ぱん太郎は幾分、行人を気の毒に思ってしまう時もある。そうは言っても、少年との恋を淡々と育んできた無垢な少女たちを貞操の欠片もない淫乱肉便器に作り変えてゆくのを止めるつもりは毛頭ないが。 そして今。 相変わらず昏睡したままの行人を見下ろしながら、あやねはぱん太郎と共に真裸で膝立ちになって後ろから貫かれようとしていた。既に入念な愛撫でトロトロにほぐされたアソコには亀頭が半分以上埋(うず)まり、大陰唇に包まれるようにして膣口を圧迫していた。 行人は手を触れたことさえない女の園への入り口。あやねはぱん太郎に腰を掴まれて逃れられず、その太い腕を後ろ手で支えにしていた。お互いの性器粘膜が昂奮でズクズク、ドクドクと熱く疼いているのが分かる。童貞ならばこのお預け状態だけで暴発してしまうかもしれない。肉体に先んじてつがいとなった二種の体液の混ざり汁が隙間からタラタラと溢れ、お互いの内股まで濡らしていた。肉体同士が求め合っている証。期待と不安、昂奮と情慾が入り混じった表情のあやね。決して肉付きが良いとは言えないが美しい円錐型を描く小さな乳房は深く上下し、昂奮で乱れた呼吸は収まることがなかった。 今この瞬間、少女は男を求めていた。足元に転がっている行人ではなく、後ろから繋がろうとしているぱん太郎を。言わされたとはいえ、少女は自らの言葉で入れてください、とさえ口にしたのだ。もうぱん太郎の掌(たなごころ)の上であった。後は仕上げを御覧じろ、このまま腰を押し進めるだけであった。 まだ乾ききっていない精液と汗でぬめるあやねの肌は、行灯の乏しい明度で頽廃的な光沢と陰影を演出していた。その肌からは閉め切られた薄暗い部屋に充満する瘴気の如き性臭にも負けない、オスの慾望とメスの昂奮が混ざり合った背徳の匂いが立ち昇っている。 愛しく想っている筈の少年がすぐ眼前で倒れているというのに、少女の双眸は正気を失ったようにいやらしい物欲しさで満ち、ぱん太郎と繋がろうとしている己の部分を注視しているだけ── 「あやねちゃんの初めて……ボクが貰ってあげるからね♥」 耳元でそう囁かれると、 「──あぁ────♥」 と、少女は嘆きにも聞こえる昂奮で震えた吐息をついた。亀頭を咥えている肉貝がキュッと締まる。疼くように熱く痙攣していた。ぱん太郎の腕にはあやねのからだの震えが伝わってくる──不安からくる緊張と、それに負けない本能の希求。ぱん太郎は村娘たちに処女信仰が無いのを承知している。性に未熟な彼女らは初めては好きな人に捧げる、などという考えにすら至っていなかった。処女をいただく宣言をしたのはぱん太郎自身の愉悦のためであった。無論、初めてどころかすべてをいただくつもりである。 少女のとは小石と岩ほども違う己の腰回りにぱん太郎は軽く力を込めた。 「はぐぅッッ!!」 いよいよこの時が来た。剛塊が狭い孔の内部に押し入ろうとみちみちと肉を割く感触──だが少し進もうとしただけですぐに行き止まりのような固い反撥に当たる。懐かしさすら覚える未通女の強い抵抗。オスとして最高に昂奮する瞬間だ。構わずに腰を押し進め、固くとも熱く濡れた肉の中にずぶずぶと分け入ってゆく。村娘たちの処女を一人残らず頂いて来た男は、初めて貫く時に躊躇っても余計に大きな痛みを与えてしまうことはとっくに心得ていた。 「ッッ────────!!!!」 鋭い悲鳴と共にあやねの背が折れ曲がりそうなほどしなう。全身の筋肉が痛みに痙攣する。 こうして── 村で最後の処女膜も、行人ではない男によって破られたのであった。 2 ついに。 すべての村娘を我が物にした────! 行人の最も近くを取り巻いていた九人の美少女。その中でただ一人の処女である──いや、もうあったという過去形だ──あやねの膣内は、今までの娘たち同様に苦しいほどの狭隘さであった。だが、肉棒が灼け焦げてしまいそうなほどの熱気を帯び、この年頃特有のまだ成熟しきっていない瑞々しさに溢れた弾力具合が存分に感じられる。そして何より──同時に蜜液で濡れぼそっているのがはっきりわかるほど奥までヌルヌルにぬめり、男を迎え入れるための柔らかさが既に出来上がっていた。 つまり、やはりは……ぱん太郎を待っていたのである。 しかし、それより何よりも、東方院行人とこんな関係になってもおかしくないほど接近していた娘たちの奪取を完遂したという、最高の歓喜材料────!! (のおおおお……! コーフンで今すぐ出ちゃいそうのん……♥!) 狭い膣を破裂させんばかりに巨棒がさらに膨張し、胎奥に埋(うず)まった亀頭の先からビュッ、ビュッと我慢汁が噴き出す。それだけで普通の男の射精並の勢いと量があった。我慢汁は早速あやねの子宮の入り口にもかかり、射精時にも劣らないその粘っこさは、ひと噴き分だけで何千万何億の元気な精子が詰まっている証を誇っていた。処女膜を破られてから十秒もたたないうちに、ぱん太郎の生命力横溢な精子があやねの子宮内に入り込んでゆく。ぱん太郎は抑えきれない先走りが噴出しているのを感じていたが、あやねはただただ痛みに耐えるばかりで気付いていないようであった。 これでもう、東方院行人は彼女たちの誰の初めての男にもなれないのだ。九人すべての膣と子宮がぱん太郎の肉棒と子種によって穢された。 その当人はと言うと、繋がった二人の足下で情けなくも眠りこけている。破瓜の血がかかってもおかしくないほどの近さであった。実際かかっているかもしれないが、薄暗くて判別はできない。起きていないのが非常に残念だったが、かと言って逃れられはしない。まちがどこかに潜んでこの光景を眼中に収めており、後に夢で見せる算段になっているのだ。 行人と親愛の情を通じ合わせていた村でも目立って美しい娘たち──すず、まち、ちかげ、りん、ゆきの、梅梅、しのぶ、みちる。そしてあやね。 全員を奪った。全員をだ…………! しかも一人として瞭然とぱん太郎を拒んだ娘はいなかった。正確には拒みきった娘はいない、であるが。梅梅やりんは〈花〉を嗅がせ、すずは丸め込み、あやねは当初はっきりと断っていた──が、皆、結局は快楽の炎で悪感情を焼却させてしまったのだ。 現在、梅梅は自分から二人目を求め、りんは安定期に入ってそろそろ性交を再開しようかと話しており、すずはぱん太郎との爛れたセックスに嵌り出していつ新しい生命を受精してもおかしくない状態で行人と暮らし、あやねもこうしてぱん太郎に処女を捧げた。 この美少女たちほどには行人と近付きになれていなかったものの、他の村娘たちも劣らぬ可愛さや健康的な肢体の持ち主であり、抱き心地の悪い娘は一人としていなかった。彼女らも多かれ少なかれ少年に恋心を抱いていて……そして悉(ことごと)くぱん太郎の前で股を濡らす女となっているのだ。 ほんの一年前まで夢の桃園の中心にいたのは東方院行人で、ぱん太郎は蚊帳の外の存在であったが、今やその立ち位置は完全に入れ替わったのだ。 いや──まだ辛うじてあやねが経験不足のまま行人と行為に至れば、初々しさも出るかも知れないが……ぱん太郎にそうさせる気は更々ない。 この白リボンの少女にもこのままセックスの快美をとことん学ばせ、他の娘たちのように肉慾の奈落に堕とし込み、マンコで逝く気持ち好さを覚えさせ、そうして色狂いを刷り込み、孕むままに子供を生ませるつもりである。 その第一歩として初めて男を迎えたあやねの肉洞は、ぱん太郎が予想していたよりも遥かに滑らかに彼の巨根を呑み込み、細身のからだで三分の二ほども咥え込んでいた。上々の滑り出しであった。 「ア──グゥッ────いっ……痛い…………!」 結合部に隙間などないように見えたが、赤い血がプツプツと滲み出て肉棒を伝う。からだを強く小刻みに震わせ、苦しそうな表情で訴えるあやね。だが、ぱん太郎は背後から冷静にその様子を観察していた。処女はほぼ決まって痛がるものだし、彼の巨根であれば尚更だ。苦痛が耐え難くいつまでも続くのであれば中止する必要があるが、そこを見極めねばならなかった。 〈花〉には女を“その気分”にさせる催淫作用と共に女性器の緊張や痛覚を和らげて弛緩させる効果もあるらしく、どうりで手っ取り早く花粉を嗅がせてモノにした娘たちは初めてでも丸太のような肉棒を受け入れきれたはずだ──と、ぱん太郎が知ったのはだいぶ後になってからである。ちかげが持ち前の探求心を発揮して──自らや母親のしずか、ゆきのなどを主な被験者にして──色々と“研究”したのだ。その成果は抜群で、三人ともぱん太郎の前では理性を喪うほどの立派なメス奴隷に変わり果てた。西端の岬に建っている特異な造りの館の中で、どれだけちかげとしずかに〈花〉を嗅がせて母娘丼を楽しんだだろうか。この親子は眼鏡を掛けて知的な雰囲気をまとっていたが、ぱん太郎の肉人形となっている時の浅ましさたるや、他の女たちに劣ることがない。上の口で行人や夫への謝罪の言葉を紡ぎながら、下の口は嬉々としてぱん太郎の肉棒を咥え込み、好き放題に膣内射精されて悦び絶頂するのである。 村に知れ渡る前に梅梅以下妊娠第一陣を籠絡できたのは〈花〉の功績が大きい。最年少のゆきのは再来してからだが、〈花〉が無ければぱん太郎との性交は不可能だったかもしれない。今回は念のため最後の一本を持ってきていた。入り用ならば出そうとは思っている。 ただ、以前とは違って女たちが極めて協力的な態度になり、また魔法の媚薬に頼ることにも物足りなさを覚え出したぱん太郎は、本当の意味でセックスを楽しむためにも彼女たちが巨根に慣れるにつれ徐々に〈花〉の使用を控えていっていた。前戯に時間をかければ女は喜ぶし、食べごたえのある肢体ぞろいの彼女たちへのクンニはまったく苦にならないどころか、美しい肢体や淫蜜の甘味さも相まっていつまでも啜り舐めていたいぐらいだ。挿入前からアソコをグチョグチョに濡らして乱れ、あちらから挿れてとねだる痴態を眺めるのも大いに愉しい。女を本気で悦ばすことが出来れば結合時の満足度や一体感の深さなどにも果てが無くなる。体力には相当な自信があるし、性慾は底なしに湧いてくる。陰茎も萎えることがない。一日じゅう濃密に交わり続けてやっと躰に疲労感を覚えるぐらいだ。ぱん太郎を先に音を上げさせる女などいなかった。 本質的に男に飢えている村の女たちは、“優しさ”を多めに、時に荒っぽく“男を見せて”やれば、概ね満足してコロッと参ってしまう。全く以てなぜこんなに簡単に女がなびく絶好の環境で頑なに手を出さない奴がいるのか理解不能だった。 肌も膣も痛みに震えて強張っているあやねに、 「女の子にとって初めての痛みは一生の思い出。大人の女に生まれ変わった記念だよ♥」 と声をかけたぱん太郎は、心の中で、(その記念すべき相手は行人クンじゃなくこのボクだけどね♥)と嬉しそうに付け加えるのを忘れない。初めてだけではなく、どこまでも経験させるつもりだが。村娘たちの誰一人として再び行人になびかせるつもりはない。今までとは真逆に、九人の娘たちですら行人に背を向けてぱん太郎と中出しセックスの日々を過ごし子作りに励むのだ。 そう、あやねも自分の愛人とする。最終的にはすずのようにしたいと思っている。なるべく行人にバレないように逢瀬を重ね、この巨根に慣れさせながら性感を開発してゆき、セックスの快感を刻み付け、行人に内緒で種付けしまくる。行人の知らないうちにあやねの子宮の奥まで自分の精子を染み込ませる。それを許容させるほどの肉悦をあやねにもからだの芯まで植え付ける。 これはその確かな第一歩。実現への期待と昂奮で暴発してしまいそうなほどであった。 ぱん太郎は噴火寸前の射精感をぐっと堪え、芋虫のような速度で出し入れを始めた。 「あ ッ……かあッ……うっ、動ッ……!」 日々よく働きよく歩き回る村娘たちの膣圧はどれもきつく、軟弱な男では締め付けられてまともに動かせず痛みを覚えてしまうかもしれないほどであったが、ぱん太郎の重量と筋力はものともせずに平然と出し入れを繰り返す。 灼熱に滾る剛棒が胎内を往来し始めるとあやねはいっそう顔を歪ませた。条件反射的に腰を離そうとするが、両脇を掴んでいる太い腕はびくともせずそれを許さない。あやねは大粒の涙を零しながらうめき、上体を捻って激痛を訴えるが、その表情や動作の豊かさにまだ余裕があるのを見て取ると、ぱん太郎は前後動を続行させた。とは言っても、一回入れては止まり、止まっては出し、また止まってゆっくりと再び入ってゆく──という按排であったから、先ほどのすずとのセックスに比べればお遊戯と言っても良い程の緩やかさである。 「あ……が……い、痛い……痛い……! 壊れちゃううぅ…………!!」 生まれて初めて男の侵入を許した処女肉には女性特有の柔らかさがあるのに間違いはなく、事前の愛撫で十分に昂奮していたため奥まで潤っていたが、熟(こな)れた肉壷とは違ってぱん太郎の男性器のあまりの巨(おお)きさに悲鳴を上げ、膣壁が歪な蠢き方をする。一つに繋がっていてもこれでは協心するどころではなかった。男にとってはこれもまた気持ち好かったりするが……狭くきつい処女肉道の絞まり心地に、ぱん太郎は射精感の抑え付けに一層気力を割かねばならなかった。 でも、と、彼は目敏く見抜く。 この娘は堪えられている──。 “愛の巣”で今回の計画を打ち明けた時のまちの言葉がぱん太郎の脳裏に蘇った。『あの子ってたまに羨ましくなるほどカラダが頑丈なのよねえ。巫女としての霊力が自身の治癒力に回ってるんじゃないかって思う時さえあるわ。だからもし、あやねがぱん太郎様に抱かれちゃうようなことになったら──遠慮はいらないかも』と話しながら、つい先程まで彼女の胎内で呆れるほど暴れ回っていたというのにいまだ唸り声を上げそうなほど猛っている剛茎をまちの指は愛おしそうになぞり上げる。『──貴方のこのたまらない業物に……案外すぐ慣れちゃって、あの妙な花を使わなくても夢中になってしまうかもしれないわね……♥』『まちちゃんみたいに?』『ええ……そうね……私だけじゃなく……皆んなみたいに……♥』『じゃあ夢中にさせちゃおうかな♥』『ええ──え? あ、だめ……あ……ま、まだやるの……あっ…………ああっ……あっ…………あ、だめ、そこ……ああ、ああ……ああ~~ッ♥!!』 ……………………──────── 「壊れないよ。落ち着いて力を抜くのん」 ぱん太郎は薄気味悪いほど優しい口調で囁いた。だがそこにはセックス慣れした者の確かな余裕があった。未経験者ならばすがりつきたくなるほどの。 「皆んなも最初は痛がったけど、今ではすっかり気持ち好くやれてる……あやねちゃんも同じさ。さっきは上の口でも咥えられたでしょ? まずは落ち着いて呼吸を整えて。コッチでもすぐに慣れて、皆んなみたいに気持ち好くなれるよ♥」 「ぁ……あぁ…………!」 ぱん太郎の言葉が膏薬のように染みて痛みが鈍ったのか、あやねの睫毛がとろんと落ちる。言われた通りに深い呼吸を繰り返し始めた。からだの強張りが若干解け、肉棒越しにも膣圧が緩む感じが伝わって来る。こういう反応が直ぐに出来るということは、やはり肉体的に許容範囲内の痛みなのだろう。夢見心地の気分は途切れていない。 どうやら〈花〉を使わずともあやねが初挿入の痛みを乗り越えられそうだと判断できると、ぱん太郎の心に軽い愉悦が湧き上がった。 「そう……いいコのん。ボクの全てを受け入れようとするのが大事のん……」 と、ぐっと腰を進める。猛り漲る巨棒がぬぐうっと膣の深部までさらに捩じ込まれ、二人の下半身が密着した。小ぶりだがいつまでもくっついていたいほど柔らかい尻。大太刀のような肉魁が根元近くまであやねの性器の中に埋(うず)まってしまったのだ。 「ひぐぅッッ!!」 再びあやねの全身が弾けて硬直する。わずかしか盛り上がっていない乳房がぷるんと揺れる。声にならないほどの悲鳴。膣口が万力のように肉棒を締め付け、処女肉が懸命に異物を外に押し返そうと恐慌的に蠢く。ぱん太郎の腕の皮膚に小さな手が白むほど食い込んだ。だが、陰茎と腕、どちらの雄肉も鉄のような硬さを誇り、あやねの細い四肢にどれだけ力が篭められようがビクともしなかった。 「あやねちゃん、よく頑張ったね。ほとんど全部入った。初めてなのに流石のん。どのコよりも素質があるよ」 「あ──ぐ──そ……そ、う…………?」身が裂けそうな痛みに襲われる中、あやねの口元に得意げな笑みが作られる。「こ、このくらい……わ、私なら……へい、き……よ……!」 「あやねちゃんを感じるよ……あやねちゃんの中は暖かくて、健気にボクを包み込んで、とっても気持ち好い♥ あやねちゃんはボクを感じない? 」 「はぁ……はぁ…………え、ええ…………熱くて……おっきくて、硬い、のが……わたしの……ナカに……くぅ……ンン……!」 「良かった、二人同じ気持ちだね♥ ……さーて、行人クンの前で開通式も無事済んだことだし」 ぱん太郎は繋がったままの状態であやねのからだを片手で抱え上げ、畳んで台座にしていた布団の端を引っ張りまっすぐに敷き直すと、抜け切らないように注意しながら少女のからだを裏返し正常位にさせた。あやねの腰の下に枕を差し込んで挿入が楽に維持できる高さを作る。 痛みに涙を零しながらも未だ性体験の魅了が解けていない表情のあやねと見つめ合いながら、 「こっからは本格的な大人の時間だよ。お子様な行人クンのことは忘れて……ボクがあやねちゃんを大人の世界に連れてってあげるからね♥」 と、破瓜の血にまみれた肉茎をゆっくりとまた挿入していった── * * * * * * * * * * 夜中にふと目が覚めるきっかけのように、誰かの苦しそうな声が頭に木霊する。 すぐ前で何かがゆらめいている。火? 光? 影? いや……ひどく霞んでぼやけているけれど……人…………? 大きな人影と小さな人影が重なって揺れ動いているような…………。 判るのはそのゆらめきがやけにエロチックなことだけだった。 定期的に大きな影が波となって呑み込むように覆い被さり、動かなくなる。下の小さな影はのけぞり悲鳴を上げる。いや、本当に悲鳴なのだろうか……? 苦しそうな声はどこか苦しそうではない感じがした。 そう、どこか聞いたような声音。まさか……セックス? セックスという単語だけがやけに鮮やかに脳内に浮かび上がり、本能がざわめいた。途端、心の奥から不安感や焦燥が湧いて来る。だが、なぜそんな感情が湧いて来るのかがわからなかった。わからないのがわからなかった。 誰なのか。 何をやっているのか。 というか、ボクは何をしているのか── けれども色々なことを考えられないほどたまらなく疲れていて、だるくて、眠くて眠くて仕方なかった。頭が──躰さえも混濁してた。輪郭の判別すら難しいこの光景をはっきり見るために、重く垂れている瞼を持ち上げることすら出来なかった。眠れ。眠れ。脳がそう命令し意識の遮断を求めている。これが死にそうなほど疲れてるってやつなんだろうか。甘い誘惑を放つ睡りの女神に重い首枷を嵌められて地底深くに引きずり降ろされるような感覚。抗えない。寝なくちゃ──眠い── 苦しそうで苦しそうでない声と重なる大小の影のゆらめきが遠ざかってゆく。 気になる存在は陽炎のように溶け、ボクは安らぎの漆黒へと沈んてゆく。 なにかこう、とても大事な約束を忘れて完全にすっぽかした事を思い出した時の寒気がする手遅れ感と、何かが手の中からすり抜け落ちるような喪失感を覚えながらも、ボクは殻の中に閉じこもるように少しでも安易な方へ、温かく自己を保存できる方へと流されていく道を選んだ──── それから── どこまでも昏く摩擦のない鏡のような無意識の水面に、二回ほど意識が僅かに顔を覗かせた。頭蓋骨を砕かれて鉛のレードルで掻き回されているかのような頭痛がそうさせたのかもしれない。目が回るような精神混濁と、それによって覚える吐き気、鈍い疼痛。最悪の気分。すぐにまた無痛無覚の世界へ沈み隠れたいと思った。 今にも脳みそが壊疽しそうな気持ち悪さ。もしかしてこのまま頭の中が腐って死ぬのかなとすら思った。頭だけでなく手足にも痺れが広がっていて動かない。ゆらめきが消えた真っ暗闇な空間で、すぐ近くから声と物音だけが聴こえてきた。なんだかボクは倒れ込んでいるらしかった。 一メートルも離れていない場所で何かが蠢いている気配がする。が、光源の一切が消えた世界で視覚は役に立たない。自我がまとまらない中でやけにクリアに聞こえて来る、ハァハァという生々しい吐息の重なり。低いのと高いのが絡まるように。布擦れの音と、幽かにヌチュ、ヌチュ、ヌチュリと粘湿的でやけにリズミカルな音。 低い方は男──どうやらぱん太郎らしかったが、テレビの《プライバシー保護のため音声を変えております》みたいな音程の狂ったそれは幻聴に近かった。女性の方も誰の声という異様さであったが、甘やかな響きが多分に含まれているのは確かだった。 ──いくら頭が働かないと言っても、見えなくても。これらだけで何が行われているのかは大体わかる。 一度目はこんな会話が聞こえてきた。 ((ああ……ああ……あぁ……あぁ……♥)) ((もう大丈夫そう?)) ((え、ええ……だいぶ……でも、このまま……ゆっくり……お願い……)) ((モチロンだよ、無理はしないから……ボクはキミを気持ち好く悦ばせたいんだからね♥)) ((あぁ……♥!)) やはり営みの真っ最中なのだろう、相手が誰だかはわからないが、ぱん太郎がねちっこいセックスと甘い言葉を用いて籠絡している真っ最中なのは間違いなさそうだった。 ((あ……接吻は……もう……だめよ…………♥)) ((大人はキスをするものだよ。何度でもね。ほら……)) ((ぁ……ん……あぁ……♥)) ちゅっ、ちゅっ、ぴちゃ、ぺちゃという唇や舌を触れ合わせている湿った音がする。相手の子も本気で拒んでいる風ではなかった。こういうコトをしている時の女性のイヤとかダメとかいう言葉は当てにならない。ボクはなんとなく若い子かなと思った。村の子の誰かだろう。もっとも、行為中の振る舞いに年齢はあまり関係ない気もするが。 ((あ……あ……ん……はぁぁ…………♥))力が抜けたような声。((はぁ……はぁ…………こんなの……知らないわ……♥ 貴方とのキス……ゾクゾクしすぎて……気がおかしくなっちゃう…………♥)) ((オマンコも疼かない? ボクのデカチン入ってても気にならなくなるでしょ)) ((え、ええ……からだから力が抜けて…………どうして……? あ、ん……♥)) 答えはなかった。また唇と舌を重ね合わせている音。一回一回が執拗さすら感じるほど長く、アイツとのキスがそんなに良いのかと呆れもした。 ((ああ……ああ……♥!)) ((うん、随分楽になったみたいだね。オマンコの具合もだいぶ落ち着いてきた)) ((あっ……あぁっ……ゆ、ゆっくりしてくれた……おかげかも……♥)) ((のふふ……時間かけた甲斐あったね……じゃあ、ちょっとだけ早くするよ)) ((えっ、あっ……ああっ……ああ~っ……♥)) 急に喘ぎがひときわ大きくなり──いや、それは嬌声だった。悦びに湿った震え声。これまでもさんざん聴いてきた声音。 まるで別世界だ──ボクは地獄の責め苦に苛まされているというのに、あちらは天国のお楽しみ。ボクが壊れて動かなくなった機械のように無機的に倒れてるすぐ傍で、ある意味実に生産的で有機的で有意義な──そう、そこの二人だけにとって、と、ボクは皮肉めいて考える──行為が行われているのだ。 ぱん太郎に抱かれているのは誰だろう。まちかな、みちるさんかな、それとも母親……いや、若い子みたいだ……誰にしろ、ボクがこんな間近にいるというのにアイツに善がらされている。きっとどちらも昂奮で汗だくになりながら夢中で交わっているのだろう。ボクなど無視して──いや、もう念頭にないんだ。アイツと性交していて女性側が最後まで余裕を保ってるのを見たことがない。 ちょっとセックスが上手いからって、男のシンボルが大きいからって……嫌がりもせずに嬉々としてアイツなんかと……。 悔しさと惨めさと歯がゆさで胸が詰まりそうだった。だけど頭は痛いままだし気分は悪いし、感覚はおかしいし、躰は言うことを聞かない。ボクはグッタリとした投げやりな気持ちで、暗闇を通してすぐ間近から発せられるセックスの生々しい物音を聞いているしかなかった。 パン、パン、パン、パンと、明らかに腰と腰がぶつかり合う音。蒲団が布擦れる音。それに合わせた女の嬌声。 ((あぁ、ああ、はあぁ、だめ、ああ、いい、これ、いい♥ これ、これぇ……♥ なん、なんなのよお……♥)) ((もう気持ち好くなってきたんだ、想像以上のん♥)) ((こんな、こんな、太いの、入れられてるのに……! ああ、深いッ、こんな……ああっ、これぇ……これぇ……♥ だめ、あっ、深い、こ、声、出ちゃう……ああっ、あぁ~……♥!)) ((やっぱりキミもヤリたくてたまらなかったんだねえ。オマンコもすっかり奥までヌレヌレだし。焦らしてたみたいでゴメンね。お詫びにもっと気持ち好くしてあげるから♥)) ((ああん、あぁ、ああ、ああん……あはあ~♥!)) どうやらさらに燃え上がってきたらしく、二人の息はいよいよ昂ぶる。腰を打ち付ける音が熱を帯びると共に、グチュヌチュという淫猥な摩擦音も聴こえ、女の喘ぎ声もより甲高くなる。この調子なら中出しフィニッシュを迎えるのも時間の問題だろう。アイツが中に出さないはずがない。 また一人、大きくなったお腹を幸せそうにさすりながら微笑む子が増えるのかも知れないのか……。 そして、それは──ボクの事を好きと言ってくれたこともあるかもしれない女の子で……。 まさか、すず……あやね──── すず、あるいはあやねがすぐそこでぱん太郎に抱かれている。 コンドームなどしていないアイツの生のペニスを抜き差しされている。 それで悦んで善がっている…… アイツにカラダを支配されて……アイツに心奪われるセックスを……! その想像がノックダウンのパンチになってくれたのか、目眩に似た意識の揺さぶりを味わったかと思うと、突如魂の力を吸い取られるような抗い難い気の遠のきが始まった。限界だったのかもしれない。しかし何にしろ大歓迎であった。すずとあやねを思い浮かべてしまったのはボクの弱った心から来る完全な邪推の産物であり、何の前触れもなく唐突に彼女たちがぱん太郎とセックスしている現場に出くわすなどといった非現実的な事態がある筈もないのだから。信じているあの二人を裏切るようなことなど考え続けたくなかった。知覚が黒く塗り潰されてゆくのをむしろ嬉しく感じた。これ以上余計なことを見たり聞いたり考えたりしなくて済む。 ぱん太郎に抱かれている子の甘い喘ぎと肉が交わる音が鳴り響く世界から、再び意識が切り離されてゆく。 この子はおそらくこの後もぱん太郎の底なしの精力に付き合わされてドロドロのセックスに沈み込んでいくのだろう。全身汗まみれで、下半身などはお互いの性液でヌルヌルになりながら……お決まりのコースだ。どんな子もアイツと性器を繋ぎ合わせているうちにいつの間にか夢中になっているのだ。あの巨根に慣らされたら最後、つい先ほどまで控え目だったのが嘘のように淫らに喘ぎ悶え、さんざん突かれまくって何度もアクメを迎えてしまうのだ。出くわした場面は限られているが、ボクが見た子たちはすべからくそうなっている。最期にはアイツの中出し射精を──種付ける気満々の膣内射精を幸せそうに惚けきって受け止めている。 だけどもう、どうでもいい……ここまでぱん太郎を受け入れている子にボクが出来ることは何もないのだから。 そうだ、今のボクには何も感じないほどの深い眠りが必要だ。こんなのはもう沢山だ。ここまで倦怠した心身を回復させたい。今はただ安らかに休息したい──。 3 二度目は頭上から声が降ってきた。 ((ああん、だめ、だめえ、指が奥までっ……感じちゃうよおっ♥)) ((ぱん太郎様って指チンポもすごいンだから……アッ、ンンッ、そこッ、そこイイわッ♥)) ((ああ、ああ、ああ、ああっ♥! チンポすごい、チンポすごいわぁ♥!)) 嬌乱の三重奏。 倒れ込んでいたはずのボクはいつの間にか壁にでももたれかかった姿勢になっていて、うなだれて下を向いた視界にぼんやりと女性特有の丸みを帯びた下半身が三つ並んで生白く浮かび上がっていた。仲良く揃って腰をやや後ろに突き出した程度の姿勢。当然のように誰も何も身に纏っていなかった。細いのに太ももとふくらはぎにはむっちり感のある六本の綺麗な生脚がボクのズボンを跨ぎ、真ん中の女の子の後ろにはアイツ以外に考えられない太くがっしりした脚が覗き見えていた。 真っ暗な中でぼやけた視界でも、これだけ間近にあると三人とも女を匂い立たせるようなしっとりとした内腿、引き締まった下腹部などがとてもよくわかる。脂肪の極めて少ないお腹の真ん中に可愛らしくぽつんと窪んだ臍がやけに官能的に映ったが、そのまったくたるみのないピチピチとした綺麗な肌で、女を感じさせるにはまだ早い筈の若い子たちだということがわかった。ただそれだけに、かえって扇情的、背徳的なエロチシズムが感じられる。 そんな生唾を呑むような三つの若い美体がほぼ同一のタイミングでボクに向かって迫るように──飽きもせず繰り返し繰り返し、悩ましく前後に揺れていたのだ。やはりボクの背後は壁なのだろう、彼女たちはそこに両手をついて立ちバックの姿勢を取っているのだ。 両視野の上端には大粒な双子の実がぶら下がっているのが見えていて、本体の揺れに合わせて左右の子のその見事に育ったバストもぷるんぷるんと盛大に揺れていた。交淫の合間合間に背後から回り込んでくる大きな手に揉みしだかれ、その先端は昂奮度を示すかのようにぷっくりと伸びていた。真ん中の子の乳房は見えない。ボリュームの格差があるのだろうか。 なぜ彼女たちがそんな揺れ方をしているのかは想像に難くない──と言うか答えは既に出ていた。正面の子は挿入されているためかからだの振り幅が大きく、ぐっと迫り出してくる時、アイツの巨根が根元近くまで突き刺さっているヴァギナがボクの鼻頭に当たりそうなところまで来て、綺麗な生え具合の和毛のような陰毛が擦ってゆくのだ。それほどの近さだった。性交の体液の飛沫が顔にかかり、ヴァギナの肉の中をペニスが往復しているグチュグチュという音さえ聞き取れてしまう。 ぱん太郎は三人まとめて後ろから相手をしていたのだ。六つの足は生まれたての仔馬のように震えながら、それぞれの指がギュッと足元を踏みしめていた。 両手も用いて三人同時に犯しているらしかった。アイツが一度に複数人を相手に乱交するのは、青姦でもたまに見かけた光景だ。何十人もの女性と関係を持つようになって、こんなハーレムセックスも日常的に行っているのだろう。 顔を上げようとしたが、依然として躰が痺れているかのように重かった。気力を振り絞れば指の一つぐらいは彼女たちの脚以上に震わせながらも動かせたかも知れない。だけれどそこまでする気力が湧いて来なかった。声も出ない。聴覚もまだどこかおかしく、ともすればぱん太郎の声すら別人のように聞こえる。先ほど──と言ってもどれぐらい時間が経っているのかも分からなかったが──の頭の中を掻き毟られるような耳障りさだけは収まっているのが不幸中の幸いだった。もっとも、セックス時の女性の声はトーンが高くなるので、耳が正常でもその人の声とは思えない時もある。 頭痛が和らいで吐き気が耐えられるほど楽になっていたのはホッとしたが、その代わり心が死んだように無気力な静謐に包まれていた。躰同様に心も動かないのだ。 しかし今の状況ではその方がむしろ好都合かも知れなかった。こんな痴態の極みを強制眼前観賞させられている中で躰が言うことを聞かず、なのに感情は生きていたら、我慢できずに発狂してしまいそうだ。 足下のボクなど存在しないかのように、四人はひたすらセックスを楽しんでいた。淫らさを開放した交わり。彼らのペニスとヴァギナが結合する様は、映画館の最前列席でもこれほどの間近さと迫力で見物はできないだろう。ケダモノの交尾と言っていいほど情熱的なからだとからだのぶつかり合いだった。見えるのがカラダだけの分、より肉々しさが強調されていた。三人ともアイツの丸太のような陰茎が入るとはとても思えないほどの腰の細さなのに、まるでマジックショーのように滑らかにヌルヌルと出たり入ったりを繰り返すのである。太い指が一本二本、時には三本束ねられて根元まで入ってしまうのも確認できる。三人いっぺんに抱え込むようにして左右の子の乳房が同時に乱暴に揉みまくられるのも何度も目の端で演じられた。頭上からチュッチュッと口づけを交わしている音と歓声も。だが彼女たちは何をされても満足そうに官能的な声や吐息を漏らすだけであった。 ぱん太郎と三人の女の子はそうやって慾望のままに快楽を貪り、昂奮のままにからだを動かし、卑猥な言葉を紡ぎ、声量を抑えもしない喘ぎ声で重唱する。眼前で繰り広げられる熱烈な性のダンス。肉慾を全開にした淫らな妖宴。 真ん中の子が「アアァッ♥♥!!」と淫らな叫びを発しながらからだをビクビクさせ、オルガズムに達すると、ぱん太郎はしばらくしてずるりと──射精はまだのようだが、してるのと変わりないほどの濃さの乳白淫液をきしめんのように垂れ落としながら──長大なペニスを引き抜き、左右どちらかの子に移ったり、端から一人ずつ順繰りに責め立てたりした。 ((のの、三人ともマンコの形や具合が違ってて味わい深いな♥ でも一つ確かなのは、どのマンコもとっても素敵で好いキモチってことのん♥)) などと戯(たわ)けたことを言いながら少女たちの後ろを渡り歩く。 自分の番が来て逞しいペニスを挿入されると嬉しそうに大きな艶声を張り上げ、女に目覚めた肉体を悦びに震わせる女の子たち。彼女たちのからだは、挿れられると何も考えられなくなるというぱん太郎の巨根にヴァギナの奥まで掻き回されて酔い痴れているのがありありとわかった。左右の子などは、((オマンコ気持ち好いッ♥!))と、正直な感情を言葉にしていた。 ((のお、せーしこみあげてきた、皆んなぶっかけてあげるよ、背中に窪み作って♥)) そう言ってぱん太郎が右側の子の後ろに移った数秒後、野太い声が発せられた。ボクの位置からは挿入の絵図とあまり変わらなかったが、おそらく尻肉にでも挟み込みながら背中目掛けて射っているのだろう、右側の子のからだがしなり、((ああっ♥! 熱い! ああッ! ああー♥!))と、嬉しそうな嬌声が何度も弾けた。 それが真ん中の子、左側の子と立て続けに繰り返された。全て一度の射精の出来事だ。全ての女の子の背中を源泉とする幾筋もの支流が生まれ、出したてのザーメンがからだのあちこちから滝となって滴り落ちる末世の光景が出来上がる。ぱん太郎の精液の匂いは鼻がひん曲がりそうなほどイカ臭く、離れた場所にいても漂って来る強烈さだが、今は嗅覚も麻痺していて何も嗅ぎ取れないのが唯一の慰みであった。 ((熱いぃ……くさいよお……♥))歓喜を帯びた右の子。 ((でも、好い匂い……♥))と、左側の子が信じられないことを言う。((背中が灼けそうなほど熱くて……気持ち好いわ……♥)) ((あぁぁ……♥ ま、また塗るの……?))と、真ん中の子。 ((そうだよ。ボクのせーえきはお肌がツルツルになるって評判なんだから♥)) ((そ、そうだったの……それなら……♥)) たった一発の射精で三人の背中をたっぷり穢したぱん太郎は、一人ずつ少女たちのからだに己のザーメンを塗り広げていった。上の方は見えなかったが、指の腹で乳首をクリクリと弄り、乳房を揉みながら胸に塗り込めるあたりからボクの視界にも入り、お腹、へそ、脇、お尻、アソコには指を挿入してグチュグチュと音を立てながら、足もつま先まで。まるで彫像に表面加工でも施しているかのようであった。いやらしく勿体ぶった手の動きは愛撫にもなっているようで、されている時の女の子の喘ぎと身悶えは止まることがなかった。白濁がタラタラ垂れる指でオマンコの中を掻き回されると、脚を卑猥にがに股に開き、本物を挿れられているように腰を踊らせるのだ。 ザーメンの全身塗り込み──つい最近も見たような気がしたが、記憶をうまく引き出せない。今回に限らず何度か見ているからデジャブでも起きているのだろうか。 その間もアイツのザーメンを全身に塗りたくられていた女の子たちは、白く濁った粘つく雫をからだじゅうから垂らしながらしきりにくねらせ、昂奮で惚けた喘ぎ声もはあぁはあぁと漏れ垂らし、何度かオルガズムにも達したようだった。異様な光景。明らかにアイツにマーキングされて悦んでいる。こんな卑猥極まりない趣向を受け入れ、楽しんでいるのだ。 ((三人とももうボクのモノのん♥)) 満悦げに言うアイツに、左右の子は、((うん……♥))((ええ……♥))とそれぞれ情の通った返事をしたが、真ん中の子だけは温度差があるように、 ((わ……わたしは…………)) と、歯切れ悪く何か言いかけた。だが、ぱん太郎がそれを遮るように、 ((のんのん。今はボクのモノだよ♥)) と言いながら挿入すると、その子の言葉は失われて嬉悦の叫びに変わり、十往復もしないうちに蕩けた喘ぎを漏らすだけの先ほどまでの状態になった。 ザーメンまみれになった女の子たちの反応はより淫逸さを増した。その惑溺した声とからだのくねりで耳と目が爛れそうな享楽の中で、ぱん太郎は真ん中の子を省き、左右の子の膣内で一回ずつ精を放った。密着した腰を押し込めながらの子作りフィニッシュ。ビュルルッッ、ビュルルッッと射精音が幽かに聴こえて来るほどだった。獰猛な精液注入を受ける左右の子は、((あ──あぁ──出てる……出てるう~……♥!!))などと快感を率直に口にし、膝が崩折れそうなほどの歓喜に身悶え、愛しい気持ちを籠めてぱん太郎様、ぱん太郎様とアイツの名前を連呼する。生殖行為の終局を迎えた男と女の意識の重心が、子供を宿す場所辺り──結合している最深部に生じているのがなんとなくわかる。ぱん太郎が本気で孕まそうとしているならば、女の子の方も本気で妊娠しようとしている──そう考えてしまうほどに。股間からやけに白い大量の粘液がドロドロと飛瀑を作るのが暗い中でも視認できた。こんな精子の詰まりまくった濃いザーメンを、あれに負けないほどの量、オマンコの中に出されている……。 ボクの見知っているだろう女の子の子宮に、アイツの精子が…………。 ((どうだい、こんな近くに行人クンがいるのにボクに種付けされちゃうのは?)) 射精する度にそんな台詞をぱん太郎が口にしたので、てっきりボクに意識があるのを承知しているのかと一瞬ギョッとしたが、二回とも単なる質問癖が出ただけのようで、依然としてこちらになどちっとも注意を払っていなかった。こんなふざけた問いかけに、 ((あぁ……ホントは……イヤなのよ、でも……あぁ……♥!)) ((だめえ……起きたら……困るよお…………♥!)) と左右の子はその時にそれぞれ答えたが、どちらもまったく困った様子ではなかった。 ((でも昂奮してない? 締まりがいつもとゼンゼン違うよ♥)) そう返されると、 ((うん……♥)) ((もう……いじわるね……♥ ぱん太郎様のせいなのよ……♥)) 二人はそう肯定の言葉を漏らし、両者とも喉を震わせながらぱん太郎と仲睦まじく繋がり続けたのだ。アイツの膣内射精を浴びて小刻みに痙攣する下腹部と両脚はボクの眼球にしっかりと映り続け、彼女たちが本能のままに甘い生殖時間を愉しんでいるのを眺めるしかなかった。 ボクと大して離れていない年齢のはずだ。本土ならどんな男子が好みだとか、誰と誰が付き合っているだとか、まだそんな段階で一喜一憂している年頃のはず。例え仮に進んでいたって、ちゃんと避妊を考えた交際をしているだろう。 ……なのに。 藍蘭島の女の子たちは子作りのためだけに自分たちの意思とは関係なく勝手に定められた男にここまでからだを許し、子孫を絶やさぬためと中出しされまくり、こんな風に精液まみれになっているのだ。制服を着て学校に通っている齢の少女たちの誰も彼もがこんな濃密な種付けセックスをしているのだ。妊娠前提の生セックスを実体験しているのだ。ぱん太郎は繁栄という大義名分があるのをいいことに、彼女たちを何度も何度もこのように犯して性の悦びを刻み込みまくり、セックス狂いにして、中出し中毒にして…………。 こんなに近くとも、もういくら手を伸ばしても届かない遠い存在のように感じられた。 頭の中にすずとあやねの姿が浮かんで来た。最後に残された彼女たちだけはこんな堕落をさせてはいけない。ぱん太郎の性奴隷にされて脳の髄まで快楽ウィルスに冒されたような淫乱女に変貌させてはいけない。他の娘たちは手遅れかもしれないけれど、まだぱん太郎の毒牙に掛かっていないすずとあやねだけはボクの手で守らなければ…………。 ((好きだった男の前でハメハメされて悦ぶなんて♥)) 右側の子と繋がっている時、まだまだ射精し続けているのだろう、密着した腰に楽しげにグッと力を篭めるぱん太郎。 ((あっ、あっー♥)) ((さっきからキミのマンコがボクのチンポギューギュー絞って、少しでも多く飲もうとしてるよ♥ いつまでも挿れていたくなるの……まったくイヤラシイ子になったなあ♥)) こんなことを言われても、右側の子は昂奮で理性がバターのように熔けてしまったような切ない溜め息をつくだけであった。まるでモデルみたいな長い脚、それでいて均整の取れたスタイル。三人の中では一番大人びたからだつきをしているかもしれない。果肉が詰まったような豊満な乳房の先端は尖塔になるほどの膨らみがまったく収まらず、滴っているザーメンの残滓が母乳のようにも感じられた。柳のような腰は射精の突き入れに合わせてゆるやかに妖しくくねり、時おりビクビクと弾むようにからだが震え、その時はぱん太郎の腰も押し込まれたまま止まる。アイツに膣内射精されているだけで繰り返しオルガズムに襲われているらしかった。 ((ののの……呑み込まれる♥ すごい底なしマンコのん、どんだけボクのチンポとせーし呑めば満足するのん♥)) ((もっとぉ……もっとちょおだぁい…………♥)) 耳が溶けてしまいそうなほど甘ったるいおねだり。その言葉に応えてぱん太郎がグッグッとさらに腰を押し込んで射精すると、((アアっ♥! ンアアーーーッ♥!!))と、背中を仰け反らせながらサカりまくった嬉声を発する右側の子。 ぱん太郎にどれだけ開発され、どれだけ侵食されれば、ここまでセックスに溺れられるんだろう。膣内射精されるだけで感じまくり、逝きまくることが出来るんだろう──と、いやらしいフェロモンを放つその子のからだを眺めながらボクは沈鬱に思った。本当にすずとあやねにだけはこうなって欲しくない……絶対に。願わくば全員昔のように戻って欲しかったが、それはもう不可能な話だ。せめてあの二人だけは……。すずとあやねまでもがぱん太郎とこんなセックスをするなど、想像するだに恐ろしかった。無事なのはもう彼女たちぐらいなのに、あの二人までがぱん太郎と子作りを始め、アイツの性のオモチャとなり、こんな風に嬉々として中出しをせがむ状態に堕ちて、アイツの子種がすずとあやねの胎内に満ち満ちたら、ボクはもう…………。 ──そして、右側の女子の膣内に十分に子種を注いだ充実感のある溜め息をつきながら、ぱん太郎は出したての真白いザーメンがタラタラと垂れているペニスをそのままスライドさせ、再び真ん中の子に挿れるのだ。それまでお預けをくらっていた貧乳の女の子は、((あっ、あ、ひあっ♥!))と腰をビクつかせながらぱん太郎の再来を迎え入れ、待ちわびていたかのように熱い吐息を漏らす。 ((ああっ♥! あっ、あっ、あっ、あっ、あ~っ♥!)) 真ん中の子が嬉声を上げて善がる中、ぱん太郎は腰を振りながら言った。 ((の~、キミのナカもすっごく具合好くなって、もうたまらないのん……そろそろ中で出してもいい? ガマン汁ばかりドバドバ出ちゃってさあ、いい加減キミのオマンコの中でも射精したいのん。キミの子宮にもボクの精子を注ぎ込みたいの♥)) ((あっ、あっ……だめ、だめ……それは……それだけは……だめよぉ……♥!)) これだけアイツのペニスに狂っておきながら、中出しは拒むなんて──と、ボクはちょっと新鮮な驚きを与えられた。 と同時に、カウパーだけでも孕んじゃうだろう……という呆れも。藍蘭島の子たちにはそんな知識無いんだろうが。 ((さんざん気持ち好くして貰うだけ貰って、中出しはイヤだなんて……随分と我が儘な子ね。まあそのおかげで、ぱん太郎様ったら私たちのナカでばかり果てて下さるけど……♥)) ((な、中……中には……出さない……約束ぅ──ぅんんっ♥ んああっ……♥)) ((中で出されるのって……すっごく気持ちいいんだよお…………♥)) と、出されたばかりの右側の子が溶けたバニラアイスクリームのようにこぼれ落ちるザーメンをアソコからドロリドロリと溢れさせながら、やはり快楽に溶けた声音で話す。 ((もうね、たまらないの……♥ ぱん太郎様のおっきなおチンチンが、ナカでもっとおっきくなって、オマンコの奥で暴れて…………すっごい勢いの射精が……何度も何度もお腹の底を叩いて……♥ 熱くて、熱くて、ゾクゾクして、もう……言葉にならないの…………♥))我を忘れたようなうっとりとした声。一回だけでは足りないと言わんばかりに物欲しそうに踊るヒップ。((お腹の内側から全身が溶けちゃいそうで、カラダじゅうが痺れて……ぱん太郎様と融け合っちゃうの……♥ 赤ちゃんが出来る場所にぱん太郎様の子種が来ちゃってる……種付けられちゃってる……赤ちゃんが出来ちゃうんだって……そう考えると、もうね…………♥ アソコがキュンキュンして、頭が真っ白になって、もっと気持ち好くなっちゃって……何も考えられなくなって……いっぱい、いっぱいイッちゃうの…………♥)) ((そ……そんな……ああ…………♥!)) ((そうよ……これ以上気持ち好い事なんてないって思えるぐらい……素敵なんだから……♥)) ((中出しで逝くのはオンナとして最高の幸せのん♥)) 得意げなぱん太郎の声が彼女たちの後ろから聞こえる。 ((オンナなら絶対に知ってほしい体験。ボクとしてはキミにも味わって欲しいんだけどなあ。約束しちゃった以上、ボクの方から破って無理やり中で出すなんてしないけど。ヌシの名に賭けてね。 だけどさ、キミさえ考え直すなら話は別の。喜んでタップリと中で出してあげる♥)) この会話の途中から肉棒の抜き差しの頻度が急減していた。ぱん太郎は深く突き入れて密着状態になったまましばらく止め、数秒後にようやくゆっくりと引いていくのを繰り返していた。喋っているからというのもあるのだろうが、おかげでボクは巨根を深々と咥え込んだヴァギナが正面にずっと留まるのを見せつけられるという苦行を蒙ることになった。厚ぼったい大陰唇が限界まで割り開かれ、鉄柱みたいな芯が走るぱん太郎の剛直をヌルヌルと呑み込む。その下には呆れるほどデカい陰嚢が顔を覗かせ、既に何度も射っているというのに、まだまだ詰まっていそうな精子を吐き出したいと言わんばかりにパンパンに膨らんでいた。この特大大入り袋がしなびているところを見たことがない。 ((ほら、ほら、欲しくない?)) 口ではしないと言っていても、この動作は膣内射精させろと要求しているも同然であった。女という女を落としている決め技がもういつでも披露できるぞと、何億何十億──いや、ぱん太郎の場合は何百億、何千億かもしれない──もの精子を真ん中の子の子宮にも送り込む準備は整っているぞと最終通告していた。ボクの目の前で。 ((あぁ……あ……あぁ……! でもおぉ……だめぇ…………♥)) 真ん中の子はそう拒みながらも、その喉は甘く震え、ぱん太郎の要求が最奥まで届く度に左右の子より肉付きの薄い──でも十分な魅力がある──艶やかな太ももを奮わせ、踵を浮かせ、しっかりと受け止め続けている。口では躊躇いながらも、この子のカラダも間違いなく雄と肉を交わらせる悦びに目覚めてしまっている。アイツに惹きつけられている。数十センチも離れていない距離でヌチュリ……ヌチュリ……と、長回しのような勿体ぶった抽送が続く中、粘り気のある糸を長く引く白濁汁が結合部からひっきりなしに真下へ零れ落ちるのが闇に慣れた目に入ってきていた。愛液か、アイツの出したカウパーか、それともその両方が混ざり合ったものか──おそらく最後だろう。この子の膣の中で撹拌されて一つの体液になっているのだ。 この二人も十分なほどの深度で性器を一つに結合させていた。膣内射精を拒んでいるとは思えない発情ぶり、蕩けぶりの真ん中の女の子。あの長いペニスをこれだけ深々と突き刺されているのだから、子宮まで届いているのは間違いないだろう。ぱん太郎のことだ、既にこの子の子宮口も探し出し、射精と変わらないぐらいのカウパーが溢れまくる亀頭を押し当て、子供部屋の入り口に精子を塗りたくっているかもしれない。外からは判りっこないが、腰の動きといい、常にからだをビクビクさせている少女の反応といい、ぱん太郎なら可能性は充分ある気がした。どちらにせよ、膣内射精する前からこの子のヴァギナには十分な生殖能力がある体液が溢れ返り、中出しするしないなどという茶番問答をしている間にもこの子の子宮にアイツの精子が転がり込んでいるのは間違いない。当たると評判の子種が続々と……それは間違いないのだ。 今この瞬間にも、この子の卵子とぱん太郎の精子が結合し、受精が果たされてしまうかも知れない。ぱん太郎とこの子の子供が作られる。そんな事も知らずに、この子はぱん太郎のペニスを受け入れている……。 この子は誰なんだろう。 (ん……?) 何かが引っ掛かったが、それを思い出そうとした途端に頭に混濁が広がり、忘れかけていた頭痛が蘇る。 (く……!) 何にしろ子作りは実質もう始まっているのだ。ぱん太郎はさきほど約束は守るとか何とか言っていたが、やはりとんだ詐欺野郎だ。コイツ自身はこの子を孕ませる気満々だ。後は当人の言質を取るだけなのだ。 ((ダイジョブダイジョブ、絶対妊娠するとは限らないし。この子たちだってまだなんだよ。こうやって行人クンを差し置いて数え切れないほどうんと中出ししてるのに)) ((そうよ……私たちも早くぱん太郎様の御子を身篭りたいんだけど……案外すぐ出来ないものなのよね……)) ((あっ……ああっ……ああっ……♥)) 真ん中の子は喘ぎ声を返すしかない。 ((それに)と、ゆったりとだが情熱的に抜き差しを続けながら言葉を重ねるぱん太郎。((キミのオマンコ、さっきからすっごく切なくボクのチンポを締め付けて来てるんだよ。奥が膨らんでる。精液溜まり作ってるんだ。用意万端、早く射精して欲しいって合図。キミのカラダはボクを欲しがってる。ボクの子種が欲しいって。だからボクもこんなこと聞いてるの。中出しされなくて苦しいのはキミも同じだから)) ((あっ……あっ……ち……ちが……♥)) ((一回だけ。一回試してみるだけ。どう、それなら悪くないんじゃない? ほら、ほら♥)) ぱん太郎は両手も真ん中の子の腰に添え、完全にその子だけに責めを集中していた。 ((あっ……あっ……ああっ……ああぁーっ♥!)) グチュ、ヌチュ、グチュ、ヌチュ 徐々に早くなる抽送。それにつれて真ん中の子の下半身のわななきも強くなる。テンポを維持しつつ深いところ浅いところを交互に責めるねちっこいやり方。時々角度を変えながら、相手の反応を見ながら、厭らしいほどに女の弱い部分を知り尽くしているような腰遣い。 グチュ、ヌチュ、グチュ、ヌチュ ((あっ……はあっ……はあぁっ……ああぁーっ……♥!)) ((ね? この二人もまだ妊娠してないんだから、一度ぐらいならダイジョブだよ。行人クンにも見せてあげなくちゃ。キミが女としてステキな経験するトコロ♥)) そんな所見たくない──だがピクリとも動けない人間がそう考えただけで伝わるわけもなかった。 ((い……一度…………だけ…………?)) ボクの心がひんやりとする。その時、真ん中の子の口調が変わったのだ。 ((そう、一度だけ))アイツも気付いたようで、声音に愉悦が篭った。((ただの練習だよ、練習。子作りの練習さ。一度だけなら大したことない。ちょっと試してみるだけ♥)) ((ちょっと……だけ…………♥)) 湯気が立っていそうなほどの生温かい吐息が途切れることなくボクの頭頂に降りかかっていた。気持ち好さをどうにか堪えている下半身のわななき。この子の心がどちらに傾きかけているのか、表情が見えなくても大体判ってしまった。 アイツに騙されているのかもしれない。この場の淫らな雰囲気に呑まれているのかもしれない。でもこの子は今、妊娠に対する不安よりも性的昂奮やいやらしい好奇心が勝っている。そんな気がしてならなかった。 ここに至るまでにも存分に快感を味わったのだろう、気持ち好さに流されるままに、ぱん太郎に中出しされても構わないという気持ちが芽生えている。膣内射精を経験してみたい気持ち。普通だったらとても考えられないことだ──と、思う。結婚したわけでもない男に一度だって生で中出しを許すなんて……! だが、ボクに言わせてもらえれば、今の村は異常であった。結婚している大人の女性たちですらぱん太郎との生セックスを楽しんでいるのだから。この島に避妊具など都合良くあるはずもなく、女の盛りを迎えた母親たちでも中出しされまくっている。アイツは彼女らも孕ませる気なのだ。旦那さん達の事はもう忘れてしまったのか──そう思うほど、誰も彼もが気持ち好さそうな蕩け声を上げ、ぱん太郎の太い腰に精一杯脚を絡め、最終的にアイツの膣内射精を迎え入れていた。まったく異常な世界だった。 母親連が道端で喋っている所を偶然通りががり、物陰から立ち聞きした時があるが、腰が抜けそうなほど気持ち好く交わった最期、射精している時のアイツのペニスの脈動と物凄い勢いで噴き出すザーメンの放流が胎内で長々と続く感触が病みつきになりそうなほどたまらないのだそうだ(似たような、と言うか同じ話は女の子たちもしている)。少女のように頬を染めながらえげつない内容を平然と話している母親たちの顔に罪悪感など浮かんでいなかった。本当に楽しんでいるのだ。夫のいる彼女たちまでもがこの有り様なのだから、もう村の意思は統一されているんだな……と判断せざるを得ない。なりそうではなく、もうなってるじゃないか、と苦々しく呟きながら隠れていた物陰を離れて道を変えたものだった。 そんなにもアイツとのセックスが良いのか。セックスが上手いのか。上手いからと言ってこんな奴の子供が出来てしまうかもしれない交わりを許容するのか。仕事もせずにただ女を抱いているだけのろくでなしに……。ボクにはとても理解できなかった。 見方によっては、この子へもこんなまだるこしく言葉での説得をせず、強引に膣内射精に突き進んでも、言葉では拒んでも嬌声を上げながら嬉々とした態度で受け入れてしまうのではないか。他の女性と同じように──そんな気配がこの子にはあった。 こんな奴を……こんな奴なんかと……! ((のお……オマンコトロットロ♥ チンポだけじゃなくて精子も欲しいって訴えてるのん。もう我慢できないでしょ? たまらないでしょ?)) ぱん太郎はそう言いながらスローテンポを捨てて加速しだした。射精へ向かう速さと打ち付けの強さに。 グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ! ((ああっ、ああっ、ああっ、ああッ♥!!)) ラストスパートへ至ろうとする勢い。ぱん太郎の出っ腹、腰、腿、陰嚢が真ん中の子の小ぶりなお尻を包み込むようにパンパンパンパンと当たる。眼前でペニスが忙(せわ)しく出し入れされるため、夥しい体液の飛沫が顔じゅうにかかるのを避ける事も叶わなかった。 グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ! ((もうボクのチンポも限界、早く決めて、ナカで出すか、出さないか、イヤならこの気持ち好いチンポ、他の子にあげちゃうよ♥ キミのオマンコが仕上げたのに、最後の美味しい部分、他の子が食べちゃうよ♥)) グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ! ((ああっ、ああっ、ああーッ、ああ~ッ♥!!)) 脳の髄まで惑乱したような嬌声が甘く高く響く。 ((ホラ、ホラ、約束なんてどうでもいいでしょ、楽しも、一回だけ、試してみるだけ、大丈夫だよ、ホラ、ホラ、ホラッ♥!)) グチュッグチュッグチュッグチュッ! まだ膣内射精だけは受けていないヴァギナが白濁の雫をしぶかせながら激しいラストスパートに蹂躙される様をボクはただ見ているしかなかった。 ぱん太郎に中出しされるのを拒んでいた少女。だが、その最後の砦がアイツの攻撃によって陥落する瞬間の証人にボクはなろうとしていた。 とは言え、ボクが気付いた時にはとうに門という門は打ち破られ、砦の中は好き放題に荒らされ、本丸を残すのみの状態であったが。途中観戦者からすればその本丸も侵略者達が雪崩れ込み、完全占拠寸前であった。総大将は精強な敵兵に取り囲まれて逃げ場を失い、今にも武器を落として降伏しようとしている。守りきれなかった──本当に守ろうとしていたのだろうかという疑問もあるが──大切な最後の一線を自ら捧げようとしていた。攻め落とされるのが決定付けられていたかのようなあまりにも脆い砦であった。 ((あー出る出る、何も言わないなら抜いちゃうよ! もうハメてあげないからね!?)) グチュッグチュッグチュッグチュッグチュッグチュッグチュッグチュッ!! ((あ、あ、あ、だッ、だめェッ♥! 抜いちゃだめェッッ♥!!)) ((のの!?)) とうとう。 口にしないで欲しかった言葉が──発せられた。 ((い、いいわ、一回だけ──……ならッ♥!)) その瞬間、突き入れられたぱん太郎の腰は戻らなかった。 ((のッ──オオオッッ♥♥!!!!)) 勝ち鬨のような野太い咆哮。 とうとう──降伏の白旗が揚がったのだ。 ボクの視界が真っ暗になる。ぱん太郎がさらに突き押したのだ。ボクは真ん中の子のお腹で顔全体を押し潰されてしまい、ちょうど臍の部分に鼻が嵌る体たらくになった。アイツの体液で穢されてぬるぬるした肌は赤ちゃんのようにスベスベで柔らかく、熱く、瑞々しい弾力があった。 ((のオッ! オオオッ!!)) ((あああッ♥! あああああッッ♥♥!!)) その子の甘い嬌声がひときわ高く鳴り響くと共にお腹の中から振動が伝わってくる。横隔膜の震えとアイツのペニスの脈動の重なり。それを感じている暇もなく、顎のあたりに当たっている熱い結合部からゴポゴポ、ゴポゴポと大量の粘液が溢れ出してきた。 ((のおお……出る……出る……! いつもより沢山……出るッッ♥!!)) ((ああ……ダメ……ああ……ああ……あああぁ…………♥♥!!!!)) ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン! ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン! ((ああっ出てる♥!! これが……これェ……♥!! ドクドク、いってるぅ♥ すごい、すごいっ、すごいわあ……♥!!!!)) 息ができないほど押し付けられたヌメヌメとしたお腹の奥で太鼓が勁(つよ)く打ち鳴らされているような鼓動が響き続ける。ドクン、ドクン、ドクン、ドクン! これがぱん太郎の射精の脈動か……こんなにも激しく震えるのか。いつか見た樹冠を飛び越えて行ったザーメンを思い出す。あんな放精が今、十センチ程度しか離れていない閉ざされた空間内で繰り出されているのだ。零距離射撃。超弩級の大砲が轟音を発しながら、この子の子宮に直接、物凄い炸薬量の精子砲弾を撃ち込みまくっているのだ。結合部から際限なく溢れ返るドロドロの白濁でボクの顔面もくまなく汚された。 ((出す、から……には、……孕ます……つもり、……だからねッッ!!)) ((そ、そんな、そんな……アアーーーーッッ♥♥!!!!)) 突き上げるようにグンッグンッと射精のタイミングで奥深くまで挿入するぱん太郎と、それを受けて大きな喘ぎ声を張り上げる真ん中の子。 一回だけ? 左右の子はまだ妊娠していない? たった一回だけであっても、こんな射精を受けて、妊娠しないなんて信じられない──── ((──ア──ア────アァ──────♥♥♥♥!!!!)) その子の子宮をも我が物にせんとする獰猛なほどの膣内射精が続く中、絶命の悲鳴にも聞こえるそれは、まぎれもなく悦びの断末魔だった。浅ましいまでの肉慾に満ちた本能の叫び。 ((アァ──アァ──すごい──すごぉいぃ────♥♥!!)) ((のおお……吸われる……! のおおお…………!!)) 吸われる──真ん中の子もヴァギナをこれでもかとばかりに締め付けているのだろう。拒んでいたはずなのに、いざこうなってしまえば、本能が命じるままにぱん太郎のペニスを、ザーメンを求めるなんて。アイツの子種で妊娠してしまうかもしれない──しない方が有り得ないと思えるほどの密度の射精を、こんな特濃の精液の中出しを……! ドクン、ドクン、ドクン、ドクン! ドクン、ドクン、ドクン、ドクン! 決して引き抜かれることのないぱん太郎のペニス。女の子の絶え絶えの嬌声。いつまでも終わることのない終焉の鼓動。新しい関係が生まれた祝福の打鐘。誰かもわからないのに恋が敗れたような音色の響き……そんな感じだった。 生殖を追求する密着と射精押し込みは無制限に果てしなく続いた。 こうしてまた一人の女の子が完全にぱん太郎に奪われた。肉体だけでなく未来までもぱん太郎と結ばれた女の子が新たに誕生した瞬間。ボクはそれを見守る道化の仲人のようであった。 4 姦(かしま)しい鳥の囀りが聞こえる。 その元気な音色に誘われるようにゆっくり瞼を開くと、黒ずんだ渋茶色の天井が映った。材質も木目模様もすずの家とはまったく違う。 しばらくぼんやりと眺めているうちに、徐々に意識がはっきりしてくる。 (…………ここは……?) 蒲団に寝ていた。見知らぬ柄。上体を起こすと、うっと目を細める。ちょうど正面に縁側があり、雨戸も障子もすべて開け放たれていて、眩しいほどの明るい日射しが部屋中に満ちていたのだ。 ──だがそれは寝起き直後の現象に過ぎなかったようで、すぐに慣れて来てそれほどの光量ではないのに気付く。むしろ壁一面をくり抜いて飾られたような景色のほとんどは樹木の緑で覆われていた。 縁側の端に誰か座っていた。 白リボンのツインテール──あやねだった。 「あ、起きたのね行人様!」 小鳥の唄声が聴こえて来る青々と茂るブナ林に囲われた中庭を眺めていたようだが、ボクの気配に気付いて彼女は振り返りながら立ち上がり、室内に入って枕元に正座した。あの洋服のままだ。心配そうにボクの顔を覗き込んで来る。 「大丈夫? かなりの間眠ってたのよ」 「う、うん……?」ボクは生返事をする。半ば茫然自失状態であった。「ボク……眠ってたの……?」 「行人様、一度も目が覚めなかったの?」 「ああ……ずっと夢を見てた気がする」飛び抜けて質の悪い、と心の中で付け加える。 「そう……」と言ってからしばらく間を空けた後、あやねは再び喋り出した。「今はお昼よ。お腹空いてない? 何か作りますわ。行人様が寝てる間に食材は採っておきましたの。時間はあったから」 お昼……ずっと眠ってた……。 そうだ。ボクは確か──見廻りをしていて。あやねとは途中で遭って一緒になって、雨が降り出したから雨宿りにこの廃屋に来て。そしたら先客のアイツと出くわして……アイツはここでセックスしてて……相手は蒲団を被ってて誰か判らなくて……それから……それから……どうなったんだっけ? 頭を抑えながら考え込む。ぱん太郎とセックスしているすずとあやね。セックスの生々しい声と音だけしか聞こえない場面。下半身しか見えない誰か三人がぱん太郎と4Pしているところ。それらの断片がフラッシュバックのように脳裏に浮かんでくる。段々頭がクリアになってきた。無論、これらは夢だ。どこからが現実でどこからが夢なのかの区切りが明確になってくる。 掛蒲団を剥がして自分の服を見下ろす。女の子たちの汗や愛液、特にぱん太郎のザーメンがこれでもかというほどボクにも掛かったはずだが、どこにもそんな形跡はなかった。蒲団も綺麗なものだ。部屋の中も見回してみたが、やはり性行為の残滓などなかった。すべて夢の中の出来事。 「……ボク、どれぐらい眠ってたの?」 「え、ええっと……一晩、かしら」 「一晩も……」 ここでぱん太郎に遭ったのが確か夕刻ぐらいだったから、おそろしく長い間寝ていたことになる。そんなに疲労が蓄積していたのだろうか。記憶が定かなら、蒲団を被って正体を隠した女性が仲睦まじそうに手を繋ぎながら騎乗位で腰を振っているのを見ていたのが……やはり最後だった気がする。 「……でも……なんでいきなり意識が無くなったんだろ……」 「さ、さあ……」 「あ、そうだ! ボクが気を失ってる間、アイツに変なコトされてないよね!?」 「え!? え、ええ、もちろんよ。あの後……二人は帰って行ったわ」 「そうか……」 ボクは安堵の溜め息を吐いた。そして、あやねは相手の女性を見たのかな、と頭によぎって、 「ち、ちなみに──」 と言いかけて、やはり止めた。ぱん太郎のセックス相手が誰だったか聞くなんて、何だか助平心が働いているようなやましさを感じたのだ。 不思議そうに小首を傾げたあやねだったが、その時に突然ボクのお腹がグウーッと強く鳴った。 「!」 思わず赤面してしまう。 あやねは可笑しそうにフフッと微笑みを浮かべ、 「まあ、行人様ったら。お食事の用意をしますわ」 と、隣の居間へ移っていった。ボクも蒲団を抜け出し後を追った。最初の一二歩はフラフラして踏ん張らねばならなかった。 囲炉裏に座ると、あやねはどこからか見つけ出した取っ手付きの鍋を天井から吊るされた鉄瓶と付け替え、常に少量携帯しているという塩と味噌で味付けし、山菜も入った美味しいキノコ汁を作ってくれた。 汁を啜っている間、ボクの頭の中には夢のことが常によぎり、ついチラチラとあやねを見てしまう。あやねは視線に気付く度に顔を上げ、笑みを返す。その表情がなぜか輝くほど綺麗に見え、面映ゆくなったボクは目を逸らしてしまった。 「なあに、行人様。さっきからチラチラ私を見て」 「い、いや、何でもないよ……」 あやねに変わったところは特に見受けられない。でも何だろう。この妙に胸がざわめくものは。違和感と言うか、何というか……。 すると、あやねがテールをいじりいじりボクに問いかけてきた。 「私……」 「え?」 「ま、前より……き……綺麗に……なったかしら……?」 「へっ!?」 唐突な質問にドキッとするボク。思わず手に持っていた椀を汁が零れるほど揺らしてしまった。 「ああっ」 それほど熱くはなかったが、動揺したボクは大げさな声を出してしまう。 「あ、服が……」 立ち上がろうとするあやねを、「大丈夫大丈夫」とボクは手で制止し、ウェストポーチに入れていた手ぬぐいで汁のかかった箇所を拭き取る。そうしながら、 「き、綺麗だよ」 と、拭いている箇所から目を離さずにぼそりと言った。 「え?」 「あやねさ……綺麗だと思うよ。きょ、今日は特に」 「えっ!」 今度はあやねが汁を零し、ボクの手拭いを貸すこととなった。 「……ありがとう、行人様…………」 そう感謝の言葉を述べて微笑んだあやねの顔は、確かに美しく映った。どこか今まで以上に。 食事を終えるとあやねが近くの小川から汲んで来てくれていた水で鍋や食器の汚れを裏で洗い落とし、動かした物も軽く掃除して元の場所に戻すと、ボクらは戸締まりをして元木地師の家屋を後にした。 昨日の雨などなかったかのように空は晴れ渡り、気持ちの良い好天であった。こんな天気の日はいつまでも外で過ごしていたくなる。藍蘭島の豊かな自然は悪夢に苛まれるボクの心を癒してくれるようであった。 「すず、心配してるだろうなあ。何も言わずに一晩帰ってないんだから」 「……そうですわね……」と、どことなく力のない相槌を打つあやね。「でも……きっと、待ってますわよ。行人様のこと」 「そうだといいけど」 「ええ…………」 * * * * * * * * * * ………………。 実は一晩ではなく、二晩も行人は寝込んでいて。 昨日、あやねが掃除や洗濯などをしながら行人を看病しているところへ昼過ぎに再びぱん太郎が姿を現し、困惑しながらも気丈に振る舞う彼女をふいに強引に抱き寄せて、前夜さんざんに可愛がり最奥で種付けを味わわせた箇所を弄くりはじめると、快楽に浸かった記憶があやねの心身に一気に蘇り、からだがカッと火照って力が抜け、ぱん太郎の愛撫をそれ以上拒むことが出来ず── 寝息も立てずに横たわっている少年のすぐ脇で唇を奪われてねっとりとした口づけを交わすと、あやねの表情はトロンとしてしまっており、今度はぱん太郎の手で一張羅を脱がされて本格的な愛撫が始まったのだ。 最初の晩は途中からすずとまちが加わったが、今度は彼女ただ一人で抱かれ続けた。薬が切れている筈の行人がいつ起きるかわからないからせめて見えない所で、というあやねの懇願で途中から居間に移ったが、そこからは正真正銘ぱん太郎と二人きりの時間となった。 一昨日と同じように肉棒奉仕をやらされてまた全身に精液を引っ掛けられて塗り込められ、性感が十二分に開かれるほど時間をかけた愛撫と前戯で蕩かされ、発情して蜜汁を垂らす秘肉に我慢汁滴る肉棒を当たり前のように挿入されると、多少苦しみながらもすぐに痛みを忘れて喘ぎまくるようになった。キスを何遍も繰り返し、いやらしく舌を絡み合わせるやり方をあやねは覚えさせられた。そうしたキスをした後で再び律動が始まると、あやねの喘ぎ声の潤みぶりはよりいっそう深まり、逞しい男根を迎える蜜壺はジュンジュンと濡れた。昨日まで処女だったとは思えないほどの順応ぶりであった。 そして、「昨日から時間たってないしまだ一回の範疇のん」などという理不尽な屁理屈で中出しを要求して来る男に、初めての時のように多少逡巡ながらも、結局のところあやねは許してしまった。脚を開きっぱなしに、のしかかられて烈しいラストスパートをされるがままに受け止めたのである。その烈しさがたまらなかった。射精されたいという慾求が、心か、躰か、あるいはその双方の奥底から湧いて来て、すっかり蕩かされた状態になってしまい抗いきれなかった。お腹の奥が溶けるように熱かった。それが心地良くて堪らなかった。まだ前回出された子種が残っている筈であったが、許可が降りた途端、ぱん太郎は一度目と同じくそこで肉棒を弾けさせ、さらに量を加えたのだ。何分もかけて最後の一噴きまであやねの子宮に濃厚な精液を浴びせ続けた。あやねはあやねで隣室に行人がいるというのに頭もからだも痺れるままにぱん太郎の熱い脈動と迸りを心ゆくまで感じてしまい、果てしない充足を覚えてしまい、種付けされている間に何度も官能にからだをくねらせ、絶頂に登り詰めた。気付くとシャーシャーと失禁しているまでに…………。 それでも二人は結合したままであった。昨夜に続いて二度目の膣内射精が終わっても、お互いに見つめ合いながら動かず余韻に浸る──。 こうなると性豪魔に歯止めは効かなくなった。日が暮れるまで一度も引き抜かれることがなく、さらに五発も濃度の衰えない白濁汁があやねの膣奥に注がれ、白リボンの少女はそれ以上に逝った。「昨日も言ったけど、中出しするからにはボクは孕ませる気でやるからね♥」と言われても、膣内射精を受ける度にあやねは昂奮と恍惚にまみれた表情で女らしく啼いた。ヤダ、イヤ、ダメと口では言いながらも本当に拒む様子は全くなかった。射精されている時、ぱん太郎にしがみつきさえした。腰を逃がすことはなかった。彼の重量を乗せた巨根の抽送と怒涛の精液噴射の気持ち好さはそれほどだったのだ。それなのに痛みや苦しさなど感じない交接。ぱん太郎はその辺ちゃんと考えて体勢を選んでおり、全体重を乗せるような事はしない。皆の言う通り、何もかも忘れてしまうほどだった。観察した通り、これまで経験したことのないほどの悦楽。いつしか自然と自分から腰を動かしてしまっており、蜜壺は嬉々としてぱん太郎の肉棒を締め付け、後から後から注ぎ込まれる種付け汁を滾々と飲み込んだ。それとない誘導もあったが、本人の気づかないうちにあやねは浅ましくぱん太郎と性器を繋げ合うようになっていた。彼女が見てきた女たちの痴態のように。彼女自身は未だ戸惑いがあるつもりでも、処女を卒業したばかりなのにアソコはトロトロに蕩け、苦もなくぱん太郎の巨根を迎え入れて夢中になっていた。快楽で頭が真っ白になり、行人のことを忘れてぱん太郎を──行人のではない子供が出来てしまうかもしれない体液の噴射を全身で感じていたのだ。 ──その少年がすぐ隣の部屋にいるというのに。 行人がまだ死んだように寝入っているのをそっと確認した後、ぱん太郎が携えて来ていた弁当で簡単に食事を済ませると、腹を休ませる間も取らずに大男は隆々とそそり立った大剛茎を見せつける。それはまだ二人の体液で濡れたままであった。「いくらやれば気が済むのよ……」とあやねは愁眉を浮かべつつも、頬染めてあーんと口を大きく開き、男の股間へと潜ってゆく。 ──ほのかな甘みのある白濁汁があやねの食後のデザートとなった。 虫も寝静まった夜半になっても二人は息を熱く騰がらせ、場所や体位を変えながら汗だくになって下半身を繋げ合い、舌を絡ませた口づけを交わしていた。一度は行人が寝ているすぐ傍に連れられてあやねはぱん太郎と濃密なキスをし、肉棒をしゃぶり、命じられて自分の指で白濁まみれの肉唇を開いて穴を見せて、「ぱん太郎様の逞しいおチンチンを挿れてください……♥」と言わされて時間をかけてゆっくり肉棒をズプズプと挿入され、その快感で声を出して逝きそうになり、いや逝ってしまい、隣に行人がいるのを忘れるほど腰を打ち付けられた末、長い長い中出し射精を恍惚と受け止めた。その間、あやねは声を漏らさないようにするので精一杯で、それでも何度も大きな艶声を張り上げそうになった。手を伸ばせば愛しい存在に触れられる距離で、メス肉の坩堝と化した柔穴は熱烈に蠢いてぱん太郎の逞しいオス肉を搾り取り、自分が種付けられていること、そして種付けている存在のことだけで頭をいっぱいにする。いつしかあやねの膣はぱん太郎の大魔羅を根元まで滑らかに咥え込んでいた。 囲炉裏の火も落として真っ暗になった中、行人の耳に届くのを恐れてか言葉数の少ないあやねに、ぱん太郎が「出すよ」と耳元で囁くと、白リボンの少女はもう躊躇も見せず、小さな喘ぎを発して中出しを待ち受ける。男女の切羽詰まった喘ぎが重なり、カタカタキュッキュッと板を忙しく擦る物音が急に止まったかと思うと、 「──あぁ……ああぁ……ッ♥!!」 「ののお……♥!」 と、両人の短くも鋭い呻き声が上がり、途中からはあやねの惑乱したような声だけが途切れ途切れにいつまでも続く── 約束など無かったかのようにあやねの胎内で猛烈な射精を繰り返す剛根。そんな聞かん坊のオス肉を迎え入れた蜜洞の入り口はキュウウッと切なく窄(すぼ)まり、逆に奥は少しでも多くの精液を溜め込まんとばかりに膨らむ。あやねの生殖器は喜びに満ちたようにいきいきと活動していた。どんなに空間を開けようがひと度射精が始まれば瞬く間にぱん太郎の精液で満杯となり、其処は紅蓮の熱源となってさらにあやねを悶えさせた。白濁の地底湖が生まれても、突き立った肉棒の先端はなおも子宮めがけてビュルビュルと勢いよく噴き出すのであった。 日が昇り森の中を歩けるぐらいに辺りが白んだ頃、行人を誤魔化す幾つかの言い訳を教えると、ぱん太郎は手早く帰り支度をした。律儀に戸口まで見送りに立った裸のままのあやねに別れの口づけをし、興が乗ったのでついでに玄関横の外壁で立ちバックで最後のひと注ぎをする。薄い胸を掌で捏ねるように撫でながら、射精時だけで5分は腰を押し付け続けていだだろうか。壁と足元に小便をしたような精液溜まりが作られた。からだじゅうはおろか上下の穴の中からもぱん太郎の精臭をプンプンさせたあやねは、もう彼の言うがまま、為すがままであった。 そうしてから、「じゃ、これからもたくさん女を磨く練習しようね♥」と耳元で言い残し、ぱん太郎は鼻歌交じりに去って行ったのである。 その背がまだ薄明を残すブナ林に消えるまで、あやねは精液溜まりにへたり込みながら潤み澱んだ目で見守っていた。快楽にふやけ緩んだ唇。二日に渡ってさんざんに肉棒を味わわされ、たっぷりと子種を胎内に注がれ、今も煮え滾るように熱い白濁をドロドロと溢れさせる下腹部に手を当てながら……。 ………………。 そうとも知らない行人は、やけに微笑みが美しく感じるようになった少女と連れ立って帰途に就くのであった。 (つづく?)